78 / 83
25
しおりを挟む
それが、いつの時代のなんという日だったか。『ユーダレウス』はやはり覚えてなどいない。
ただ、雲一つない、わざとらしいまでに真っ青な空がどうにも忌々しくて、一面曇っていたらいいのにと思ったことだけは確かだ。
その日『ユーダレウス』は、何度か訪れたことのある山間の村に足を運んだ。
しかし、赴いたそこは既に滅んでいた。
たしか、小さな村だった。人はどこかよそよそしく、ほとんど会話らしい会話をしなかったと記憶している。無理もない、旅人をもてなす余裕などない貧しい村だったのだから。
何か困りごとはないかと聞いても、礼はできないからと戸を閉ざすばかりだった。村人に黙って痩せた畑に獣除けと実りの魔術を使い、そっと後にした場所だった。
今はもう、人影など欠片もない。それどころか、廃村となって久しいことを思わせる土埃の匂いがした。
家々の屋根や壁は崩れ落ち、朽ち果てた床板の隙間からは生命力逞しい草花が芽吹いている。家々や畑、牧場などを繋ぐ土を均しただけの道も、ほとんど道として機能しなくなっており、代わりに地を這うような背の低い草が蔓延っていた。
疫病か、災害か、戦禍に巻き込まれたか。はたまた賊に襲われたか。それを推しはかることすらできない。年月は村の滅びの原因までも朽ちさせていた。
深呼吸をすれば、山特有の澄んだ空気が肺を満たした。『ユーダレウス』は、比較的壁が多く残っていた家屋の跡を借りて、今晩の宿とすることにした。
こういった人間の痕跡が残る場所では、幽霊がでると怯える弟子もいたが、『ユーダレウス』は何とも思わなかった。この世界に肉体を持たず、魂だけで動く人間は存在しない。
適当に集めた枝を組み、マッチを擦って火をつける。不規則に揺らぐ炎の舌先が、まだ明るいというのに仄暗い空気に温度を与えていく。
この村に何もしてやれなかったことを、己の無力さを心から悔いるべきだと思うのに、ひとつもそんな気分にはなれそうになかった。
悠久の旅の中でこれまでに何度もこうなった場所を見てきた。そこは、この村のように小さな村であったり、それなりの大きな街であったり、国であったり様々だった。
『ユーダレウス』は確かに優れた魔術師だ。しかし、この世界にたった一人しかいない。
生き残った魔術師を含めても、世界が移り変わる速度には、到底間に合わないのだ。
間に合わないと悔やむことにも慣れてしまっていた。心に痛みを覚えることもない。また一つ、自分は置いて行かれたと、頭の端でうっすらと思うだけだ。
感情の抜けた顔をした魔術師は、顔の横にきた髪のひと束を背中に払う。
洗いざらしにするばかりで、丹念な手入れなどしたことのない髪は酷く傷んでおり、高さのまばらな毛先が傾き始めた陽光に照らされて、月の色によく似た輝きを見せた。
もっと大事にしろと小言をくれながら髪を梳いてくれた手は、もうどこにもない。その人がどんな顔で笑っていたのか、どんな声だったのか、他に何を話したのか。もうほとんど覚えていなかった。
忘れないとどれほど強く誓っていても、喉を割きたくなる哀しみも、焼けつくような胸の痛みも、這い寄る孤独も、次第に記憶から薄れていく。慣れていく。忘れてしまう。
まるで、とるに足らない出来事だったかのように。
そのことがどうしようもなく恐ろしい。
師を喪った日のことすら忘れかけていた自分に気が付いたときは、震えるほどに絶望したのに。その絶望感すら、月の満ち欠けが一巡すればすっかり薄れてしまっていた。
心に痛みを感じる器官が、鈍化しているのではないか。そうしているうちに、心すら失うのではないか。
感じる心を、痛む心を失えば、それは人間と呼べるのか。
身体はとうに化け物だ。けれど、いつか、心まで人間でなくなるのではないか。
恐ろしくて恐ろしくて、けれどその度に、そう思う心がまだあることに奇妙な安堵を覚えた。
この心をどうしたらいいのか、教え導いてくれる声はもうない。
他人には安心を与えるために、冷静沈着の極みのように振る舞いながら、『ユーダレウス』の心はずっと葛藤の中を藻掻いていた。
手元でパキンと小気味のいい音が鳴り、ぼうっとしていた意識が今に戻る。どうやら手にしていた小枝を無意識に折っていたらしい。それを、慎重に、まだ若い焚火に放り込んだ。青い空の下で踊る炎は、投入された新入りを温かく受け入れた。
手ずから火を焚くという作業は、揺らぐ炎の温かさとその光が相まって、少しだけ心を穏やかにしてくれた。
何をするでもなく、炎が落ち着いて熾火となるまで、月色の髪の魔術師はじっとそれを眺めていた。
***
光る玉のような姿のふたりの精霊が、揺らぐ焚火の火の粉と戯れている。
『ユーダレウス』は火にかけていたヤカンから、カップに湯を注いだ。煮だした茶の薬っぽい匂いがふわりと立ちのぼる。それに口をつける前に、昇っていく湯気を目で追った。
師匠の薬草茶の作り方は、何度も一緒に作ったせいで身に沁みていた。淹れる度に蘇る懐かしさが嫌で、込み上げる想いが溢れそうになるのが嫌で、自分ひとりの為に淹れることはあまりなかった。
これは、十数年前に独立していった弟子の身体が弱く、しょっちゅう風邪をひくものだから、予防にと作って常備していたものの残りだった。
ふ、と息を吹きかければ湯気が流されて消えていく。独特な香りごとひと口含めば、ほのかな苦みが口に広がって、思わずため息が漏れた。身体が温まるのと同時に、頑なに凝り固まった心もわずかに緩む。
――一度でいい。ただもう一度だけ、あの人の声が。
風が吹いて草原をざっと揺らした。壁の残りがあるお陰で火が舞うことはない。
月色の髪の魔術師は、朽ちそこねた壁に寄りかかり、乾いた心のまま目を閉じる。眠るわけではない。何も見たくなくなっただけだ。
「……キトラ ニェルィエ」
行き先がなく、途方に暮れて、とうとう口からまろび出た願い。『ユーダレウス』はそれを一笑に付す。
死者と会話をする術はない。魔術師もまじない師も、そのどちらでもない弟子たちですら知っていることだ。伝説の魔術師とて、どうにもできないことだ。
しかし。『ユーダレウス』が誰にともなく願った声は、傍らを漂っていたふたりの精霊に確かに届いていた。
すい、と陽光の精霊が、魔術師の前にやってくる。人の世界では滅多にない眩しさは、瞼越しでも明るいとわかった。おもわず目を開けると、陽光の精霊は嬉しそうに揺らめき、その周りを回るように月光の精霊が円を描く。
ゆったり二呼吸の間、それが続いた。
精霊たちの気まぐれな演舞を見てやる余裕など、『ユーダレウス』にはなかった。精霊たちを寝床に帰そうと、カンテラのぶら下がった杖を手にしたその時だ。
『――やあ、アラキノ』
求めていた声に、文字通り息が止まった。
ただ、雲一つない、わざとらしいまでに真っ青な空がどうにも忌々しくて、一面曇っていたらいいのにと思ったことだけは確かだ。
その日『ユーダレウス』は、何度か訪れたことのある山間の村に足を運んだ。
しかし、赴いたそこは既に滅んでいた。
たしか、小さな村だった。人はどこかよそよそしく、ほとんど会話らしい会話をしなかったと記憶している。無理もない、旅人をもてなす余裕などない貧しい村だったのだから。
何か困りごとはないかと聞いても、礼はできないからと戸を閉ざすばかりだった。村人に黙って痩せた畑に獣除けと実りの魔術を使い、そっと後にした場所だった。
今はもう、人影など欠片もない。それどころか、廃村となって久しいことを思わせる土埃の匂いがした。
家々の屋根や壁は崩れ落ち、朽ち果てた床板の隙間からは生命力逞しい草花が芽吹いている。家々や畑、牧場などを繋ぐ土を均しただけの道も、ほとんど道として機能しなくなっており、代わりに地を這うような背の低い草が蔓延っていた。
疫病か、災害か、戦禍に巻き込まれたか。はたまた賊に襲われたか。それを推しはかることすらできない。年月は村の滅びの原因までも朽ちさせていた。
深呼吸をすれば、山特有の澄んだ空気が肺を満たした。『ユーダレウス』は、比較的壁が多く残っていた家屋の跡を借りて、今晩の宿とすることにした。
こういった人間の痕跡が残る場所では、幽霊がでると怯える弟子もいたが、『ユーダレウス』は何とも思わなかった。この世界に肉体を持たず、魂だけで動く人間は存在しない。
適当に集めた枝を組み、マッチを擦って火をつける。不規則に揺らぐ炎の舌先が、まだ明るいというのに仄暗い空気に温度を与えていく。
この村に何もしてやれなかったことを、己の無力さを心から悔いるべきだと思うのに、ひとつもそんな気分にはなれそうになかった。
悠久の旅の中でこれまでに何度もこうなった場所を見てきた。そこは、この村のように小さな村であったり、それなりの大きな街であったり、国であったり様々だった。
『ユーダレウス』は確かに優れた魔術師だ。しかし、この世界にたった一人しかいない。
生き残った魔術師を含めても、世界が移り変わる速度には、到底間に合わないのだ。
間に合わないと悔やむことにも慣れてしまっていた。心に痛みを覚えることもない。また一つ、自分は置いて行かれたと、頭の端でうっすらと思うだけだ。
感情の抜けた顔をした魔術師は、顔の横にきた髪のひと束を背中に払う。
洗いざらしにするばかりで、丹念な手入れなどしたことのない髪は酷く傷んでおり、高さのまばらな毛先が傾き始めた陽光に照らされて、月の色によく似た輝きを見せた。
もっと大事にしろと小言をくれながら髪を梳いてくれた手は、もうどこにもない。その人がどんな顔で笑っていたのか、どんな声だったのか、他に何を話したのか。もうほとんど覚えていなかった。
忘れないとどれほど強く誓っていても、喉を割きたくなる哀しみも、焼けつくような胸の痛みも、這い寄る孤独も、次第に記憶から薄れていく。慣れていく。忘れてしまう。
まるで、とるに足らない出来事だったかのように。
そのことがどうしようもなく恐ろしい。
師を喪った日のことすら忘れかけていた自分に気が付いたときは、震えるほどに絶望したのに。その絶望感すら、月の満ち欠けが一巡すればすっかり薄れてしまっていた。
心に痛みを感じる器官が、鈍化しているのではないか。そうしているうちに、心すら失うのではないか。
感じる心を、痛む心を失えば、それは人間と呼べるのか。
身体はとうに化け物だ。けれど、いつか、心まで人間でなくなるのではないか。
恐ろしくて恐ろしくて、けれどその度に、そう思う心がまだあることに奇妙な安堵を覚えた。
この心をどうしたらいいのか、教え導いてくれる声はもうない。
他人には安心を与えるために、冷静沈着の極みのように振る舞いながら、『ユーダレウス』の心はずっと葛藤の中を藻掻いていた。
手元でパキンと小気味のいい音が鳴り、ぼうっとしていた意識が今に戻る。どうやら手にしていた小枝を無意識に折っていたらしい。それを、慎重に、まだ若い焚火に放り込んだ。青い空の下で踊る炎は、投入された新入りを温かく受け入れた。
手ずから火を焚くという作業は、揺らぐ炎の温かさとその光が相まって、少しだけ心を穏やかにしてくれた。
何をするでもなく、炎が落ち着いて熾火となるまで、月色の髪の魔術師はじっとそれを眺めていた。
***
光る玉のような姿のふたりの精霊が、揺らぐ焚火の火の粉と戯れている。
『ユーダレウス』は火にかけていたヤカンから、カップに湯を注いだ。煮だした茶の薬っぽい匂いがふわりと立ちのぼる。それに口をつける前に、昇っていく湯気を目で追った。
師匠の薬草茶の作り方は、何度も一緒に作ったせいで身に沁みていた。淹れる度に蘇る懐かしさが嫌で、込み上げる想いが溢れそうになるのが嫌で、自分ひとりの為に淹れることはあまりなかった。
これは、十数年前に独立していった弟子の身体が弱く、しょっちゅう風邪をひくものだから、予防にと作って常備していたものの残りだった。
ふ、と息を吹きかければ湯気が流されて消えていく。独特な香りごとひと口含めば、ほのかな苦みが口に広がって、思わずため息が漏れた。身体が温まるのと同時に、頑なに凝り固まった心もわずかに緩む。
――一度でいい。ただもう一度だけ、あの人の声が。
風が吹いて草原をざっと揺らした。壁の残りがあるお陰で火が舞うことはない。
月色の髪の魔術師は、朽ちそこねた壁に寄りかかり、乾いた心のまま目を閉じる。眠るわけではない。何も見たくなくなっただけだ。
「……キトラ ニェルィエ」
行き先がなく、途方に暮れて、とうとう口からまろび出た願い。『ユーダレウス』はそれを一笑に付す。
死者と会話をする術はない。魔術師もまじない師も、そのどちらでもない弟子たちですら知っていることだ。伝説の魔術師とて、どうにもできないことだ。
しかし。『ユーダレウス』が誰にともなく願った声は、傍らを漂っていたふたりの精霊に確かに届いていた。
すい、と陽光の精霊が、魔術師の前にやってくる。人の世界では滅多にない眩しさは、瞼越しでも明るいとわかった。おもわず目を開けると、陽光の精霊は嬉しそうに揺らめき、その周りを回るように月光の精霊が円を描く。
ゆったり二呼吸の間、それが続いた。
精霊たちの気まぐれな演舞を見てやる余裕など、『ユーダレウス』にはなかった。精霊たちを寝床に帰そうと、カンテラのぶら下がった杖を手にしたその時だ。
『――やあ、アラキノ』
求めていた声に、文字通り息が止まった。
0
あなたにおすすめの小説
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
木を叩いただけでレベルアップ⁉︎生まれついての豪運さんの豪快無敵な冒険譚!
神崎あら
ファンタジー
運動も勉強も特に秀でていないがめっちゃ運が良い、ただそれだけのオルクスは15歳になり冒険者としてクエストに挑む。
そこで彼は予想だにしない出来事に遭遇する。
これは初期ステータスを運だけに全振りしたオルクスの豪運冒険譚である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる