転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

ゼーレオルコス

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 きっと私なら完全にモッサさんを回復させる事ができる。魔力だって人一倍あるし、今の私なら死の一歩手前までなら治せるって何故だか分かる。でもそれでも不安は残るから回復魔法を使った後はを使うつもりだ。


〈ティア、僕も中級までなら回復使えるからニールと二人である程度まで回復させるからティアは何もする必要はないよ!!ティアがしようとしているのはただの上級回復魔法なんかじゃない。神域回復魔法だよね?あんな失われた魔法を使ったら…〉


「使ったら何?止めたって私はやるよ。スノウも回復魔法を使ったとしてモッサさんを完全には回復させる事は出来ないんでしょう?私が適任なんだよ。最悪、パパアティスから貰った実を使うから大丈夫。」


 スノウは私が普通の回復魔法を使うつもりじゃない事に気付いてる。きっと私がそれを使えば周りの私を見る目が変わるって心配してくれているんだ。だって普通ならあり得ないような事をしようとしてるんだから。


「ティア、モッサさんを頼めるか?」


 エリック隊長が声を発した。


「うん。私に任せて欲しい。」


「テルボーさん、ニールさん、ここはティアに任せてくれないか?」


「モッサが助かるなら是非とも頼む!!」


 ニールさんはまだ渋っているようだが承諾した。


「分かりました。ですが誓約をこの場にいる方々にはしていただきましょう。」


「誓約か?誓約するほどという事は何か理由があるんですね…分かりました。」


 ビスさんたちも頷く。


「では……{私、ニール・アノマーはここに誓う。これより見聞きしたものを一切他言しないと我が命と名において誓う。ゼーレオルコス魂の誓約}」 


 ゼーレオルコス魂の誓約は誓約の中でも最上位に位置するものだ。知っている者すら少なく、滅多に使われる事がない。緻密な魔力操作が求められる為そもそも展開することすら困難である。そして、ニールが補助する事によってこの場にいる全員も誓約を行う。


 エリック、テルボー、アルベルタ、ビスの4名はニールに続き、真名を唱え誓約を終えた。


 ティアは誓約までしなくてもいいのにと思ったが口にはしない。きっと誓約しなければスノウやニールさんは納得しないだろうし、私が今からしようとしてる事を全力で止めただろうから。


「ではティアさん、モッサさんを宜しくお願いします。」


「はいっ!!」


 私はモッサさんに近づくと手をかざし、集中すると皆んなが見守る中、魔法を展開させた。
















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ニールのフルネームは初登場になるかと思います!

ゼーレオルコスについて
 ゼーレはドイツ語で魂という意味です。オルコスはギリシャ語で誓約を意味します。

 今回は少し短い話になりました。次回は今回より長く書けると思います。

 



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