転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

モッサの心内 2

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 モッサはティアに手を振って部屋の扉が閉まるのを待った。パタンと扉が閉まり足音が遠ざかっていくのを感じとったモッサは自身の頭の上に乗るラムに声をかけた。


「ラム、どういうつもりだい?」


キュッ…


「あのまま情報を渡さなかったつもりかい?もう後戻り出来ないところまで来ているんだ。嘘とほんの少しの真実を混ぜた情報。あれがどう転ぶかなんて最後まで分からない…もしかしたらギルマスたちにとって良い風が吹く可能性だってあるんだ。気は抜けないだろう?」


 モッサの瞳は影を落としている。


「本当は次に目を覚ましたら全てが終わっていた…なんて事を少しは期待していたんだけどね。まさかあの怪我をあっという間に治されるなんて本当に誤算だ。」


 モッサは左腕は捨てる気でいた。不自由な身体になり少しでも罪悪感を無くそうとしたのかもしれない。そんな自分の浅はかな考えは許されないとでも言うかのような現実に嫌になる。


「あの魔力と魔法の事は報告した方がいい…のは分かってるんだけど。」


キュキュ!


「ラムは反対なんだね。…進み出した計画は私1人では変えられない。すみませんギルマス。パッチーナの皆さん。愚かな私を許してとは言いません。叶う事ならば誰一人として…」


 この先の言葉を自分は言う資格はないのだと口を閉じたモッサ。


 そんなモッサに寄り添うラム。モッサは誰もいなくなった静かな部屋が息苦しくて堪らなかった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 皆さんお気づきかと思われますがギルドの裏切り者…誰だか分かりましたよね?そりゃ情報が漏れるわけだ~。ですが完全な裏切り者にもなれない彼はこれからどんな動きを見せるのか。お楽しみに☆












 




 
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