転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

魔力封じの首輪 2

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「そんなに太鼓判をおす代物だったのに、なんで発動しなかったの?」


 私が勿体ぶるように話すヤヤに焦れ、続きを早くと促す。


「だから~この防護壁は危害攻撃を与えようとする意思、行為を持って接触した時に発動するわけでしょう?その条件をうまーく利用したわけ。」


「???」


「その魔力封じの首輪をつけたとき、僕は攻撃意思を1ミリも持ってなかった。このネックレス魔力封じの首輪をつけてあげたいなぁ。きっと似合うだろうな。って感じでつけたのさ。分かるかい?あくまでそれはネックレスであり、似合うと思ったからあげただけ。そこに攻撃意思も危害を与えたという事実も存在しない。だってそんなつもりは、これっぽっちもないし、攻撃したわけでもないのだから!」


 なにそれ!!これは自分が悪いことをしている自覚のない詐欺師のやり口じゃない⁉︎


「クッ…悪い方に頭がいいタイプだ。」


「そんなに褒めなくても~」


「褒めてないから!!」


 ムムムッとして言うがヤヤはケラケラと笑うだけだ。


「なら、俺がっ!!」


「んー?おっと。」


 アルベルタは身体強化をし、ヤヤに迫るが軽々と避けられた。


「無理無理!獣人君じゃ何の脅威にもならないよ。拘束具をつけるまでもない。」


「クソッ!!」


「アル、攻撃しちゃダメ!もう回復魔法使えないから怪我しても治せないの!」


「…ッ、なんでっ!これじゃあ、俺が守るどころか守られてばっかじゃないか!」


 アルベルタは悔しくて堪らず、拳を地面に叩きつける。


「ほんとだよね~情けな~い。女の子に、それも自分と同じくらいの歳の子に守られて、その命はあるようなものだもんね!ねぇ、今どんな気持ち?ねぇねぇ!」


「……っ俺は」


「うるさいっ!!!アル、顔をあげて!」



 アルベルタのどんどん下を向く顔を掴み、顔を上げさせるティア。



「アル、こっち見て。アルは情けなくなんかない。アルがいるから私は立っていられる。いくら強がっていても私1人だけだったら心がまず折れてたと思う。1人じゃないから、それだけで私は私を見失わずに済む。アルが私を守ってくれている証だよ。だからヤヤの言葉なんかに負けないで。」


「…カッコいいなティアは。スゥーハァー。よし、もう大丈夫だ。ありがとうティア。」


 そこには確かな意志を思ったアルベルタの顔があった。







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