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第一話
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「お兄ちゃん、僕お腹空いたよ」
「僕も」
「わたちも」
ミリュオにはかわいい弟妹が3人いる。
両親はいない。いつのまにか消えていた。1番下の妹が生まれて1年ほどしたら、いなくなっていた。
家にはお金も換金できそうなものも一つも残ってなかった。
家は小さいが、借家ではなかったのが、まだよかった。
4人でその小さな家で、暮らしてきた。
食事は庭の農園でなんとか賄ってきた。
ミュリオは畑仕事は初めてだったが、3人が手伝えない小さな頃は1人で頑張ってきた。
だが、今年は不作だった。作ったものが全部、病気にかかってダメになってしまったのだ。
助けてくれる親戚がいるのかどうかすらわからない。
8歳のミリュオにはわからないことが多すぎて、大事な弟妹をどうしたら守れるのかわからなかった。
「お兄ちゃん、疲れたよ」
泣きそうな弟妹をなんとかなだめて、ミュリオはある場所へ向かってた。
不作の年は炊き出しが行われることが多い。ミュリオもその話を聞いて少し遠いが、4人で歩いてきた。
無事に着いてホッとしたが、炊き出しの列は長かった。今日何も食べてない弟妹が、お腹が空いているのも当然だった。
「もうすぐだから、我慢だよ。約束したろ」兄らしく声をかけたが、ミュリオもお腹が空いていた。
甘えられる弟妹が時々うらやましい。
順番が回ってきて、もらったジャガイモのスープはとても美味しかった。
生き返る思いがした。
自分のを一口食べたあと、小さな妹がちゃんと食べられているか確認する。
大丈夫だとわかるとホッとして、自分のをしっかり食べた。次はいつ、食事できるかわからない。
ミリュオは何度か考えた。町の教会で相談すれば、子どもだけの無理な暮らしをやめられるのではないか。三食とはいかなくても、暖かい部屋で、温かい食事がもらえるようになるのではないか。
でも、おそらく4人一緒はありえない。
別々の教会に引き取られることになるだろう。ミリュオが躊躇うのはそこだった。
だが、今の状況では、弟妹の命を守る自信がなかった。ミリュオ自身が8歳で、働ける場所がないのだ。
「僕も」
「わたちも」
ミリュオにはかわいい弟妹が3人いる。
両親はいない。いつのまにか消えていた。1番下の妹が生まれて1年ほどしたら、いなくなっていた。
家にはお金も換金できそうなものも一つも残ってなかった。
家は小さいが、借家ではなかったのが、まだよかった。
4人でその小さな家で、暮らしてきた。
食事は庭の農園でなんとか賄ってきた。
ミュリオは畑仕事は初めてだったが、3人が手伝えない小さな頃は1人で頑張ってきた。
だが、今年は不作だった。作ったものが全部、病気にかかってダメになってしまったのだ。
助けてくれる親戚がいるのかどうかすらわからない。
8歳のミリュオにはわからないことが多すぎて、大事な弟妹をどうしたら守れるのかわからなかった。
「お兄ちゃん、疲れたよ」
泣きそうな弟妹をなんとかなだめて、ミュリオはある場所へ向かってた。
不作の年は炊き出しが行われることが多い。ミュリオもその話を聞いて少し遠いが、4人で歩いてきた。
無事に着いてホッとしたが、炊き出しの列は長かった。今日何も食べてない弟妹が、お腹が空いているのも当然だった。
「もうすぐだから、我慢だよ。約束したろ」兄らしく声をかけたが、ミュリオもお腹が空いていた。
甘えられる弟妹が時々うらやましい。
順番が回ってきて、もらったジャガイモのスープはとても美味しかった。
生き返る思いがした。
自分のを一口食べたあと、小さな妹がちゃんと食べられているか確認する。
大丈夫だとわかるとホッとして、自分のをしっかり食べた。次はいつ、食事できるかわからない。
ミリュオは何度か考えた。町の教会で相談すれば、子どもだけの無理な暮らしをやめられるのではないか。三食とはいかなくても、暖かい部屋で、温かい食事がもらえるようになるのではないか。
でも、おそらく4人一緒はありえない。
別々の教会に引き取られることになるだろう。ミリュオが躊躇うのはそこだった。
だが、今の状況では、弟妹の命を守る自信がなかった。ミリュオ自身が8歳で、働ける場所がないのだ。
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