2 / 6
あたしがフェリシア?
しおりを挟む
ピカピカのおじさんの何がピカピカだって?ぜんぶだよ!ツヤツヤなの。
こわいおじさんたちとは全然ちがうよ。
あたしは、おじさんの「おうとのおやしき」ってとこまで連れて来られた。
「じゃあ、フェリシア、また後で」
ピカピカのおじさんは別の場所に行くらしい。誘拐ってこういうものなのかな?
「さぁ、フェリシア様、こちらへ」
背の高い女の人たちが3人も近寄ってくる。こわくて、座り込んで、イヤイヤと首を振ったら、3人がかりで抱き上げられた。
びっくりして、大人しくしてたら、
モワモワする熱いお湯のあるところで、体をこすられた。
よく見たら3人は同じお揃いの服を着てる。
「さぁ、きれいになりましたよ」
「フェリシア様、おやつにしましょう」
「水色の髪は奥様そっくり。灰色の目は旦那様そっくり」
優しく話しかけられて、あたしの臭いもしなくなって、おやつに連れて行かれる。
おやつってなんだろう?
「さぁ、お嬢様、こちらをどうぞ」
いい匂いがする。
きれいなテーブルに連れて来られて、おやつが食べ物だってわかった。あたしは目をキラキラさせているらしい。3人はさらにニコニコした。
さぁ、ちょっとでもいいから、あたしの分を取らなくちゃ。
あたしはいつも通り4人で取り合うんだと思ったの。
「おいしい!」
あたしは思わず、叫んでしまった。
結局3人は私みたいに座らず、立ったままで、こっちを見てるだけ。
取り合わないみたいだ。初めてゆっくり食べる。よくわからないけど、甘いの。しっとりしてる。
「チョコレートケーキはお気に召しましたか?」
うん、と言おうとしたら、お腹がすごく痛くなって、椅子から落ちた。
「お嬢様!」
その後は意識を失って記憶がない。
「長い間、まともな食事をしていないのに、最初にチョコレートケーキを食べさせる父親がどこにいますかね?」
あたしがうっすらと目を開けたとき、白い服を着たおじいさんがピカピカのおじさんに話しかけてた。
「甘い物なら喜ぶと思ったんだ」
「まずはパン粥からです」
なんだろう、パン粥って?
あたしのせいで、ピカピカのおじさんが怒られてる。
「あの、さっきのすっごくおいしかったよ。急に倒れてごめん」
「お嬢様、タラス様が悪いのです。お嬢様は少しずつ食べる量と内容を変えて行くべきです」
白い服のおじさんは迫力がある。あたしはわからないまま、うん、と言った。
こわいおじさんたちとは全然ちがうよ。
あたしは、おじさんの「おうとのおやしき」ってとこまで連れて来られた。
「じゃあ、フェリシア、また後で」
ピカピカのおじさんは別の場所に行くらしい。誘拐ってこういうものなのかな?
「さぁ、フェリシア様、こちらへ」
背の高い女の人たちが3人も近寄ってくる。こわくて、座り込んで、イヤイヤと首を振ったら、3人がかりで抱き上げられた。
びっくりして、大人しくしてたら、
モワモワする熱いお湯のあるところで、体をこすられた。
よく見たら3人は同じお揃いの服を着てる。
「さぁ、きれいになりましたよ」
「フェリシア様、おやつにしましょう」
「水色の髪は奥様そっくり。灰色の目は旦那様そっくり」
優しく話しかけられて、あたしの臭いもしなくなって、おやつに連れて行かれる。
おやつってなんだろう?
「さぁ、お嬢様、こちらをどうぞ」
いい匂いがする。
きれいなテーブルに連れて来られて、おやつが食べ物だってわかった。あたしは目をキラキラさせているらしい。3人はさらにニコニコした。
さぁ、ちょっとでもいいから、あたしの分を取らなくちゃ。
あたしはいつも通り4人で取り合うんだと思ったの。
「おいしい!」
あたしは思わず、叫んでしまった。
結局3人は私みたいに座らず、立ったままで、こっちを見てるだけ。
取り合わないみたいだ。初めてゆっくり食べる。よくわからないけど、甘いの。しっとりしてる。
「チョコレートケーキはお気に召しましたか?」
うん、と言おうとしたら、お腹がすごく痛くなって、椅子から落ちた。
「お嬢様!」
その後は意識を失って記憶がない。
「長い間、まともな食事をしていないのに、最初にチョコレートケーキを食べさせる父親がどこにいますかね?」
あたしがうっすらと目を開けたとき、白い服を着たおじいさんがピカピカのおじさんに話しかけてた。
「甘い物なら喜ぶと思ったんだ」
「まずはパン粥からです」
なんだろう、パン粥って?
あたしのせいで、ピカピカのおじさんが怒られてる。
「あの、さっきのすっごくおいしかったよ。急に倒れてごめん」
「お嬢様、タラス様が悪いのです。お嬢様は少しずつ食べる量と内容を変えて行くべきです」
白い服のおじさんは迫力がある。あたしはわからないまま、うん、と言った。
70
あなたにおすすめの小説
彼女が微笑むそのときには
橋本彩里(Ayari)
ファンタジー
ミラは物語のヒロインの聖女となるはずだったのだが、なぜか魔の森に捨てられ隣国では物語通り聖女が誕生していた。
十五歳の時にそのことを思い出したが、転生前はベッドの上の住人であったこともあり、無事生き延びているからいいじゃないと、健康体と自由であることを何よりも喜んだ。
それから一年後の十六歳になった満月の夜。
魔力のために冬の湖に一人で浸かっていたところ、死ぬなとルーカスに勘違いされ叱られる。
だが、ルーカスの目的はがめつい魔女と噂のあるミラを魔の森からギルドに連れ出すことだった。
謂れのない誤解を解き、ルーカス自身の傷や、彼の衰弱していた同伴者を自慢のポーションで治癒するのだが……
四大元素の魔法と本来あるはずだった聖魔法を使えない、のちに最弱で最強と言われるミラの物語がここから始まる。
長編候補作品
雨の少女
朝山みどり
ファンタジー
アンナ・レイナードは、雨を操るレイナード家の一人娘。母キャサリンは代々その力を継ぐ「特命伯爵」であり、豊穣を司る王家と並び国を支える家柄だ。外交官の父ブライトは家を留守にしがちだが、手紙や贈り物を欠かさず、アンナは両親と穏やかな日々を送っていた。ある日、母は「明日から雨を降らせる」と言い、アンナと一緒に街へ買い物に出かける。温かな手を引かれて歩くひととき、本と飴を選ぶ楽しさ、それはアンナにとってかけがえのない記憶だった。
やがて雨が降り始め、国は潤ったが、異常気象の兆しが見え始める。キャサリンは雨を止めようと努力するが、うまくいかず、王家やサニダ家に助けを求めても返事はない。やがて体を壊し、キャサリンはアンナに虹色のペンダントを託して息を引き取った。アンナは悲しみを胸に、自らの力で雨を止め、空に虹をかけた。
葬儀の後、父はすぐ王宮へ戻り、アンナの生活は一変する。ある日、継母ミラベルとその娘マリアンが屋敷に現れ、「この家を任された」と告げる。手紙には父の字でそう記されていた。以来、アンナの大切な物や部屋までも奪われ、小屋で一人暮らすことになる。父からの手紙はミラベルとマリアンにのみ届き、アンナ宛てには一通も来ない。ペンダントを握って耐える日々が続いた。
「なろう」にも投稿しております。
乙女ゲームは始まらない
まる
ファンタジー
きっとターゲットが王族、高位貴族なら物語ははじまらないのではないのかなと。
基本的にヒロインの子が心の中の独り言を垂れ流してるかんじで言葉使いは乱れていますのでご注意ください。
世界観もなにもふんわりふわふわですのである程度はそういうものとして軽く流しながら読んでいただければ良いなと。
ちょっとだめだなと感じたらそっと閉じてくださいませm(_ _)m
偽聖女のささやかな復讐
ととせ
ファンタジー
聖女と認定され、王子と強制的に婚約させられたのは、庭師の娘、キャロット。
地位も後ろ盾もない彼女は聖女として王宮に迎えられたものの、待っていたのは陰湿ないじめと、理不尽な命令の連続だった。
母譲りの髪を嘲られ、肌を汚いと笑われ、祈りの儀式では十二時間立ちっぱなし。
それでもキャロットは、ただ黙って耐えた。
なぜなら彼女は、誰よりも忠義を知る庭師だったから。キャロットは聖女ではない。
本物の聖女を逃がすため、ただの庭師が身代わりとなっただけだったのだ。
そしてついに、待ちに待った日が訪れる。
「本日この時をもって聖女としての任を解く。同時に俺との婚約も破棄する!異論は認めん!」
その瞬間、キャロットは満面の笑みで答えた。
「はい、喜んで!」
当然だったのかもしれない~問わず語り~
章槻雅希
ファンタジー
学院でダニエーレ第一王子は平民の下働きの少女アンジェリカと運命の出会いをし、恋に落ちた。真実の愛を主張し、二人は結ばれた。そして、数年後、二人は毒をあおり心中した。
そんな二人を見てきた第二王子妃ベアトリーチェの回想録というか、問わず語り。ほぼ地の文で細かなエピソード描写などはなし。ベアトリーチェはあくまで語り部で、かといってアンジェリカやダニエーレが主人公というほど描写されてるわけでもないので、群像劇?
『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『Pixiv』・自サイトに重複投稿。
押し付けられた仕事、してもいいものでしょうか
章槻雅希
ファンタジー
以前書いた『押し付けられた仕事はいたしません』の別バージョンみたいな感じ。
仕事を押し付けようとする王太子に、婚約者の令嬢が周りの力を借りて抵抗する話。
会話は殆どない、地の文ばかり。
『小説家になろう』(以下、敬称略)・『アルファポリス』・『Pixiv』・自サイトに重複投稿。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる