レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

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第二章 美少女とはじめる、むっつりスケベの冒険

第52話 初めての船旅

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初めて乗る、船。

楽しみではあるが、大きな疑問がある。

なぜここだけ船が出るのか船員さんに聞くと、こんな理由だった。

「この海峡の北部にルラギ川という世界最大の川があります。
 さらにその上流には毒を使うモンスターだけが生息する「瘴霧のマテビ山」というエリアがあります。
 そこから流れ出る毒で、河口付近はモンスターが立ち寄らないのです。
 おかげで北方からモンスターはきません。

 ただ、シークの辺りまでは毒はきませんが、海産物も取れません…。
 生物があまりいないので、南方からもモンスターがあまり来ないようです。」

「なるほど…。
 たまにはモンスターがくるということですか?」
 
「はい。
 船をめがけてやってくるモンスターがたまにいますね。」

「その時はどうやって対応してるんですか?」

「すみません、それは言えないことになってるんです。」
 
「そうなんですね。
 ありがとうございます。」

どうやら、水中のモンスターと戦うなにかしらの方法があるようだ。

「まあ1航海で少なくとも1回は襲ってくるので、様子をチラッと見るくらいはできるかもしれないですよ。」

「え?
 そうなんですか!?
 見たいような、見たくないような…。」

「ご心配なく。
 ちゃんと次の港までお届けしますので。」

船員はニコリと笑い、一礼して仕事に戻っていった。


「やっぱりスキルかな?」

「そうかもしれないわね。
 だとしたらどんなスキルなのかしら?」

「モンスターがくるの、楽しみだな!」

「いや!
 できれば来ないで欲しいです!」

「なんだよ、つまんねえなー!ロックは!」

「ふふふっ。」

イーザのおかげで賑やかな旅になっている。

馬車の中でも一際うるさ…、元気だった。


できれば戦闘にならないでほしい、そのロックの願いは叶わなかった。




「本船にモンスターが接近中です。
 乗組員が対応いたしますので、ご安心ください。
 なお、船が揺れることがございますので、客室に戻り、安全な場所で待機してください。」

船内放送が流れ、一部の乗客が騒然とする。

落ち着いてる乗客もいるので、よく乗る人にとっては日常なのだろう。


「き、来たね。
 部屋に戻ろう。」

部屋は個室ではなく、複数のグループが同室のドミトリータイプだ。


3人は部屋に戻り、窓から外の様子を観察した。

「あっ!」

全身が淡く光る船員が、海に飛び込んだ!

ちょっと前から船は停船している。

「直接戦うのかな?!」

「水中は見えねえけど、おそらくそうだろうな。」

「近づいてきたのがわかったのは、【気配察知】スキルかしら?
 便利なスキルよね。」

「かなり有用なスキルだよね。
 
 …わっ!」

突然船が揺れる。

「水中での戦闘の余波かな?」


しばらく揺れが続き、収まった後、再び船内アナウンスが流れた。

「みなさま、大変ご心配をおかけしました。
 接近したモンスターは本船の乗組員が討伐いたしました。
 引き続き、船の旅をお楽しみください。」

「「「おおおーーー!!」」」

船内から歓声が上がる。


その後、フォーレン王国の港に着くまでに2度モンスターの襲撃があった。

しかし、1回目と同じように船員が討伐し、問題なく航海を終えた。


ロックたちは、フォーレン王国に到着した。
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