レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン

文字の大きさ
244 / 283
第四章 世界中が敵

第241話 覚醒

しおりを挟む
「フヒャハハハヘヘヒヒヒィ……!!」

リベリウスの癇に障る高笑いが再びこだまする。

「なぜ動かん…!」

ウルバーノの体はやはり動かない。

多すぎる敵に加え、アッサールは武器とスキル、ハンナもスキルを貸している状態で、ウルバーノを助けにいけない。

リベリウスは【神速】への警戒も怠らない。


「ヒ、ヒ、ヒィ……。
 あ~、笑わしてくれるゥ…。
 俺様が本当に演出で死ぬリスクを負うと思うゥ~?
 俺様がなんで魔族やモンスターに命令できると思うゥ~?」

リベリウスがウルバーノを殴りつけながら話しかける。

ウルバーノはもう瀕死だ。

「俺様はねェ…、魔王の一部を身体に埋め込んでるんだよォ!」

そう言いながら自分の胸部をさらけ出すリベリウス。

そこには移植されたような『なにか』が脈打っていた。

「この魔王の一部に魔力を込めると、魔族やモンスターに命令できるのさァ…。
 そしてその状態なら、この一部は魔王と同じィ…。
 お前ら魔族は魔王には攻撃できないだろォ…?
 さっきも万が一のために魔力、込めてたんだよねェ…。」

そう言うと、また堪えられないと言わんばかりに笑い出すリベリウス。

「す、すまん…、みんな…。
 …ヨシュア…。」

「あぁ~、楽しかったァ…!
 ありがとォ…、ウルバーノ。」


ドシュッ…


リベリウスが振り切った斧は…、ウルバーノの命を奪った。


「「「「ウルバーノ(さん)!!!!」」」」


「ヒャハハハヒヒハァ…!!
 まさか楽しませてくれた上にィ…、敵のスキルや武器まで冥土の土産に持っていってくれるなんてェ…!
 なんて魔王想いの部下だろうゥ…!」


「…許さん。」

「あんなクズがこの世にいるなんて。」

「身をもって償わせる。」

「絶対に…倒す…!!」


4人の怒りは頂点へ。

しかし、敵は倒しても倒しても集まってくる。

加えてアッサールは素手の上に【再生】スキルしか残っていない。

突破口が見えない状況と思えたが、突然敵の動きが、攻撃がぎこちなくなってきた。


「…ロック、あんたかい?」

「…はい。
 ハンナさん、アッサールさん、いいスキルを奪え次第、渡します。」

ロックの【スキルスナッチ】は以前、戦いの中で成長した。

必要だったスキル発動のモーションがなくなり、よりスキルを奪いやすくなった。

だが、【スキルスナッチ】の存在が明らかになってしまい、敵に警戒され、なかなか奪えなくなった。

発動するのに、ある程度のタメの時間が必要だったのだ。

そして今、そのタメの時間が大幅に短縮された。

高速で動き回る鳥モンスターや、魔族はいくら撹乱する動きをしても、ロックの【スキルスナッチ】から逃れられなくなった。

スキルの有効範囲である20m圏内に入った敵は、どんどんスキルを奪われていく。


程なくして、魔族の1人から奪った【奥義】スキルをハンナへ。

S級モンスターから奪った【斧術師】【全能力50%UP】そして★3のスキルをアッサールへ渡した。

アッサールは斧を魔族から自力で奪い取った。

リベリウスが側にいるため、ウルバーノに渡した斧には近づけない。


近づけば攻撃手段を失っていく魔族・モンスター。

離れて攻撃する敵は、【奥義】を再び得たハンナとロヴェルの攻撃に対応するのに必死。

ハンナとロヴェルに攻撃できる魔族・モンスターがいなくなってきたため、存分に攻撃できるようになったためだ。

ただ、フェニックスの回復により、敵の負ったダメージはあっという間に回復していく。


一方、接近してくる敵はその数は確実に減らしていた。

減らしているのはアッサール。

そして、魔族の中にいた剣使いから【剣聖】スキルを奪い、ロックも容赦無く敵を斬り伏せていった。


リベリウスは突然の劣勢に、笑うことも忘れてあたふたしている。


「…あいつは俺にやらせてくれ。」

アッサールにとってウルバーノは憧れの存在であった。

でも、魔族になった彼をアッサールは途中まで信じることができなかった。

信じると決めたロックが信頼している相手だというのに。

そして、人間であるはずの『凶斧』が卑劣な手段で憧れをその手にかけた。

助けることもできず、それをただ見ているだけだった。

アッサールはそんな自分が許せなかった。


もちろんロックやハンナ・ロヴェルも許せない気持ちは同じ。

だから、アッサールの気持ちが痛いほど理解できた。


「しょうがないねえ。
 あいつが生まれてきたこと後悔するくらいボコボコにしてくれよ。」

「大事な武器やスキルを真っ先に貸したくらいです。
 思い入れがあるんですよね?
 お譲りします。」

「アッサールさん…。
 ウルバーノさんの無念を…、晴らしてあげてください…!」

「…任せろ!」


ロックの分裂体がアッサールが進む道をこじ開けた。

「…お前は生かしておけん!」

「年長者は敬わないといけないよォ…?」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜

サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」 孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。 淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。 だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。 1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。 スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。 それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。 それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。 増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。 一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。 冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。 これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

処理中です...