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第五章 最後の決戦
第255話 黒幕の素顔
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「あんたは!!」
「…久しぶりだな。」
「…ガウス…将軍!?」
そこには脱獄後大臣を殺害して逃亡中のバルキアの元将軍、ガウスが立っていた。
だが、その姿はもう人間ではない。
…魔族のそれだった。
「なぜあなたが…!?」
ガウスがロックを血走った目で睨みつける。
「お前のせいで…、散々な目にあったよ…!
たかがスキルが多いだけの虫けらが…。
お前だけは…絶対に殺してやる…!」
「逆恨みも甚だしいわね…。」
「あんたが悪いことしてたからでしょ!?」
「それで?
なんで魔族に?」
「それは…、私が説明しよう。」
「お…お前は……!!!」
ガウスの後ろから、黒いローブを頭から羽織った男が歩み出てきた。
魔王や世界中のボスモンスターを従え、ロックたちを全滅寸前に追い込んだ男。
「やっと会えたな。」
「…ぐっ……。」
ボスモンスターを5体倒したとはいえ、あの時に感じた力の差はそんなものでは埋まらない。
圧倒的強さを持つ敵を前に、声を発することもできないロックたち。
「さて、将軍がなぜここにいるか、だったな。」
そう言いながら、フードを外す男。
その正体は、ロックたちの予想していた人物、バルキアのギルドマスター。
…ではなかった。
「…誰だ?」
ロックはなんとか声を絞り出した。
「私の恩人に向かって、誰だ、とは無礼だな。」
ガウスが口を挟む。
「恩人…?」
「お前に力を奪われて投獄された私を、救ってくれたのだよ。」
「はは。
結局自分で話してしまったね。」
「あっ!
お前は逃亡中の……!」
その時、近くにいた兵士が黒幕の男を指差して叫ぶ。
「誰なんだ、あいつは?」
ファルクがその兵士に男の正体を聞く。
「あいつは同僚を殺して…、ガウス将軍の脱獄を手伝い逃亡中の看守、イザイアです!」
「か、看守?
看守が黒幕だったってことか!?」
「まあ、敵の懐にいた方が何かと都合が良かったもんでな。
せっかく強い力を持った人材が檻に閉じ込められてたから、つい助けてしまったよ。」
「そして、その後魔族として生まれ変わらせてもらったのだ。」
「…将軍ともあろうものが寝返るとは…。
呆れる。」
デイジーがため息を漏らす。
「まあ、それは気まぐれでやったことだ。
そんなことはどうでもいい。」
イザイアにどうでもいいと言われ苦い顔をするガウス。
だが、言葉にはせず一歩下がる。
「問題は、お前たちだ。
指名手配しても捕まらないどころか、まさかボスモンスターを5体も倒すとはな…。
…私のスキルのことを知ったんだな?」
イザイアの雰囲気が変わる。
向けられた殺気だけで、息が止まりそうになる。
「…ああ。」
「おかげでこんな大掛かりなことをする羽目になった。
バルキアにモンスターが侵攻することになったのは、お前たちのせいだぞ?」
「……!」
「ふん…。
声も出んか…。
矮小なゴミの分際で私の邪魔をするなんてな…。
まあ、黙って隠れてればいいものの、ちっぽけな正義感でノコノコと出てきてくれたのは助かった。
…これでゴミを処分できる。」
「…イザイア様。
あなたの手を煩わすまでもない。
私たちがやりましょう。」
ガウスが再び前に出てくる。
「…ふむ。
では、任せよう。
私にはもう少しやることがあるしな。」
イザイアはそう言うとドラゴンに乗った。
ドラゴンは上空に飛び上がると、震え上がるような大きな声で吠えながら旋回した。
そして、東の方へ飛んでいった。
「いいのか?
あんたらだけじゃ勝てないぜ?」
しかし、ファルクの言葉はガウスの耳には入らないようだ。
「お前は…、お前だけは絶対に殺す…!!」
ガウスの目はロックだけを捉えていた。
「…久しぶりだな。」
「…ガウス…将軍!?」
そこには脱獄後大臣を殺害して逃亡中のバルキアの元将軍、ガウスが立っていた。
だが、その姿はもう人間ではない。
…魔族のそれだった。
「なぜあなたが…!?」
ガウスがロックを血走った目で睨みつける。
「お前のせいで…、散々な目にあったよ…!
たかがスキルが多いだけの虫けらが…。
お前だけは…絶対に殺してやる…!」
「逆恨みも甚だしいわね…。」
「あんたが悪いことしてたからでしょ!?」
「それで?
なんで魔族に?」
「それは…、私が説明しよう。」
「お…お前は……!!!」
ガウスの後ろから、黒いローブを頭から羽織った男が歩み出てきた。
魔王や世界中のボスモンスターを従え、ロックたちを全滅寸前に追い込んだ男。
「やっと会えたな。」
「…ぐっ……。」
ボスモンスターを5体倒したとはいえ、あの時に感じた力の差はそんなものでは埋まらない。
圧倒的強さを持つ敵を前に、声を発することもできないロックたち。
「さて、将軍がなぜここにいるか、だったな。」
そう言いながら、フードを外す男。
その正体は、ロックたちの予想していた人物、バルキアのギルドマスター。
…ではなかった。
「…誰だ?」
ロックはなんとか声を絞り出した。
「私の恩人に向かって、誰だ、とは無礼だな。」
ガウスが口を挟む。
「恩人…?」
「お前に力を奪われて投獄された私を、救ってくれたのだよ。」
「はは。
結局自分で話してしまったね。」
「あっ!
お前は逃亡中の……!」
その時、近くにいた兵士が黒幕の男を指差して叫ぶ。
「誰なんだ、あいつは?」
ファルクがその兵士に男の正体を聞く。
「あいつは同僚を殺して…、ガウス将軍の脱獄を手伝い逃亡中の看守、イザイアです!」
「か、看守?
看守が黒幕だったってことか!?」
「まあ、敵の懐にいた方が何かと都合が良かったもんでな。
せっかく強い力を持った人材が檻に閉じ込められてたから、つい助けてしまったよ。」
「そして、その後魔族として生まれ変わらせてもらったのだ。」
「…将軍ともあろうものが寝返るとは…。
呆れる。」
デイジーがため息を漏らす。
「まあ、それは気まぐれでやったことだ。
そんなことはどうでもいい。」
イザイアにどうでもいいと言われ苦い顔をするガウス。
だが、言葉にはせず一歩下がる。
「問題は、お前たちだ。
指名手配しても捕まらないどころか、まさかボスモンスターを5体も倒すとはな…。
…私のスキルのことを知ったんだな?」
イザイアの雰囲気が変わる。
向けられた殺気だけで、息が止まりそうになる。
「…ああ。」
「おかげでこんな大掛かりなことをする羽目になった。
バルキアにモンスターが侵攻することになったのは、お前たちのせいだぞ?」
「……!」
「ふん…。
声も出んか…。
矮小なゴミの分際で私の邪魔をするなんてな…。
まあ、黙って隠れてればいいものの、ちっぽけな正義感でノコノコと出てきてくれたのは助かった。
…これでゴミを処分できる。」
「…イザイア様。
あなたの手を煩わすまでもない。
私たちがやりましょう。」
ガウスが再び前に出てくる。
「…ふむ。
では、任せよう。
私にはもう少しやることがあるしな。」
イザイアはそう言うとドラゴンに乗った。
ドラゴンは上空に飛び上がると、震え上がるような大きな声で吠えながら旋回した。
そして、東の方へ飛んでいった。
「いいのか?
あんたらだけじゃ勝てないぜ?」
しかし、ファルクの言葉はガウスの耳には入らないようだ。
「お前は…、お前だけは絶対に殺す…!!」
ガウスの目はロックだけを捉えていた。
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