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番外編1
さよならとただいま【5】ルディガー視点
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私は全てに絶望して、バジルがいない世界がどうでもよくなった。
息子達は可愛いし大切だけど、もうバジルはいない。
村のフェンリル達を大切に思っているけれど、もうバジルがいない。
だから、私はバジルの墓の前で返事のない会話をする。
虚しいとわかっていても、やめられないんだ。
三大欲求である食欲と睡眠欲と性欲が、私にとって必要性のないものになってしまった。
生きる気力がもうないんだ。
………このまま、バジルの下にいけたら幸せだろうなと私は思っていた。
「ルディガーさん」
「あぁ、私は幻聴が聞こえるようになってしまったようだな」
もういないバジルの声を聞いて、私は項垂れてしまう。
それでも、もっと聞きたくて耳を澄ました。
幻聴だとしても、バジルの声をもっと聞きたいのは当たり前だろう?
しかし、いきなり私の耳を暖かくて懐かしい手にモフッと掴まれてしまった。
………ん!?
こ、このモフテクは……まさか!!
「ルディガーさん、僕ですよ。バジルですよ。幻聴じゃないので僕をみてください!」
「バジル!?」
そこには、何故かモフモフなフェンリルの耳と尻尾のあるバジルが笑顔で立っていた。
年齢は20代の頃の若さに戻っているようだ。
「ルディガーさん、ただいま」
「バジル、お…おかえり。その耳と尻尾は………?」
「僕、フェンリルの神になったからフェンリルの身体になって、地上で暮らすことが決まりました!またよろしくお願い致します!」
「ふぁっ!?」
これは………私の都合のいい夢なのか、それとも幻なのか。
バジルがクルッと後ろを向いて私に腰を突き出し、尻尾をフリフリと私にみせつけるように振る。
とりあえずバジルの尻を触ってみたが、間違いなく暖かくて生きていると実感できた。
「あの、お尻じゃなくて尻尾をみてほしいんですけど」
「大丈夫だ。ちゃんとみている」
「じゃあ尻尾も触ってください」
モフッ!
「モフモフだな」
「えへへ♡」
すごくモフモフの素晴らしい尻尾だった。
それにしても、バジルがフェンリルになって、しかも若返って戻ってくるなんて、やはり私の頭が逝ったか命が逝ったか………と疑うのは仕方ないと思うんだ。
「ルディガーさん、その顔は現実を受け止められてないですね?」
「私の頭が逝ったか、命が逝ったかと疑っている」
「ルディガーさん!僕は戻ってこれて嬉しいのに、ルディガーさんは嬉しくないんですか!?僕のことはもう過去の元妻にしちゃったんですか!?」
「そんなわけない!バジルが戻ってくれて私は嬉しい!私の妻はバジルだけだ!バジルを元妻なんかにしていない!!ずっと現妻だーーー!」
「ルディガーさん!愛してます!!」
「バジル!私も愛している!!」
ヒシッ!!
熱く熱く抱きしめ合い、会えた喜びを分かち合う。
あぁ、バジルの温もりとバジルの柔らかさとバジルの匂い。
間違いなんかじゃないんだな!
私は嬉しさから自然に号泣していて、千切れんばかりに尻尾をブンブンと過去最高レベルで振っていた。
そして、騒ぎを聞きつけたクロムがやってきた。
「ルディガー様!何かありましたか………って、バジル!?」
「クロムーーーっ!バジルがフェンリルになって戻ってきたぞーーーっ!!」
「どゆこと!?」
混乱中のクロムの声も足された騒ぎを聞きつけた息子達もやってきた。
「「「ママ!?ママーーーっ!!」」」
息子達は、混乱するよりも先にバジルに飛びつき、私達家族は久しぶりに皆で抱きしめ合う。
やはり私達家族には、バジルがいないとだよな。
村の皆もやってきて、皆バジルがいることとバジルがフェンリルになっていることに混乱していたよ。
後に、バジルがフェンリルの神になったという経緯を話してくれる。
私達も長命な種族故に、神子の存在は知っていたが………まさかバジルが神子だったとはな。
その日は祝の宴を開いて、久しぶりに村が笑顔に満ちていた。
「バジル」
「ルディガーさん、なんですか?」
「帰ってきてくれて、ありがとう」
「ふふ、待たせてごめんなさい。お詫びといってはなんですが、今夜……張り切りますから期待してくださいね?」
「クゥン!!」
尻尾を二人でブンブン振って、寄り添い合う。
空気を読んだクロムが、そっと息子達を今夜預かる話をしていた。
物分りのいい息子達は………。
「夫婦水入らずってやつだね!」
「弟できるかもな!」
「やっぱりパパはママがいないとダメだよね。だってパパとママは、唯一無二ってやつなんでしょ?」
弟……できるかもしれないな。(照)
私は今夜に期待を膨らませて、イチモツも久しぶりに膨らませて、宴を楽しんだ。
息子達は可愛いし大切だけど、もうバジルはいない。
村のフェンリル達を大切に思っているけれど、もうバジルがいない。
だから、私はバジルの墓の前で返事のない会話をする。
虚しいとわかっていても、やめられないんだ。
三大欲求である食欲と睡眠欲と性欲が、私にとって必要性のないものになってしまった。
生きる気力がもうないんだ。
………このまま、バジルの下にいけたら幸せだろうなと私は思っていた。
「ルディガーさん」
「あぁ、私は幻聴が聞こえるようになってしまったようだな」
もういないバジルの声を聞いて、私は項垂れてしまう。
それでも、もっと聞きたくて耳を澄ました。
幻聴だとしても、バジルの声をもっと聞きたいのは当たり前だろう?
しかし、いきなり私の耳を暖かくて懐かしい手にモフッと掴まれてしまった。
………ん!?
こ、このモフテクは……まさか!!
「ルディガーさん、僕ですよ。バジルですよ。幻聴じゃないので僕をみてください!」
「バジル!?」
そこには、何故かモフモフなフェンリルの耳と尻尾のあるバジルが笑顔で立っていた。
年齢は20代の頃の若さに戻っているようだ。
「ルディガーさん、ただいま」
「バジル、お…おかえり。その耳と尻尾は………?」
「僕、フェンリルの神になったからフェンリルの身体になって、地上で暮らすことが決まりました!またよろしくお願い致します!」
「ふぁっ!?」
これは………私の都合のいい夢なのか、それとも幻なのか。
バジルがクルッと後ろを向いて私に腰を突き出し、尻尾をフリフリと私にみせつけるように振る。
とりあえずバジルの尻を触ってみたが、間違いなく暖かくて生きていると実感できた。
「あの、お尻じゃなくて尻尾をみてほしいんですけど」
「大丈夫だ。ちゃんとみている」
「じゃあ尻尾も触ってください」
モフッ!
「モフモフだな」
「えへへ♡」
すごくモフモフの素晴らしい尻尾だった。
それにしても、バジルがフェンリルになって、しかも若返って戻ってくるなんて、やはり私の頭が逝ったか命が逝ったか………と疑うのは仕方ないと思うんだ。
「ルディガーさん、その顔は現実を受け止められてないですね?」
「私の頭が逝ったか、命が逝ったかと疑っている」
「ルディガーさん!僕は戻ってこれて嬉しいのに、ルディガーさんは嬉しくないんですか!?僕のことはもう過去の元妻にしちゃったんですか!?」
「そんなわけない!バジルが戻ってくれて私は嬉しい!私の妻はバジルだけだ!バジルを元妻なんかにしていない!!ずっと現妻だーーー!」
「ルディガーさん!愛してます!!」
「バジル!私も愛している!!」
ヒシッ!!
熱く熱く抱きしめ合い、会えた喜びを分かち合う。
あぁ、バジルの温もりとバジルの柔らかさとバジルの匂い。
間違いなんかじゃないんだな!
私は嬉しさから自然に号泣していて、千切れんばかりに尻尾をブンブンと過去最高レベルで振っていた。
そして、騒ぎを聞きつけたクロムがやってきた。
「ルディガー様!何かありましたか………って、バジル!?」
「クロムーーーっ!バジルがフェンリルになって戻ってきたぞーーーっ!!」
「どゆこと!?」
混乱中のクロムの声も足された騒ぎを聞きつけた息子達もやってきた。
「「「ママ!?ママーーーっ!!」」」
息子達は、混乱するよりも先にバジルに飛びつき、私達家族は久しぶりに皆で抱きしめ合う。
やはり私達家族には、バジルがいないとだよな。
村の皆もやってきて、皆バジルがいることとバジルがフェンリルになっていることに混乱していたよ。
後に、バジルがフェンリルの神になったという経緯を話してくれる。
私達も長命な種族故に、神子の存在は知っていたが………まさかバジルが神子だったとはな。
その日は祝の宴を開いて、久しぶりに村が笑顔に満ちていた。
「バジル」
「ルディガーさん、なんですか?」
「帰ってきてくれて、ありがとう」
「ふふ、待たせてごめんなさい。お詫びといってはなんですが、今夜……張り切りますから期待してくださいね?」
「クゥン!!」
尻尾を二人でブンブン振って、寄り添い合う。
空気を読んだクロムが、そっと息子達を今夜預かる話をしていた。
物分りのいい息子達は………。
「夫婦水入らずってやつだね!」
「弟できるかもな!」
「やっぱりパパはママがいないとダメだよね。だってパパとママは、唯一無二ってやつなんでしょ?」
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私は今夜に期待を膨らませて、イチモツも久しぶりに膨らませて、宴を楽しんだ。
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