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3話
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やっと仕事に目処がつき、久しぶりに屋敷に戻ると執事のジョンソンが熱を出して倒れたという。
思わず『もういい年だからな』と心配になった。
年の割に若く見えるのでつい仕事を任せ過ぎてしまったことを反省していると、メイド長がやって来た。
「ジョンソンさんが熱を出して動けないのに、残っているお仕事を気にしてばかりいるので、もしかしたらアリシアさんでしたら頼めるのではないかと思い、お願いしてしまいました」
それを聞いてすぐに書斎に行くと、机に向かって真剣に書き物をしている彼女がいた。
余りに集中しているのか、しばらく私の存在に気づきもしなかった。
そして漸く気づいたと思ったらすごく驚いた顔をされてしまった。
そんな彼女に思わず
「何をしている?」
と、冷たい言い方をしてしまった。
何をしているかなんてメイド長から聞いて知ってるくせに、なぜかそんな言葉しか出なかった。
そして机の上の書類を見ると税収の計算をしている途中だった。
感心しながら
「君は計算も得意なんだな」
と言うと、なぜか済まなそうに謝った。そして
「失礼します」
とだけ言って慌てて部屋を出て行ってしまった。
残った私は翻訳された手紙と税収の計算書を確認した。
翻訳はとても簡潔で、それでいてどこか温かさを相手に感じさせるよう配慮されていた。
税収の計算書は全て完璧だった。
確かに公爵令嬢として育ったのだからそれなりの教育は受けていたのだろうが、普通、貴族の女性がここまで出来るだろうか? と思い、彼女にとても興味を惹かれた。
しかし彼女は妙に私を警戒しているよう感じた。
もしかしたら自分があのバーデン辺境伯に言われた《戦利品》だと思い(私の個人的なメイド)ということを意識させてしまっているのか? だとしたらその誤解を解かなくてはいつまでも警戒されたままだ。
私は『はー』と思わず溜息が出てしまった。
正直、私はあのバーデン辺境伯から彼女を救うつもりで連れ帰っただけなのに、そんな誤解をされてしまうとは情け無い。
確かにこのところ忙し過ぎて彼女にはまだ何の話もしていない、そう思われていても仕方がないのかもしれないな。
初めて彼女を隣国の屋敷で見た時、なぜか助けなければと思った。もし見過ごしてしまえばあの悪名高いバーデン辺境伯のことだ、本当に彼女を(個人的なメイド)として扱っただろう。
そんな時、丁度彼から彼女の話を振られたので難なく助けることが出来てホッとしていたのに、そんな誤解をされたままとはな。
我ながら呆れるばかりだった。
思わず『もういい年だからな』と心配になった。
年の割に若く見えるのでつい仕事を任せ過ぎてしまったことを反省していると、メイド長がやって来た。
「ジョンソンさんが熱を出して動けないのに、残っているお仕事を気にしてばかりいるので、もしかしたらアリシアさんでしたら頼めるのではないかと思い、お願いしてしまいました」
それを聞いてすぐに書斎に行くと、机に向かって真剣に書き物をしている彼女がいた。
余りに集中しているのか、しばらく私の存在に気づきもしなかった。
そして漸く気づいたと思ったらすごく驚いた顔をされてしまった。
そんな彼女に思わず
「何をしている?」
と、冷たい言い方をしてしまった。
何をしているかなんてメイド長から聞いて知ってるくせに、なぜかそんな言葉しか出なかった。
そして机の上の書類を見ると税収の計算をしている途中だった。
感心しながら
「君は計算も得意なんだな」
と言うと、なぜか済まなそうに謝った。そして
「失礼します」
とだけ言って慌てて部屋を出て行ってしまった。
残った私は翻訳された手紙と税収の計算書を確認した。
翻訳はとても簡潔で、それでいてどこか温かさを相手に感じさせるよう配慮されていた。
税収の計算書は全て完璧だった。
確かに公爵令嬢として育ったのだからそれなりの教育は受けていたのだろうが、普通、貴族の女性がここまで出来るだろうか? と思い、彼女にとても興味を惹かれた。
しかし彼女は妙に私を警戒しているよう感じた。
もしかしたら自分があのバーデン辺境伯に言われた《戦利品》だと思い(私の個人的なメイド)ということを意識させてしまっているのか? だとしたらその誤解を解かなくてはいつまでも警戒されたままだ。
私は『はー』と思わず溜息が出てしまった。
正直、私はあのバーデン辺境伯から彼女を救うつもりで連れ帰っただけなのに、そんな誤解をされてしまうとは情け無い。
確かにこのところ忙し過ぎて彼女にはまだ何の話もしていない、そう思われていても仕方がないのかもしれないな。
初めて彼女を隣国の屋敷で見た時、なぜか助けなければと思った。もし見過ごしてしまえばあの悪名高いバーデン辺境伯のことだ、本当に彼女を(個人的なメイド)として扱っただろう。
そんな時、丁度彼から彼女の話を振られたので難なく助けることが出来てホッとしていたのに、そんな誤解をされたままとはな。
我ながら呆れるばかりだった。
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