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20話
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早速、殿下は私専属の侍女を紹介してくださった。
「ロザリーと申します。これからよろしくお願いいたします」
「アンリ・カーティスといいます。今日からお世話になります」
「ではアンリ様、お部屋の方へご案内させていただきます」
そう言って、私の部屋となる場所まで殿下と一緒に来てくださった。
「この部屋なんだが、足りないものがあったら遠慮なく言ってくれ」
中に入ると、そこはとても広く清潔感のあるお部屋だった。侯爵邸のお部屋も広いと思っていたが、ここはそれよりもさらに広いお部屋だった。
「こんな素敵なお部屋をご用意してくださり、ありがとうございます」
とお礼を言った。そして殿下は、侍女のロザリーさんを下げさせ、私の私室となる部屋のソファに座り、話し始めた。
まず、今回の作品の出版元は殿下と同じところとし、ペンネームも新たに男性の名前で出す方が良いと言われた。
それは、後々問題にされた時に、すぐに特定されにくくするためだと。
なぜなら今回、私を特定するのに殿下自身が割と早く探し当てることができたからだった。
確かに私のペンネームは亡くなったお母様の名前を使っていたせいもあるので、危険であるのは間違いない。
あと出版元は殿下の信頼できる方が経営なさっているので、身元調査などがされた場合、すぐに情報が入るというお話だった。
私はそれについては全て殿下にお任せしますと答えた。なぜなら、エマ先生とも話していたことだが、何かあった時にラミナさん達を巻き込みたくはなかったので、今回のことは一切話していなかったからだ。
さらに殿下は、できるなら同時進行で、いつもの出版社からも今まで通りのペースで作品を出版できるならより一層安心だとも仰った。
しかしそれは、時間的にも精神的にもかなり大変なことだと思ったが、あえて口にはしなかった。
『とにかく、今はやれるだけやってみよう』
と自分に気合を入れた。
「これから大変だと思うが、手伝えることは何でもするから遠慮なく言ってほしい」
殿下はそう言って、お仕事へと戻られた。
しばらくすると、お茶の用意をしたロザリーさんが来てくださった。
「殿下が女性の方をお連れするなんて初めてなんですよ」
と言って微笑まれた。
私は首を振り、否定した。
「ロザリーさんが考えているような関係ではないんです、お仕事上の関係だけなんです」
「ではそういうことにしておきます」
と言って、また微笑んでいた。
『完全に誤解しているわ』と思ったが今は何を言っても無駄だと思い諦めた。
ロザリーさんはエマ先生と同じくらいのお年で、笑顔が素敵な方だった。
なんでも殿下が子供の頃から仕えており、亡くなった殿下のお母様付きの侍女だったそうだ。
思わず私は、そんな信頼のおける人を私につけてくれたことを嬉しく思った。
だからといって、特別だと思ってはいけない。殿下は社交界では大層もてるとエマ先生から聞いている。
沢山の女性からのアプローチを上手くかわしながら、今だに独身を通しているくらいだ。さぞや自信がおありのはず。女性慣れしている方には気をつけなければ。
私が今、ここにこうしているのは同じ目的の為、そう、この国の未来の為だと自分に言い聞かせ、部屋まで与えてくれたことに感謝をしながら、これから私が書くべき作品のことだけを考えなくては。
そして私はくれぐれも勘違いをしないよう自分自身に言い聞かせた。
「ロザリーと申します。これからよろしくお願いいたします」
「アンリ・カーティスといいます。今日からお世話になります」
「ではアンリ様、お部屋の方へご案内させていただきます」
そう言って、私の部屋となる場所まで殿下と一緒に来てくださった。
「この部屋なんだが、足りないものがあったら遠慮なく言ってくれ」
中に入ると、そこはとても広く清潔感のあるお部屋だった。侯爵邸のお部屋も広いと思っていたが、ここはそれよりもさらに広いお部屋だった。
「こんな素敵なお部屋をご用意してくださり、ありがとうございます」
とお礼を言った。そして殿下は、侍女のロザリーさんを下げさせ、私の私室となる部屋のソファに座り、話し始めた。
まず、今回の作品の出版元は殿下と同じところとし、ペンネームも新たに男性の名前で出す方が良いと言われた。
それは、後々問題にされた時に、すぐに特定されにくくするためだと。
なぜなら今回、私を特定するのに殿下自身が割と早く探し当てることができたからだった。
確かに私のペンネームは亡くなったお母様の名前を使っていたせいもあるので、危険であるのは間違いない。
あと出版元は殿下の信頼できる方が経営なさっているので、身元調査などがされた場合、すぐに情報が入るというお話だった。
私はそれについては全て殿下にお任せしますと答えた。なぜなら、エマ先生とも話していたことだが、何かあった時にラミナさん達を巻き込みたくはなかったので、今回のことは一切話していなかったからだ。
さらに殿下は、できるなら同時進行で、いつもの出版社からも今まで通りのペースで作品を出版できるならより一層安心だとも仰った。
しかしそれは、時間的にも精神的にもかなり大変なことだと思ったが、あえて口にはしなかった。
『とにかく、今はやれるだけやってみよう』
と自分に気合を入れた。
「これから大変だと思うが、手伝えることは何でもするから遠慮なく言ってほしい」
殿下はそう言って、お仕事へと戻られた。
しばらくすると、お茶の用意をしたロザリーさんが来てくださった。
「殿下が女性の方をお連れするなんて初めてなんですよ」
と言って微笑まれた。
私は首を振り、否定した。
「ロザリーさんが考えているような関係ではないんです、お仕事上の関係だけなんです」
「ではそういうことにしておきます」
と言って、また微笑んでいた。
『完全に誤解しているわ』と思ったが今は何を言っても無駄だと思い諦めた。
ロザリーさんはエマ先生と同じくらいのお年で、笑顔が素敵な方だった。
なんでも殿下が子供の頃から仕えており、亡くなった殿下のお母様付きの侍女だったそうだ。
思わず私は、そんな信頼のおける人を私につけてくれたことを嬉しく思った。
だからといって、特別だと思ってはいけない。殿下は社交界では大層もてるとエマ先生から聞いている。
沢山の女性からのアプローチを上手くかわしながら、今だに独身を通しているくらいだ。さぞや自信がおありのはず。女性慣れしている方には気をつけなければ。
私が今、ここにこうしているのは同じ目的の為、そう、この国の未来の為だと自分に言い聞かせ、部屋まで与えてくれたことに感謝をしながら、これから私が書くべき作品のことだけを考えなくては。
そして私はくれぐれも勘違いをしないよう自分自身に言い聞かせた。
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