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3 婚約の儀
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復讐するにしてもまたわたくしには何も出来ませんでした。
ロッタ様はあれからわたくしを呼んでは皆様の目の前で怒鳴り散らし、わたくしを『庶民の臭い匂いがする』などと罵りました。
それを見ていた方々はみな手にしていたハンカチを口元に当てて『臭い』『臭いますわ』などとロッタ様に同調していたのです。
その虐めは毎日のように続きました。
わたくしはぐっと堪えて機会を伺いました。
ロッタ様はわたくしたちの婚儀を認めようとはせず、あらゆる噂を流しておりました。
わたくしがロッタ様やジャスミン様に対して悪口を言っていることや、アイーダ様の私物を壊したなどとロッタ様の腰ぎんちゃくを出しに使っていたのです。
それは瞬く間に広がりわたくしの足枷になりました。
そのことを気にしてか王太子自らがわたくしに真意を確かめられたのです。
わたくしは決してそのような事をしていない、そう訴えるとあっさりそれを認めて下さったのです。
ロッタ様の思惑は叶うことなく、わたくしと王太子との婚約破棄の計画は見事に失敗したのです。
そして彼女たちへ復讐の機会が訪れたのです。
そしてわたくしは王太子との婚約の儀の日を迎えることになりました。
父と屋敷を出たわたくしは馬車に乗り城へ向かいました。
丁度この日は曇り空で今にも雨が降り出そうという天気でした。
復讐を胸に、まるでわたくしの心の中を映しているかのような天気でした。
「ミリアよ。いいかい、王太子との婚約の儀が終われば、お前はそのまま城で花嫁修業をすることになる。粗相のないように気を付けるのだぞ」
「はい…お父様」
あれだけ婚約を嫌がったわたくしに父はそう言いました。
王太子との婚約をすんなり受けたことが心配だったのか少し顔つきが曇っていらっしゃったのです。
わたくしは父に心配かけまいと笑顔で答えました。
わたくしは大丈夫、うまくやって見せます、そう心の中で言いながら、父に笑顔を振りまきました。
お城に到着すると応接間に案内され暫く父とソファに座り二人で待っている、とそこへ国王殿下とミラージュ王太子がお見えになりました。
二人が私たちの前に座り話始めました。
「今日は生憎の曇り空だな。ハンドリー公爵」
「そうですな、陛下。しかしこの度の婚約の儀、私は本当に嬉しい事だと思っております」
「そうか。ミラージュよ、其方もこのような美しい娘を嫁に貰えてよかったな」
「はい、陛下。私には勿体くらいの美女で御座います」
なんとまあ…適当な社交辞令なのかしら。
わたくしの容姿はごく普通なのです。
決して顔立ちが良いとか、スタイルが良いとかそういうわけでは御座いません。
ただ、ブロンドの髪の毛が唯一の自慢だったことは小声で……。
わたくしはそう思いながら笑顔をしておりました。
この婚約の儀が終わればわたくしはロッタ様より立場が上になるのです。
王太子の婚約者として……。
そして今日、晴れて(空は曇っておりますが)婚約の儀が執り行われました。
儀式には各重要人物たちが勢ぞろいしておりました。
勿論そこにはロッタ様はじめ多くの貴族たちや娘たちも参列しておりました。
わたくしと王太子の婚儀の儀が無事終わるとわたくしは城の侍女にわたくし専用の部屋に案内してくれました。
「ミリア様。此方がこれからお使いになられるお部屋で御座います」
「有難う。貴女のお名前はなんて言えばいいのでしょう」
「アリサと申します。これからミリア様のお世話を担当することになりました。何かあればお申し付けください」
「分かりました。宜しくお願いしますね。アリサ」
はい、と一礼するアリサを見てわたくしは復讐を開始するのでありました。
ロッタ様はあれからわたくしを呼んでは皆様の目の前で怒鳴り散らし、わたくしを『庶民の臭い匂いがする』などと罵りました。
それを見ていた方々はみな手にしていたハンカチを口元に当てて『臭い』『臭いますわ』などとロッタ様に同調していたのです。
その虐めは毎日のように続きました。
わたくしはぐっと堪えて機会を伺いました。
ロッタ様はわたくしたちの婚儀を認めようとはせず、あらゆる噂を流しておりました。
わたくしがロッタ様やジャスミン様に対して悪口を言っていることや、アイーダ様の私物を壊したなどとロッタ様の腰ぎんちゃくを出しに使っていたのです。
それは瞬く間に広がりわたくしの足枷になりました。
そのことを気にしてか王太子自らがわたくしに真意を確かめられたのです。
わたくしは決してそのような事をしていない、そう訴えるとあっさりそれを認めて下さったのです。
ロッタ様の思惑は叶うことなく、わたくしと王太子との婚約破棄の計画は見事に失敗したのです。
そして彼女たちへ復讐の機会が訪れたのです。
そしてわたくしは王太子との婚約の儀の日を迎えることになりました。
父と屋敷を出たわたくしは馬車に乗り城へ向かいました。
丁度この日は曇り空で今にも雨が降り出そうという天気でした。
復讐を胸に、まるでわたくしの心の中を映しているかのような天気でした。
「ミリアよ。いいかい、王太子との婚約の儀が終われば、お前はそのまま城で花嫁修業をすることになる。粗相のないように気を付けるのだぞ」
「はい…お父様」
あれだけ婚約を嫌がったわたくしに父はそう言いました。
王太子との婚約をすんなり受けたことが心配だったのか少し顔つきが曇っていらっしゃったのです。
わたくしは父に心配かけまいと笑顔で答えました。
わたくしは大丈夫、うまくやって見せます、そう心の中で言いながら、父に笑顔を振りまきました。
お城に到着すると応接間に案内され暫く父とソファに座り二人で待っている、とそこへ国王殿下とミラージュ王太子がお見えになりました。
二人が私たちの前に座り話始めました。
「今日は生憎の曇り空だな。ハンドリー公爵」
「そうですな、陛下。しかしこの度の婚約の儀、私は本当に嬉しい事だと思っております」
「そうか。ミラージュよ、其方もこのような美しい娘を嫁に貰えてよかったな」
「はい、陛下。私には勿体くらいの美女で御座います」
なんとまあ…適当な社交辞令なのかしら。
わたくしの容姿はごく普通なのです。
決して顔立ちが良いとか、スタイルが良いとかそういうわけでは御座いません。
ただ、ブロンドの髪の毛が唯一の自慢だったことは小声で……。
わたくしはそう思いながら笑顔をしておりました。
この婚約の儀が終わればわたくしはロッタ様より立場が上になるのです。
王太子の婚約者として……。
そして今日、晴れて(空は曇っておりますが)婚約の儀が執り行われました。
儀式には各重要人物たちが勢ぞろいしておりました。
勿論そこにはロッタ様はじめ多くの貴族たちや娘たちも参列しておりました。
わたくしと王太子の婚儀の儀が無事終わるとわたくしは城の侍女にわたくし専用の部屋に案内してくれました。
「ミリア様。此方がこれからお使いになられるお部屋で御座います」
「有難う。貴女のお名前はなんて言えばいいのでしょう」
「アリサと申します。これからミリア様のお世話を担当することになりました。何かあればお申し付けください」
「分かりました。宜しくお願いしますね。アリサ」
はい、と一礼するアリサを見てわたくしは復讐を開始するのでありました。
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