あの日、北京の街角で

ゆまは なお

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第21章-5

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「あ、あっ。孝弘、ん、そこ、もっと」
「もっと強く? もっと早く?」
 いじわるな質問に肩をかんでやると、笑い声を上げながらリクエスト通りに動かしてくれた。気持ち良くて声を抑えられない。
 べつにいいかとあっさりあきらめて、孝弘が追い上げるままに快楽を受け取った。
「あっ、ああ、ふ…う……っ」
 孝弘の口に含まれて擦られると、びくびくと体が揺れる。やわらかな粘膜に包まれて、ぞくぞくと背筋を電流が走り抜けた。

 お互いに高めあって一度達したあと、背中をなでていた孝弘の指が、いたずらするように背骨をたどって降りてきて、そっとその奥に触れてきた。
 お伺いを立てるように指先で揉みこむようにこすりつけて、祐樹の反応を確認している。肩に額をぶつけてうなずくと、顔中にやさしく口づけられた。
 ぬるりとしたローションをまとった指が入り口をほぐすように触れてくる。祐樹はちょっと苦笑した。いつの間に。

「用意がいいね」
「たしなみ、だろ」
 5年前を思い出させるやり取り。
 ローションとゴムを受け取って、困惑した顔を見せたことを覚えている。
 それなのに、きょうは余裕の顔をして祐樹を翻弄しているのだ。

 もしかしたら東京で再会した時から、口説くつもりだったんだろうか。
 そう思うと、くすぐったいような気持ちがふわふわとわいてくる。同時につきんと胸の奥に痛みも感じる。
 孝弘の気持ちを疑うわけじゃないが、でもたぶん、自分はだめだ。
 孝弘の相手はきっとちがう。

 考えられたのはそこまでで、そのあとは体内に潜り込んできた指に思考もかき乱された。慎重に差し入れられた指がそろそろと内部を探り、その遠慮がちな動きは祐樹にとっては焦らされているようなものだった。
「んっ、あ……っ」
 吐息と一緒に声が上がる。
「痛くない? もっと入れて平気?」
 物足りなくて、もっと欲しくてうなずいた。

 ローションを足して浅いところで抜き差しを繰り返し、敏感なところを擦られると我慢なんてできなかった。
祐樹が思わず腰を揺らめかせたら、誘いに乗ってさらに奥へと指が押し入ってくる。
「孝弘、あ、あっ」
 ねだる響きで名前を呼ぶと、孝弘は嬉しそうに目を細めた。
「ここ? これがいい?」
 指先がかすめた個所にびくっと背筋がたわむ。

「んっ、いい、そこ、気持ちいい」
 熱い息を吐きながら孝弘を見上げたら、焼けそうなほど強い視線に縫いとめられた。 
「中やらかいな。祐樹、かわいい」
 確実に反応するところを責め立てられて、くちゅくちゅと音が立つくらいにとろとろになるまでなぶられる。

「あー、もう限界。入れていい?」
 うなずくとほぐされたそこに孝弘の熱が触れてきた。
 ぐっと体重をかけられて、圧迫感につい体が逃げようとする。
 実は誰かと身体を交わすのはけっこう久しぶりだった。
 ゆっくりと開かれたそこが昂ぶりを包みこみ、もっと引き入れようとあからさまに吸引しようとする。
 それに羞恥を感じる余裕はすでになく、足を絡めてキスをねだる。

 受け入れても痛みはなくて、ただひたすら熱いと感じた。
 目線をそらさないまま、孝弘はゆっくり体を進めてくる。
 愛しさのあふれる表情に、なぜか泣きたくなる。
 こみ上げる感情を悟られたくなくて、祐樹は目を閉じた。
 目を閉じていても、孝弘のまっすぐな視線の熱量を感じた。

 両手で腰をつかまれて揺らされながら、意識して深く呼吸する。
 中が喜んで孝弘を受け入れて絡みつくのがわかった。奥まで突かれて、びくびくと体が揺れる。
 ささやかな胸の突起を舐められて、そこからじわじわと快感が広がる。
「気持ちいいよ、すごく」
 素直に告げると俺もいいよとささやきが返ってきた。
「祐樹、祐樹、…熱くてやらかくて最高」
 二人でリズムを作りながらどんどん高まりあっていく。

 きゅうっと自分のなかが収縮したのと同時に中にいる孝弘を締め付けたのを感じて、それにも追いつめられて、祐樹は二度目の放熱を遂げた。
 一瞬遅れて、孝弘がぶるっと身を震わせた。
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