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11−2 婚約者候補
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トビアスに急かされて、ヴィクトルは自分の席に座ると、書類を手に取る。
アンリエットには婚約者がいた。しかし、王から追い出されて、その婚約はマルスランの娘に替わったと噂がある。
アンリエットは長年共にいた男との婚約を、突然破棄されたのだ。
(婚約者を、忘れられない?)
「嫉妬しないでください。デラフォア令嬢が振り向いてくれないからって」
「嫉妬?」
「そうですよ。嫉妬しないでください。自分がモテなかったからって」
「おい」
「そこ、ちゃんと読んでくださいよ」
憎らしい。トビアスは言いたいだけ言って、その話を切り上げた。
「何が嫉妬だ」
ヴィクトルは王宮の廊下を歩きながらトビアスの言葉を反復して口にした。
仕事中もその言葉が頭に浮かんでは、気持ちにもやをかけていた。
(嫉妬? 俺が?)
『モテなかったからって』
トビアスの言葉が無性に腹立たしい。アンリエットが会ったばかりのヴィクトルに惚れるわけがないだろう。何を言っているのか。
「あら、ヴィクトル。不機嫌な顔をしてどうしたのかしら?」
「母上。いえ、ただ今仕事を終えてきたところです。母上は、本日は令嬢たちを集めて茶会を行ったとのことですが」
「ふふ。気になるの?」
王妃の含んだような言い方に、問うべきではなかったと後悔する。まるでアンリエットを婚約者候補に入れたのか聞きたがっているようではないか。
王妃はもう一度ふふ、と笑う。
「面白いお嬢さんね」
「とても真面目な方です」
「ドロテーアが気にしていたわ。あなたの執務に女性を入れたことを。今までそんなことはなかったでしょう?」
不満でも口にしただろうか。アンリエットが優秀なだけで、勘繰ることはないと言うのに。
「立候補者がいなかっただけです。それに彼女は王太子代理を行っていた方ですから、これほどの適材適所はないでしょう。実際、とても助かっています」
「そうなのね。彼女を婚約者候補にすることについては、どう思うかしら?」
王妃は直接そんなことを問うてくる。最近余程ヴィクトルに結婚してほしいようで、誤魔化しもしない。
「母上までそのようなことを。トビアスから仕事の邪魔になるものは避けてくれと言われたばかりですよ」
「トビアスは王太子の幸せより仕事が優先なのかしら」
「先ほども言った通り、彼女はとても仕事熱心で、私の助けになっています。私から大事な部下を取るのはおやめください」
「婚約者が働いても良いと思うのよねえ」
「母上」
本気か? 王妃はとぼけた顔をして、困ったように唸ったが、すぐに真顔に戻る。
「ヴィクトル、経過というものがあるのよ。どこで分岐するかわからないのだから、見極めることは必要でしょう」
誰のことを言っているのか。茶会で何かあったか、詳しくは入ってこない。アンリエットが何かをしたのか、それとも、
「忘れてはならないのは、私たちは王族で、国を、民を、守る者であるということなの」
「もちろんです」
ヴィクトルの返事に、王妃はにこりと微笑む。
「初心は忘れてはならないわね」
王妃はそのまま廊下をすれ違い行ってしまった。
今の話はドロテーアの話か? ドロテーアを婚約者候補から脱落させる気か?
(だからアンリエットを呼んだのか? デラフォア家の面目のためではなかったのか?)
「茶会で何があったんだ?」
茶会やパーティでは、時折問題が起きる。
婚約者候補の一人が騎士と親密だとか、他の婚約者候補に無礼を働いたとか、そこに事実がなくとも噂されれば払拭するのは難しい。ゴシップはどこでもあるが、殊にヴィクトルの関係者には多くつきまとう。
(パーティでも嫌がらせはあるからな)
わざと転ばしたり、ドレスを汚したり。
アンリエットがそんな目に遭ったならば、会った時に気付いただろう。ドレスが汚されたようではなかったし、気落ちした雰囲気はなかった。むしろ明るく、フランと親しく話していた。
その顔を思い出して、また胸の中にもやがかかる。なぜか気に食わない。
ヴィクトルは大きく息を吐く。トビアスのせいでおかしなことを考えてしまうようだ。
「彼女が嫌がらせをされた雰囲気はなかったが」
アンリエットは暗い顔をすることがないため、何とも言えないが、おかしなことはなかったと思う。
しかし、王妃の言い方では、婚約者候補があらぬ方向に向かうのならば、切り捨てるということだった。
ヴィクトルにとってドロテーアが婚約者候補から外れるのはありがたいが。
ドロテーアの家門は古くから王族に忠誠を誓ってきた、密接な関係を持つ一族だが、力を持ちすぎた感がある。影響は強く、多くの家門がベンディクス家の圧力に平伏している。
王妃はドロテーアの、何としてでも王太子の婚約者になるのだという気概を気に入っている。ドロテーアの父親については様子見というところで、まだ表立って問題は起こしていないため放置だ。しかし、ドロテーアが婚約者となり、王太子妃となれば変わるだろう。ドロテーアの父親はドロテーア以上にクセが強い。
ドロテーアの父親に、きな臭い噂がないわけでもない。
顔を思い出して、眉をひそめる。気に食わない。ヴィクトルのこの勘は、違えたことはなかった。
アンリエットには婚約者がいた。しかし、王から追い出されて、その婚約はマルスランの娘に替わったと噂がある。
アンリエットは長年共にいた男との婚約を、突然破棄されたのだ。
(婚約者を、忘れられない?)
「嫉妬しないでください。デラフォア令嬢が振り向いてくれないからって」
「嫉妬?」
「そうですよ。嫉妬しないでください。自分がモテなかったからって」
「おい」
「そこ、ちゃんと読んでくださいよ」
憎らしい。トビアスは言いたいだけ言って、その話を切り上げた。
「何が嫉妬だ」
ヴィクトルは王宮の廊下を歩きながらトビアスの言葉を反復して口にした。
仕事中もその言葉が頭に浮かんでは、気持ちにもやをかけていた。
(嫉妬? 俺が?)
『モテなかったからって』
トビアスの言葉が無性に腹立たしい。アンリエットが会ったばかりのヴィクトルに惚れるわけがないだろう。何を言っているのか。
「あら、ヴィクトル。不機嫌な顔をしてどうしたのかしら?」
「母上。いえ、ただ今仕事を終えてきたところです。母上は、本日は令嬢たちを集めて茶会を行ったとのことですが」
「ふふ。気になるの?」
王妃の含んだような言い方に、問うべきではなかったと後悔する。まるでアンリエットを婚約者候補に入れたのか聞きたがっているようではないか。
王妃はもう一度ふふ、と笑う。
「面白いお嬢さんね」
「とても真面目な方です」
「ドロテーアが気にしていたわ。あなたの執務に女性を入れたことを。今までそんなことはなかったでしょう?」
不満でも口にしただろうか。アンリエットが優秀なだけで、勘繰ることはないと言うのに。
「立候補者がいなかっただけです。それに彼女は王太子代理を行っていた方ですから、これほどの適材適所はないでしょう。実際、とても助かっています」
「そうなのね。彼女を婚約者候補にすることについては、どう思うかしら?」
王妃は直接そんなことを問うてくる。最近余程ヴィクトルに結婚してほしいようで、誤魔化しもしない。
「母上までそのようなことを。トビアスから仕事の邪魔になるものは避けてくれと言われたばかりですよ」
「トビアスは王太子の幸せより仕事が優先なのかしら」
「先ほども言った通り、彼女はとても仕事熱心で、私の助けになっています。私から大事な部下を取るのはおやめください」
「婚約者が働いても良いと思うのよねえ」
「母上」
本気か? 王妃はとぼけた顔をして、困ったように唸ったが、すぐに真顔に戻る。
「ヴィクトル、経過というものがあるのよ。どこで分岐するかわからないのだから、見極めることは必要でしょう」
誰のことを言っているのか。茶会で何かあったか、詳しくは入ってこない。アンリエットが何かをしたのか、それとも、
「忘れてはならないのは、私たちは王族で、国を、民を、守る者であるということなの」
「もちろんです」
ヴィクトルの返事に、王妃はにこりと微笑む。
「初心は忘れてはならないわね」
王妃はそのまま廊下をすれ違い行ってしまった。
今の話はドロテーアの話か? ドロテーアを婚約者候補から脱落させる気か?
(だからアンリエットを呼んだのか? デラフォア家の面目のためではなかったのか?)
「茶会で何があったんだ?」
茶会やパーティでは、時折問題が起きる。
婚約者候補の一人が騎士と親密だとか、他の婚約者候補に無礼を働いたとか、そこに事実がなくとも噂されれば払拭するのは難しい。ゴシップはどこでもあるが、殊にヴィクトルの関係者には多くつきまとう。
(パーティでも嫌がらせはあるからな)
わざと転ばしたり、ドレスを汚したり。
アンリエットがそんな目に遭ったならば、会った時に気付いただろう。ドレスが汚されたようではなかったし、気落ちした雰囲気はなかった。むしろ明るく、フランと親しく話していた。
その顔を思い出して、また胸の中にもやがかかる。なぜか気に食わない。
ヴィクトルは大きく息を吐く。トビアスのせいでおかしなことを考えてしまうようだ。
「彼女が嫌がらせをされた雰囲気はなかったが」
アンリエットは暗い顔をすることがないため、何とも言えないが、おかしなことはなかったと思う。
しかし、王妃の言い方では、婚約者候補があらぬ方向に向かうのならば、切り捨てるということだった。
ヴィクトルにとってドロテーアが婚約者候補から外れるのはありがたいが。
ドロテーアの家門は古くから王族に忠誠を誓ってきた、密接な関係を持つ一族だが、力を持ちすぎた感がある。影響は強く、多くの家門がベンディクス家の圧力に平伏している。
王妃はドロテーアの、何としてでも王太子の婚約者になるのだという気概を気に入っている。ドロテーアの父親については様子見というところで、まだ表立って問題は起こしていないため放置だ。しかし、ドロテーアが婚約者となり、王太子妃となれば変わるだろう。ドロテーアの父親はドロテーア以上にクセが強い。
ドロテーアの父親に、きな臭い噂がないわけでもない。
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