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21−3 領地
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「あ、明日は魔物の出現場所を確認なさるんですよね?」
耐えきれなくて、アンリエットが先に視線を逸らした。見つめ続けていたら、どうにかなってしまいそうだ。ヴィクトルはなんとも思わなかったか、庭木に視線を向けると、少し歩こうと言って歩き出す。
「状況確認と、現在の規模を正確に把握する。場合によっては戦いになるだろう」
「お供します」
「正直なところ、討伐に君は入ってほしくないのだがな」
「まあ、殿下。毎朝鍛錬は欠かしておりませんわ。兄にも相手になってもらっています。足手まといになるつもりは、」
「聞いている。一時は前髪が短かったからな」
「あれは私の下手さが問題でして」
「意外に不器用なのか?」
「ここだけのお話ですが、刺繍などはとんとうまくなりませんでしたの」
「意外だな。なんでも器用にこなしそうなのに」
そう言ってくれるのは嬉しいが、刺繍だけは話しが違う。幼い頃からスファルツ王国に入り、王太子になる学びしか行えなかったからだ。と自分では言い訳をしている。刺繍の授業などはなかったため、メイドのマーサに教えてもらっていた。教えてもらってもうまくいかなかったので、アンリエットが下手なだけである。そのうち行う暇がなくなり、今に至る。
「なら、今度ハンカチをくれないか? 君が刺繍をした」
「殿下。私の話を聞いてくださっていますか?」
「もちろんだ」
アンリエットは口をとがらせた。ヴィクトルはくすくすと笑ってアンリエットをからかうのだ。
誰かに贈るために刺繍を施すのならば、猛練習をしなければならない。そういえば、エダンにハンカチを贈ったことはなかった。討伐に一緒に行くのに、ハンカチを渡す必要がないからだ。だからなおさら努力を怠ったとも言える。
今度は真面目に学び直そうか。そんな気持ちがちらりと顔を出す。
ヴィクトルにハンカチを贈るために、刺繍を学ぶのも良いかもしれない。贈ったらヴィクトルは喜んでくれるだろうか。
ヴィクトルはアンリエットの足に合わせて、ゆっくり歩いてくれる。風が吹いてくる側に立ち、アンリエットのために壁になってくれている。
細かな心遣いだ。
(殿下は、私のどこが良かったのかしら)
スファルツ王国では役立たずと言われた。周囲はそんなことないと励ましてくれた。エダンは、できることが当然でなければならないと言った。そうでなければ、王太子代理として認められないからだ。
厳しい人。そこが好きだった。言葉だけの優しさだけではあの城でやっていけないと、彼は知っていたからだ。脱落するならば早い方がいい。それが彼なりの優しさだった。
エダンがアンリエットの側にいたのは、それなりの利益があったからだ。そうでなければ、アンリエットの側にいることはなかった。
では、ヴィクトルは?
どうして、アンリエットを選んだのだろう。
ちらりと顔を見やれば、同じようにヴィクトルがアンリエットに視線を向けた。またも目が合って、どきりとする。
(なんだか変だわ。妙に恥ずかしくて)
夜、二人きりで庭園なんて歩いているからだろうか。こんな時間に歩いている方がおかしいのだ。そうだった。こんな時間に王太子殿下と二人歩いていては、誰かに見られた時に困るだろう。
「殿下、そろそろお部屋に戻られた方が」
「寒いか?」
「いえ、そういうわけでは」
「ならば、もう少しだけ。目が覚めて、すぐに眠れそうにないんだ」
ヴィクトルが熱っぽい目でアンリエットを見つめてくる。その視線を向けられるだけで、気持ちが落ち着かなくなってきた。
「君は? 眠れなかったのではないのか」
問われて、答えを返せなかった。ヴィクトルは何を考えてアンリエットが庭園を歩いているのか、想像が付いていたのだろう。エダンのことを思い出して、眠れなかったのだと。
ヴィクトルは手を伸ばすと、するりとアンリエットの手を取った。
「殿下?」
「婚約者に会いたいか?」
「え……」
どきりとした。ヴィクトルがひどく悲しげな顔を見せるからだ。ヴィクトルはずっと気になっていたのだろうか。
エダンが明日、パルシネン家領地へやってくる。心が騒がしくなったのは間違いない。だが、会いたいのかと問われても、よくわからなかった。
「わかりません。私も、よく」
「そうだな」
ヴィクトルは手を離して後ろを向くと、ゆっくり歩き出す。ヴィクトルのアンリエットに対する想いを知りながら、はっきり言わないことに腹を立てただろうか。けれど、アンリエットもよくわからないのだ。
いや、会って、いつものように冷淡な目で見られるのではと考えると、心が壊れてしまう気がした。やはり、自分の存在に価値がないのだと、再確認させられるようで。
ならば、会いたくとも、会わない方が良いのかもしれない。
そう思って、気付くのだ。
(ああ、私は、エダンに会いたいのね)
「殿下、私は」
「言わなくていい」
ヴィクトルはアンリエットの言葉を遮ると、アンリエットに向き直した。
「君が誰を想うか、今は聞きたくない」
「私は……」
「だが、君を捨てたまま放置した男の元に、渡す気もない」
言いながら、ヴィクトルはアンリエットの前に跪くと、そっとアンリエットの手を取った。
「どうか、少しでも君の心に、俺の存在が残るように」
そう言って、そろりとアンリエットの手の甲に口付けた。
「そろそろ部屋に戻るといい。冷えてきたからな」
ヴィクトルは部屋に送ると言って、アンリエットの背を押した。促されてアンリエットは足を進めはじめる。
「それでは、おやすみ」
部屋の前までアンリエットを送って、ヴィクトルは部屋に戻っていく。その後ろ姿を見送って、アンリエットは自分の部屋に入り扉を閉めた。
(なにかしら。なんだか)
気のせいだろうか。部屋に戻ってきたからか、アンリエットは自分の手や頬が、やけに熱くなっているのを感じた。
耐えきれなくて、アンリエットが先に視線を逸らした。見つめ続けていたら、どうにかなってしまいそうだ。ヴィクトルはなんとも思わなかったか、庭木に視線を向けると、少し歩こうと言って歩き出す。
「状況確認と、現在の規模を正確に把握する。場合によっては戦いになるだろう」
「お供します」
「正直なところ、討伐に君は入ってほしくないのだがな」
「まあ、殿下。毎朝鍛錬は欠かしておりませんわ。兄にも相手になってもらっています。足手まといになるつもりは、」
「聞いている。一時は前髪が短かったからな」
「あれは私の下手さが問題でして」
「意外に不器用なのか?」
「ここだけのお話ですが、刺繍などはとんとうまくなりませんでしたの」
「意外だな。なんでも器用にこなしそうなのに」
そう言ってくれるのは嬉しいが、刺繍だけは話しが違う。幼い頃からスファルツ王国に入り、王太子になる学びしか行えなかったからだ。と自分では言い訳をしている。刺繍の授業などはなかったため、メイドのマーサに教えてもらっていた。教えてもらってもうまくいかなかったので、アンリエットが下手なだけである。そのうち行う暇がなくなり、今に至る。
「なら、今度ハンカチをくれないか? 君が刺繍をした」
「殿下。私の話を聞いてくださっていますか?」
「もちろんだ」
アンリエットは口をとがらせた。ヴィクトルはくすくすと笑ってアンリエットをからかうのだ。
誰かに贈るために刺繍を施すのならば、猛練習をしなければならない。そういえば、エダンにハンカチを贈ったことはなかった。討伐に一緒に行くのに、ハンカチを渡す必要がないからだ。だからなおさら努力を怠ったとも言える。
今度は真面目に学び直そうか。そんな気持ちがちらりと顔を出す。
ヴィクトルにハンカチを贈るために、刺繍を学ぶのも良いかもしれない。贈ったらヴィクトルは喜んでくれるだろうか。
ヴィクトルはアンリエットの足に合わせて、ゆっくり歩いてくれる。風が吹いてくる側に立ち、アンリエットのために壁になってくれている。
細かな心遣いだ。
(殿下は、私のどこが良かったのかしら)
スファルツ王国では役立たずと言われた。周囲はそんなことないと励ましてくれた。エダンは、できることが当然でなければならないと言った。そうでなければ、王太子代理として認められないからだ。
厳しい人。そこが好きだった。言葉だけの優しさだけではあの城でやっていけないと、彼は知っていたからだ。脱落するならば早い方がいい。それが彼なりの優しさだった。
エダンがアンリエットの側にいたのは、それなりの利益があったからだ。そうでなければ、アンリエットの側にいることはなかった。
では、ヴィクトルは?
どうして、アンリエットを選んだのだろう。
ちらりと顔を見やれば、同じようにヴィクトルがアンリエットに視線を向けた。またも目が合って、どきりとする。
(なんだか変だわ。妙に恥ずかしくて)
夜、二人きりで庭園なんて歩いているからだろうか。こんな時間に歩いている方がおかしいのだ。そうだった。こんな時間に王太子殿下と二人歩いていては、誰かに見られた時に困るだろう。
「殿下、そろそろお部屋に戻られた方が」
「寒いか?」
「いえ、そういうわけでは」
「ならば、もう少しだけ。目が覚めて、すぐに眠れそうにないんだ」
ヴィクトルが熱っぽい目でアンリエットを見つめてくる。その視線を向けられるだけで、気持ちが落ち着かなくなってきた。
「君は? 眠れなかったのではないのか」
問われて、答えを返せなかった。ヴィクトルは何を考えてアンリエットが庭園を歩いているのか、想像が付いていたのだろう。エダンのことを思い出して、眠れなかったのだと。
ヴィクトルは手を伸ばすと、するりとアンリエットの手を取った。
「殿下?」
「婚約者に会いたいか?」
「え……」
どきりとした。ヴィクトルがひどく悲しげな顔を見せるからだ。ヴィクトルはずっと気になっていたのだろうか。
エダンが明日、パルシネン家領地へやってくる。心が騒がしくなったのは間違いない。だが、会いたいのかと問われても、よくわからなかった。
「わかりません。私も、よく」
「そうだな」
ヴィクトルは手を離して後ろを向くと、ゆっくり歩き出す。ヴィクトルのアンリエットに対する想いを知りながら、はっきり言わないことに腹を立てただろうか。けれど、アンリエットもよくわからないのだ。
いや、会って、いつものように冷淡な目で見られるのではと考えると、心が壊れてしまう気がした。やはり、自分の存在に価値がないのだと、再確認させられるようで。
ならば、会いたくとも、会わない方が良いのかもしれない。
そう思って、気付くのだ。
(ああ、私は、エダンに会いたいのね)
「殿下、私は」
「言わなくていい」
ヴィクトルはアンリエットの言葉を遮ると、アンリエットに向き直した。
「君が誰を想うか、今は聞きたくない」
「私は……」
「だが、君を捨てたまま放置した男の元に、渡す気もない」
言いながら、ヴィクトルはアンリエットの前に跪くと、そっとアンリエットの手を取った。
「どうか、少しでも君の心に、俺の存在が残るように」
そう言って、そろりとアンリエットの手の甲に口付けた。
「そろそろ部屋に戻るといい。冷えてきたからな」
ヴィクトルは部屋に送ると言って、アンリエットの背を押した。促されてアンリエットは足を進めはじめる。
「それでは、おやすみ」
部屋の前までアンリエットを送って、ヴィクトルは部屋に戻っていく。その後ろ姿を見送って、アンリエットは自分の部屋に入り扉を閉めた。
(なにかしら。なんだか)
気のせいだろうか。部屋に戻ってきたからか、アンリエットは自分の手や頬が、やけに熱くなっているのを感じた。
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