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末路
2 聖女が発見された
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我が国は、6ヶ国連合に所属する、ロズワンド王国。
二大陸のうちの一つ、ドールドラン大陸にある。
我が国は長いこと、自称聖女と名乗る女に欺かれ続けていた。
先の世で、一人の醜悪な平民の女に騙されていた愚かな我々の事は、酒の席での笑いのネタにされるであろう。
しかし、聖女は大陸を支え、加護を与える存在なのだ。
聖女を騙る者がどんな者であれ、無闇矢鱈に屠るわけにはいかなかった。
その自称聖女が現れてから、すでに10年以上が経過していたが、真実を白日のものとし、英断を下した勇敢なお方がいた。
話は、とある特別な姉妹の存在から始まる。
姉妹の一族は、無慈悲な奴隷狩りにあい、住む家を追われていた。
“原初の民”と呼ばれる尊い血筋の彼女達は、それぞれが特別な能力を持っていた。
だから、奴隷狩りに狙われたのだ。
仲の良い姉妹は、特別な力を隠して生きていくしかなく、一族と散り散りになりながらも、手を取り合って、助け合って暮らしていた。
そんな姉妹を不憫に思ったのか、天は特別な出会いを用意していた。
姉には、絶大な神聖魔法が授けられていた。
姉の名前は、アリーヤ。
与えられた力に驕ることなく、慈悲深き心で怪我や病で苦しんでいる人々を癒して各地を旅していた。
そしてその運命の日、二人が出会うことは必然だったのだ。
ロズワンド王国のバージル王太子は、国境の視察に訪れた際、思わぬ事故に遭い崖から転落、大怪我を負った。
護衛の者達ともはぐれ、一人死をも悟った時、アリーヤが訪れ、王太子の怪我を一瞬で治癒した。
バージル王太子は、それを奇跡と呼び、アリーヤこそが聖女であると言った。
アリーヤが使用する神聖魔法は、使うたびに星が瞬き、それこそが聖女の証であった。
その頃、王都には、聖女と呼ばれている女がすでにいた。
我々を欺いていた、あの女だ。
その女は、神聖魔法が使えないにもかかわらず、長らく教会の恩恵を受け、厚かましくも10年以上にわたり、人々を騙し、そこに居座り続けていた。
王太子バージルは、偽聖女の正体を暴き、アリーヤこそが真の聖女だと公表した。
異論を唱えるものはいなかった。
もともと皆、平民出であるその偽聖女の能力に懐疑的だったのだ。
王太子と聖女が婚姻したその日、ニセモノの聖女は民衆の目の前で処刑され、広場にその首は晒された。
その処刑が行われても大陸は何の変化もなく、平穏そのもので、やはりアリーヤこそが真なる聖女であったのだ。
真なる聖女の出現に、民衆は歓喜した。
それが、この度、我が国の王太子殿下と御成婚となった聖女アリーヤ様との馴れ初めでもあり、我々は真の聖女と共に歩むことにより、この国は末長く安泰となるだろう。
~星読みの神官 マーレン・コールダー 談~
二大陸のうちの一つ、ドールドラン大陸にある。
我が国は長いこと、自称聖女と名乗る女に欺かれ続けていた。
先の世で、一人の醜悪な平民の女に騙されていた愚かな我々の事は、酒の席での笑いのネタにされるであろう。
しかし、聖女は大陸を支え、加護を与える存在なのだ。
聖女を騙る者がどんな者であれ、無闇矢鱈に屠るわけにはいかなかった。
その自称聖女が現れてから、すでに10年以上が経過していたが、真実を白日のものとし、英断を下した勇敢なお方がいた。
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そんな姉妹を不憫に思ったのか、天は特別な出会いを用意していた。
姉には、絶大な神聖魔法が授けられていた。
姉の名前は、アリーヤ。
与えられた力に驕ることなく、慈悲深き心で怪我や病で苦しんでいる人々を癒して各地を旅していた。
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ロズワンド王国のバージル王太子は、国境の視察に訪れた際、思わぬ事故に遭い崖から転落、大怪我を負った。
護衛の者達ともはぐれ、一人死をも悟った時、アリーヤが訪れ、王太子の怪我を一瞬で治癒した。
バージル王太子は、それを奇跡と呼び、アリーヤこそが聖女であると言った。
アリーヤが使用する神聖魔法は、使うたびに星が瞬き、それこそが聖女の証であった。
その頃、王都には、聖女と呼ばれている女がすでにいた。
我々を欺いていた、あの女だ。
その女は、神聖魔法が使えないにもかかわらず、長らく教会の恩恵を受け、厚かましくも10年以上にわたり、人々を騙し、そこに居座り続けていた。
王太子バージルは、偽聖女の正体を暴き、アリーヤこそが真の聖女だと公表した。
異論を唱えるものはいなかった。
もともと皆、平民出であるその偽聖女の能力に懐疑的だったのだ。
王太子と聖女が婚姻したその日、ニセモノの聖女は民衆の目の前で処刑され、広場にその首は晒された。
その処刑が行われても大陸は何の変化もなく、平穏そのもので、やはりアリーヤこそが真なる聖女であったのだ。
真なる聖女の出現に、民衆は歓喜した。
それが、この度、我が国の王太子殿下と御成婚となった聖女アリーヤ様との馴れ初めでもあり、我々は真の聖女と共に歩むことにより、この国は末長く安泰となるだろう。
~星読みの神官 マーレン・コールダー 談~
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