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6章:朋友
おまけ1:打ち上げ
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トレヴァーが連れてきてくれた店は一階にも大部屋があるらしい。普段はここを宴会場に使っているらしいのだが、今日はここに布団を運び込んで貰った。女将さんもいい人で、快く迎えてくれた。
それぞれが酒を片手に飲んで食べて、賑やかな時間が過ぎていく。ドゥーガルドはしきりにランバートとの手合わせを願いでてきたし、トビーはトレヴァーと何やら言い合いをしながらも楽しそうだ。
そうこうして三時間も経つと、早い奴は眠くなる。トビーとトレヴァーが沈み、チェスターが沈み、意外にもドゥーガルドが沈み、レイバンの側でコナンが眠ってしまった。そこにゼロス達に誘われたらしいボリスが合流し、レイバンがコナンを布団に移動させるとやっと、少し場が落ち着いた。
「賑やかなのはいいが、流石にこの人数は大変だな」
苦笑したゼロスの隣でコンラッドが同じく頷く。二人は比較的似たイメージがあった。
「何にしても、お疲れ。いや、本当に疲れたよ」
「でも、楽しかったじゃん。違う? レイバン」
頬杖をついて言うレイバンに、ハリーが楽しそうに笑う。これには全員それぞれ頷いた。
「みんな顔見知りで知り合いなのか?」
ランバートが聞くと、第一師団のゼロスとコンラッド、ボリスは頷いた。
「俺たちは同じ隊だし、よく組むことがあるからな」
「俺とゼロスは幼馴染みでみあるし、ボリスとはここに入ってからだけどけっこう話をする」
「ゼロスとコンラッドは少し硬いんだよね。俺は二人よりは軽い」
ゼロス、コンラッド、ボリスがそれぞれに言う。なんだかんだで仲がいいらしい。
「俺はドゥーガルドの事は知ってたけど、合わなそうだから近づかなかった。こんなに話したのは今日が初めてだね。まぁ、話すと悪くない」
レイバンはそんな事を言う。まぁ、あれだけの巨体は目立つだろう。
「多分、同じ隊の人間はある程度分かってると思うよ。関わりがあるかは別としてね。第三師団と第一師団は人数が多いから関わらないとまったくだろうけど、第四、第二、第五は人数少ないから」
ハリーの説明に納得だ。ランバートだってチェスターの事は知っている。
「まぁ、俺としては是非ともランバートのことが知りたいわけだ」
「俺?」
興味津々という様子で近づいたハリーに少し押されながら、ランバートは自分を指す。周囲を見回しても、みんな頷いている。何がそんなに興味があるのか。
「ランバートは中途組だし、入ったとき一人だしさ。入団テストでも関わりないから興味あり。多分そう思ってる隊員は多いよ」
ボリスが笑ってグラスに酒を注ぐ。それを飲むと今度はコンラッドが酒を注ぐ。どうやら酔わせてしゃべらせようという事らしい。
「ランバートはどうして騎士団に入ったの?」
「前に婚活って言ってたよな。現在進行形?」
「「婚活!」」
コンラッドチームの驚愕、ゼロスの苦笑、レイバンのニヤニヤ顔。本当にこんなのが話のネタになるんだからな。呆れるけれど、まぁ楽しい。
「今は俺が立候補中」
ニヤリと笑ってレイバンが体を寄せる。隣に座って形のいい指を頬に絡めるようにしている。なんとも楽しそうな顔をして人をからかうレイバンに、ランバートも悪乗りをした。
「諦めてないの?」
「うーん、面白そうだから。相性良さそうだし」
「試そうか?」
ニヤリと笑って誘うと、意外と乗ってくる。寄り添うように近づく紫の瞳を見て、ランバートは笑う。けっこう色気のある顔をレイバンはする。
「こらこら、こんな公衆の面前で何を始めようっていうんだい?」
ボリスが困った顔で笑っている。意外にも耐性がありそうだ。
「いいな、レイバン。俺も参加しようかな」
そう言って近づくのはハリーだ。こっちも同じような悪戯な様子でいる。レイバンと合わせると手が悪そうだ。
蠱惑的に見上げる緑色の瞳はまた少し違った魅力がある。色気というよりは、小悪魔的だ。
「ランバート、いい加減拒まないと本当に二人に押し倒されるぞ」
「俺、押し倒される方なのか?」
ゼロスが呆れた様子で言うのに答えたランバートは、二人にも問いかける。すると二人はそれぞれ顔を見合わせて、首を捻った。
「俺は誘い込んでから上に乗るほう」
「俺はどっちかと言うと、押し倒すけれど受け」
レイバンとハリーは、酒の勢いもあってか平気で自分の性癖を口にしている。当然視線はランバートにも向けられた。
「俺は気持ちが良ければどっちでもいい。レイプまがいでも、視姦でも、縛っても縛られても?」
「うわ、一番節操がない!」
なんてレイバンに言われて、後はゲラゲラ下世話に笑う。なんだか懐かしい感じた。
「やっぱり結構遊んでるな、ランバート」
「騎士団入ってからは慎ましいよ。元々そんなに性欲は強くないし、遊ぶのも誘われて。俺から誘った事なんて多分ない」
コンラッドに話を振られて、ランバートは素直に答える。場数も踏んだし遊んだけれど、考えると誘った事はなかったな。誘いたいと思う相手にも巡り会っていないし。
「なんか、それも意外だね。引く手あまただったでしょ? いいって思う相手、いなかったのかい?」
「いないかな。仲間や友達としての付き合いはあっても、恋人なんて関係は。第一、追われるのって苦手なんだ。なんか、重荷になってきて。同じ相手と四六時中ってのも、面倒になってきたし」
「うわぁ、根っからの遊び人。ランバート不潔」
ボリスの質問に答えると、横合いからハリーが野次を飛ばして首に抱きついてくる。けっこう酔いが回っている様子だ。
「家が五月蠅く言ったんじゃないのかい?」
「言わないよ、うちは。ヒッテルスバッハは恋愛婚推奨なんだ。珍しいだろ?」
首を傾げて苦笑で言った。実際かなり珍しいと思う。貴族の家は政略結婚が大概なのに、ヒッテルスバッハは昔から恋愛婚。相手の身分もあまり問わない。周囲が五月蠅く言おうが、当人達がそれで覚悟ができているならそれでいいという家訓だ。
「確かに珍しいな。俺みたいな小貴族でも家柄は気にする。まぁ、主に相手の身分が高すぎると扱いに困るって方向だが」
苦笑したゼロスがそんな事を言う。結婚適齢期ともなると、それが普通なのだろう。
「ランバートは兄弟いるよね?」
レイバンが気のない顔で言う。既に体は離れている。対してハリーはベタベタだ。多分、そういう酔い癖なんだろう。
「そいつウザいだろ? なんなら一発殴ってもいいぞ」
「コンラッド五月蠅い。ランバートっていい匂いするんだ。それに好きにさせてくれるから結構好き。顔も好み」
「本格的に一発殴ってもいいからな、ランバート」
溜息をつくコンラッドは苦労人っぽい顔をする。多分、本当に面倒見のいい苦労人なんだろう。
「俺には兄が二人いる。両方とも独身だよ」
「言われないか?」
「一番上の兄にはお付き合いをしている女性がいるはずだ。多分、もう五年以上だな。兄はいつでも迎え入れるつもりだろうが、相手がまだ尻込みしていると言っていた」
同じ兄弟から見ても、長兄はできた人だ。相手の身分かまわず礼を尽くすし、穏やかな人柄でもある。ただ、仕事となれば厳しい目を持っている。次のヒッテルスバッハを継ぐのは間違いなくこの人だ。
「二番目の兄さんも恋人いるの?」
「いや、いない。二番目は性格に難ありかな。表面的には友好的なんだけど、腹黒いっていうか……変人? 親しくなればなるほど隠さないから、余計に女性は引く。多分本人も結婚願望ないんだ」
二番目の兄を思い出すと、本当に変人という言葉がしっくりくる。誰にでもとても友好的で笑顔が多いけれど、その全てが作り物だ。本当は我が儘放題だし、拗ねるとけっこう時間がかかる。病弱だった昔の儚さなんて、今は探したって欠片もない。
「兄弟仲がいいんだな」
「そうか?」
「トレヴァーも兄弟仲がいいよ。上にお兄さん、下に妹かな。この妹が可愛くてさ! まだ十三だったと思うけど、小さなレディーって感じで」
レイバンが意外と詳しく教えてくれる。それらを聞いていると、ふとランバートはある疑惑を抱いた。
「レイバンって、ショタコン?」
思わず言った言葉に、全員がちょっと凍り付く。レイバンは紫の瞳を少し大きく見開いて、次には豪快に笑った。
「つまり、小さい子が好きって事?」
「いや、コナンにも随分優しいし、コナンも懐いたし」
「単に庇護欲があるってだけ。性的な意味では見てないし、見られない。俺は一人っ子だから、妹とか弟が欲しかったんだよね。だから、憧れ? うーん、疑似体験?」
酒を飲んで更に笑うレイバンの言葉に嘘はなさそうだ。それにしても、そんなものか。
「一人っ子なのに騎士団入ったの? レイバン、家大丈夫?」
ハリーがランバートにくっついたままでそんな事を言う。確かにそうだ。騎士団は基本、女性との婚姻を認めていない。女性と結婚して家を継ぐとなれば、退団しなければならないはずだ。
レイバンは少し考えて、ちょっと寂しそうに笑った。
「俺の家はもう没落したの。だから、継ぐ家もない。親も死んだし、家も家財もすってんてん。だから、俺は死ぬまでここにいるのよ」
寂しそうな顔が一瞬覗く。なんとなく、言葉がない。どう声をかけていいか、そんな事を思っていると側のハリーが離れて突進するようにレイバンに抱きついた。
「なにぃ!」
「可哀想だよレイバン! 俺の胸でお泣き!」
「嫌だよそんな薄っぺらい胸! ってか、そんな悲観してないって。今楽しいし、俺はこの仕事天職だし、衣食住保障されてるし」
「命の保証ないじゃん!」
「お前、同じ騎士団にいてそれを平気で口にするか?」
なんだかしんみりした空気が壊れた。ランバートは苦笑して、抱きつく二人をまとめて抱きしめた。
「次はなに!」
「なんとなく? あぁ、でも婚活候補には入れておくよ。俺が追いたくなるほど魅力的になってね」
「無茶言うなよな、ランバート。俺だってさすがに、ファウスト様やシウス様、オスカル様と並べないって」
ふて腐れたように言うレイバンに、ランバートは首を傾げる。そして首を傾げた事に、ゼロスやコンラッド、ボリスが驚いた顔をした。
「「違うのか!!」」
「だから何が!」
いちいち驚かれるけれど、一体何が違うんだ。レイバンを離して座ったランバートも思わず叫んでしまう。いったいどんな勘違いが生まれているっていうんだ。
「いや、俺はてっきりファウスト様と」
というのはゼロスだ。確かに距離の近さを見ているだろうから、こんな発想に行き着いたのには納得もできる。
「シウス様の酒宴によく呼ばれるだろ?」
これはコンラッドだ。確かにそれも事実だが、単純にあの人は寂しがり屋で酒が好きだ。そして後始末係が欲しいんだ。
「俺はてっきりオスカル様かと。たまにじゃれてるだろ?」
ボリスの言葉ももっともだが、あの人だって絡むのが好きなだけだ。もしくは嫌がらせだ。
「あのなぁ……。まず、シウス様にはラウルがいる。あの二人の間には到底入れないし、そんな気もない。オスカル様だって最近恋人ができてそっちに夢中だよ」
オスカルとエリオットが付き合っている事は、実は知られていない。それというのもエリオットが恥ずかしがり屋で、関係を隠したがっている。オスカルはむしろ堂々と宣言したいらしいのだが、シャイな恋人に合わせている。
「「オスカル様に恋人!」」
「相手だれ?」
「それを言ったら俺が消される」
オスカルは笑顔で抹殺をはかりそうだから怖い。それに、まだまだ初々しい二人の仲を邪魔したくはない。なにせ、お世話になっている二人なのだから。
「それでも、ファウスト様はフリーだろ? 違うのか?」
「あの人は部下から恋人を作らない。そう、団長に就任した時に決めたそうだ。単純に俺を誘うのは、誘いやすいからだろう。後、あの人は優しくて世話好きだから」
再びハリーが近づいてきて、ランバートの膝で寝転がった。自由な猫のような奴だ。
「それ、殴り倒そうか?」
「いいよ、このままで。ハリー、悪戯したら頭踏むぞ」
「はーい」
嬉しそうにしているのなら別に構わない。溜息をついて、ランバートはされるがままにする事にした。
「部下から恋人を作らないってことは、一生独身か?」
「頑固だからな、ファウスト様は。多分、そのつもりなんだと思う」
それに、ランバートはファウストの思いが分からないわけじゃない。以前言われた事を思い出す。「自分より先に相手が死ねば、心がそれに耐えられない」と。
「でもさ、人生何があるか分からないものだよ」
ニヤリと笑ったレイバンが、挑むような瞳を見せる。スルッと近づいてきて、楽しげに唇にキスをした。触れるだけのとても軽いものを。
「こんな風にさ、誰かがランバートに迫ったら案外焦るかもよ? ファウスト様って恋愛鈍そうだし、取られる寸前になって気づくなんてこともあるんじゃない?」
「お前なぁ」
ゼロスが頭を抱えた。そこに苦笑してコンラッドが酒を注ぐ。ボリスはニヤニヤだ。
「なんならカマかけてみる?」
「やめとく。あの人怒らせたりすると、けっこう拗れるしさ。何より俺は、今の感じが好きなんだ」
側にいて、鍛錬でも遠乗りでも一緒にさせてもらって、話をして。ファウストの事が少し分かるようになって、ファウストもランバートのことが少し理解できていて。言葉がなくてもそれで構わない。そんな、穏やかで優しい関係が。
「まぁ、色恋に他人が無理に入っていくと泥沼だ」
「一理あるかな。レイバン、ほどほどなんだよ」
コンラッドとボリスに取りなされて、楽しそうな猫の目が少し不機嫌になる。楽しい玩具を取り上げられて拗ねている感じだ。
「さーて、寝たい奴は寝ろよ。ランバートは雑魚寝でいいのか?」
立ち上がったコンラッドがハリーの所にきて、気持ちよさそうにしている首をつまみ上げて布団へと放り込んだ。なんとも雑だが、これでいいのだろうか。
「俺は毛布あれば十分だ。ってか、けっこう慣れてる」
「慣れてる?」
疑問そうなコンラッドがランバートを見る。ゼロスも同じようだ。
「俺、下町に入り浸ってたから。路上とかでも寝れるし、雑魚寝も平気。よく傭兵ギルドで朝まで飲んで騒いでた」
「下町!」
「傭兵ギルドって、ドゥーガルドみたいなのが一杯いるって聞いたけど、本当?」
ボリスが驚き、レイバンが違う意味で興奮気味だ。なんか、またお開きモードを壊してしまったようだった。
「確かに、ドゥーガルドみたいな体格の奴は多いよ。そいつらと喧嘩する事もあって、殴り合いになる事もあるし」
「だからこいつを一撃で沈めたのか」
実はそうなんだ。筋肉だるまみたいな奴は意外と見慣れている。そいつらともみくちゃの喧嘩をしたことだってかなりある。だから、どこが弱いかは理解していた。
「行きたい!」
「お望みなら今度連れて行ってやるよ。でも、今日は流石にそろそろ寝よう。明日起きれないぞ」
ランバートが苦笑して音頭を取って、それにゼロスやコンラッドも動き出す。簡単に食べた物やグラスをお片付けしてそれぞれ布団に潜り込んだ後は、あっという間に夢の中だった。
それぞれが酒を片手に飲んで食べて、賑やかな時間が過ぎていく。ドゥーガルドはしきりにランバートとの手合わせを願いでてきたし、トビーはトレヴァーと何やら言い合いをしながらも楽しそうだ。
そうこうして三時間も経つと、早い奴は眠くなる。トビーとトレヴァーが沈み、チェスターが沈み、意外にもドゥーガルドが沈み、レイバンの側でコナンが眠ってしまった。そこにゼロス達に誘われたらしいボリスが合流し、レイバンがコナンを布団に移動させるとやっと、少し場が落ち着いた。
「賑やかなのはいいが、流石にこの人数は大変だな」
苦笑したゼロスの隣でコンラッドが同じく頷く。二人は比較的似たイメージがあった。
「何にしても、お疲れ。いや、本当に疲れたよ」
「でも、楽しかったじゃん。違う? レイバン」
頬杖をついて言うレイバンに、ハリーが楽しそうに笑う。これには全員それぞれ頷いた。
「みんな顔見知りで知り合いなのか?」
ランバートが聞くと、第一師団のゼロスとコンラッド、ボリスは頷いた。
「俺たちは同じ隊だし、よく組むことがあるからな」
「俺とゼロスは幼馴染みでみあるし、ボリスとはここに入ってからだけどけっこう話をする」
「ゼロスとコンラッドは少し硬いんだよね。俺は二人よりは軽い」
ゼロス、コンラッド、ボリスがそれぞれに言う。なんだかんだで仲がいいらしい。
「俺はドゥーガルドの事は知ってたけど、合わなそうだから近づかなかった。こんなに話したのは今日が初めてだね。まぁ、話すと悪くない」
レイバンはそんな事を言う。まぁ、あれだけの巨体は目立つだろう。
「多分、同じ隊の人間はある程度分かってると思うよ。関わりがあるかは別としてね。第三師団と第一師団は人数が多いから関わらないとまったくだろうけど、第四、第二、第五は人数少ないから」
ハリーの説明に納得だ。ランバートだってチェスターの事は知っている。
「まぁ、俺としては是非ともランバートのことが知りたいわけだ」
「俺?」
興味津々という様子で近づいたハリーに少し押されながら、ランバートは自分を指す。周囲を見回しても、みんな頷いている。何がそんなに興味があるのか。
「ランバートは中途組だし、入ったとき一人だしさ。入団テストでも関わりないから興味あり。多分そう思ってる隊員は多いよ」
ボリスが笑ってグラスに酒を注ぐ。それを飲むと今度はコンラッドが酒を注ぐ。どうやら酔わせてしゃべらせようという事らしい。
「ランバートはどうして騎士団に入ったの?」
「前に婚活って言ってたよな。現在進行形?」
「「婚活!」」
コンラッドチームの驚愕、ゼロスの苦笑、レイバンのニヤニヤ顔。本当にこんなのが話のネタになるんだからな。呆れるけれど、まぁ楽しい。
「今は俺が立候補中」
ニヤリと笑ってレイバンが体を寄せる。隣に座って形のいい指を頬に絡めるようにしている。なんとも楽しそうな顔をして人をからかうレイバンに、ランバートも悪乗りをした。
「諦めてないの?」
「うーん、面白そうだから。相性良さそうだし」
「試そうか?」
ニヤリと笑って誘うと、意外と乗ってくる。寄り添うように近づく紫の瞳を見て、ランバートは笑う。けっこう色気のある顔をレイバンはする。
「こらこら、こんな公衆の面前で何を始めようっていうんだい?」
ボリスが困った顔で笑っている。意外にも耐性がありそうだ。
「いいな、レイバン。俺も参加しようかな」
そう言って近づくのはハリーだ。こっちも同じような悪戯な様子でいる。レイバンと合わせると手が悪そうだ。
蠱惑的に見上げる緑色の瞳はまた少し違った魅力がある。色気というよりは、小悪魔的だ。
「ランバート、いい加減拒まないと本当に二人に押し倒されるぞ」
「俺、押し倒される方なのか?」
ゼロスが呆れた様子で言うのに答えたランバートは、二人にも問いかける。すると二人はそれぞれ顔を見合わせて、首を捻った。
「俺は誘い込んでから上に乗るほう」
「俺はどっちかと言うと、押し倒すけれど受け」
レイバンとハリーは、酒の勢いもあってか平気で自分の性癖を口にしている。当然視線はランバートにも向けられた。
「俺は気持ちが良ければどっちでもいい。レイプまがいでも、視姦でも、縛っても縛られても?」
「うわ、一番節操がない!」
なんてレイバンに言われて、後はゲラゲラ下世話に笑う。なんだか懐かしい感じた。
「やっぱり結構遊んでるな、ランバート」
「騎士団入ってからは慎ましいよ。元々そんなに性欲は強くないし、遊ぶのも誘われて。俺から誘った事なんて多分ない」
コンラッドに話を振られて、ランバートは素直に答える。場数も踏んだし遊んだけれど、考えると誘った事はなかったな。誘いたいと思う相手にも巡り会っていないし。
「なんか、それも意外だね。引く手あまただったでしょ? いいって思う相手、いなかったのかい?」
「いないかな。仲間や友達としての付き合いはあっても、恋人なんて関係は。第一、追われるのって苦手なんだ。なんか、重荷になってきて。同じ相手と四六時中ってのも、面倒になってきたし」
「うわぁ、根っからの遊び人。ランバート不潔」
ボリスの質問に答えると、横合いからハリーが野次を飛ばして首に抱きついてくる。けっこう酔いが回っている様子だ。
「家が五月蠅く言ったんじゃないのかい?」
「言わないよ、うちは。ヒッテルスバッハは恋愛婚推奨なんだ。珍しいだろ?」
首を傾げて苦笑で言った。実際かなり珍しいと思う。貴族の家は政略結婚が大概なのに、ヒッテルスバッハは昔から恋愛婚。相手の身分もあまり問わない。周囲が五月蠅く言おうが、当人達がそれで覚悟ができているならそれでいいという家訓だ。
「確かに珍しいな。俺みたいな小貴族でも家柄は気にする。まぁ、主に相手の身分が高すぎると扱いに困るって方向だが」
苦笑したゼロスがそんな事を言う。結婚適齢期ともなると、それが普通なのだろう。
「ランバートは兄弟いるよね?」
レイバンが気のない顔で言う。既に体は離れている。対してハリーはベタベタだ。多分、そういう酔い癖なんだろう。
「そいつウザいだろ? なんなら一発殴ってもいいぞ」
「コンラッド五月蠅い。ランバートっていい匂いするんだ。それに好きにさせてくれるから結構好き。顔も好み」
「本格的に一発殴ってもいいからな、ランバート」
溜息をつくコンラッドは苦労人っぽい顔をする。多分、本当に面倒見のいい苦労人なんだろう。
「俺には兄が二人いる。両方とも独身だよ」
「言われないか?」
「一番上の兄にはお付き合いをしている女性がいるはずだ。多分、もう五年以上だな。兄はいつでも迎え入れるつもりだろうが、相手がまだ尻込みしていると言っていた」
同じ兄弟から見ても、長兄はできた人だ。相手の身分かまわず礼を尽くすし、穏やかな人柄でもある。ただ、仕事となれば厳しい目を持っている。次のヒッテルスバッハを継ぐのは間違いなくこの人だ。
「二番目の兄さんも恋人いるの?」
「いや、いない。二番目は性格に難ありかな。表面的には友好的なんだけど、腹黒いっていうか……変人? 親しくなればなるほど隠さないから、余計に女性は引く。多分本人も結婚願望ないんだ」
二番目の兄を思い出すと、本当に変人という言葉がしっくりくる。誰にでもとても友好的で笑顔が多いけれど、その全てが作り物だ。本当は我が儘放題だし、拗ねるとけっこう時間がかかる。病弱だった昔の儚さなんて、今は探したって欠片もない。
「兄弟仲がいいんだな」
「そうか?」
「トレヴァーも兄弟仲がいいよ。上にお兄さん、下に妹かな。この妹が可愛くてさ! まだ十三だったと思うけど、小さなレディーって感じで」
レイバンが意外と詳しく教えてくれる。それらを聞いていると、ふとランバートはある疑惑を抱いた。
「レイバンって、ショタコン?」
思わず言った言葉に、全員がちょっと凍り付く。レイバンは紫の瞳を少し大きく見開いて、次には豪快に笑った。
「つまり、小さい子が好きって事?」
「いや、コナンにも随分優しいし、コナンも懐いたし」
「単に庇護欲があるってだけ。性的な意味では見てないし、見られない。俺は一人っ子だから、妹とか弟が欲しかったんだよね。だから、憧れ? うーん、疑似体験?」
酒を飲んで更に笑うレイバンの言葉に嘘はなさそうだ。それにしても、そんなものか。
「一人っ子なのに騎士団入ったの? レイバン、家大丈夫?」
ハリーがランバートにくっついたままでそんな事を言う。確かにそうだ。騎士団は基本、女性との婚姻を認めていない。女性と結婚して家を継ぐとなれば、退団しなければならないはずだ。
レイバンは少し考えて、ちょっと寂しそうに笑った。
「俺の家はもう没落したの。だから、継ぐ家もない。親も死んだし、家も家財もすってんてん。だから、俺は死ぬまでここにいるのよ」
寂しそうな顔が一瞬覗く。なんとなく、言葉がない。どう声をかけていいか、そんな事を思っていると側のハリーが離れて突進するようにレイバンに抱きついた。
「なにぃ!」
「可哀想だよレイバン! 俺の胸でお泣き!」
「嫌だよそんな薄っぺらい胸! ってか、そんな悲観してないって。今楽しいし、俺はこの仕事天職だし、衣食住保障されてるし」
「命の保証ないじゃん!」
「お前、同じ騎士団にいてそれを平気で口にするか?」
なんだかしんみりした空気が壊れた。ランバートは苦笑して、抱きつく二人をまとめて抱きしめた。
「次はなに!」
「なんとなく? あぁ、でも婚活候補には入れておくよ。俺が追いたくなるほど魅力的になってね」
「無茶言うなよな、ランバート。俺だってさすがに、ファウスト様やシウス様、オスカル様と並べないって」
ふて腐れたように言うレイバンに、ランバートは首を傾げる。そして首を傾げた事に、ゼロスやコンラッド、ボリスが驚いた顔をした。
「「違うのか!!」」
「だから何が!」
いちいち驚かれるけれど、一体何が違うんだ。レイバンを離して座ったランバートも思わず叫んでしまう。いったいどんな勘違いが生まれているっていうんだ。
「いや、俺はてっきりファウスト様と」
というのはゼロスだ。確かに距離の近さを見ているだろうから、こんな発想に行き着いたのには納得もできる。
「シウス様の酒宴によく呼ばれるだろ?」
これはコンラッドだ。確かにそれも事実だが、単純にあの人は寂しがり屋で酒が好きだ。そして後始末係が欲しいんだ。
「俺はてっきりオスカル様かと。たまにじゃれてるだろ?」
ボリスの言葉ももっともだが、あの人だって絡むのが好きなだけだ。もしくは嫌がらせだ。
「あのなぁ……。まず、シウス様にはラウルがいる。あの二人の間には到底入れないし、そんな気もない。オスカル様だって最近恋人ができてそっちに夢中だよ」
オスカルとエリオットが付き合っている事は、実は知られていない。それというのもエリオットが恥ずかしがり屋で、関係を隠したがっている。オスカルはむしろ堂々と宣言したいらしいのだが、シャイな恋人に合わせている。
「「オスカル様に恋人!」」
「相手だれ?」
「それを言ったら俺が消される」
オスカルは笑顔で抹殺をはかりそうだから怖い。それに、まだまだ初々しい二人の仲を邪魔したくはない。なにせ、お世話になっている二人なのだから。
「それでも、ファウスト様はフリーだろ? 違うのか?」
「あの人は部下から恋人を作らない。そう、団長に就任した時に決めたそうだ。単純に俺を誘うのは、誘いやすいからだろう。後、あの人は優しくて世話好きだから」
再びハリーが近づいてきて、ランバートの膝で寝転がった。自由な猫のような奴だ。
「それ、殴り倒そうか?」
「いいよ、このままで。ハリー、悪戯したら頭踏むぞ」
「はーい」
嬉しそうにしているのなら別に構わない。溜息をついて、ランバートはされるがままにする事にした。
「部下から恋人を作らないってことは、一生独身か?」
「頑固だからな、ファウスト様は。多分、そのつもりなんだと思う」
それに、ランバートはファウストの思いが分からないわけじゃない。以前言われた事を思い出す。「自分より先に相手が死ねば、心がそれに耐えられない」と。
「でもさ、人生何があるか分からないものだよ」
ニヤリと笑ったレイバンが、挑むような瞳を見せる。スルッと近づいてきて、楽しげに唇にキスをした。触れるだけのとても軽いものを。
「こんな風にさ、誰かがランバートに迫ったら案外焦るかもよ? ファウスト様って恋愛鈍そうだし、取られる寸前になって気づくなんてこともあるんじゃない?」
「お前なぁ」
ゼロスが頭を抱えた。そこに苦笑してコンラッドが酒を注ぐ。ボリスはニヤニヤだ。
「なんならカマかけてみる?」
「やめとく。あの人怒らせたりすると、けっこう拗れるしさ。何より俺は、今の感じが好きなんだ」
側にいて、鍛錬でも遠乗りでも一緒にさせてもらって、話をして。ファウストの事が少し分かるようになって、ファウストもランバートのことが少し理解できていて。言葉がなくてもそれで構わない。そんな、穏やかで優しい関係が。
「まぁ、色恋に他人が無理に入っていくと泥沼だ」
「一理あるかな。レイバン、ほどほどなんだよ」
コンラッドとボリスに取りなされて、楽しそうな猫の目が少し不機嫌になる。楽しい玩具を取り上げられて拗ねている感じだ。
「さーて、寝たい奴は寝ろよ。ランバートは雑魚寝でいいのか?」
立ち上がったコンラッドがハリーの所にきて、気持ちよさそうにしている首をつまみ上げて布団へと放り込んだ。なんとも雑だが、これでいいのだろうか。
「俺は毛布あれば十分だ。ってか、けっこう慣れてる」
「慣れてる?」
疑問そうなコンラッドがランバートを見る。ゼロスも同じようだ。
「俺、下町に入り浸ってたから。路上とかでも寝れるし、雑魚寝も平気。よく傭兵ギルドで朝まで飲んで騒いでた」
「下町!」
「傭兵ギルドって、ドゥーガルドみたいなのが一杯いるって聞いたけど、本当?」
ボリスが驚き、レイバンが違う意味で興奮気味だ。なんか、またお開きモードを壊してしまったようだった。
「確かに、ドゥーガルドみたいな体格の奴は多いよ。そいつらと喧嘩する事もあって、殴り合いになる事もあるし」
「だからこいつを一撃で沈めたのか」
実はそうなんだ。筋肉だるまみたいな奴は意外と見慣れている。そいつらともみくちゃの喧嘩をしたことだってかなりある。だから、どこが弱いかは理解していた。
「行きたい!」
「お望みなら今度連れて行ってやるよ。でも、今日は流石にそろそろ寝よう。明日起きれないぞ」
ランバートが苦笑して音頭を取って、それにゼロスやコンラッドも動き出す。簡単に食べた物やグラスをお片付けしてそれぞれ布団に潜り込んだ後は、あっという間に夢の中だった。
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これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
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