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6章:朋友
おまけ2:贈り物
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昇級試験が無事に終わり、それぞれの段位も決まった。全員が青いラインの入った腕章を各師団長から渡される中で、ランバートは一人いたたまれない気持ちでもあった。
「それにしても、やっぱランバートは凄いよな。いきなり青十位なんて」
チェスターが目を輝かせて嬉しそうに言うが、ランバートは少し複雑だ。まさかいきなり、二年目で貰える最高位に入るなんて。
「おかしいな、一番反省文と謹慎と始末書が多いはずなのに」
「それだけ他の功績が大きいって事だろ? 喜ぶべき所だって。それに、お前だとひがみなんて起こんないよ。なんせ昇級試験でしっかり見せつけただろ」
確かに周囲からは素直な祝福と賛辞を貰った。むしろ「あぁ、やっぱりな」という感じがあった。だが、これはどうなんだ? 少し評価が良すぎやしないか?
「チェスターは青五位か」
「普通か、少しいいくらいかな。あんまり活躍ってしてないし。日々真面目に訓練して、これといった違反もなくやってたらこのくらいだろ」
「俺、思いっきり違反しまくってる気がする」
それでもこの位置にいるのは、なんだか申し訳ない気がする。ランバートはがっくりと肩を落とした。
その日の昼食、気心の知れた仲間と食事を取ると自然と話は段位の話になる。そして当然、ランバートの段位がみんなの目を引く事になる。
「やっぱりね。ランバートが一番の出世頭だった」
そんな風にからかうのはレイバン。彼は青五位に落ち着いたらしい。
「ゼロスとコンラッド、ボリスは揃って青七位か」
「意外と良かったな。もう少し下に思っていたが」
三人もそれぞれ意外そうな顔をする。だがこれは最後の昇級試験の結果が加味されたものだろうと全員が納得できる。
「俺が青四位は納得ができん!」
「手加減と猪突猛進を直したら、段位上がるんじゃないの?」
吠えるように不満を口にしたドゥーガルドは青四位。加減を覚えろってことらしい。
そこを突っ込んだハリーは青六位。もう少し応急処置や薬学を学ぶように言われたらしい。
「僕もなんとか昇級できました」
と、少し恥ずかしそうに言うコナンは青四位。気の弱さと武力の低さが響いたようだが、最近は頑張っている。ランバートが時々、指南しているのだ。
「俺は青五位。トビーも同じってのが納得できないけどな」
「それは俺だって同じだ。お前と一緒なんて」
「いいじゃん、二人とも似たもの同士で仲良くしなよ」
なんてからかわれて、トレヴァーは嫌な顔をする。それを見るランバートは、なんとなく笑っていた。
「どうした、ランバート? なんだか浮かない顔をしている」
ゼロスが疑問そうに問いかけてくる。それに、ランバートは曖昧に笑った。
「いや、評価が高すぎると思って。ファウスト様のお気に入りだからとか、陰口を言われていないかと思ってさ」
素直に気持ちを伝えると、全員がキョトンとした顔をする。そして次には、大いに楽しげな笑いが起こった。
「なんだよ」
「いや、ないから平気だ。ファウスト様のお気に入りだとは皆が感じているが、それがいいとは思っていないさ」
「そうだね、むしろ大変だと思ってるはずだよ。ファウスト様の相手は普通じゃできないしな」
なんとも楽しそうな言葉に、ランバートだけが首を傾げる。別に大変だと思った事はないし、むしろ色んな事に首を突っ込んでいるのはランバートの方だ。苦労だと思った事もない。
「ファウスト様に皆が憧れているのは間違いないが、あの人の期待や要望に応えるのが大変なのも分かってる。それに、贔屓目で段位を与えるとも思っていない。これは間違いなく、お前がこれまでしてきたことへの評価だ」
ゼロスの言葉にその場にいる皆が頷いてくれる。ほんの少し引っかかっているものが、スルリと取れた気がした。そして素直に、頷いて笑う事ができた。
その日の夜、ランバートはファウストの呼び出しを受けた。呼び出しと言っても失敗をしたわけではなく、夕食の時に「少しいいか?」と声をかけられたのだ。
三階のテラスが、なんとなく少し話をする場所になってきた。そこから外をぼんやり眺めていると、程なく音がして待ち人が来た事を知らせてくれた。
「すまない、待たせたか?」
「いえ、それほどでは」
穏やかに近づいた人が隣に来て、不意に腕章に触れる。少しだけ複雑な顔で。
「お前、あまり嬉しそうな顔をしなかったそうだな」
「素直に受けるには少し大きすぎるので。これは、本当に正当な評価でしたか?」
「むしろ不公平なくらいだ。目一杯マイナスにして、他の団長達とも議論をしてもここが最低値だった。これ以上下げるとなると、他の隊員も下げる事になるからな」
苦笑するファウストからは嘘を感じない。そして、ランバートを案ずるような色も伺えた。
「赤ラインでもいいと言う奴もいたんだ。だが、それは流石に前例がない。お前の評価があまりに高いと、他が何か言うかもしれない。どこの世界にも多少は妬みがある」
「お気遣い頂いて、有り難うございます」
素直に礼を言った後で、ランバートも困ったように笑った。腕章に触れる。この意味を考えてしまう。
「正直、俺が隊の指揮を執るなんて考えられないんです。誰かを従える事なんて、してこなかったので」
「コツが掴めればお前はできるだろう。視野も広いし気遣いもできる。案外いいかもしれないぞ」
「一人で動けるのが一番気持ちが楽でいいんですが」
「いつまでもそうは言っていられない。お前に任せる任務も今後更に重くなるだろう。シウス達もお前の力量は知っているから、余計にな」
期待されることは嬉しいし、それをやれた時には満足感がある。だがそこに仲間や友人の命がかかってくると、動きが取れなくなる。それを負ってこそなのだろうが、今はまだその覚悟がないのが現実だ。
「まぁ、その為に青に残したんだ。少しずつ慣れてゆけばいい。お前は飲み込みも早いし、咄嗟の指示も的確だ。それに、第二師団は大きな隊は作らない。あまり気負わず、今まで通りのびのびとやれ」
そう言って頭を撫でるファウストの柔らかな笑みは、そのまま祝福と取れる。ランバートも顔を上げ、それに素直に頷いた。
「ところで、今日はそのことで? 他に、聞かれたくない話があるのでは?」
ランバートは話を切り替えた。この話なら別に呼び出しなどしなくても人前でできるものだ。わざわざ呼び出したなら、あまり聞かれたくない話があるはずだ。
振ると案の定、ちょっと困った笑みが返ってくる。そして、なんとも歯切れの悪い感じでファウストは話し出した。
「実は、次の安息日に少し付き合ってもらいたいんだ」
「何かありましたか?」
「贈り物を選びたいんだが、俺はどうも苦手でな。お前なら得意そうだと思って」
そう言ったファウストは少し照れている。確か恋人はいないはずだから、誰への贈り物なんだか。
「誰にですか?」
「妹に贈るんだ。来月の頭が誕生日なんだ」
「それでは、毎年贈っていたでしょ? どうして今更そんなに迷うんです?」
妹が相手なら毎年贈り物をしているはずだ。今更こんなに迷うのはおかしいじゃないか。なんとなく追求するような気持ちで聞いてしまうと、ファウストはますますばつの悪い顔をする。
「去年までは弟に頼んでいたんだが、流石に毎年で怒られてしまった。妹も今年二十歳なんだから、いい加減自分で選んだ物を贈れといわれて」
「けっこう強いですね、弟さん」
この人を相手に随分しっかりと物を言う弟だ。何か機会があれば是非とも話がしてみたい。
まぁ、この人も弟に弱いんだろう。なんとなくそんな気がする。
「女性に物を贈る事もないし、そうした店も知らないんだ。オスカルなんかも考えたが、あれに頼むと何かと言われそうでな。どうも気が乗らない」
「それで俺ですか」
確かにオスカルに頼めば最近の女性の人気なども加味していい物を選んでくれるだろう。その前に散々バカにされるかもしれないが。
ランバートは笑う。正直、嫌じゃないんだ。何かあって、頼ってもらえて、それに応えられる事が嬉しかったりする。それに、一緒に出かけるのも嫌いじゃない。
「終わったら礼をするから、頼めないか?」
「お礼なんていりませんよ。では、次の安息日に」
素直に言うと安堵の息がファウストから漏れる。気が抜けた柔らかな表情が見つめるのが心地よい。笑みを浮かべ、約束をして、ランバートは心持ち足取りも軽く自室へと戻っていった。
◆◇◆
安息日の午前。ランバートは私服姿のファウストと一緒に西地区にいた。
西地区は貴族が好むような店が多く建ち並ぶ、比較的治安のいい場所だ。おしゃれな服や宝飾品、テーラーなども揃っている。雑貨、カフェも多い。ランバート達が飲みに来る店は、この西地区と東地区の中間あたりにある活気のある酒場が多い。
「妹さんは、何か趣味はあるのですか?」
道すがら聞いてみると、ファウストは少し考えている。自分の妹の事だろうに。
「確か、絵を描くはずだ」
「絵、ですか」
「体が弱いから運動ができなかったんだ。絵ならベッドからでも描けると、小さい時から描いていた」
小さな頃の思い出を語るみたいな穏やかな表情。なんとなくだが、ファウストの中では今でも妹は幼い思いでの中の姿なのかもしれない。そんな事を思わせる表情だった。
「確か、心臓が悪いんでしたね」
「あぁ。今は大人になって体力もついて、日常生活には支障がなくなった。天気のいい日には外で写生をしたりもしているそうだ」
「そうだ」ということは誰かに聞いたのか。自分で確認をしていない感じがする。いっそ誕生日にこの人を妹さんのところに行かせるのが一番いいプレゼントなんじゃないかと思えてきた。
「去年までは、弟さんが選んでいたんですよね? 何をあげていたんですか?」
「絵画集や、好きな本、新しい画材なんかを贈っていたようだ。でも、二十歳だから少し違ったものがいいと言われてしまって」
「弟さんは何を贈るか言っていましたか?」
「妹の為に香水を調合するそうだ」
「調合?」
「言わなかったか? 弟は調香の仕事をしているんだ」
当然のように言われたが、そんな話は聞いていない。ランバートは驚いてしまう。つまり、香水を作る仕事をしているのだ。
「繊細なんですね、弟さんは」
「お前、今俺を雑だと思っただろ」
ジロッと睨まれるけれど、ランバートはそれを笑って受け流した。そして、目的の店の前に辿り着いて止まった。
目の前にはいかにも高級という入りづらい店がある。店内も明るいわけではなく、ぴっちりとスーツを着た人々が優雅かつ忙しそうに動いている。その店を前に、ファウストは固まったようだった。
「とりあえず、定番ですからね」
「ここは……」
「女性が好きなキラキラしたお店ですよ」
気後れして動けないファウストの腕を引いていくランバートは、さも当然と店へと入った。
店は毛足の長い柔らかな絨毯を敷き詰めた薄明るい店で、ショーケースの中には様々な輝きを放つ宝飾品が並んでいる。そこにいる店員も皆一流という様子で、ぴっちりとスーツを着て、手には白い手袋をしている。
「これはランバート様。本日はどのようなご用向きでしょうか?」
そこそこベテランの、壮年の男性が声をかけてくる。それに、ランバートは慣れたように手を前に制して静かに言った。
「今日は俺の用できたわけじゃない。少し店内を見て回りたいから、案内も不要だ。必要ならこちらから声をかける」
「左様でございますか。それでは、ごゆっくり」
にこやかに笑い、一礼した男性はそのまま下がっていく。後ろでその様子を呆然と見ているファウストに向き直り、ランバートは苦笑した。
「母が上得意なんですよ。その縁で俺もここには何度か」
「初めてお前が名家の子息に見えた」
「それは失礼いたしました」
呆然と言われた事に笑って、ランバートは店の中を進んでいく。隣のファウストは落ち着かない様子でショーケースの中を見ていた。
「絵を描くということは、指輪やブレスレットは好まないでしょうね」
「あぁ。手に何かをつけているのを見た事がないな」
「金属にかぶれたことは?」
「そんな話は聞かない」
広がる指輪のゾーンを抜け、ブレスレットやネックレスを超えていく。店内をぐるりと回っていると、不意にブローチを集めたコーナーを見つけた。
「ブローチ、可愛いですね」
「ん?」
ランバートが歩み寄っていくのを追ったファウストも、同じようにケースの中を覗き込む。
ケースの中は様々なブローチがあるが、その中でも目を引いたのは金や銀でできた精緻な丸いブローチだった。童話をモチーフとしているらしく、物語の象徴的な場面を金銀の細工で再現している。その中に一つだけ、アクセントのように宝石がはまっている。
「これは、白雪姫ですね。リンゴに赤い宝石がはまっています」
「シンデレラのガラスの靴、雪の女王の氷か」
「ブレーメンは音符が宝石ですよ。なかなか愛らしいですね」
見ていると童心に戻るようで、少しウキウキしてくる。それにしても綺麗だ。人物はシルエットになって表情はないが、浮かぶ情景で表情まで分かるようだ。
「美女と野獣だ」
「え?」
ファウストが少し離れた場所にあるブローチを指さす。そこにはドレスを纏う女性と、大きな野獣が手を取り合って踊る姿が描かれている。その二人の上には赤いバラが一輪、宝石がはめ込まれてある。
「異国の童話なんだ。母が童話が好きで、俺や弟にまで読んで聞かせてくれた。この話はここらではあまり語られていないようだが」
「どんな話なのですか?」
「心優しい女性が、森の野獣と恋をするんだ。最初は父親の罪によって野獣の元に来た女性も、野獣のもてなしや優しさに心を開いていく。だが女性の父が病気になり、看病をするために数日戻る事になった。約束の期日までに戻ると言って」
これで、なんとなく分かる。女性はきっと、約束を破ってしまうんだろうと。
「約束の期日を過ぎて慌てて戻ると、野獣は今にも死にそうになっていた。女性が涙ながらに野獣に謝ると、野獣は彼女を許した。そして優しい野獣を、女性が心より愛しいと告げた時に野獣の呪いは解けて美しい王子に変わる。確か、そんな話だ」
うろ覚えなのか、僅かに首を傾げながら静かに話をするファウストは少し照れたように笑う。その表情の柔らかさに、ランバートは少しだけドキリとした。
「これが、いいんじゃないですか? 思いでのある物語なら、きっと妹さんも覚えていますよ」
「そうだな」
頷いて、ランバートは周囲を見回し店員の所へと向かう。なんだか心が騒いで、少し距離を取りたかったのだ。小さな子の子守をするような穏やかで優しい表情を見ていると、そこに引き込まれそうな気がしてしまったんだ。
「あっ、ついでに入れ物も何か見繕った方がいいかもしれない」
いくらなんでも裸で贈るわけにはいかない。当然ラッピングなどは丁寧にしてくれるが、一緒にケースをつけるとそれだけでインテリアにもなる。それも合わせて話をしようか。
そんな事をあれこれ考えながら、ランバートは先ほどの壮年の店員に話しかけていた。
店を出たのは昼時を少し過ぎたくらいだった。結局ブローチと、それに合うジュエリーボックスを選んだ。小さなオルゴールのついたもので、表面には花や草をあしらった彫り物がされている。その中にブローチを納め、贈る手続きもした。一流の店だからこそ、高価な物の輸送も安心して頼める。
今は落ち着いた店で一息つきつつ、遅めの昼食を食べ終わった所だ。お茶を飲んでほっと息をついている。
「やっぱり、お前に頼んで正解だったな」
そう言ったファウストは少し疲れている。本当に慣れていないのだろう。宝飾店で既に疲れ切っている様子だった。
「思い通りの物が見つかってよかったです」
「あぁ。俺ならあの店には入れないな」
「貴方だって名家でしょうに」
「男ばかりで相手もないのに、縁のない店だろ?」
「まぁ、口にすると少し寂しいですが」
否定はせずに苦笑して、ランバートはお茶を飲み込む。久しぶりに穏やかな午後だ。
その前に、コトンと何かが置かれた。黒い小さめの箱は、金の文字でさっきの宝飾店の名が書かれている。
「これは?」
「お前にだ」
「俺に?」
目を丸くして問い返してしまう。こんな物を貰う理由が思い浮かばなくて箱とファウストを交互に見ていると、困ったような笑みが返ってきた。
「以前、リマの日にお前から贈り物を貰っただろ? それのお返しだ」
「そんな! あれは本当に、日頃のお礼と思っていたのにこんな」
あの店は安い物はないはずだ。手編みのマフラーとはとても釣り合わない。なんだか心苦しい思いをしていると、形のいい指が箱に触れて、そっと蓋を開けた。
「あ……」
それは小さなピンブローチだった。金でできた、蔦をあしらう三日月の中に、青い小さな宝石が一つはめ込まれている。
「見つけた時に、お前に似合うような気がした。貰って、返せないのも引っかかっていてな。それに、世話になったのは俺も同じだ。だからこれは、遅くなったが」
ファウストの指がピンに触れ、動けないランバートの襟元に触れる。そこに飾られたピンを見るファウストが、この上なく満足そうな笑みを浮かべた。
「これなら、制服にもつけられるだろ」
「こんな高価なもの、普段着につけられませんよ」
落としたらどうしようと常に気を配らなくてはならなくなりそうだ。
でも、胸元に飾られたブローチをなぞると温かな気がして、自然と笑みが浮かぶ。誰かから贈り物を貰うなんて、どのくらいぶりだろうか。なんだかくすぐったくて、嬉しかった。
「大事な日にだけ、つけさせていただきます」
「そうか」
穏やかに言った人の嬉しそうな笑みを見て、ランバートも同じように返す。
春を思わせる少し温かな陽が差し込む、そんなとある一時だった。
「それにしても、やっぱランバートは凄いよな。いきなり青十位なんて」
チェスターが目を輝かせて嬉しそうに言うが、ランバートは少し複雑だ。まさかいきなり、二年目で貰える最高位に入るなんて。
「おかしいな、一番反省文と謹慎と始末書が多いはずなのに」
「それだけ他の功績が大きいって事だろ? 喜ぶべき所だって。それに、お前だとひがみなんて起こんないよ。なんせ昇級試験でしっかり見せつけただろ」
確かに周囲からは素直な祝福と賛辞を貰った。むしろ「あぁ、やっぱりな」という感じがあった。だが、これはどうなんだ? 少し評価が良すぎやしないか?
「チェスターは青五位か」
「普通か、少しいいくらいかな。あんまり活躍ってしてないし。日々真面目に訓練して、これといった違反もなくやってたらこのくらいだろ」
「俺、思いっきり違反しまくってる気がする」
それでもこの位置にいるのは、なんだか申し訳ない気がする。ランバートはがっくりと肩を落とした。
その日の昼食、気心の知れた仲間と食事を取ると自然と話は段位の話になる。そして当然、ランバートの段位がみんなの目を引く事になる。
「やっぱりね。ランバートが一番の出世頭だった」
そんな風にからかうのはレイバン。彼は青五位に落ち着いたらしい。
「ゼロスとコンラッド、ボリスは揃って青七位か」
「意外と良かったな。もう少し下に思っていたが」
三人もそれぞれ意外そうな顔をする。だがこれは最後の昇級試験の結果が加味されたものだろうと全員が納得できる。
「俺が青四位は納得ができん!」
「手加減と猪突猛進を直したら、段位上がるんじゃないの?」
吠えるように不満を口にしたドゥーガルドは青四位。加減を覚えろってことらしい。
そこを突っ込んだハリーは青六位。もう少し応急処置や薬学を学ぶように言われたらしい。
「僕もなんとか昇級できました」
と、少し恥ずかしそうに言うコナンは青四位。気の弱さと武力の低さが響いたようだが、最近は頑張っている。ランバートが時々、指南しているのだ。
「俺は青五位。トビーも同じってのが納得できないけどな」
「それは俺だって同じだ。お前と一緒なんて」
「いいじゃん、二人とも似たもの同士で仲良くしなよ」
なんてからかわれて、トレヴァーは嫌な顔をする。それを見るランバートは、なんとなく笑っていた。
「どうした、ランバート? なんだか浮かない顔をしている」
ゼロスが疑問そうに問いかけてくる。それに、ランバートは曖昧に笑った。
「いや、評価が高すぎると思って。ファウスト様のお気に入りだからとか、陰口を言われていないかと思ってさ」
素直に気持ちを伝えると、全員がキョトンとした顔をする。そして次には、大いに楽しげな笑いが起こった。
「なんだよ」
「いや、ないから平気だ。ファウスト様のお気に入りだとは皆が感じているが、それがいいとは思っていないさ」
「そうだね、むしろ大変だと思ってるはずだよ。ファウスト様の相手は普通じゃできないしな」
なんとも楽しそうな言葉に、ランバートだけが首を傾げる。別に大変だと思った事はないし、むしろ色んな事に首を突っ込んでいるのはランバートの方だ。苦労だと思った事もない。
「ファウスト様に皆が憧れているのは間違いないが、あの人の期待や要望に応えるのが大変なのも分かってる。それに、贔屓目で段位を与えるとも思っていない。これは間違いなく、お前がこれまでしてきたことへの評価だ」
ゼロスの言葉にその場にいる皆が頷いてくれる。ほんの少し引っかかっているものが、スルリと取れた気がした。そして素直に、頷いて笑う事ができた。
その日の夜、ランバートはファウストの呼び出しを受けた。呼び出しと言っても失敗をしたわけではなく、夕食の時に「少しいいか?」と声をかけられたのだ。
三階のテラスが、なんとなく少し話をする場所になってきた。そこから外をぼんやり眺めていると、程なく音がして待ち人が来た事を知らせてくれた。
「すまない、待たせたか?」
「いえ、それほどでは」
穏やかに近づいた人が隣に来て、不意に腕章に触れる。少しだけ複雑な顔で。
「お前、あまり嬉しそうな顔をしなかったそうだな」
「素直に受けるには少し大きすぎるので。これは、本当に正当な評価でしたか?」
「むしろ不公平なくらいだ。目一杯マイナスにして、他の団長達とも議論をしてもここが最低値だった。これ以上下げるとなると、他の隊員も下げる事になるからな」
苦笑するファウストからは嘘を感じない。そして、ランバートを案ずるような色も伺えた。
「赤ラインでもいいと言う奴もいたんだ。だが、それは流石に前例がない。お前の評価があまりに高いと、他が何か言うかもしれない。どこの世界にも多少は妬みがある」
「お気遣い頂いて、有り難うございます」
素直に礼を言った後で、ランバートも困ったように笑った。腕章に触れる。この意味を考えてしまう。
「正直、俺が隊の指揮を執るなんて考えられないんです。誰かを従える事なんて、してこなかったので」
「コツが掴めればお前はできるだろう。視野も広いし気遣いもできる。案外いいかもしれないぞ」
「一人で動けるのが一番気持ちが楽でいいんですが」
「いつまでもそうは言っていられない。お前に任せる任務も今後更に重くなるだろう。シウス達もお前の力量は知っているから、余計にな」
期待されることは嬉しいし、それをやれた時には満足感がある。だがそこに仲間や友人の命がかかってくると、動きが取れなくなる。それを負ってこそなのだろうが、今はまだその覚悟がないのが現実だ。
「まぁ、その為に青に残したんだ。少しずつ慣れてゆけばいい。お前は飲み込みも早いし、咄嗟の指示も的確だ。それに、第二師団は大きな隊は作らない。あまり気負わず、今まで通りのびのびとやれ」
そう言って頭を撫でるファウストの柔らかな笑みは、そのまま祝福と取れる。ランバートも顔を上げ、それに素直に頷いた。
「ところで、今日はそのことで? 他に、聞かれたくない話があるのでは?」
ランバートは話を切り替えた。この話なら別に呼び出しなどしなくても人前でできるものだ。わざわざ呼び出したなら、あまり聞かれたくない話があるはずだ。
振ると案の定、ちょっと困った笑みが返ってくる。そして、なんとも歯切れの悪い感じでファウストは話し出した。
「実は、次の安息日に少し付き合ってもらいたいんだ」
「何かありましたか?」
「贈り物を選びたいんだが、俺はどうも苦手でな。お前なら得意そうだと思って」
そう言ったファウストは少し照れている。確か恋人はいないはずだから、誰への贈り物なんだか。
「誰にですか?」
「妹に贈るんだ。来月の頭が誕生日なんだ」
「それでは、毎年贈っていたでしょ? どうして今更そんなに迷うんです?」
妹が相手なら毎年贈り物をしているはずだ。今更こんなに迷うのはおかしいじゃないか。なんとなく追求するような気持ちで聞いてしまうと、ファウストはますますばつの悪い顔をする。
「去年までは弟に頼んでいたんだが、流石に毎年で怒られてしまった。妹も今年二十歳なんだから、いい加減自分で選んだ物を贈れといわれて」
「けっこう強いですね、弟さん」
この人を相手に随分しっかりと物を言う弟だ。何か機会があれば是非とも話がしてみたい。
まぁ、この人も弟に弱いんだろう。なんとなくそんな気がする。
「女性に物を贈る事もないし、そうした店も知らないんだ。オスカルなんかも考えたが、あれに頼むと何かと言われそうでな。どうも気が乗らない」
「それで俺ですか」
確かにオスカルに頼めば最近の女性の人気なども加味していい物を選んでくれるだろう。その前に散々バカにされるかもしれないが。
ランバートは笑う。正直、嫌じゃないんだ。何かあって、頼ってもらえて、それに応えられる事が嬉しかったりする。それに、一緒に出かけるのも嫌いじゃない。
「終わったら礼をするから、頼めないか?」
「お礼なんていりませんよ。では、次の安息日に」
素直に言うと安堵の息がファウストから漏れる。気が抜けた柔らかな表情が見つめるのが心地よい。笑みを浮かべ、約束をして、ランバートは心持ち足取りも軽く自室へと戻っていった。
◆◇◆
安息日の午前。ランバートは私服姿のファウストと一緒に西地区にいた。
西地区は貴族が好むような店が多く建ち並ぶ、比較的治安のいい場所だ。おしゃれな服や宝飾品、テーラーなども揃っている。雑貨、カフェも多い。ランバート達が飲みに来る店は、この西地区と東地区の中間あたりにある活気のある酒場が多い。
「妹さんは、何か趣味はあるのですか?」
道すがら聞いてみると、ファウストは少し考えている。自分の妹の事だろうに。
「確か、絵を描くはずだ」
「絵、ですか」
「体が弱いから運動ができなかったんだ。絵ならベッドからでも描けると、小さい時から描いていた」
小さな頃の思い出を語るみたいな穏やかな表情。なんとなくだが、ファウストの中では今でも妹は幼い思いでの中の姿なのかもしれない。そんな事を思わせる表情だった。
「確か、心臓が悪いんでしたね」
「あぁ。今は大人になって体力もついて、日常生活には支障がなくなった。天気のいい日には外で写生をしたりもしているそうだ」
「そうだ」ということは誰かに聞いたのか。自分で確認をしていない感じがする。いっそ誕生日にこの人を妹さんのところに行かせるのが一番いいプレゼントなんじゃないかと思えてきた。
「去年までは、弟さんが選んでいたんですよね? 何をあげていたんですか?」
「絵画集や、好きな本、新しい画材なんかを贈っていたようだ。でも、二十歳だから少し違ったものがいいと言われてしまって」
「弟さんは何を贈るか言っていましたか?」
「妹の為に香水を調合するそうだ」
「調合?」
「言わなかったか? 弟は調香の仕事をしているんだ」
当然のように言われたが、そんな話は聞いていない。ランバートは驚いてしまう。つまり、香水を作る仕事をしているのだ。
「繊細なんですね、弟さんは」
「お前、今俺を雑だと思っただろ」
ジロッと睨まれるけれど、ランバートはそれを笑って受け流した。そして、目的の店の前に辿り着いて止まった。
目の前にはいかにも高級という入りづらい店がある。店内も明るいわけではなく、ぴっちりとスーツを着た人々が優雅かつ忙しそうに動いている。その店を前に、ファウストは固まったようだった。
「とりあえず、定番ですからね」
「ここは……」
「女性が好きなキラキラしたお店ですよ」
気後れして動けないファウストの腕を引いていくランバートは、さも当然と店へと入った。
店は毛足の長い柔らかな絨毯を敷き詰めた薄明るい店で、ショーケースの中には様々な輝きを放つ宝飾品が並んでいる。そこにいる店員も皆一流という様子で、ぴっちりとスーツを着て、手には白い手袋をしている。
「これはランバート様。本日はどのようなご用向きでしょうか?」
そこそこベテランの、壮年の男性が声をかけてくる。それに、ランバートは慣れたように手を前に制して静かに言った。
「今日は俺の用できたわけじゃない。少し店内を見て回りたいから、案内も不要だ。必要ならこちらから声をかける」
「左様でございますか。それでは、ごゆっくり」
にこやかに笑い、一礼した男性はそのまま下がっていく。後ろでその様子を呆然と見ているファウストに向き直り、ランバートは苦笑した。
「母が上得意なんですよ。その縁で俺もここには何度か」
「初めてお前が名家の子息に見えた」
「それは失礼いたしました」
呆然と言われた事に笑って、ランバートは店の中を進んでいく。隣のファウストは落ち着かない様子でショーケースの中を見ていた。
「絵を描くということは、指輪やブレスレットは好まないでしょうね」
「あぁ。手に何かをつけているのを見た事がないな」
「金属にかぶれたことは?」
「そんな話は聞かない」
広がる指輪のゾーンを抜け、ブレスレットやネックレスを超えていく。店内をぐるりと回っていると、不意にブローチを集めたコーナーを見つけた。
「ブローチ、可愛いですね」
「ん?」
ランバートが歩み寄っていくのを追ったファウストも、同じようにケースの中を覗き込む。
ケースの中は様々なブローチがあるが、その中でも目を引いたのは金や銀でできた精緻な丸いブローチだった。童話をモチーフとしているらしく、物語の象徴的な場面を金銀の細工で再現している。その中に一つだけ、アクセントのように宝石がはまっている。
「これは、白雪姫ですね。リンゴに赤い宝石がはまっています」
「シンデレラのガラスの靴、雪の女王の氷か」
「ブレーメンは音符が宝石ですよ。なかなか愛らしいですね」
見ていると童心に戻るようで、少しウキウキしてくる。それにしても綺麗だ。人物はシルエットになって表情はないが、浮かぶ情景で表情まで分かるようだ。
「美女と野獣だ」
「え?」
ファウストが少し離れた場所にあるブローチを指さす。そこにはドレスを纏う女性と、大きな野獣が手を取り合って踊る姿が描かれている。その二人の上には赤いバラが一輪、宝石がはめ込まれてある。
「異国の童話なんだ。母が童話が好きで、俺や弟にまで読んで聞かせてくれた。この話はここらではあまり語られていないようだが」
「どんな話なのですか?」
「心優しい女性が、森の野獣と恋をするんだ。最初は父親の罪によって野獣の元に来た女性も、野獣のもてなしや優しさに心を開いていく。だが女性の父が病気になり、看病をするために数日戻る事になった。約束の期日までに戻ると言って」
これで、なんとなく分かる。女性はきっと、約束を破ってしまうんだろうと。
「約束の期日を過ぎて慌てて戻ると、野獣は今にも死にそうになっていた。女性が涙ながらに野獣に謝ると、野獣は彼女を許した。そして優しい野獣を、女性が心より愛しいと告げた時に野獣の呪いは解けて美しい王子に変わる。確か、そんな話だ」
うろ覚えなのか、僅かに首を傾げながら静かに話をするファウストは少し照れたように笑う。その表情の柔らかさに、ランバートは少しだけドキリとした。
「これが、いいんじゃないですか? 思いでのある物語なら、きっと妹さんも覚えていますよ」
「そうだな」
頷いて、ランバートは周囲を見回し店員の所へと向かう。なんだか心が騒いで、少し距離を取りたかったのだ。小さな子の子守をするような穏やかで優しい表情を見ていると、そこに引き込まれそうな気がしてしまったんだ。
「あっ、ついでに入れ物も何か見繕った方がいいかもしれない」
いくらなんでも裸で贈るわけにはいかない。当然ラッピングなどは丁寧にしてくれるが、一緒にケースをつけるとそれだけでインテリアにもなる。それも合わせて話をしようか。
そんな事をあれこれ考えながら、ランバートは先ほどの壮年の店員に話しかけていた。
店を出たのは昼時を少し過ぎたくらいだった。結局ブローチと、それに合うジュエリーボックスを選んだ。小さなオルゴールのついたもので、表面には花や草をあしらった彫り物がされている。その中にブローチを納め、贈る手続きもした。一流の店だからこそ、高価な物の輸送も安心して頼める。
今は落ち着いた店で一息つきつつ、遅めの昼食を食べ終わった所だ。お茶を飲んでほっと息をついている。
「やっぱり、お前に頼んで正解だったな」
そう言ったファウストは少し疲れている。本当に慣れていないのだろう。宝飾店で既に疲れ切っている様子だった。
「思い通りの物が見つかってよかったです」
「あぁ。俺ならあの店には入れないな」
「貴方だって名家でしょうに」
「男ばかりで相手もないのに、縁のない店だろ?」
「まぁ、口にすると少し寂しいですが」
否定はせずに苦笑して、ランバートはお茶を飲み込む。久しぶりに穏やかな午後だ。
その前に、コトンと何かが置かれた。黒い小さめの箱は、金の文字でさっきの宝飾店の名が書かれている。
「これは?」
「お前にだ」
「俺に?」
目を丸くして問い返してしまう。こんな物を貰う理由が思い浮かばなくて箱とファウストを交互に見ていると、困ったような笑みが返ってきた。
「以前、リマの日にお前から贈り物を貰っただろ? それのお返しだ」
「そんな! あれは本当に、日頃のお礼と思っていたのにこんな」
あの店は安い物はないはずだ。手編みのマフラーとはとても釣り合わない。なんだか心苦しい思いをしていると、形のいい指が箱に触れて、そっと蓋を開けた。
「あ……」
それは小さなピンブローチだった。金でできた、蔦をあしらう三日月の中に、青い小さな宝石が一つはめ込まれている。
「見つけた時に、お前に似合うような気がした。貰って、返せないのも引っかかっていてな。それに、世話になったのは俺も同じだ。だからこれは、遅くなったが」
ファウストの指がピンに触れ、動けないランバートの襟元に触れる。そこに飾られたピンを見るファウストが、この上なく満足そうな笑みを浮かべた。
「これなら、制服にもつけられるだろ」
「こんな高価なもの、普段着につけられませんよ」
落としたらどうしようと常に気を配らなくてはならなくなりそうだ。
でも、胸元に飾られたブローチをなぞると温かな気がして、自然と笑みが浮かぶ。誰かから贈り物を貰うなんて、どのくらいぶりだろうか。なんだかくすぐったくて、嬉しかった。
「大事な日にだけ、つけさせていただきます」
「そうか」
穏やかに言った人の嬉しそうな笑みを見て、ランバートも同じように返す。
春を思わせる少し温かな陽が差し込む、そんなとある一時だった。
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