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番外編:オリヴァーシリーズ
10話:オリヴァーの熱情
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ランプの不安定な明かりの中で、しなやかな体は火照り濡れて乱れている。彼の体を跨ぎ、その高ぶりを深く咥えこんだまま、オリヴァーはたまらずに声を上げている。
「はぁ……あっ、あぁ!」
下から腰を掴むアレックスの逞しさに涙が溢れる。彼の高ぶりは心得たように欲望を暴き出し、与えてくれている。緩く腰を振り、求めるように引き込んで自らこすりつけると、それだけで甘い痺れが全身を包んで軽く白む。
「気持ちいいんだね、オリヴァー」
低く甘く笑みを浮かべる声に、激しく何度も頷いた。こんなにも気持ちのいい交わりは今までなかった。初めてなのだ、特別な趣向もない性交に既に二度も上り詰めたなんて。
無理矢理暴かれ開発された体は、騎士団に入る頃には普通の情事では満足出来ないものになっていた。縛られる、レイプまがい、目隠しなどは常に求めた。複数なんてのも楽しんだ。痛みを伴うものも刺激的だった。それでも一度達すれば熱は覚め、妙な虚しさに苛まれていた。
それがどうだ。彼との交わりにそのような趣向はなにもない。キスをして、互いに触れて、大切に高められて。こんなに普通なのに、溺れ方は異常だ。口に含まれてたっぷりと後ろを解されただけで一度上り詰め、彼を受け入れて互いに熱を放った。それでも足りず、こうして跨がっている。
「苦しくはないか?」
「平気……もっと、欲しい!」
リズムを刻むようにトントンと突き上げられる度、浮き上がってしまうほどに強い刺激を受けている。欲して跨がったにもかかわらず、後ろに受け入れた後は激しく動けぬほどに感じてしまっている。
「流石に三度目では、熱を逃がせないか」
「あぁぁ!」
前を握られて仰け反ってしまう。分かっている、それだけで達したのだ。吐き出す熱も既にないのに、高ぶりだけはまだ硬くなり彼の手の中にある。揺すられ、扱かれて、締め付けるそこで彼を感じている。
「アレックス」
倒れ込むように胸に縋ると、そのまま力強く奥を突き通してくる。求める強い刺激に必死に息をして自分を保つ事に精一杯になった。やがて彼の熱を奥で飲み込み、一滴も逃したくないと口を閉じる。腰は既に立たなくなっていて、息を整えるのに時間がかかる。
無情にもアレックスは腕で腰を持ち上げ、長い指を差し入れて奥を暴き立てて中に流し込んだ精を掻き出してしまう。そのままにして欲しいと懇願すると、「体調を崩すのが分かっていてそれはできない」と心得たように綺麗にしてしまった。
サッパリとして、明かりも落として隣に寝転ぶ。満たされるものにうっとりと縋り、落ち着いていった。
「本当は少し、怖かったんだ」
髪を梳き、手にした一房に口づけながらアレックスは言う。それに、オリヴァーは瞳を向けて首を傾げた。
「何がですか?」
「抱き合ったら、二度はない。貴方がそう言った言葉を忘れられずにいた。そうはさせないと思っていても、冷めてしまったものを引き留める事もできない。こうした夜を持てなかったのは貴方の過去を思ったのもあるが、そうした俺の怯えもあったんだ」
優しい手つきで体に触れる。困った様な瞳が見つめている。月の柔らかな光に濃紺の瞳が寂しげに細くなるのを、オリヴァーは見上げて笑った。
「笑う事はないだろ?」
「だって」
「真剣に悩んだんだ」
なんて愛らしい。なんて、可愛らしい答えだろう。思い、愛しさがこみ上げる。この温かなものをくれる人を、どうして手放せるのだろう。愛情と無縁だと思っていたこの胸に宿る切なく締め付ける思いを、どうして今更捨てる事ができるのだろう。
「欲したのは私です。求めたのは心でした。幾夜重ねても得られなかった満たされる温もりに背を向けられるほど、私は強い人間ではございません。貴方と交わりこの身に注いで頂いたのは、直接的な高ぶりだけではなかったのです」
うっとりと見つめ、下唇に触れるだけのキスをする。伝えたいと思う心を知った。求められない事への苛立ちと虚しさも知った。その全てが、「愛したい」であり「愛されたい」なのだと受け止めた。
「幸せに、ようやく手を触れています。肉欲ではないものに、ようやく抱かれております。アレックス、私はきっと貴方を手放せない。淫魔に魅入られたのだと覚悟して、私の隣にいてくださいますか?」
問えば濃紺の瞳は柔らかく、そして精悍に見つめ頷く。温かく大きな手が頬を包んで、愛おしそうに撫でていく。くすぐったいその感触に瞳を細めると、ふわりと額に唇が触れた。
「勿論、貴方を手放す気はない。長くこうして共にいたいと願っている。いつまでも、貴方に見合う男であろうと気が引き締まる。俺をいい男にするのは、オリヴァーだ」
低い男の声に背を燻らせ指先で触れ、オリヴァーは幸福に笑みを浮かべた。
数年後、アレックスは着実に実業家としての手腕を発揮し、王都でも指折りの人物となる。成功の秘訣を問われた彼は迷いもなく「素敵な天使が側にいるからだ」と明かした。サキュバスと恐れられた人は、成功の天使となったのである。
でもこれは、もっとずっと後のお話。
「はぁ……あっ、あぁ!」
下から腰を掴むアレックスの逞しさに涙が溢れる。彼の高ぶりは心得たように欲望を暴き出し、与えてくれている。緩く腰を振り、求めるように引き込んで自らこすりつけると、それだけで甘い痺れが全身を包んで軽く白む。
「気持ちいいんだね、オリヴァー」
低く甘く笑みを浮かべる声に、激しく何度も頷いた。こんなにも気持ちのいい交わりは今までなかった。初めてなのだ、特別な趣向もない性交に既に二度も上り詰めたなんて。
無理矢理暴かれ開発された体は、騎士団に入る頃には普通の情事では満足出来ないものになっていた。縛られる、レイプまがい、目隠しなどは常に求めた。複数なんてのも楽しんだ。痛みを伴うものも刺激的だった。それでも一度達すれば熱は覚め、妙な虚しさに苛まれていた。
それがどうだ。彼との交わりにそのような趣向はなにもない。キスをして、互いに触れて、大切に高められて。こんなに普通なのに、溺れ方は異常だ。口に含まれてたっぷりと後ろを解されただけで一度上り詰め、彼を受け入れて互いに熱を放った。それでも足りず、こうして跨がっている。
「苦しくはないか?」
「平気……もっと、欲しい!」
リズムを刻むようにトントンと突き上げられる度、浮き上がってしまうほどに強い刺激を受けている。欲して跨がったにもかかわらず、後ろに受け入れた後は激しく動けぬほどに感じてしまっている。
「流石に三度目では、熱を逃がせないか」
「あぁぁ!」
前を握られて仰け反ってしまう。分かっている、それだけで達したのだ。吐き出す熱も既にないのに、高ぶりだけはまだ硬くなり彼の手の中にある。揺すられ、扱かれて、締め付けるそこで彼を感じている。
「アレックス」
倒れ込むように胸に縋ると、そのまま力強く奥を突き通してくる。求める強い刺激に必死に息をして自分を保つ事に精一杯になった。やがて彼の熱を奥で飲み込み、一滴も逃したくないと口を閉じる。腰は既に立たなくなっていて、息を整えるのに時間がかかる。
無情にもアレックスは腕で腰を持ち上げ、長い指を差し入れて奥を暴き立てて中に流し込んだ精を掻き出してしまう。そのままにして欲しいと懇願すると、「体調を崩すのが分かっていてそれはできない」と心得たように綺麗にしてしまった。
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「本当は少し、怖かったんだ」
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「何がですか?」
「抱き合ったら、二度はない。貴方がそう言った言葉を忘れられずにいた。そうはさせないと思っていても、冷めてしまったものを引き留める事もできない。こうした夜を持てなかったのは貴方の過去を思ったのもあるが、そうした俺の怯えもあったんだ」
優しい手つきで体に触れる。困った様な瞳が見つめている。月の柔らかな光に濃紺の瞳が寂しげに細くなるのを、オリヴァーは見上げて笑った。
「笑う事はないだろ?」
「だって」
「真剣に悩んだんだ」
なんて愛らしい。なんて、可愛らしい答えだろう。思い、愛しさがこみ上げる。この温かなものをくれる人を、どうして手放せるのだろう。愛情と無縁だと思っていたこの胸に宿る切なく締め付ける思いを、どうして今更捨てる事ができるのだろう。
「欲したのは私です。求めたのは心でした。幾夜重ねても得られなかった満たされる温もりに背を向けられるほど、私は強い人間ではございません。貴方と交わりこの身に注いで頂いたのは、直接的な高ぶりだけではなかったのです」
うっとりと見つめ、下唇に触れるだけのキスをする。伝えたいと思う心を知った。求められない事への苛立ちと虚しさも知った。その全てが、「愛したい」であり「愛されたい」なのだと受け止めた。
「幸せに、ようやく手を触れています。肉欲ではないものに、ようやく抱かれております。アレックス、私はきっと貴方を手放せない。淫魔に魅入られたのだと覚悟して、私の隣にいてくださいますか?」
問えば濃紺の瞳は柔らかく、そして精悍に見つめ頷く。温かく大きな手が頬を包んで、愛おしそうに撫でていく。くすぐったいその感触に瞳を細めると、ふわりと額に唇が触れた。
「勿論、貴方を手放す気はない。長くこうして共にいたいと願っている。いつまでも、貴方に見合う男であろうと気が引き締まる。俺をいい男にするのは、オリヴァーだ」
低い男の声に背を燻らせ指先で触れ、オリヴァーは幸福に笑みを浮かべた。
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