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12章:ルシオ・フェルナンデス消失事件
13話:再生の為に
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ハムレット・ヒッテルスバッハに拉致られ、治療されてから三日。未だ与えられた一室から出てはいない。
肩の傷は深かったが、「縫合はお手の物なんだよね」という彼の言葉通りかなりの速さで終わった。性格の歪みを引けば、彼はおそらく名医なのだろう。本人もそのように豪語していた。
内臓へのダメージは最初の触診どおり、開腹まではしなかった。ただ、弱っている機能を戻す為の投薬と食事は必要だと、美味しくない流動食のようなものを食べ続けている。
彼、ハムレットは大体をこの屋敷で過ごしている。避暑地の奥にひっそりと立つこぢんまりとした屋敷は白壁に赤い三角屋根の二階建てで、使い勝手のいい感じがした。だがここには一般家庭にはあり得ない完璧な手術室がある。彼の秘密基地なのだという。
「なんて顔してるのさ、ルシオ・フェルナンデス。もしかして、助かったのが不満?」
ふて腐れた子供のような様子に、ルシオは苦笑して首を横に振った。助けてくれた人を前に、流石に「不満だ」とは言わない。
手元にある新聞に視線を移す。意識が戻ったのは一日と少し前。新聞はさっき読んだ。表見出し一面には、思わず目を逸らしたくなるような絵。タイトルには『西のテロリスト、レンゼール・ブラハム、ルシオ・フェルナンデス相打ち』とある。そう、絵は二人の首が晒されている場面だった。
「どう? 自分の死亡記事が大々的に新聞の一面を飾る気分って」
「いい気はしないが」
変な気分だ。言うならば、自分の葬儀を自分で見ている、そんな奇妙さと気持ちの悪さがある。そしてどこか他人事だ。
「まぁ、そうだよね。自分と同じ顔がさらし首なんて、死んだ気分になるよね」
そう言いながら、言葉ほどの感情はこの男にはない。それも短い間で知った。
ルシオの身代わりの顔は、この男が整形した結果なのだそうだ。準備が始まったのは、ルシオがランバートを呼び出した直後。この男は弟からの突然の『おねだり』にすっかり気をよくして、完璧に整えたのだと言う。
外科、美容整形、内科。こいつは確かに天才的な腕と大胆さを持つが、その大半は正しく使われていないのではないか。そんな事を思っている。
「あっ、あとこれを渡しておくね」
紙を二枚手渡され、それを読む。そこには一人の人物の履歴のようなものが書いてある。
ヴィンセント・オールコック、年齢は二十六歳。西の出身で、両親はない。年老いた貴族の老夫婦に育てられる。老夫婦亡き後は王都に出てきた。将来有望な人物としてヒッテルスバッハ公爵推薦のもと、今年の秋より国王カール四世の側近として務める事が決まっている。
「これは!」
「素敵なプレゼントでしょ?」
あまりの事に声を上げると、ハムレットはニヤリと笑う。意地の悪い笑みだ。
「こんな事」
「あぁ、平気。うちの親父も噛んでる事だから、簡単に露見しないよ。ちなみに、騎士団の団長も全員グル。勿論陛下もね。大体、堂々と城に入れるためにルシオ・フェルナンデスの死を国民の前に晒したんだよ? 髪切ると別人みたいになったしね」
すっきりとしすぎて首筋がスースーする項に触れる。長かった髪は目が覚めた時にはバッサリと短く切られていた。今はクラウルよりも短いのではないだろうか。初めて鏡を見たとき、思わず「うわぁ!」と声を上げてしまった。
「これでちゃんと、陛下の側に行ける。僕は可愛い弟のお願いを叶えられたし、父は優秀な補佐が王について満足そうだし、大団円だね」
と、一人で頷くハムレットを見て、ルシオ改めヴィンセントは「本当にこれでいいのだろうか」と、とにかく苦悩するしかなかった。
◆◇◆
事件から三日がたった。ランバートは安静を言い渡されたものの回復がよく、今日から自室での静養となった。激しい運動禁止、繊維質の多い野菜の摂取の禁止、水分を取ること、薬を必ず飲む事を言い渡され、食堂でも特別メニューの柔らかな食事が出る以外は普通だった。
自室に戻った事で友人達が顔を見せてくれる。部屋の中はこれでもかと言うほど人口密度が高い。
「よかったね、ランバート。無事に戻ってきて」
「本当に、何回死に損なえばいいのさ。いい加減こっちの心臓に悪いよ」
安堵に大きな目をウルウルさせるコナンと、悪態をつきながらも心配してくれるハリー。それに、ランバートは苦笑して「ごめん」と返した。
「ランバート、剣の修繕はまだなのか?」
ゼロスがすりおろしたリンゴ入りヨーグルトを手渡してくれる。まだ胃腸へのダメージが残るランバートへの気遣いから、このお土産になったらしい。
「あぁ。斧が相手で、かなりガタガタになったから」
あの重たい斧をよく何回も受けられたものだ。興奮状態というのは人間を強くするらしいが、あんなに追い詰められたのは久しぶりだ。
「その斧を見たが、あれを受けたとは驚きだった」
「化け物みたいな斧だったよね。それに、使ってた相手が二メートル以上ある大男でしょ?」
コンラッドとボリスが顔を見合わせ肩をすくめて苦笑する。それに、ランバート自身も苦笑した。
「あれ、うちの大将は持てたけど他は持てなかったんだよね」
「俺も引きずる位はできたが、持ち上げるのはな」
ドゥーガルド、あれを引きずれたのか。ランバートは改めてこの筋肉獣に感心した。
「でも、もう一人持てただろ。しかもグリフィス隊長よりも軽々と」
「あぁ、あれな」
全員が笑っている。それにランバートは首を傾げた。何せその頃はまだ病室の中だ。外の様子はほとんど分からないままだった。
「ファウスト様! 細いのに凄いよな、あの人」
「片腕で持ち上げたからな。どこにその力があるのか分からないよな」
「あぁ……」
様子は想像できる。ファウストの腕は筋骨隆々という様子はない。盛り上がりはあるし、硬いのだが丸太のような太さはないのだ。それでも、そのくらいの力を発揮する。本当にどこにその力があるのだろう。
今回は本当に、ファウストがいなければ命はなかった。あの人の背を見た時、安堵で泣いてしまった。急速に襲った恐怖に震えてしまっていた。
その時、午後の就業を告げる鐘が鳴り出した。全員がそそくさと部屋を出て行く。一気に寂しくなった室内が、妙に色を失ったようになった。
だがそれは直ぐに消えた。コンコンと扉がノックされ、入ってきたファウストとクラウルがランバートを見て苦笑した。
「顔色も戻ったな」
「思ったよりも元気そうで安心した」
「お二人が揃ってなんて、なんだか迫力ですね」
苦笑したランバートがお茶を淹れようと立ち上がるよりも前に、クラウルが全てを引き受けてくれる。ランバートはファウストによってベッドに座らされ、側に引き寄せられたテーブルセットにお茶が並んだ。
「体の調子はどうだ、ランバート」
気遣わしい様子のファウストに、ランバートはしっかりと頷く。この人にはとても心配をかけてしまった。柔らかく頭を撫でた人は、それでも少し辛そうな顔をした。
「お前の剣は打ち直しになった。損傷が激しいから、このまま使っても折れる可能性が高いそうだ」
「分かりました。俺自身、エリオット様よりまだ本体との合流はNGが出ましたので」
落ちた体力を戻す事も考えると、一ヶ月くらいはかかってしまうだろう。散歩などである程度キープはしているが。
「俺も聞いている。それまでには仕上がる予定だ。もしダメなら、予備のを貸し出す」
「有り難うございます」
素直に頭を下げると、ファウストは柔らかな表情で頷いた。
「お前の怪我を聞いて、俺も大分焦った。有り難う、ランバート。色々と手を回してもらった」
クラウルが苦笑し、次には深く頭を下げる。それに焦ったランバートは、彼の肩を助け起こした。
「クラウル様、俺は本当に大した事は。それよりも、うちのアホ兄が何か失礼をしていませんか?」
正直自分の事よりもそれが心配だった。兄ハムレットはとにかく変人だ。そして狂人とも言う。趣味が解剖というほどの変質者で、満足いく手術ができると金はいらないというくらいなのだ。しかも性格ひん曲がっているし、ランバートに対してはとにかくウザい。
クラウルは苦笑して首を横に振った。だがその苦笑が、とにかくランバートのイラッとスイッチを押そうとしている。
「個性的な人だが、悪い人ではないと思っている。それに、なんだかんだと彼の面倒を見てくれる。一昨日に行った時には、随分穏やかそうだった」
「あの兄、何か言ってませんでしたか?」
「あぁ……」
スイッチ、半分押されております。
「今日、カールも一緒に会いたいと送ったら手紙が届いたんだが」
懐の隠しから出てきた封筒を受け取ったランバートは、中身を読んで速攻で破り捨てた。
『ランバートが怪我したって聞いたけど、どうなってんの?
ランバート連れてきてくれないと会わせないから、そのつもりでね』
「クラウル様、申し訳ないのですがレターセットをいただけませんか?」
立ち上がり、小さな箱を持ってきたクラウルの前でランバートはたった一言便せんに書き綴った。
『くたばれバカ兄!』
◆◇◆
その夜、ランバートは随分なメンバーでヒッテルスバッハの屋敷へと戻った。渋るエリオットに、ファウストが責任者としてつく事を条件に許可が下りた。そして同じ馬車の中にはクラウルとカーライルもいる。
クラウルの横にいるカーライルは顔色がない。緊張と、不安がにじみ出るような顔だった。
そんな四人を乗せたヒッテルスバッハの馬車は滑るように屋敷に入る。そして、こっそり裏口に通されて中に入った。
中に入ると、長年勤めてくれている老執事が丁寧に頭を下げて迎えてくれた。懐かしくて柔らかく笑みを浮かべると、老執事も薄らと涙を浮かべた瞳を隠して笑ってくれた。
場所は二階の家族用談話室。そこには兄ハムレットの他に、一番上の兄アレクシスと、父がいた。そしてその奥でとても複雑そうなルシオが、なんとも言えない笑みを浮かべている。
「ルシオ!」
涙を浮かべ駆け出したカーライルを、ハムレットが前に立って引き留める。相変わらずの軽薄そうな笑みを浮かべて。
「陛下、彼の体調はまだ本調子ではありません。感動の再会が永遠のさようならにならないよう、飛びつくのはお控えください」
「あぁ、うん。すまない」
キョトとしたまま勢いを削がれ、なんだか水を差されながらもルシオの前に立ったカーライルは、控え目な笑みを浮かべた。
「おかえり、ヴィンセント」
「……いいの?」
「勿論。ごめんね、守れなくて。助ける事ができなかった。五年も、苦しめてごめん」
我慢していた涙がまた、ぽろぽろとカーライルの瞳からあふれ出す。それでも顔は嬉しそうに笑うのだ。
ルシオは戸惑った顔でその涙を拭い、そっと距離を縮めて肩を抱き寄せる。そして、首を横に振った。
「私こそ、ごめん。当てつけのように、色々」
「ううん」
「これから、一生をかけて償うから」
「そんな事必要ない。私こそ、ヴィンセントに償いたい。沢山、幸せになってほしい」
「もう十分、幸せだよ」
互いの背に腕を回したまま、二人はしばらく涙を流した。
「ランバートぉ!」
感動的な再会のシーンに似つかわしくない不快極まる声に、ランバートは眉根を寄せる。駆け寄って抱擁……とは、当然ならない。ランバートの蹴りがハムレットを足蹴にした。
「ひっどーい! これが可愛い弟の為にあれこれやったお兄ちゃんに対する仕打ちなの!」
「そこは大いに感謝している、ハムレット兄上。だが、抱きつくな」
「いいじゃん、ご褒美」
「弟抱きしめてご褒美とかやめてくれ! 何の罰ゲームなんだ!」
肌がゾワッとする。ランバートは自分を抱いてその腕をこすった。
「むぅぅ。分かった、もうランバートのお願いなんてきかない」
「しばらく帰る予定もないからいい」
「また帰ってこないの!」
「用事ないし、仕事あるし、友達楽しいし、上官いい人ばかりだし。帰ってもいないんだからいいだろ?」
「酷いよぉ! 新年とか、夏休みとか!」
「却下」
腕を組んで見下すランバートの前で陥落したのは、ハムレットのほうだった。
「まぁ、ランバートもそう虐めてやるな。それに、たまには帰ってきてくれると嬉しい。私もお前がどのように過ごしているのか、とても気になっているんだ」
「アレク兄上。……はい、分かりました」
ハムレットとは違い、一番上の兄アレクシスに対してはとても素直にランバートは応じた。
一番上の兄アレクシスは、父に似ている。淡い栗色の髪に大人の男を感じる柔らかな緑色の瞳をした人は、穏やかに頷いて笑みを見せた。
「さて、色々と落ち着いてきたかな。クラウルは陛下の側にいて、ルシオと話しておいで。こちらは家族で水入らずといくから」
そう、場を仕切ったのは父ジョシュアだった。兄と同じ淡い栗色の髪に緑の瞳の男だが、浮かべる表情はハムレットに近い。腹の中で何を考えているのか、よく分からない感じだ。
「俺は遠慮しようか?」
ランバートの隣にずっと黙って静観していたファウストが苦笑するが、ランバートは腕を引いて首を横に振る。勿論、この場にいてもらうつもりだ。
「ファウスト、君もいなさい」
「よろしいのですか、ヒッテルスバッハ公爵」
「構わないよ。それに私は、君と話す事も楽しみにしていたんだ」
ニコニコと笑う父に見られ、ファウストはどこか困ったように頷いた。
かくしてソファーに腰を下ろしたランバートとファウストは、なんだか妙な気分だ。目の前には父とアレクシスがいて、一人掛けのソファーにはハムレットがいる。これで母がいれば、何が始まるのかという感じだ。
「なんだか結婚報告を受ける親の気分だな」
「父上!」
思っても口に出さなかった事をサラリと言った父は、悪戯っぽい顔で笑う。ランバートとしては一秒でも早く逃げたい気分だった。
「怪我はいいのか?」
「あぁ、うん」
「ファウスト、この子を守ってくれて有り難う。何かと手がかかるんじゃないのかい?」
穏やかな問いかけに、ファウストは一瞬ランバートを見る。視線が合うとなんとなく気まずい。あれやこれやと、思い当たる事が多すぎる。
「ランバートはとても優秀な隊員です。文武に秀で、同期の友人達とも仲がいい。面倒見もいいので、人気ですよ」
もの凄くいたたまれない気分になって、ランバートは視線を逸らした。この人の口から自分の評価を聞かされるなんて、どんな顔をすればいいのだろう。
だが、父は実に楽しそうにしている。その隣にいるアレクシスも頷いて、穏やかにランバートを見た。
「ランバートは騎士団がよほど好きなのだと、兄としても安心している。帰らない事を嬉しく思うが、兄としては少し寂しい。たまには手紙の一つも書いてくれ」
「何を書けばいいか、分からなくて。ごめん、アレク兄上」
「謝る事はない。簡単でいいんだ。それこそ、こいつに送った『くたばれバカ兄!』でもな。元気なのは分かる」
「アレク兄上にそんな手紙は書かないよ」
言った途端、拗ねたハムレットに睨まれたが無視する事にした。
「ファウスト、君も遠慮なく叱っていい。ランバートは少し無謀な部分がある。今回もきっと、そんなところだ。全部自分で出来ると思っている。思い上がりは早めにたたき割ってくれていいからね」
父のこの言葉には、ファウストもランバートも顔を見合わせて苦笑するしかなかった。
あっという間に約束の二時間がたつ。ランバートもルシオも怪我人の為、長時間の外出は許可されなかった。
時間になり、名残惜しそうにカーライルはルシオを見ている。だが逆に、ルシオは落ち着いた表情で強く頷いた。心が決まったのだろう。そしてそんな二人を見守るクラウルの瞳は、とても温かなものだった。
ランバートもファウストと一緒に実家を後にした。その帰りの馬車の中、ファウストはとても楽しそうだった。
「なんですか?」
「いや。お前も、兄や父の前では子供に戻るのだと思って」
隣で肩を揺するファウストは、本当に楽しそうだった。以前ルカとファウストの兄弟をからかったツケが今なのかもしれない。
「ファウスト様」
「食えない父に穏やかな長兄、弟溺愛の兄。お前も大変だ」
「俺の受難を理解していただけて嬉しいです」
もうこれしか言えず、ランバート以外の三人がドッと笑った。
戦いばかりに思えた聖ユーミル祭はこうして、新たな仲間ルシオ・フェルナンデスを得てようやく幕を下ろしたのであった。
肩の傷は深かったが、「縫合はお手の物なんだよね」という彼の言葉通りかなりの速さで終わった。性格の歪みを引けば、彼はおそらく名医なのだろう。本人もそのように豪語していた。
内臓へのダメージは最初の触診どおり、開腹まではしなかった。ただ、弱っている機能を戻す為の投薬と食事は必要だと、美味しくない流動食のようなものを食べ続けている。
彼、ハムレットは大体をこの屋敷で過ごしている。避暑地の奥にひっそりと立つこぢんまりとした屋敷は白壁に赤い三角屋根の二階建てで、使い勝手のいい感じがした。だがここには一般家庭にはあり得ない完璧な手術室がある。彼の秘密基地なのだという。
「なんて顔してるのさ、ルシオ・フェルナンデス。もしかして、助かったのが不満?」
ふて腐れた子供のような様子に、ルシオは苦笑して首を横に振った。助けてくれた人を前に、流石に「不満だ」とは言わない。
手元にある新聞に視線を移す。意識が戻ったのは一日と少し前。新聞はさっき読んだ。表見出し一面には、思わず目を逸らしたくなるような絵。タイトルには『西のテロリスト、レンゼール・ブラハム、ルシオ・フェルナンデス相打ち』とある。そう、絵は二人の首が晒されている場面だった。
「どう? 自分の死亡記事が大々的に新聞の一面を飾る気分って」
「いい気はしないが」
変な気分だ。言うならば、自分の葬儀を自分で見ている、そんな奇妙さと気持ちの悪さがある。そしてどこか他人事だ。
「まぁ、そうだよね。自分と同じ顔がさらし首なんて、死んだ気分になるよね」
そう言いながら、言葉ほどの感情はこの男にはない。それも短い間で知った。
ルシオの身代わりの顔は、この男が整形した結果なのだそうだ。準備が始まったのは、ルシオがランバートを呼び出した直後。この男は弟からの突然の『おねだり』にすっかり気をよくして、完璧に整えたのだと言う。
外科、美容整形、内科。こいつは確かに天才的な腕と大胆さを持つが、その大半は正しく使われていないのではないか。そんな事を思っている。
「あっ、あとこれを渡しておくね」
紙を二枚手渡され、それを読む。そこには一人の人物の履歴のようなものが書いてある。
ヴィンセント・オールコック、年齢は二十六歳。西の出身で、両親はない。年老いた貴族の老夫婦に育てられる。老夫婦亡き後は王都に出てきた。将来有望な人物としてヒッテルスバッハ公爵推薦のもと、今年の秋より国王カール四世の側近として務める事が決まっている。
「これは!」
「素敵なプレゼントでしょ?」
あまりの事に声を上げると、ハムレットはニヤリと笑う。意地の悪い笑みだ。
「こんな事」
「あぁ、平気。うちの親父も噛んでる事だから、簡単に露見しないよ。ちなみに、騎士団の団長も全員グル。勿論陛下もね。大体、堂々と城に入れるためにルシオ・フェルナンデスの死を国民の前に晒したんだよ? 髪切ると別人みたいになったしね」
すっきりとしすぎて首筋がスースーする項に触れる。長かった髪は目が覚めた時にはバッサリと短く切られていた。今はクラウルよりも短いのではないだろうか。初めて鏡を見たとき、思わず「うわぁ!」と声を上げてしまった。
「これでちゃんと、陛下の側に行ける。僕は可愛い弟のお願いを叶えられたし、父は優秀な補佐が王について満足そうだし、大団円だね」
と、一人で頷くハムレットを見て、ルシオ改めヴィンセントは「本当にこれでいいのだろうか」と、とにかく苦悩するしかなかった。
◆◇◆
事件から三日がたった。ランバートは安静を言い渡されたものの回復がよく、今日から自室での静養となった。激しい運動禁止、繊維質の多い野菜の摂取の禁止、水分を取ること、薬を必ず飲む事を言い渡され、食堂でも特別メニューの柔らかな食事が出る以外は普通だった。
自室に戻った事で友人達が顔を見せてくれる。部屋の中はこれでもかと言うほど人口密度が高い。
「よかったね、ランバート。無事に戻ってきて」
「本当に、何回死に損なえばいいのさ。いい加減こっちの心臓に悪いよ」
安堵に大きな目をウルウルさせるコナンと、悪態をつきながらも心配してくれるハリー。それに、ランバートは苦笑して「ごめん」と返した。
「ランバート、剣の修繕はまだなのか?」
ゼロスがすりおろしたリンゴ入りヨーグルトを手渡してくれる。まだ胃腸へのダメージが残るランバートへの気遣いから、このお土産になったらしい。
「あぁ。斧が相手で、かなりガタガタになったから」
あの重たい斧をよく何回も受けられたものだ。興奮状態というのは人間を強くするらしいが、あんなに追い詰められたのは久しぶりだ。
「その斧を見たが、あれを受けたとは驚きだった」
「化け物みたいな斧だったよね。それに、使ってた相手が二メートル以上ある大男でしょ?」
コンラッドとボリスが顔を見合わせ肩をすくめて苦笑する。それに、ランバート自身も苦笑した。
「あれ、うちの大将は持てたけど他は持てなかったんだよね」
「俺も引きずる位はできたが、持ち上げるのはな」
ドゥーガルド、あれを引きずれたのか。ランバートは改めてこの筋肉獣に感心した。
「でも、もう一人持てただろ。しかもグリフィス隊長よりも軽々と」
「あぁ、あれな」
全員が笑っている。それにランバートは首を傾げた。何せその頃はまだ病室の中だ。外の様子はほとんど分からないままだった。
「ファウスト様! 細いのに凄いよな、あの人」
「片腕で持ち上げたからな。どこにその力があるのか分からないよな」
「あぁ……」
様子は想像できる。ファウストの腕は筋骨隆々という様子はない。盛り上がりはあるし、硬いのだが丸太のような太さはないのだ。それでも、そのくらいの力を発揮する。本当にどこにその力があるのだろう。
今回は本当に、ファウストがいなければ命はなかった。あの人の背を見た時、安堵で泣いてしまった。急速に襲った恐怖に震えてしまっていた。
その時、午後の就業を告げる鐘が鳴り出した。全員がそそくさと部屋を出て行く。一気に寂しくなった室内が、妙に色を失ったようになった。
だがそれは直ぐに消えた。コンコンと扉がノックされ、入ってきたファウストとクラウルがランバートを見て苦笑した。
「顔色も戻ったな」
「思ったよりも元気そうで安心した」
「お二人が揃ってなんて、なんだか迫力ですね」
苦笑したランバートがお茶を淹れようと立ち上がるよりも前に、クラウルが全てを引き受けてくれる。ランバートはファウストによってベッドに座らされ、側に引き寄せられたテーブルセットにお茶が並んだ。
「体の調子はどうだ、ランバート」
気遣わしい様子のファウストに、ランバートはしっかりと頷く。この人にはとても心配をかけてしまった。柔らかく頭を撫でた人は、それでも少し辛そうな顔をした。
「お前の剣は打ち直しになった。損傷が激しいから、このまま使っても折れる可能性が高いそうだ」
「分かりました。俺自身、エリオット様よりまだ本体との合流はNGが出ましたので」
落ちた体力を戻す事も考えると、一ヶ月くらいはかかってしまうだろう。散歩などである程度キープはしているが。
「俺も聞いている。それまでには仕上がる予定だ。もしダメなら、予備のを貸し出す」
「有り難うございます」
素直に頭を下げると、ファウストは柔らかな表情で頷いた。
「お前の怪我を聞いて、俺も大分焦った。有り難う、ランバート。色々と手を回してもらった」
クラウルが苦笑し、次には深く頭を下げる。それに焦ったランバートは、彼の肩を助け起こした。
「クラウル様、俺は本当に大した事は。それよりも、うちのアホ兄が何か失礼をしていませんか?」
正直自分の事よりもそれが心配だった。兄ハムレットはとにかく変人だ。そして狂人とも言う。趣味が解剖というほどの変質者で、満足いく手術ができると金はいらないというくらいなのだ。しかも性格ひん曲がっているし、ランバートに対してはとにかくウザい。
クラウルは苦笑して首を横に振った。だがその苦笑が、とにかくランバートのイラッとスイッチを押そうとしている。
「個性的な人だが、悪い人ではないと思っている。それに、なんだかんだと彼の面倒を見てくれる。一昨日に行った時には、随分穏やかそうだった」
「あの兄、何か言ってませんでしたか?」
「あぁ……」
スイッチ、半分押されております。
「今日、カールも一緒に会いたいと送ったら手紙が届いたんだが」
懐の隠しから出てきた封筒を受け取ったランバートは、中身を読んで速攻で破り捨てた。
『ランバートが怪我したって聞いたけど、どうなってんの?
ランバート連れてきてくれないと会わせないから、そのつもりでね』
「クラウル様、申し訳ないのですがレターセットをいただけませんか?」
立ち上がり、小さな箱を持ってきたクラウルの前でランバートはたった一言便せんに書き綴った。
『くたばれバカ兄!』
◆◇◆
その夜、ランバートは随分なメンバーでヒッテルスバッハの屋敷へと戻った。渋るエリオットに、ファウストが責任者としてつく事を条件に許可が下りた。そして同じ馬車の中にはクラウルとカーライルもいる。
クラウルの横にいるカーライルは顔色がない。緊張と、不安がにじみ出るような顔だった。
そんな四人を乗せたヒッテルスバッハの馬車は滑るように屋敷に入る。そして、こっそり裏口に通されて中に入った。
中に入ると、長年勤めてくれている老執事が丁寧に頭を下げて迎えてくれた。懐かしくて柔らかく笑みを浮かべると、老執事も薄らと涙を浮かべた瞳を隠して笑ってくれた。
場所は二階の家族用談話室。そこには兄ハムレットの他に、一番上の兄アレクシスと、父がいた。そしてその奥でとても複雑そうなルシオが、なんとも言えない笑みを浮かべている。
「ルシオ!」
涙を浮かべ駆け出したカーライルを、ハムレットが前に立って引き留める。相変わらずの軽薄そうな笑みを浮かべて。
「陛下、彼の体調はまだ本調子ではありません。感動の再会が永遠のさようならにならないよう、飛びつくのはお控えください」
「あぁ、うん。すまない」
キョトとしたまま勢いを削がれ、なんだか水を差されながらもルシオの前に立ったカーライルは、控え目な笑みを浮かべた。
「おかえり、ヴィンセント」
「……いいの?」
「勿論。ごめんね、守れなくて。助ける事ができなかった。五年も、苦しめてごめん」
我慢していた涙がまた、ぽろぽろとカーライルの瞳からあふれ出す。それでも顔は嬉しそうに笑うのだ。
ルシオは戸惑った顔でその涙を拭い、そっと距離を縮めて肩を抱き寄せる。そして、首を横に振った。
「私こそ、ごめん。当てつけのように、色々」
「ううん」
「これから、一生をかけて償うから」
「そんな事必要ない。私こそ、ヴィンセントに償いたい。沢山、幸せになってほしい」
「もう十分、幸せだよ」
互いの背に腕を回したまま、二人はしばらく涙を流した。
「ランバートぉ!」
感動的な再会のシーンに似つかわしくない不快極まる声に、ランバートは眉根を寄せる。駆け寄って抱擁……とは、当然ならない。ランバートの蹴りがハムレットを足蹴にした。
「ひっどーい! これが可愛い弟の為にあれこれやったお兄ちゃんに対する仕打ちなの!」
「そこは大いに感謝している、ハムレット兄上。だが、抱きつくな」
「いいじゃん、ご褒美」
「弟抱きしめてご褒美とかやめてくれ! 何の罰ゲームなんだ!」
肌がゾワッとする。ランバートは自分を抱いてその腕をこすった。
「むぅぅ。分かった、もうランバートのお願いなんてきかない」
「しばらく帰る予定もないからいい」
「また帰ってこないの!」
「用事ないし、仕事あるし、友達楽しいし、上官いい人ばかりだし。帰ってもいないんだからいいだろ?」
「酷いよぉ! 新年とか、夏休みとか!」
「却下」
腕を組んで見下すランバートの前で陥落したのは、ハムレットのほうだった。
「まぁ、ランバートもそう虐めてやるな。それに、たまには帰ってきてくれると嬉しい。私もお前がどのように過ごしているのか、とても気になっているんだ」
「アレク兄上。……はい、分かりました」
ハムレットとは違い、一番上の兄アレクシスに対してはとても素直にランバートは応じた。
一番上の兄アレクシスは、父に似ている。淡い栗色の髪に大人の男を感じる柔らかな緑色の瞳をした人は、穏やかに頷いて笑みを見せた。
「さて、色々と落ち着いてきたかな。クラウルは陛下の側にいて、ルシオと話しておいで。こちらは家族で水入らずといくから」
そう、場を仕切ったのは父ジョシュアだった。兄と同じ淡い栗色の髪に緑の瞳の男だが、浮かべる表情はハムレットに近い。腹の中で何を考えているのか、よく分からない感じだ。
「俺は遠慮しようか?」
ランバートの隣にずっと黙って静観していたファウストが苦笑するが、ランバートは腕を引いて首を横に振る。勿論、この場にいてもらうつもりだ。
「ファウスト、君もいなさい」
「よろしいのですか、ヒッテルスバッハ公爵」
「構わないよ。それに私は、君と話す事も楽しみにしていたんだ」
ニコニコと笑う父に見られ、ファウストはどこか困ったように頷いた。
かくしてソファーに腰を下ろしたランバートとファウストは、なんだか妙な気分だ。目の前には父とアレクシスがいて、一人掛けのソファーにはハムレットがいる。これで母がいれば、何が始まるのかという感じだ。
「なんだか結婚報告を受ける親の気分だな」
「父上!」
思っても口に出さなかった事をサラリと言った父は、悪戯っぽい顔で笑う。ランバートとしては一秒でも早く逃げたい気分だった。
「怪我はいいのか?」
「あぁ、うん」
「ファウスト、この子を守ってくれて有り難う。何かと手がかかるんじゃないのかい?」
穏やかな問いかけに、ファウストは一瞬ランバートを見る。視線が合うとなんとなく気まずい。あれやこれやと、思い当たる事が多すぎる。
「ランバートはとても優秀な隊員です。文武に秀で、同期の友人達とも仲がいい。面倒見もいいので、人気ですよ」
もの凄くいたたまれない気分になって、ランバートは視線を逸らした。この人の口から自分の評価を聞かされるなんて、どんな顔をすればいいのだろう。
だが、父は実に楽しそうにしている。その隣にいるアレクシスも頷いて、穏やかにランバートを見た。
「ランバートは騎士団がよほど好きなのだと、兄としても安心している。帰らない事を嬉しく思うが、兄としては少し寂しい。たまには手紙の一つも書いてくれ」
「何を書けばいいか、分からなくて。ごめん、アレク兄上」
「謝る事はない。簡単でいいんだ。それこそ、こいつに送った『くたばれバカ兄!』でもな。元気なのは分かる」
「アレク兄上にそんな手紙は書かないよ」
言った途端、拗ねたハムレットに睨まれたが無視する事にした。
「ファウスト、君も遠慮なく叱っていい。ランバートは少し無謀な部分がある。今回もきっと、そんなところだ。全部自分で出来ると思っている。思い上がりは早めにたたき割ってくれていいからね」
父のこの言葉には、ファウストもランバートも顔を見合わせて苦笑するしかなかった。
あっという間に約束の二時間がたつ。ランバートもルシオも怪我人の為、長時間の外出は許可されなかった。
時間になり、名残惜しそうにカーライルはルシオを見ている。だが逆に、ルシオは落ち着いた表情で強く頷いた。心が決まったのだろう。そしてそんな二人を見守るクラウルの瞳は、とても温かなものだった。
ランバートもファウストと一緒に実家を後にした。その帰りの馬車の中、ファウストはとても楽しそうだった。
「なんですか?」
「いや。お前も、兄や父の前では子供に戻るのだと思って」
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