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13章:君が欲しいと言える喜び
おまけ2:お世話になりました
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ファウストの体調は日に日に良くなる。というか、基本的に体力のある人だから精神的に落ち着けばどうってことはないのだろう。
そういうことで、この日はシウスやオスカル、エリオットとラウルも含めてファウストの部屋にいた。起き上がって普通に食事もするので、まったくもって平気なのだ。
「まったく、ヒヤヒヤするよ二人は」
オスカルは気が抜けた様子で言い、それでも笑う。そしてこれ見よがしにランバートの首に抱きついた。
「ランバート、そいつのどこが良かったの? ウジ虫だったじゃん」
「オスカル」
「だってー」
窘めるシウスにニヤリと笑ったオスカルに苦笑しつつ、ランバートはファウストを見る。明らかに気に入らない顔ではあるが、今は何も言えないということらしい。実際、この場にいる人には迷惑をかけたわけだし。
「ねぇ、実際どこがいいの? やっぱ顔とか? 体目的?」
「そんな! 別に、表面上のものはそれほど拘りは」
「じゃあ、何?」
ニヤニヤと笑うオスカルを睨みながらも、ランバートは顔を赤くした。
「優しくて、穏やかで、側にいて安らげて。たまに子供扱いされますけど、あまり嫌でもなくて。頭を撫でられるのも嫌いじゃないし……。でも、耳元で囁くのは心臓痛いんで止めてもらいたいです」
ボソボソと呟く様に言うと、しつこかったオスカルが真っ赤になっている。オスカルだけじゃない。エリオットやシウス、ラウル、果てにはファウストまでもが顔を赤くして視線を逸らしている。
「え? え?」
「うん、凄い惚気聞いた。分かった、聞いたのが悪いね」
「え? えぇ!」
「お前が本当にファウストの事が好きだというのは、よう伝わった。ファウスト、お前が照れるな気持ち悪い!」
ファウストは未だにこちらに顔を向けられないのか、そっぽを向いたままだ。そして、ランバートの顔は茹だったように赤い。
「あの、ランバートも落ち着いて。ほら、新婚なんてこんな」
「結婚してないよー」
「そうですけれど! 物の例えですから!」
エリオットまでもが真っ赤になって墓穴を掘る。なんとも平和な雰囲気だ。
「安息日明けから復帰じゃな。だが、その前に全快はもらっておろう。どこか行くのか?」
「少し休みをかねて温泉にでも行くつもりだ。急ぎの案件は片付けたから、問題ないだろ」
「ない。むしろランバートの働きに感謝するのだな」
そう、そこも実はランバートの懸案事項だった。
明後日から二泊三日の予定で、近くの温泉地に旅行に行く。誰にも邪魔されない場所で羽根を伸ばしたいと言われたのだ。ランバートとしても初めての恋人としての旅行に浮き足立つやら、恥ずかしいやら、危機感あるやらで大変だ。
「うわぁ、いきなり温泉とかやらしいの」
「問題あるのか?」
「あっ、開き直った」
絡んでいたのを平気で返すファウストは、いっそ堂々とした様子だ。隣に来て座る。その距離は前と変わらない。
「まぁ、行ってくるとよい。またいつ忙しくなるか分からぬでな」
「分かっている」
そういう日ができるだけ遠ければいい。そうは思うが、そのようにはならない。まだまだ問題は山積状態だ。
「そういえば、弟さんには報告なさったのですか?」
エリオットの問いかけにランバートは頷いた。とは言っても、ランバートのみで行ったのだが。
「受け入れてもらえましたか?」
「えぇ、それは問題なく。むしろとても喜んでもらって、早速『義兄さん』と呼ばれてしまいました」
ルカがこの関係を反対することはない。むしろもの凄く押されていたくらいだ。あの時も少しいたたまれなかったのを思い出す。終いには「お祝い!」とまで言われたのだ。
「お主の弟もまた、気の早い」
「最初からランバートを気に入っていたからな。そこは心配していない」
「そのうちヒッテルスバッハの家にも行くの? ランバート、婚活成功したんだし」
「あ……そうでしたね」
でも、行きたくない。父にはニヤニヤされるだろうし、アレクシスにはなんとも言えない笑みを向けられるだろうし、母はきっとはしゃぐ。ハムレットは論外だ。ファウストに何かしそうな気がしてならない。傷つけたら抹殺してやる。
「あの、それはもっと後で。ってか、まだ本当に付き合い始めたばかりなので、どうか騒がないでください」
「えー、面白いのに」
「オスカル、お前ランバートとファウストを同時に怒らせるつもりかえ? 正直手に負えぬぞ」
隣の人が密かに睨むのに、オスカルは口を閉ざした。
「なんにしても大団円じゃ。これでまた、皆で楽しく酒が飲めるの」
シウスの楽しげな言葉が、結局の所一番なんだと皆が納得した。
そういうことで、この日はシウスやオスカル、エリオットとラウルも含めてファウストの部屋にいた。起き上がって普通に食事もするので、まったくもって平気なのだ。
「まったく、ヒヤヒヤするよ二人は」
オスカルは気が抜けた様子で言い、それでも笑う。そしてこれ見よがしにランバートの首に抱きついた。
「ランバート、そいつのどこが良かったの? ウジ虫だったじゃん」
「オスカル」
「だってー」
窘めるシウスにニヤリと笑ったオスカルに苦笑しつつ、ランバートはファウストを見る。明らかに気に入らない顔ではあるが、今は何も言えないということらしい。実際、この場にいる人には迷惑をかけたわけだし。
「ねぇ、実際どこがいいの? やっぱ顔とか? 体目的?」
「そんな! 別に、表面上のものはそれほど拘りは」
「じゃあ、何?」
ニヤニヤと笑うオスカルを睨みながらも、ランバートは顔を赤くした。
「優しくて、穏やかで、側にいて安らげて。たまに子供扱いされますけど、あまり嫌でもなくて。頭を撫でられるのも嫌いじゃないし……。でも、耳元で囁くのは心臓痛いんで止めてもらいたいです」
ボソボソと呟く様に言うと、しつこかったオスカルが真っ赤になっている。オスカルだけじゃない。エリオットやシウス、ラウル、果てにはファウストまでもが顔を赤くして視線を逸らしている。
「え? え?」
「うん、凄い惚気聞いた。分かった、聞いたのが悪いね」
「え? えぇ!」
「お前が本当にファウストの事が好きだというのは、よう伝わった。ファウスト、お前が照れるな気持ち悪い!」
ファウストは未だにこちらに顔を向けられないのか、そっぽを向いたままだ。そして、ランバートの顔は茹だったように赤い。
「あの、ランバートも落ち着いて。ほら、新婚なんてこんな」
「結婚してないよー」
「そうですけれど! 物の例えですから!」
エリオットまでもが真っ赤になって墓穴を掘る。なんとも平和な雰囲気だ。
「安息日明けから復帰じゃな。だが、その前に全快はもらっておろう。どこか行くのか?」
「少し休みをかねて温泉にでも行くつもりだ。急ぎの案件は片付けたから、問題ないだろ」
「ない。むしろランバートの働きに感謝するのだな」
そう、そこも実はランバートの懸案事項だった。
明後日から二泊三日の予定で、近くの温泉地に旅行に行く。誰にも邪魔されない場所で羽根を伸ばしたいと言われたのだ。ランバートとしても初めての恋人としての旅行に浮き足立つやら、恥ずかしいやら、危機感あるやらで大変だ。
「うわぁ、いきなり温泉とかやらしいの」
「問題あるのか?」
「あっ、開き直った」
絡んでいたのを平気で返すファウストは、いっそ堂々とした様子だ。隣に来て座る。その距離は前と変わらない。
「まぁ、行ってくるとよい。またいつ忙しくなるか分からぬでな」
「分かっている」
そういう日ができるだけ遠ければいい。そうは思うが、そのようにはならない。まだまだ問題は山積状態だ。
「そういえば、弟さんには報告なさったのですか?」
エリオットの問いかけにランバートは頷いた。とは言っても、ランバートのみで行ったのだが。
「受け入れてもらえましたか?」
「えぇ、それは問題なく。むしろとても喜んでもらって、早速『義兄さん』と呼ばれてしまいました」
ルカがこの関係を反対することはない。むしろもの凄く押されていたくらいだ。あの時も少しいたたまれなかったのを思い出す。終いには「お祝い!」とまで言われたのだ。
「お主の弟もまた、気の早い」
「最初からランバートを気に入っていたからな。そこは心配していない」
「そのうちヒッテルスバッハの家にも行くの? ランバート、婚活成功したんだし」
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でも、行きたくない。父にはニヤニヤされるだろうし、アレクシスにはなんとも言えない笑みを向けられるだろうし、母はきっとはしゃぐ。ハムレットは論外だ。ファウストに何かしそうな気がしてならない。傷つけたら抹殺してやる。
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「オスカル、お前ランバートとファウストを同時に怒らせるつもりかえ? 正直手に負えぬぞ」
隣の人が密かに睨むのに、オスカルは口を閉ざした。
「なんにしても大団円じゃ。これでまた、皆で楽しく酒が飲めるの」
シウスの楽しげな言葉が、結局の所一番なんだと皆が納得した。
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