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14章:蜜月の夜
おまけ:旅行後記
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旅行から戻った日。流石に部屋のベッドにランバートは突っ伏した。もう動ける気がしなかった。
結局二日目も日中はゴロゴロしたが、夜になって回復すると互いにダメだった。前日よりは落ち着いていたが、二回目後半は記憶が曖昧になっている。
それでも馬に乗ってここまで帰ってきた自分は偉いと思う。
「大丈夫?」
ラウルがとても心配そうにしている。その顔を見ると、どうにも気が緩んだ。
「ダメ」
「え、ダメなの! あの、薬とかいる?」
「いらない」
心配そうにしてくれるラウルに笑ってしまう。体はしんどいが、気持ちは満足なのだ。あげるばかりではなく、確かにもらったのだし。
「その顔だと、楽しかったんだね」
「勿論」
「良かったね」
優しい顔で笑うラウルに素直に頷く。そして起き上がり、買ってきたお土産を渡した。
「皆でと思って。シウス様と食べてよ」
試食したお土産の中から一番美味しかったものを選んだ。ラウルにもシウスにも心配をかけてしまったし。
嬉しそうにしたラウルが「後で持っていく」と言ってくれた。
「ランバートは辛そうだね。そんなに……その……」
「あぁ、まぁ」
赤くなっているから言いたいことは十分に分かった。そしてランバートも否定しなかった。しようがないだろう、あの人のあの抱き方は。
「あの、大変だった?」
「知りたいのか?」
「少しだけ。あの、僕もシウス様に、その……」
顔が真っ赤だ。つまり、してもらいたいのだろうか。
「シウス様こそ、俺は想像できないけれど」
「とても優しいよ。僕が嫌ならしないくらいだし。それに、いつも自分は後回しで。でもそれが少し心苦しいっていうか、我慢してるんじゃないかと」
「なるほどね」
ファウストに見習ってほしい精神だ。
「ファウスト様は優しかった?」
「……多分?」
「多分! しかも首傾げるの!」
真っ赤になりながらもツッコむべき部分はそこなのか。
思って面白くて、ランバートは笑った。
「あの人、男でも孕ませられるんじゃないかってくらい激しいよ」
「うっ」
「苦しいし、実際少し潰れた」
可笑しくなって言ってみると、途端にウルウルされた。顔なんて真っ赤で、モジモジしている。そんな様子が可愛くて、ランバートは悪戯するみたいに体を寄せて耳元に囁いた。
「今度シウス様にねだってみたら?」
「!」
ボンッと爆発しそうなほど赤くなったラウルは慌てたようにお土産を見て、「これ届けてくる!」と逃げていく。
そんな彼が可愛かったのと、旅の疲れと開放感からまどろんで、ランバートはその後すっかり寝入ってしまった。
◆◇◆
迷惑をかけたシウスの部屋に土産を持ってきたまま、そこにいたオスカルとエリオットにも捕まった。まぁ、二人にも持っていくつもりだったから手間が省けた。
「嫌だわ、随分すっきりした顔して。ファウストやらしい」
「本当に落ち着きおって。ランバート大丈夫かえ?」
「多分な」
とは言ったが、あまり自信がない。自分でも驚くほどにやってしまった。若い時でもここまでじゃなかった。
元々、我慢出来るとは思っていなかった。だが、もう少し抑えられるとは思っていたのだ。気絶するほど抱く予定ではなく、優しくするつもりだった。全部失敗したが。
五年の禁欲は思わぬ事になる。それが身に染みた。
「本当にランバートは大丈夫ですか?」
「足腰は少しふらついていたが、馬に乗れたしな」
「ちょっと、そこ! 基準になってないよ!」
オスカルが信じられないという様子で悲鳴を上げている。そしてエリオットは少し怖かった。
その時、ドアがノックされてシウスが出る。入ってきたのはラウルで、手にはランバートからのお土産があった。
「ラウル、どうしたのだえ?」
「あの、ランバートから皆でってお土産もらって、その……」
「ん?」
顔を真っ赤にしているラウルにシウスが首を傾げる。モジモジとしている様子に、ファウストは何か嫌な予感がした。
「どうしたのだえ?」
「あの……っ!」
ライトブラウンの瞳がファウストを捕らえた途端、明らかに怯えて一歩下がった。その様子に気づけないシウスではない。ジトリと薄い色合いの瞳が睨み付ける。
「ファウスト、貴様ラウルに何をした」
「俺は何もしていないだろ」
「ではなぜお前を見て怯える!」
「知るか!」
食いかかりそうなシウスの腕をラウルが引いている。随分赤い顔で、とても困ったように。
「あのファウスト様が何かしたんじゃないです! ランバートに旅行の話を聞いて、それで」
嫌な予感的中だろうか。ファウストは逃げようとしたが、ニヤリと笑ったオスカルに阻まれる。
「旅の話? 何か言っておったのか?」
「あの……とても凄かったって、その………はっ、孕ませる気なんじゃないかってくらい」
「…………ん?」
モジモジと消え入りそうな声で小さく呟いたラウルだが、最悪な事に水を打ったように室内は静かだ。
オスカルの視線が痛い。あと、エリオットには後で怒られる。シウスは石化した。
「あの、羨ましいってわけじゃないんですけど! でも、あの!」
「あぁぁぁぁ! 言うな! 言うでない! 分かった、後で話し合う!」
「ちょっと、どれだけヤッたのファウスト! 男が孕むかってくらいって、相当でしょ!」
「私、ランバートの様子見てきます! ファウスト、後で医務室にこい!」
バタバタと動き出す一同を見ながら、ファウストは溜息をついた。
恋人だからとやりすぎたそのしっぺ返しは、こんな形できたのでした。
結局二日目も日中はゴロゴロしたが、夜になって回復すると互いにダメだった。前日よりは落ち着いていたが、二回目後半は記憶が曖昧になっている。
それでも馬に乗ってここまで帰ってきた自分は偉いと思う。
「大丈夫?」
ラウルがとても心配そうにしている。その顔を見ると、どうにも気が緩んだ。
「ダメ」
「え、ダメなの! あの、薬とかいる?」
「いらない」
心配そうにしてくれるラウルに笑ってしまう。体はしんどいが、気持ちは満足なのだ。あげるばかりではなく、確かにもらったのだし。
「その顔だと、楽しかったんだね」
「勿論」
「良かったね」
優しい顔で笑うラウルに素直に頷く。そして起き上がり、買ってきたお土産を渡した。
「皆でと思って。シウス様と食べてよ」
試食したお土産の中から一番美味しかったものを選んだ。ラウルにもシウスにも心配をかけてしまったし。
嬉しそうにしたラウルが「後で持っていく」と言ってくれた。
「ランバートは辛そうだね。そんなに……その……」
「あぁ、まぁ」
赤くなっているから言いたいことは十分に分かった。そしてランバートも否定しなかった。しようがないだろう、あの人のあの抱き方は。
「あの、大変だった?」
「知りたいのか?」
「少しだけ。あの、僕もシウス様に、その……」
顔が真っ赤だ。つまり、してもらいたいのだろうか。
「シウス様こそ、俺は想像できないけれど」
「とても優しいよ。僕が嫌ならしないくらいだし。それに、いつも自分は後回しで。でもそれが少し心苦しいっていうか、我慢してるんじゃないかと」
「なるほどね」
ファウストに見習ってほしい精神だ。
「ファウスト様は優しかった?」
「……多分?」
「多分! しかも首傾げるの!」
真っ赤になりながらもツッコむべき部分はそこなのか。
思って面白くて、ランバートは笑った。
「あの人、男でも孕ませられるんじゃないかってくらい激しいよ」
「うっ」
「苦しいし、実際少し潰れた」
可笑しくなって言ってみると、途端にウルウルされた。顔なんて真っ赤で、モジモジしている。そんな様子が可愛くて、ランバートは悪戯するみたいに体を寄せて耳元に囁いた。
「今度シウス様にねだってみたら?」
「!」
ボンッと爆発しそうなほど赤くなったラウルは慌てたようにお土産を見て、「これ届けてくる!」と逃げていく。
そんな彼が可愛かったのと、旅の疲れと開放感からまどろんで、ランバートはその後すっかり寝入ってしまった。
◆◇◆
迷惑をかけたシウスの部屋に土産を持ってきたまま、そこにいたオスカルとエリオットにも捕まった。まぁ、二人にも持っていくつもりだったから手間が省けた。
「嫌だわ、随分すっきりした顔して。ファウストやらしい」
「本当に落ち着きおって。ランバート大丈夫かえ?」
「多分な」
とは言ったが、あまり自信がない。自分でも驚くほどにやってしまった。若い時でもここまでじゃなかった。
元々、我慢出来るとは思っていなかった。だが、もう少し抑えられるとは思っていたのだ。気絶するほど抱く予定ではなく、優しくするつもりだった。全部失敗したが。
五年の禁欲は思わぬ事になる。それが身に染みた。
「本当にランバートは大丈夫ですか?」
「足腰は少しふらついていたが、馬に乗れたしな」
「ちょっと、そこ! 基準になってないよ!」
オスカルが信じられないという様子で悲鳴を上げている。そしてエリオットは少し怖かった。
その時、ドアがノックされてシウスが出る。入ってきたのはラウルで、手にはランバートからのお土産があった。
「ラウル、どうしたのだえ?」
「あの、ランバートから皆でってお土産もらって、その……」
「ん?」
顔を真っ赤にしているラウルにシウスが首を傾げる。モジモジとしている様子に、ファウストは何か嫌な予感がした。
「どうしたのだえ?」
「あの……っ!」
ライトブラウンの瞳がファウストを捕らえた途端、明らかに怯えて一歩下がった。その様子に気づけないシウスではない。ジトリと薄い色合いの瞳が睨み付ける。
「ファウスト、貴様ラウルに何をした」
「俺は何もしていないだろ」
「ではなぜお前を見て怯える!」
「知るか!」
食いかかりそうなシウスの腕をラウルが引いている。随分赤い顔で、とても困ったように。
「あのファウスト様が何かしたんじゃないです! ランバートに旅行の話を聞いて、それで」
嫌な予感的中だろうか。ファウストは逃げようとしたが、ニヤリと笑ったオスカルに阻まれる。
「旅の話? 何か言っておったのか?」
「あの……とても凄かったって、その………はっ、孕ませる気なんじゃないかってくらい」
「…………ん?」
モジモジと消え入りそうな声で小さく呟いたラウルだが、最悪な事に水を打ったように室内は静かだ。
オスカルの視線が痛い。あと、エリオットには後で怒られる。シウスは石化した。
「あの、羨ましいってわけじゃないんですけど! でも、あの!」
「あぁぁぁぁ! 言うな! 言うでない! 分かった、後で話し合う!」
「ちょっと、どれだけヤッたのファウスト! 男が孕むかってくらいって、相当でしょ!」
「私、ランバートの様子見てきます! ファウスト、後で医務室にこい!」
バタバタと動き出す一同を見ながら、ファウストは溜息をついた。
恋人だからとやりすぎたそのしっぺ返しは、こんな形できたのでした。
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