35 / 153
第一章
ゴーレム決闘ルール
しおりを挟む
エドガーが申し込んできた『ゴーレム決闘』は、この小説の中では度々出てくる決闘方法だ。もちろん、知っているが。知っているのと実際に出来るのとは訳が違う。
♢
ゴーレム決闘の基本ルール
目的:各々が自らの魔力を注ぎ込んで作り上げたゴーレムを操り、戦わせる形式の試合で、相手のゴーレムを完全に破壊、もしくは戦闘不能にすれば勝利。
素材:ゴーレムの素材は石、金属、木材の三種類から選ぶ。ただし、学生同士が行う際には使用禁止材料や、魔導具が存在する(実戦では材料や使用禁止はない)。
学園に申請して公正な使用許可をもらわなければ、決闘で使用することはできないこととする。準備時間は限られるため、素材選びも重要な戦略の一環となる。
魔力::ゴーレムは起動時に魔力を自らの魔力のみでゴーレムを作ること。また戦闘中は操縦者の魔力が尽きれば動けなくなるため、魔力管理が勝敗を左右する。
試合時間:制限時間は30分。それまでに決着がつかない場合、審判が状況を見て判定する。
♢
図書館で、ゴーレム決闘について調べに来ていた。色々とルールや戦い方は学ぶことができたと思う。
ゴーレムの知識、それを作るための魔力、そして、実際の戦いを行うための戦略。
エドガーがどうしてこの戦いを選んだのか理解できた。全てが僕よりも上だと言ったのはこのことだったんだね。
ジュリアが隣で目を輝かせながら僕に問いかける。
「ご主人様、ゴーレム作れるの?」
「作るのは大丈夫じゃないかな。材料は学園が提供してくれるようだからね。それに素材や魔導具なども禁止は理解したよ。でも、エドガーはゴーレムの作成方法は、きっと僕よりも詳しいはずだ」
ジュリアは小さな手で拳を握りしめて、「頑張ってください!」と応援してくれる。その素直さが嬉しい反面、どうしたものか考えるしかないね。
それにもう一つ、決闘の立会人を依頼するため、僕はアイス王子を訪ねた。
彼がいるという噴水のある中庭に向かうと、爽やかな笑顔で他の生徒たちと話している姿が見えた。
「アイス王子、ご歓談中に申し訳ないが、少しお話をしてもいいだろうか?」
「やぁ、フライ君、どうしたんだい? 学園で君から話しかけられるなんて珍しいね」
その口調はどこか、からかうようなものだったが、敵意は感じない。
「少しお願いがあってね。アイス王子、時間を取ってもらえるかな?」
「もちろんだ。話を聞かせてくれ」
話していた者たちから距離をとって、僕はエドガーとの決闘について簡単に説明して、ゴーレム決闘の立会人をお願いした。
「なるほど。それで僕にジャッジを頼みたいと?」
「ええ。アイス王子ならば、僕とエドガーのどちらに加担することはないと思ったので。公平で中立な判断をしてくれる人物だと思っています」
アイス王子は少し驚いた表情を見せたが、すぐに柔らかな笑みを浮かべた。
「僕が公平かどうかはわからないけど、興味深い話だね。いいだろう、引き受けるよ」
「ありがとうございます、アイス王子。感謝します」
「う~ん、依頼の報酬なんだけど」
「報酬?」
アイス王子から、そんな申し出をされるとは思っていなかったので、首を傾げる。
「ああ、タダで、というのはちょっと狡いだろ」
「ええ、僕に出来ることならば引き受けますよ」
「その時が来たらよろしく頼むよ。そうだ、少し時間はあるかい? 話でもどうだい?」
「話?」
「ああ、君と話してみたかったんだ」
依頼を引き受けてもらった後、アイス王子と少し話をすることになりました。彼は木陰に腰を下ろし、私に視線を向けます。
「君は随分と面倒なことに巻き込まれるんだね。学園に来たばかりの頃は、もっとのんびりしている印象だったけど、学園に来たら随分と賑やかだ」
「僕だって好きで巻き込まれているわけじゃないですよ。できれば、平穏無事に静かに過ごしたいくらいです」
その言葉にアイス王子は声を立てて笑った。
「平穏無事か……。それにしては、君は随分と目立つ行動をしていると思うけどね」
「……そうですか?」
アイス王子は僕をじっと見つめた後、少し真剣な表情になった。
「ああ、君は入学してからフラフラとギャンブルに時間を興じて、やっと学園に来ても特定の相手と接するのではなく、様々な人物と交流を深めている。ロガン王子やセシリア公女などね」
どうやらアイス王子の気に障ってしまったかな?
「勘違いしないでくれよ。別に君を怪しんでいる訳じゃないんだ。だけど、君の動向を様々な者たちが気にしていると伝えたい。フライ君、君の言葉は本心なんだろうけど、僕には君がそういう生き方を本当に望んでいるのか、少し疑問に思うよ」
私の本心? 自分でもよくわからないことを言われても困ってしまう。
「どういうことです?」
「君は、自分が信じる正しさのために動いている。それはすごく立派なことだ。でも、それが他人を巻き込んでいるように見えるね」
「忠告ですか?」
「いいや、私は君を嫌いじゃない。羨ましいとすら思える」
「羨ましい?」
アイス王子から、私のような平凡な人間を羨ましいという言葉が出てきて意外に思う。私は静かにこの世界の行く末を見たいと思っているだけだ。
だけど、その生活が周囲に影響を与えているとしたら、確かに行動との間に矛盾が自分でも気づかないうちに生まれているのかもしれない。
「ああ、僕は自分よりも健康的で、何事にも自由な人を羨ましいと思うよ。君は紳士的で優しいから、気をつけた方がいい」
「ありがとうございます。それでも僕は自分の大切なものを守るために動きますよ」
エリザベートのことを言われて怒ったのを、優しいと忠告してくれのたのだろうな。
「ああ、すまない。余計なことを言ってしまったね。君らしくやればいい。僕も審判として、君たちの戦いを見届けさせてもらうよ」
アイス王子は再び笑顔を見せた。その笑顔には、どこか理解と親しみが感じられた。
私はアイス王子に感謝の意を伝え、中庭を後にした。
アイス王子との会話は、彼の人柄を知る良い機会になった気がする。彼が本当に公平な立場でいてくれることを信じながら、僕は決闘の準備に集中することを決意した。
「さて、次はゴーレム作りだね。ジュリア、準備を手伝ってくれる?」
「はい!ご主人様、一緒に頑張るのです!」
決闘に向けて、身を引き締まる思いがした。
♢
ゴーレム決闘の基本ルール
目的:各々が自らの魔力を注ぎ込んで作り上げたゴーレムを操り、戦わせる形式の試合で、相手のゴーレムを完全に破壊、もしくは戦闘不能にすれば勝利。
素材:ゴーレムの素材は石、金属、木材の三種類から選ぶ。ただし、学生同士が行う際には使用禁止材料や、魔導具が存在する(実戦では材料や使用禁止はない)。
学園に申請して公正な使用許可をもらわなければ、決闘で使用することはできないこととする。準備時間は限られるため、素材選びも重要な戦略の一環となる。
魔力::ゴーレムは起動時に魔力を自らの魔力のみでゴーレムを作ること。また戦闘中は操縦者の魔力が尽きれば動けなくなるため、魔力管理が勝敗を左右する。
試合時間:制限時間は30分。それまでに決着がつかない場合、審判が状況を見て判定する。
♢
図書館で、ゴーレム決闘について調べに来ていた。色々とルールや戦い方は学ぶことができたと思う。
ゴーレムの知識、それを作るための魔力、そして、実際の戦いを行うための戦略。
エドガーがどうしてこの戦いを選んだのか理解できた。全てが僕よりも上だと言ったのはこのことだったんだね。
ジュリアが隣で目を輝かせながら僕に問いかける。
「ご主人様、ゴーレム作れるの?」
「作るのは大丈夫じゃないかな。材料は学園が提供してくれるようだからね。それに素材や魔導具なども禁止は理解したよ。でも、エドガーはゴーレムの作成方法は、きっと僕よりも詳しいはずだ」
ジュリアは小さな手で拳を握りしめて、「頑張ってください!」と応援してくれる。その素直さが嬉しい反面、どうしたものか考えるしかないね。
それにもう一つ、決闘の立会人を依頼するため、僕はアイス王子を訪ねた。
彼がいるという噴水のある中庭に向かうと、爽やかな笑顔で他の生徒たちと話している姿が見えた。
「アイス王子、ご歓談中に申し訳ないが、少しお話をしてもいいだろうか?」
「やぁ、フライ君、どうしたんだい? 学園で君から話しかけられるなんて珍しいね」
その口調はどこか、からかうようなものだったが、敵意は感じない。
「少しお願いがあってね。アイス王子、時間を取ってもらえるかな?」
「もちろんだ。話を聞かせてくれ」
話していた者たちから距離をとって、僕はエドガーとの決闘について簡単に説明して、ゴーレム決闘の立会人をお願いした。
「なるほど。それで僕にジャッジを頼みたいと?」
「ええ。アイス王子ならば、僕とエドガーのどちらに加担することはないと思ったので。公平で中立な判断をしてくれる人物だと思っています」
アイス王子は少し驚いた表情を見せたが、すぐに柔らかな笑みを浮かべた。
「僕が公平かどうかはわからないけど、興味深い話だね。いいだろう、引き受けるよ」
「ありがとうございます、アイス王子。感謝します」
「う~ん、依頼の報酬なんだけど」
「報酬?」
アイス王子から、そんな申し出をされるとは思っていなかったので、首を傾げる。
「ああ、タダで、というのはちょっと狡いだろ」
「ええ、僕に出来ることならば引き受けますよ」
「その時が来たらよろしく頼むよ。そうだ、少し時間はあるかい? 話でもどうだい?」
「話?」
「ああ、君と話してみたかったんだ」
依頼を引き受けてもらった後、アイス王子と少し話をすることになりました。彼は木陰に腰を下ろし、私に視線を向けます。
「君は随分と面倒なことに巻き込まれるんだね。学園に来たばかりの頃は、もっとのんびりしている印象だったけど、学園に来たら随分と賑やかだ」
「僕だって好きで巻き込まれているわけじゃないですよ。できれば、平穏無事に静かに過ごしたいくらいです」
その言葉にアイス王子は声を立てて笑った。
「平穏無事か……。それにしては、君は随分と目立つ行動をしていると思うけどね」
「……そうですか?」
アイス王子は僕をじっと見つめた後、少し真剣な表情になった。
「ああ、君は入学してからフラフラとギャンブルに時間を興じて、やっと学園に来ても特定の相手と接するのではなく、様々な人物と交流を深めている。ロガン王子やセシリア公女などね」
どうやらアイス王子の気に障ってしまったかな?
「勘違いしないでくれよ。別に君を怪しんでいる訳じゃないんだ。だけど、君の動向を様々な者たちが気にしていると伝えたい。フライ君、君の言葉は本心なんだろうけど、僕には君がそういう生き方を本当に望んでいるのか、少し疑問に思うよ」
私の本心? 自分でもよくわからないことを言われても困ってしまう。
「どういうことです?」
「君は、自分が信じる正しさのために動いている。それはすごく立派なことだ。でも、それが他人を巻き込んでいるように見えるね」
「忠告ですか?」
「いいや、私は君を嫌いじゃない。羨ましいとすら思える」
「羨ましい?」
アイス王子から、私のような平凡な人間を羨ましいという言葉が出てきて意外に思う。私は静かにこの世界の行く末を見たいと思っているだけだ。
だけど、その生活が周囲に影響を与えているとしたら、確かに行動との間に矛盾が自分でも気づかないうちに生まれているのかもしれない。
「ああ、僕は自分よりも健康的で、何事にも自由な人を羨ましいと思うよ。君は紳士的で優しいから、気をつけた方がいい」
「ありがとうございます。それでも僕は自分の大切なものを守るために動きますよ」
エリザベートのことを言われて怒ったのを、優しいと忠告してくれのたのだろうな。
「ああ、すまない。余計なことを言ってしまったね。君らしくやればいい。僕も審判として、君たちの戦いを見届けさせてもらうよ」
アイス王子は再び笑顔を見せた。その笑顔には、どこか理解と親しみが感じられた。
私はアイス王子に感謝の意を伝え、中庭を後にした。
アイス王子との会話は、彼の人柄を知る良い機会になった気がする。彼が本当に公平な立場でいてくれることを信じながら、僕は決闘の準備に集中することを決意した。
「さて、次はゴーレム作りだね。ジュリア、準備を手伝ってくれる?」
「はい!ご主人様、一緒に頑張るのです!」
決闘に向けて、身を引き締まる思いがした。
239
あなたにおすすめの小説
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた
ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。
遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。
「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。
「異世界転生に興味はありますか?」
こうして遊太は異世界転生を選択する。
異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。
「最弱なんだから努力は必要だよな!」
こうして雄太は修行を開始するのだが……
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる