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第二話
戦った後に友情を求めてくるよね。
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ジュリアが告げた決闘の合図で、校庭の中央が静まり返った。
周囲には数十人もの生徒たちが詰めかけ、誰もが興味津々の目でこちらを見つめている。彼らにとっては、学園で行われる騒ぎは全てがイベントだ。
私が学園にほとんど顔を出さないせいで、有名なロガン王子と争っているのは誰だと、噂を口にして熱量は並外れていく。
「帝国公爵家の次男、フライ・エルトールだってよ……どんな戦いをするのか見ものだな」
「いや、あの獣人の王子、ロガン様を相手にまともにやりあえるのか? そもそもフライ様が戦えるのかすら知らないぞ」
「そりゃ無理だろう。あのロガン王子だぞ。現在の一年学園でもトップクラスの武術家だって噂だ」
ざわつく観客たちの声が聞こえてくる。まぁ、無理もない。私が戦えるなんて思っている人間の方が少ないだろう。
学園都市内で戦闘をした機会は皆無だ。
対するロガン王子は、獣人としての身体能力を生かして学園内で活躍をしている。
戦闘開始の合図とともに、獅子のような雄叫びを上げた。その鋭い爪が陽の光を反射して輝いている。
「来い、フライ・エルトール! 身体強化くらいしてみろ! それでも俺様に敵うとは思えんがな!」
ロガン王子の挑発に、観客たちの視線がさらに熱を帯びる。
身体強化、それはこの世界では基本中の基本の戦闘技術だ。
身体能力を魔力で底上げし、獣人のような俊敏さや怪力を一時的に得る。ロガン王子の身体からは、獣人特有の身体強化の魔力が既に溢れており、見るからに準備万端だ。
だが、私はその誘いをあえて無視することにした。
「まぁそこは適当に」
「はぁ? 貴様、ふざけているのか?」
ロガン王子の顔が明らかに険しくなる。獣耳がピクピクと動き、怒りを表している。
「別にふざけてないさ。ただ、僕が身体強化を使って戦えば、君の実力がよく分からなくなっちゃうだろ?」
観客たちがざわめく。
「身体強化しないって……まじか?」
「いやいや、獣人相手にそれは自殺行為だろ?」
「さすがに冗談だろう……?」
ジュリアが私を心配そうに見つめているのが視界の端に映る。彼女は何か言いたげだが、私が彼女に頷いてみせる。
ジュリアは不安そうに唇を噛みしめる。
だけど、エリザベートはどうしてそんなに自信満々なんだろうね。
「……いいだろう。その傲慢、後悔させてやる!」
ロガン王子が雄叫びを上げながら一気に距離を詰めてきた。
私の方が先手で動いたはずですが、さすがは獣人の身体強化による速度は人間のそれとは比べものにならない。ほんの一瞬で目の前に迫ってくる。
だが、私はその動きをじっと見つめた。
「遅い」
そう呟きながら、半歩だけ後ろに下がる。
ロガン王子の鋭い爪が、私の鼻先を掠めるように空を切った。私が半歩ずれたことで、彼の攻撃が完全に無駄なものとなったのだ。
「なにっ!?」
ロガン王子が驚きの声を上げる。ですが、すぐに体勢を立て直し、再び攻撃を繰り出してきます。
この獣人王子、確かに速い。それに戦い慣れていますね。本能と経験がしっかりと身について強いです。
ただ、目に集中していれば、私にとっては速すぎるわけではありません。
「くっ……避けるだけか! 反撃してこい!」
怒声を上げながら、ロガン王子は連続で攻撃を繰り出す。その一つ一つが、普通の人間相手なら致命傷になりかねない鋭さと速さを持っている。
だが、その全てが私には届かない。
彼の動きは素早いが、動きを読むことができればたいして脅威にならない。
動物的本能に従う攻撃が次第に増え始めて、それが故に予測が容易い。
私は彼の爪がどこに向かってくるのかを冷静に見極め、ギリギリのタイミングで避けていく。
怒りと疲労で、単調になる攻撃は、身体強化をしなくても見極められる。
「おいおい、本気か? これじゃまるでダンスしているみたいだ」
観客たちのざわめきが変わる。
「え、フライ様……避けてるだけだけど、なんか様になってる?」
「いや、むしろ避け続けてるのが凄くないか?」
「これ、ロガン王子の方が焦ってるんじゃ……」
ロガン王子の攻撃は確かに強力だが、力みすぎている。それに加え、焦りが出始めたのか、彼の動きが段々と荒くなっていく。
「どうしたの? これじゃ僕が勝っちゃうよ?」
挑発混じりの声をかけると、ロガンの顔が一層険しくなる。
「貴様ああああ!」
再び突進してきたロガンに対し、私は今度は少しだけ足を滑らせ、背後に回り込む。
「ロガン王子、君の攻撃は素直すぎるよ。力だけじゃなくて、もっと頭を使わないと勝てないよ?」
「黙れええええ!」
ロガン王子が振り返りざまに拳を振り下ろしてきた。それを私はほんの僅かに身体をひねることで躱し、彼の拳を地面に叩きつけさせた。
その瞬間、校庭に砂煙が立ち上る。観客たちが息を呑む。
砂煙の中で、ロガン王子が拳を握りしめながら荒い息をついている。その顔は明らかに苛立ちと焦りが混じっている。
砂煙が二人の姿を消した。
私は少しだけ、力を解放することにした。
ロガン王子は強い。一撃でも喰らって仕舞えば、こちらが負ける。だけど、食らわなくても良いルールなら私は負けません。
「少しお休みください」
砂煙の中で、ロガン王子の位置を的確に把握した私は、ロガン王子の正面に回って鳩尾に一撃を放ちました。
「お前!」
「背後から攻撃では認めないでしょ?」
勝利条件に倒すという項目はありませんでしたが、獣人の王子が逃げてばかりでは納得しないでしょ。
「……」
砂煙が消え去り、沈黙したロガン王子。
唖然とする観客の中から拍手が起こる。
「勝者フライ・エルトール」
声が上がった相手を見れば、観客に混じっていたアイス王子だった。
どうやら、見学していたようだ。
私たちの決闘は、最初に決めた通り「五分間立ち続けるかどうか」が勝敗だった。その時間が今、過ぎたのだ。
アイス王子がそう宣言すると、観客たちの間から歓声と驚きの声が上がった。
ロガンは砂煙の中から立ち上がり、私を睨みつける。
「……お前、何者だ……?」
「ただの平凡な公爵家の次男だよ」
そう言って私はロガンに手を差し出した。
「でも、君の実力は確かだった。だけど、逃げていいなら僕に分があったね」
ロガンはしばらく私を睨んでいたが、やがて不敵な笑みを浮かべて手を握り返してきた。
「……面白い奴だな。次こそは負けんぞ」
「次はしたくないなぁ~」
「おい、もっと俺様と戦え!」
「いやですよ」
なぜかロガン王子が、付き纏ってくるようになって鬱陶しいですね。
周囲には数十人もの生徒たちが詰めかけ、誰もが興味津々の目でこちらを見つめている。彼らにとっては、学園で行われる騒ぎは全てがイベントだ。
私が学園にほとんど顔を出さないせいで、有名なロガン王子と争っているのは誰だと、噂を口にして熱量は並外れていく。
「帝国公爵家の次男、フライ・エルトールだってよ……どんな戦いをするのか見ものだな」
「いや、あの獣人の王子、ロガン様を相手にまともにやりあえるのか? そもそもフライ様が戦えるのかすら知らないぞ」
「そりゃ無理だろう。あのロガン王子だぞ。現在の一年学園でもトップクラスの武術家だって噂だ」
ざわつく観客たちの声が聞こえてくる。まぁ、無理もない。私が戦えるなんて思っている人間の方が少ないだろう。
学園都市内で戦闘をした機会は皆無だ。
対するロガン王子は、獣人としての身体能力を生かして学園内で活躍をしている。
戦闘開始の合図とともに、獅子のような雄叫びを上げた。その鋭い爪が陽の光を反射して輝いている。
「来い、フライ・エルトール! 身体強化くらいしてみろ! それでも俺様に敵うとは思えんがな!」
ロガン王子の挑発に、観客たちの視線がさらに熱を帯びる。
身体強化、それはこの世界では基本中の基本の戦闘技術だ。
身体能力を魔力で底上げし、獣人のような俊敏さや怪力を一時的に得る。ロガン王子の身体からは、獣人特有の身体強化の魔力が既に溢れており、見るからに準備万端だ。
だが、私はその誘いをあえて無視することにした。
「まぁそこは適当に」
「はぁ? 貴様、ふざけているのか?」
ロガン王子の顔が明らかに険しくなる。獣耳がピクピクと動き、怒りを表している。
「別にふざけてないさ。ただ、僕が身体強化を使って戦えば、君の実力がよく分からなくなっちゃうだろ?」
観客たちがざわめく。
「身体強化しないって……まじか?」
「いやいや、獣人相手にそれは自殺行為だろ?」
「さすがに冗談だろう……?」
ジュリアが私を心配そうに見つめているのが視界の端に映る。彼女は何か言いたげだが、私が彼女に頷いてみせる。
ジュリアは不安そうに唇を噛みしめる。
だけど、エリザベートはどうしてそんなに自信満々なんだろうね。
「……いいだろう。その傲慢、後悔させてやる!」
ロガン王子が雄叫びを上げながら一気に距離を詰めてきた。
私の方が先手で動いたはずですが、さすがは獣人の身体強化による速度は人間のそれとは比べものにならない。ほんの一瞬で目の前に迫ってくる。
だが、私はその動きをじっと見つめた。
「遅い」
そう呟きながら、半歩だけ後ろに下がる。
ロガン王子の鋭い爪が、私の鼻先を掠めるように空を切った。私が半歩ずれたことで、彼の攻撃が完全に無駄なものとなったのだ。
「なにっ!?」
ロガン王子が驚きの声を上げる。ですが、すぐに体勢を立て直し、再び攻撃を繰り出してきます。
この獣人王子、確かに速い。それに戦い慣れていますね。本能と経験がしっかりと身について強いです。
ただ、目に集中していれば、私にとっては速すぎるわけではありません。
「くっ……避けるだけか! 反撃してこい!」
怒声を上げながら、ロガン王子は連続で攻撃を繰り出す。その一つ一つが、普通の人間相手なら致命傷になりかねない鋭さと速さを持っている。
だが、その全てが私には届かない。
彼の動きは素早いが、動きを読むことができればたいして脅威にならない。
動物的本能に従う攻撃が次第に増え始めて、それが故に予測が容易い。
私は彼の爪がどこに向かってくるのかを冷静に見極め、ギリギリのタイミングで避けていく。
怒りと疲労で、単調になる攻撃は、身体強化をしなくても見極められる。
「おいおい、本気か? これじゃまるでダンスしているみたいだ」
観客たちのざわめきが変わる。
「え、フライ様……避けてるだけだけど、なんか様になってる?」
「いや、むしろ避け続けてるのが凄くないか?」
「これ、ロガン王子の方が焦ってるんじゃ……」
ロガン王子の攻撃は確かに強力だが、力みすぎている。それに加え、焦りが出始めたのか、彼の動きが段々と荒くなっていく。
「どうしたの? これじゃ僕が勝っちゃうよ?」
挑発混じりの声をかけると、ロガンの顔が一層険しくなる。
「貴様ああああ!」
再び突進してきたロガンに対し、私は今度は少しだけ足を滑らせ、背後に回り込む。
「ロガン王子、君の攻撃は素直すぎるよ。力だけじゃなくて、もっと頭を使わないと勝てないよ?」
「黙れええええ!」
ロガン王子が振り返りざまに拳を振り下ろしてきた。それを私はほんの僅かに身体をひねることで躱し、彼の拳を地面に叩きつけさせた。
その瞬間、校庭に砂煙が立ち上る。観客たちが息を呑む。
砂煙の中で、ロガン王子が拳を握りしめながら荒い息をついている。その顔は明らかに苛立ちと焦りが混じっている。
砂煙が二人の姿を消した。
私は少しだけ、力を解放することにした。
ロガン王子は強い。一撃でも喰らって仕舞えば、こちらが負ける。だけど、食らわなくても良いルールなら私は負けません。
「少しお休みください」
砂煙の中で、ロガン王子の位置を的確に把握した私は、ロガン王子の正面に回って鳩尾に一撃を放ちました。
「お前!」
「背後から攻撃では認めないでしょ?」
勝利条件に倒すという項目はありませんでしたが、獣人の王子が逃げてばかりでは納得しないでしょ。
「……」
砂煙が消え去り、沈黙したロガン王子。
唖然とする観客の中から拍手が起こる。
「勝者フライ・エルトール」
声が上がった相手を見れば、観客に混じっていたアイス王子だった。
どうやら、見学していたようだ。
私たちの決闘は、最初に決めた通り「五分間立ち続けるかどうか」が勝敗だった。その時間が今、過ぎたのだ。
アイス王子がそう宣言すると、観客たちの間から歓声と驚きの声が上がった。
ロガンは砂煙の中から立ち上がり、私を睨みつける。
「……お前、何者だ……?」
「ただの平凡な公爵家の次男だよ」
そう言って私はロガンに手を差し出した。
「でも、君の実力は確かだった。だけど、逃げていいなら僕に分があったね」
ロガンはしばらく私を睨んでいたが、やがて不敵な笑みを浮かべて手を握り返してきた。
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