お気楽公爵家の次男に転生したので、適当なことを言っていたら英雄扱いされてしまった。

イコ

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第三章

敵を知り、己を知れば

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 私は八チームが与えられた地図を睨みながら、それぞれのチームについて思考を巡らせていた。

 さて、ここで整理しておきたいのは、八チームのそれぞれの特徴だと思う。

1、ブライド・スレイヤー・ハーケンスとは、どのような人なのか?

 彼は自分が強いことを知っている。その上で、能力がある者を取り立てて、強い帝国を作ろうとしている。

 小説の中でも、帝国の絶対主義を言いながらも、能力のある者ならばどんな種族の者でも取り立てて出世させていた。

 新しい発想や、奇抜なことでも、受け止める柔軟性も持ち合わせる支配者として優秀な人物だ。

2、アイス・ディフェ・ミルディとは?

 ブライド皇子に倒して、アイス王子は、子供の頃から病弱で、人に対して劣等感を持つと共に自分が弱く出来ないことがあることも知っているので、弱者であろうと様々な人材を手元に置いて、補い合うことを信条にしている。

 そのため、各々個性があり、能力が高いだけで人を見ない。

 またそれぞれに事情があり、大陸の無理な制覇をしなくても良いという考えを持っている。

3、ロガン・ゴルドフェング

 獣人たちは、戦闘での優劣を好み、強い者が正しい。また自分自身も強くあろうとする。
 
 ただ、群れのことも大切に思っているので、弱くても強い者が守ればいいという考えを持っているので、強い者を好きであると同時に、弱い者に対しても慈悲の心を持つ。

 だからこそ、弱い立場の奴隷や同胞が虐げられていることを見過ごすことができない。

4、アクアリス・ネプティーナ

 一見他者との関わりを持たないようにしているが、彼女は人を愛し、海と大地を愛する研究者でもある。
 
 同胞という意識は薄く、自由な気質であると同時に、仲間がピンチになれば全力で助ける義侠心も持ち合わせている。

 戦闘面でも、獣人や竜人に匹敵する強さを持つと言われているが、主に魔法の強さだとも言われる。

5、セシリア・ローズ・アーリントン

 商人と協力して、情報を集め、商売と情報を巧みに利用して生き残る小国の出身であり、それらの情報を精査して、使い分ける強かな賢さを持つ。

 どの国とも中立を謳っており、その活動範囲は多岐にわたっている。

 彼女自身も上品で社交的であり、敵を作らないようにしているが、その心には牙を隠し持っている。

6、竜人エスカルーデ

 今回のクラウン・バトルロワイアルに参加している三年生で、竜人族の派閥の代表を務める人物だ。

 飛行能力を持ち、戦闘力も高い。だが、その分一人一人は個人プレイが多いようで、群れで戦うことを好まない。

 孤高の戦士集団といった特徴を持っている。


7、平民学生同盟セレナーデ

 女性で、平民学生同盟の副リーダーを務めている。二年次の在籍だが、その指揮力は高く、平民学生同盟が今回のクラウン・バトルロワイアルという競技に対して、並々ならぬ思いで挑んでいる。

 彼らからすれば、これは就職活動や、面接のようなものだ。自分の能力を高く評価してもらって、学園都市を卒業後の進路に繋げる必要がある。

8、自由連合同盟フリーダム

 フリーダムは平民同盟のような真面目な集団ではなく学生時代を謳歌したい。自由こそが正義だと唱える。不良集団で、その実は暴力で相手に言うことを聞かせて、意のままに操りたいと思う。

 力はあるが、欲望に忠実な集団で、今回の大会も自分たちの力を示すためであり、メンツと強さを重視している。

「随分と個性豊かなメンバーが揃っているようだね」
「情報は役に立ちましたか?」
「ああ、アイリーンが揃えてくれた情報で、随分と整理ができたよ」

 この資料を集めてくれたのは、アイリーンであり、ここにはそれぞれのチーム20名✖️八チームの全ての選手データが揃っていた。

 どうやって手に入れたのか聞くのが怖いので、聞かないけど私としては頭の整理ができて役に立つ。

「ふふ、フライ様のためですから」
「ありがとう、アイリーン。またお礼はするから」
「期待しております」

 アイリーンが立ち去った後も、私は思考を巡らせる。

 どのチームが同盟を結び、どのチームが強力なライバルになり得るのか? そして、どんなゲームメイクを行えば、立ち回りよく動けるのか?

「本当に面白い。能力的には、ブライド皇子、ロガン王子の派閥が優秀に見えるが、強さと言う意味では、竜人族や自由同盟も侮れない。アイス王子も何もしないで見守ると言うことはしないだろう」

 敵対関係にある、ブライド皇子とアイス王子が同盟を結ぶことはない。

 ブライド王子は、従えることはあっても誰かと手を結ぶことはないと思う。

 だが、アイス王子は早々にどこかのチームと同盟を結ぶ可能性が高い。

「各々のリーダーを知ることで、戦術戦略が見えてくる。そして、その結果によって、こちらの動きも決まってくる。さて、こちらが動くとして、どこと同盟を結べばこちらが有利になるか?」
 
『第一日目が始まりました。自分たちが守る領内に魔物が侵入しました。魔物を撃退してください。一日目に討伐できない派閥は失格とします』

 どうやら学園都市側も、ただのクラウンの奪い合いだけでは済まさないようだね。

「メム、ノクス、バクザン、魔物の位置を把握してきてくれ。メムは空から、二人はメムの誘導で森を進んでくれ。他の者たちはいつでも動けるように準備を。セシリアはエリザベート、アイリーンと共に防御を固めてくれ」
「わかりました!」

 いよいよ本格的にゲームが動き出す。

 どこかで気持ちがワクワクしている自分がいる。
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