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第三章
それぞれの動き 4
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《side ブライド・スレイヤー・ハーケンス》
二日目のバトルロワイアルをアイクが勝利したことで、捨て駒を手に入れた。
「貴様たちは私のために死ねることを本望に思え! 今から作戦を実行する!」
小高い丘から、我は草原を見ていた。
草原に響く咆哮が風に乗り、戦場に緊張をもたらす。
ロガン王子の金色のたてがみが陽光を受けて輝き、彼の鋭い爪は捨て駒たちを次々と斬り裂いていた。だが、我が顔には冷たい微笑みが浮かんでいる。
「獅子の王よ……その誇りが疲弊に変わる様を見届けるとしよう」
昨日の代表者戦で配下に加えた新たな兵たち、人種も様々でその力は凄まじい者もいた。
竜人族を配下に持てたことは光栄だ。だが、彼らはもともと平民同盟や弱小派閥の一員だった者たちだ。
実力はマチマチなのだ、それが問題ではない。信用できないだけだ。
だからこそ、彼らの役割はただ一つ、ロガンの体力を削る捨て駒となること。
ロガンは戦場の中心で咆哮を上げながら猛然と敵を薙ぎ払っている。その姿は獅子そのものだ。だが、その動きには徐々に疲労の影が見え始めていた。
「エドガー、次の駒を前に出せ」
我が冷たく指示を飛ばすと、側近のエドガー・ヴァンデルガストが動く。エドガーはゴーレム製造の第一人者であり、我が軍の戦略において重要な駒だ。
「御意。粗野な獣人相手には、これで十分でしょう」
エドガーが錆びた鉄片を空中に放り投げる。それが瞬時に組み上がり、巨大なゴーレムへと姿を変える。ゴーレムはゆっくりとした動きで前進を始め、地面を揺るがせる。
「ふん、そんな鉄の塊で俺を止められると思うのか!」
ロガンが咆哮を上げ、前方のゴーレムに突進する。その爪が鋼鉄の腕を一撃で切り裂き、ゴーレムの体が崩れ落ちる。
「思った通りだ。単純な力だけで全てを解決しようとする、愚かな獣だな」
エドガーが冷笑を浮かべる。崩れたゴーレムの背後から、さらに三体のゴーレムが姿を現す。それらは連携して動き、ロガンの動きを封じようとする。
「くっ、しつこい奴らめ!」
ロガンはゴーレムたちを次々と薙ぎ払うが、そのたびに疲労が蓄積されていく。動きが鈍くなり始めたロガンに、我が視線を向ける。
「アイク、準備を整えよ。ロガンの牙が鈍るのを待つ必要もないだろう」
我が命じると、アイクが一歩前に出る。その冷徹な眼差しと構えは、これからの戦いがいかに厳しいものであるかを物語っている。
「わかりました。ここで決着をつけましょう」
アイクが剣を抜き、静かに草原へ歩みを進める。その姿を見たロガンは、低く唸り声を上げた。
「ブライド皇子の剣か……。貴様が来るとはな! ブライドめ、俺を本気で倒しにきてやがるな!」
「いいや、ロガン王子。あなたを侮る者は誰もいません。ただ、私には任務がある。それだけです」
アイクの冷静な声が戦場に響く。ロガンは疲れた体に鞭打ち、最後の力を振り絞ってアイクに突進する。
その動きは、さすが獅子族の王子と呼ばれるだけあって鋭い。しかし、疲労とダメージは確実に彼の動きを鈍らせていた。
「終わりです」
アイクが低く呟き、剣を振り下ろす。その刃がロガンの胸を深く斬り裂き、巨体が崩れ落ちた。
「ロガン王子、あなたの誇りは立派でした」
アイクが静かに言葉を紡ぐと、戦場は一瞬の静寂に包まれた。ロガンの部下たちは動揺し、統率を失い始める。
「エドガー、掃討を任せる」
我が言葉にエドガーが頷き、残存するゴーレムたちを指揮して獣人たちを追い詰めていく。その様子を見ながら、我は冷たく微笑んだ。
「これで一つ片付いた。草原は我のものだ。次の駒を動かす準備を始めよう」
我が冷たい視線を次の戦場へと向ける。この勝利は通過点に過ぎない。全ては我が手中に収めるための一手にすぎないのだ。
フライ・エルトールによって一日目、二日目と二つの派閥がローズガーデンに吸収された。
だが、それはたいしたことじゃない。
弱い者は淘汰される。だが、我は能力ある者から排除していこう。
フライ・エルトールがどんな考えを持っているのか知らないが、今の戦場は奴に左右されている。
『三日を迎え、三つの派閥が吸収されました。そこで、残り五つの派閥には、さらに戦況を加速させてもらいたいと思います! そこで、クラウンともう一つ。指揮官、将軍、軍師の称号を持って参加している派閥には、敗者復活戦も兼ねて、今まで敗退した人間から欲しい人材を自分の陣営に参加させられる権利を与えます』
運営のうるさい処置に、面倒さを感じる。だが、これによって欲しい人材が手に入るならいいだろう。
「エドガー! 指揮官、将軍、軍師は誰がして居そうだ?」
「はっ! 考えられる派閥は、ローズガーデン、銀の旗、竜人族の三派閥だと考えられます。ローズガーデンでは、フライ・エルドール。銀の旗はアイス王子の懐刀、竜人族は誰かはわかりません」
エドガーの言葉に我は進軍する相手を決めた。
「竜人を撃つぞ!」
「「はっ!!」」
強い相手に挑み、知ることが出来れば、この戦いが終わった後に気になる者たちには声をかけてもいいだろう。
「いくぞ!」
黒いマントを翻して、我は草原を進む。
二日目のバトルロワイアルをアイクが勝利したことで、捨て駒を手に入れた。
「貴様たちは私のために死ねることを本望に思え! 今から作戦を実行する!」
小高い丘から、我は草原を見ていた。
草原に響く咆哮が風に乗り、戦場に緊張をもたらす。
ロガン王子の金色のたてがみが陽光を受けて輝き、彼の鋭い爪は捨て駒たちを次々と斬り裂いていた。だが、我が顔には冷たい微笑みが浮かんでいる。
「獅子の王よ……その誇りが疲弊に変わる様を見届けるとしよう」
昨日の代表者戦で配下に加えた新たな兵たち、人種も様々でその力は凄まじい者もいた。
竜人族を配下に持てたことは光栄だ。だが、彼らはもともと平民同盟や弱小派閥の一員だった者たちだ。
実力はマチマチなのだ、それが問題ではない。信用できないだけだ。
だからこそ、彼らの役割はただ一つ、ロガンの体力を削る捨て駒となること。
ロガンは戦場の中心で咆哮を上げながら猛然と敵を薙ぎ払っている。その姿は獅子そのものだ。だが、その動きには徐々に疲労の影が見え始めていた。
「エドガー、次の駒を前に出せ」
我が冷たく指示を飛ばすと、側近のエドガー・ヴァンデルガストが動く。エドガーはゴーレム製造の第一人者であり、我が軍の戦略において重要な駒だ。
「御意。粗野な獣人相手には、これで十分でしょう」
エドガーが錆びた鉄片を空中に放り投げる。それが瞬時に組み上がり、巨大なゴーレムへと姿を変える。ゴーレムはゆっくりとした動きで前進を始め、地面を揺るがせる。
「ふん、そんな鉄の塊で俺を止められると思うのか!」
ロガンが咆哮を上げ、前方のゴーレムに突進する。その爪が鋼鉄の腕を一撃で切り裂き、ゴーレムの体が崩れ落ちる。
「思った通りだ。単純な力だけで全てを解決しようとする、愚かな獣だな」
エドガーが冷笑を浮かべる。崩れたゴーレムの背後から、さらに三体のゴーレムが姿を現す。それらは連携して動き、ロガンの動きを封じようとする。
「くっ、しつこい奴らめ!」
ロガンはゴーレムたちを次々と薙ぎ払うが、そのたびに疲労が蓄積されていく。動きが鈍くなり始めたロガンに、我が視線を向ける。
「アイク、準備を整えよ。ロガンの牙が鈍るのを待つ必要もないだろう」
我が命じると、アイクが一歩前に出る。その冷徹な眼差しと構えは、これからの戦いがいかに厳しいものであるかを物語っている。
「わかりました。ここで決着をつけましょう」
アイクが剣を抜き、静かに草原へ歩みを進める。その姿を見たロガンは、低く唸り声を上げた。
「ブライド皇子の剣か……。貴様が来るとはな! ブライドめ、俺を本気で倒しにきてやがるな!」
「いいや、ロガン王子。あなたを侮る者は誰もいません。ただ、私には任務がある。それだけです」
アイクの冷静な声が戦場に響く。ロガンは疲れた体に鞭打ち、最後の力を振り絞ってアイクに突進する。
その動きは、さすが獅子族の王子と呼ばれるだけあって鋭い。しかし、疲労とダメージは確実に彼の動きを鈍らせていた。
「終わりです」
アイクが低く呟き、剣を振り下ろす。その刃がロガンの胸を深く斬り裂き、巨体が崩れ落ちた。
「ロガン王子、あなたの誇りは立派でした」
アイクが静かに言葉を紡ぐと、戦場は一瞬の静寂に包まれた。ロガンの部下たちは動揺し、統率を失い始める。
「エドガー、掃討を任せる」
我が言葉にエドガーが頷き、残存するゴーレムたちを指揮して獣人たちを追い詰めていく。その様子を見ながら、我は冷たく微笑んだ。
「これで一つ片付いた。草原は我のものだ。次の駒を動かす準備を始めよう」
我が冷たい視線を次の戦場へと向ける。この勝利は通過点に過ぎない。全ては我が手中に収めるための一手にすぎないのだ。
フライ・エルトールによって一日目、二日目と二つの派閥がローズガーデンに吸収された。
だが、それはたいしたことじゃない。
弱い者は淘汰される。だが、我は能力ある者から排除していこう。
フライ・エルトールがどんな考えを持っているのか知らないが、今の戦場は奴に左右されている。
『三日を迎え、三つの派閥が吸収されました。そこで、残り五つの派閥には、さらに戦況を加速させてもらいたいと思います! そこで、クラウンともう一つ。指揮官、将軍、軍師の称号を持って参加している派閥には、敗者復活戦も兼ねて、今まで敗退した人間から欲しい人材を自分の陣営に参加させられる権利を与えます』
運営のうるさい処置に、面倒さを感じる。だが、これによって欲しい人材が手に入るならいいだろう。
「エドガー! 指揮官、将軍、軍師は誰がして居そうだ?」
「はっ! 考えられる派閥は、ローズガーデン、銀の旗、竜人族の三派閥だと考えられます。ローズガーデンでは、フライ・エルドール。銀の旗はアイス王子の懐刀、竜人族は誰かはわかりません」
エドガーの言葉に我は進軍する相手を決めた。
「竜人を撃つぞ!」
「「はっ!!」」
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「いくぞ!」
黒いマントを翻して、我は草原を進む。
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