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告白
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年下の、それもかなり歳の離れた美人さん。
本当は俺なんて相手にされないことはわかっている。だけど、これはケジメなんだ。
このままの関係を続けていたい。
だけど、いつまでもダラダラとして、彼女が愛想を尽かしてしまう前に言っておかなければならない。
「おっ、俺はスミレさんのことが好きです。まだ仕事も決まってなくて、普通の生活もダメダメで、こんな俺が好かれるなんて思っていません。でも、好きなことを伝えておかないと、これまでみたいに一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝てしまえば、俺も男なのでスミレさんを欲しいと思ってしまいます!」
辿々しく、自分でも情けない言い方になってしまったと思う。
だけど、なんとかちゃんと自分の気持ちを伝えることができた。
告白なんて、若い頃に勢いでして以来、どうやって言えばいいのかわからなかった。だから、結局勢いになって支離滅裂で、情けなくて恥ずかしい。
これはケジメ、スミレさんにその気がないなら、今後は出ていくための準備をしなくてはいけない。もう左腕の包帯は取れたから、一緒にいる必要はないから。
彼女を縛ることはできない。
もしかしたら、ご家族に会う前に出ていかなければいけない。
じっと彼女の顔を見つめる。
「……ヨウイチさん」
「はい!」
生唾を飲み込む。
彼女は真面目な顔で俺の名を呼んだ。
「私はたくさんの恩をヨウイチさんに感じています」
「はい」
語りかけられた言葉で、俺の胸はズキっと痛くなった。そうだ。俺は彼女に恩を売って、強引に付き合ってくれと言っているのかもしれない。
「ですが、それ以上に困っているヨウイチさんのお世話をさせていただきました」
「はい」
言われた言葉一つ一つで、俺は自分の心をグサグサと刺されているような痛みを覚える。
確かに、一ヶ月弱。
俺はスミレさんにお世話になりっぱなしで、どうしようもないヒモ男に成り下がっている。
「ねぇ、ヨウイチさん」
「はい」
「一つお願いがあります」
「お願い?」
キモいことを言ったから、今すぐ出て行けと言われるのだろうか?
「はい。私にヨウイチさんのお世話をさせてくれますか?」
「えっ?」
「ですから、私にヨウイチさんのお世話をさせてくれるなら、お付き合いをお受けします」
「えっ! ええええええええええーーーーーーーー!!!!!!! いっ、いいんですか?!」
あまりにも意外な答えに驚いて椅子から転げ落ちてしまう。左腕はまだまだ痛みを発するので、手をついたら痛いのだが、驚きすぎて痛みも忘れてしまう。
「はい。喜んでお受けします。ヨウイチさんと暮らしていて、私の方がたくさん好きになりましたが」
「いやいやいや! こんな冴えないオジサンですよ?」
「私は素敵だと思いますよ」
「無職で、家もなくて、スマホも使えなくて、料理もできませんよ」
「全部私が用意しましたよね? それに誰かに料理を作るって楽しいので、私がします」
「仕事もまだまだこれからどうなるのかわからない不透明な仕事で」
「私はヨウイチさんの才能を見ました。絶対に人気が出ると思います。信じています。だけど、最悪人気が出なくても、私があなたを養います。一生あなたのお世話をしてあげたいのです」
俺は立ち上がって全力で自分のことを否定的な言葉で口にする。それなのに全てを肯定されて受け止められてしまう。
「おっ、俺。オッサンですけど、スケベですよ」
「ふふふ、それは経験がないので、ヨウイチさんがリードしてください。ただ、強引にとか怖いのは嫌ですよ。優しくしてください」
立ち上がっている俺を上目遣いに、イタズラっぽい目線で見上げてくるスミレさんは妖艶で、初めてとは思えないほど俺の方が圧倒される。
椅子を元に戻して座り直した。
「……」
「もう、終わりですか? ヨウイチさんのいいところを全部言いましょうか?」
「やっ、やめてください。恥ずかしすぎて死にそうです。それに、そんなに褒められても肯定されても、もう言う言葉はありません。ただ……」
「ただ?」
「ありがとうございます。凄く嬉しいです」
「ふふ、こちらこそ、ヨウイチさんから告白されるなんて思っていなかったので、嬉しかったです」
「改めて、よろしくお願いします。スミレさんが大好きです」
「はい。私もよろしくお願いします。ヨウイチさんが大好きです」
二人で視線を合わせて、笑い合う。
こんなオッサンが十二歳も年下の美人と付き合えるなんて!
これは夢じゃない? 現実なんだと思うと、もう一度大きく息を吐いて唾を飲み込んだ。
本当は俺なんて相手にされないことはわかっている。だけど、これはケジメなんだ。
このままの関係を続けていたい。
だけど、いつまでもダラダラとして、彼女が愛想を尽かしてしまう前に言っておかなければならない。
「おっ、俺はスミレさんのことが好きです。まだ仕事も決まってなくて、普通の生活もダメダメで、こんな俺が好かれるなんて思っていません。でも、好きなことを伝えておかないと、これまでみたいに一緒にお風呂に入ったり、一緒に寝てしまえば、俺も男なのでスミレさんを欲しいと思ってしまいます!」
辿々しく、自分でも情けない言い方になってしまったと思う。
だけど、なんとかちゃんと自分の気持ちを伝えることができた。
告白なんて、若い頃に勢いでして以来、どうやって言えばいいのかわからなかった。だから、結局勢いになって支離滅裂で、情けなくて恥ずかしい。
これはケジメ、スミレさんにその気がないなら、今後は出ていくための準備をしなくてはいけない。もう左腕の包帯は取れたから、一緒にいる必要はないから。
彼女を縛ることはできない。
もしかしたら、ご家族に会う前に出ていかなければいけない。
じっと彼女の顔を見つめる。
「……ヨウイチさん」
「はい!」
生唾を飲み込む。
彼女は真面目な顔で俺の名を呼んだ。
「私はたくさんの恩をヨウイチさんに感じています」
「はい」
語りかけられた言葉で、俺の胸はズキっと痛くなった。そうだ。俺は彼女に恩を売って、強引に付き合ってくれと言っているのかもしれない。
「ですが、それ以上に困っているヨウイチさんのお世話をさせていただきました」
「はい」
言われた言葉一つ一つで、俺は自分の心をグサグサと刺されているような痛みを覚える。
確かに、一ヶ月弱。
俺はスミレさんにお世話になりっぱなしで、どうしようもないヒモ男に成り下がっている。
「ねぇ、ヨウイチさん」
「はい」
「一つお願いがあります」
「お願い?」
キモいことを言ったから、今すぐ出て行けと言われるのだろうか?
「はい。私にヨウイチさんのお世話をさせてくれますか?」
「えっ?」
「ですから、私にヨウイチさんのお世話をさせてくれるなら、お付き合いをお受けします」
「えっ! ええええええええええーーーーーーーー!!!!!!! いっ、いいんですか?!」
あまりにも意外な答えに驚いて椅子から転げ落ちてしまう。左腕はまだまだ痛みを発するので、手をついたら痛いのだが、驚きすぎて痛みも忘れてしまう。
「はい。喜んでお受けします。ヨウイチさんと暮らしていて、私の方がたくさん好きになりましたが」
「いやいやいや! こんな冴えないオジサンですよ?」
「私は素敵だと思いますよ」
「無職で、家もなくて、スマホも使えなくて、料理もできませんよ」
「全部私が用意しましたよね? それに誰かに料理を作るって楽しいので、私がします」
「仕事もまだまだこれからどうなるのかわからない不透明な仕事で」
「私はヨウイチさんの才能を見ました。絶対に人気が出ると思います。信じています。だけど、最悪人気が出なくても、私があなたを養います。一生あなたのお世話をしてあげたいのです」
俺は立ち上がって全力で自分のことを否定的な言葉で口にする。それなのに全てを肯定されて受け止められてしまう。
「おっ、俺。オッサンですけど、スケベですよ」
「ふふふ、それは経験がないので、ヨウイチさんがリードしてください。ただ、強引にとか怖いのは嫌ですよ。優しくしてください」
立ち上がっている俺を上目遣いに、イタズラっぽい目線で見上げてくるスミレさんは妖艶で、初めてとは思えないほど俺の方が圧倒される。
椅子を元に戻して座り直した。
「……」
「もう、終わりですか? ヨウイチさんのいいところを全部言いましょうか?」
「やっ、やめてください。恥ずかしすぎて死にそうです。それに、そんなに褒められても肯定されても、もう言う言葉はありません。ただ……」
「ただ?」
「ありがとうございます。凄く嬉しいです」
「ふふ、こちらこそ、ヨウイチさんから告白されるなんて思っていなかったので、嬉しかったです」
「改めて、よろしくお願いします。スミレさんが大好きです」
「はい。私もよろしくお願いします。ヨウイチさんが大好きです」
二人で視線を合わせて、笑い合う。
こんなオッサンが十二歳も年下の美人と付き合えるなんて!
これは夢じゃない? 現実なんだと思うと、もう一度大きく息を吐いて唾を飲み込んだ。
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