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私のクラス
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入学式にはお父様、お母様とクロエが参加してくれました。これから年1回の長期休暇以外会うことはできません。少し寂しく感じます。
入学式後、両親との別れも済ませ、お昼を挟んで各自のクラスへと移動します。私とレオナルド様は、同じAクラスです。仮婚約者同士は、交流を深める意味でも同学年の場合は同じクラスになります。面倒なことに、あの第2王子であるフィリップス殿下も同じクラスでした。
「ロッテ、寂しくなった?」
私のことをよく見ているレオナルド様は、的確に私の心情を把握しています。
「少しだけ。両親や屋敷のみんなと離れるのは初めてですし、ひとりになったことがありませんから。レオは寂しくないのですか?」
隣を歩いていたレオナルド様が私を廊下の端へと誘導し立ち止まったので、エスコートされている私も自然と立ち止まりました。
「全然。今日から毎日ロッテと一緒にいられるんだから、嬉しくて仕方ないよ。だから、ロッテもひとりではないよ。私が一緒にいる。寂しくないでしょう?」
エスコートされていたはずの私はいつの間にかレオナルド様の腕の中。廊下の端とはいえ、教室に向かっている同級生がいるのに恥ずかしすぎます。幸い、背の高いレオナルド様に隠れて私からは全く見えないのですが。
「レオ、恥ずかしいです」
「慣れてね?」
どういう意味でしょうか?レオナルド様のぎゅうは好きですが、屋敷ならともかく外では・・・・。学園に来てからはお互いの部屋以外での触れ合いはなかったので、油断していました。
「無理です・・・・」
「それもいいかな?赤くなるロッテも可愛いなぁ。誰にも見せないから、安心して?」
恥ずかしくて、涙が出そうです。何をどう安心すればいいのでしょう?
「おいおい、レオ。あんま見せつけるなよ?」
ビクッ
レオナルド様のご友人でしょうか?恥ずかしすぎます。部屋に帰りたい・・・・。
「ランスか」
「さっさと解放してやらないと、嫌われるぞ」
レオナルド様の背中をバシンと叩いて、通りすぎていきました。仮婚約者をエスコートしてAクラスに入っていきましたから同じクラスです。ますます恥ずかしくなり恨めしげにレオナルド様を見たのは仕方ないと思います。
「それはまずい。行こうか、ロッテ」
にっこりと笑ったレオナルド様にようやく解放され、教室に入りましたが、なんだか、皆様の視線が生温く感じるのは私だけでしょうか?恥ずかしさからそう見えるだけ、ということにしておきましょう。私の精神衛生上のためにも。
席は自由席。とはいえ、身分の高い者が座らないと決まりません。第2王子は一番前の窓側から2列目を選んだようです。私とレオナルド様は一番後ろで隣同士。私は窓際です。私の前には、先程声をかけてきたレオナルド様のご友人の仮婚約者が、レオナルド様の前にはそのご友人が座りました。次々と決まっていきます。ひとクラス16人。他のクラスも同じです。このクラスは半分の8人が女の子。全員、誰かの仮婚約者です。平民はともかく、伯爵以上の貴族は大抵、仮婚約者がいます。そして、3年までなら入学を遅らせることができ、仮婚約者と同じ年に入学するのです。最後の一人が座ったところで、担任となる教師が入ってきました。
「全員いるな。俺は、サミュエル・ナンザルト。魔法学の座学と実践を担当する。属性は火、風、水、土。この学園では建前として平等を唱っているが、教師はそれに当てはまらない。理由はわかるな?もうひとつ。学業に関わること以外に関しては、身分毎に若干の違いは否めない。学園を卒業した後のこともよく考えて行動しろよ?まあ、とはいえ、気安く話せるのも学生の間だけだからな。俺に迷惑のかからない程度に楽しむといい。質問は?なければ、理解したとみなすぞ?」
はは。緩い感じの人です。これでも王弟殿下なんですよ。ビックリですよね?檸檬色の髪に茄子色の瞳、スラッとした感じに見えますが、身のこなしは鍛えた人のものです。ナンザルト先生は、教室をくるっと見回し、私たちが理解したことを確認されました。
「よし。じゃ、自己紹介。名前、属性くらいか?ああ、爵位も言っとけ。それから、男は仮婚約者もだ。このクラスは、全員仮婚約者がいるからな。お前からだな」
廊下側の一番前の生徒から自己紹介が始まりました。このクラスは王族、公爵家、侯爵家、伯爵家の集まりのようです。
「フィリップス・ツォル・フラントリウム。知っての通り第2王子だ。属性は火、風、水、土」
おー!と称賛の声が上がります。1・2属性が当たり前の世界ですから、4属性はとても珍しいのです。
「仮婚約者は隣にいるエルシア・ヒッチコック侯爵令嬢だ」
第2王子は、仮婚約者の方を見向きもせずに淡々と紹介しました。これにはわたしは少し驚きました。仮婚約者ならば頻繁に会うことになりますから仲がよいものと思っていたのです。レオナルド様ならあり得ない対応です。
「クロイバル侯爵子息ランスロット。属性は火と風と光。仮婚約者はミリーナ・ラトビアル公爵令嬢」
先程、レオナルド様に声を掛けていた方は、クロイバル侯爵家の方でしたか。仮婚約者のミリーナ様とにっこり笑い合っています。仲の良さが伺われる光景にほっこりです。
「バーデンテール公爵子息レオナルド。属性は火、風、土、光、闇」
教室内がざわっとしました。第2王子の4属性でも珍しいのにその上の5属性なのですから、そうなりますよね。私は自分の属性を言いたくなくなりました。
「仮婚約者は隣にいるシャルロット・フォンテーヌ公爵令嬢」
レオナルド様はゆっくりと教室を見回すと、にっこり笑って。
「彼女に手を出したら容赦しないから」
へ?今、なんて仰いました?
レオナルド様の言葉を理解した瞬間、私はもう真っ赤になって俯くしかありません。嬉しさよりも恥ずかしさが勝り、どうしていいか分かりません。まだ、私の自己紹介は終わっていないのに!恨みがましくレオナルド様を見るも、ニコニコとこちらを見つめるレオナルド様と目が合いました。レオナルド様はレオナルド様でした。そのあいだにもどんどんと自己紹介は進んでいきます。
「ラトビアル公爵息女ミリーナ。属性は火、水、風ですわ」
そして、とうとう私の順番が回ってきてしまいました。
「フォンテーヌ公爵息女シャルロット。全属性です」
再びざわめきがおきました。「うそだろ?」、「すげー」、「さすがフォンテーヌ家」、「兄君も全属性ですわよね?」など様々な声が聞こえてきます。そのざわめきが止むのを待たずにナンザルト先生から号令がかかりました。
「よし!じゃ、今日は解散!明日から授業だからな。遅刻するな」
ナンザルト先生は、さっさと教室を出ていかれました。それを待っていたかのように皆さんが動き出します。
「シャルロット様、昨日は扉越しに失礼いたしました」
くるっと後ろを振り向いたミリーナ様が謝罪と共に話しかけてきました。ミリーナ様はミモザ色の髪に林檎色の瞳をした美人さんです。
「こちらこそ。お招きもせず。昨日はあれが最善でしたでしょう?」
私とミリーナ様が話し出したことで、こちらに来ようとしていた方たちが二の足を踏んでいます。隣では、レオナルド様とランスロット様が談笑中です。
「折角、同じクラスなのですから、仲良くしてくださいませ。わたくし、学園に入るまでは外に出ることが殆どなかったので、知り合いはレオナルド様くらいしかおりませんの」
「勿論ですわ。わたくしのことはミリーとお呼びください」
「わたくしは、ロッテで構いませんわ」
私たちの話しのタイミングを見計らって、レオナルド様が声をかけてきました。
「夕食を一緒にと誘われてるんだけど、ロッテはどうしたい?」
「構いませんよ。大勢も楽しそうです」
話しかけたそうにしている皆さんを尻目に、教室を後にした私たち4人は、一旦寮に帰ったあと再び集合したのでした。教室を出ていく私を第2王子がずっと鋭い視線で見ていたことには、気づきませんでした。
入学式後、両親との別れも済ませ、お昼を挟んで各自のクラスへと移動します。私とレオナルド様は、同じAクラスです。仮婚約者同士は、交流を深める意味でも同学年の場合は同じクラスになります。面倒なことに、あの第2王子であるフィリップス殿下も同じクラスでした。
「ロッテ、寂しくなった?」
私のことをよく見ているレオナルド様は、的確に私の心情を把握しています。
「少しだけ。両親や屋敷のみんなと離れるのは初めてですし、ひとりになったことがありませんから。レオは寂しくないのですか?」
隣を歩いていたレオナルド様が私を廊下の端へと誘導し立ち止まったので、エスコートされている私も自然と立ち止まりました。
「全然。今日から毎日ロッテと一緒にいられるんだから、嬉しくて仕方ないよ。だから、ロッテもひとりではないよ。私が一緒にいる。寂しくないでしょう?」
エスコートされていたはずの私はいつの間にかレオナルド様の腕の中。廊下の端とはいえ、教室に向かっている同級生がいるのに恥ずかしすぎます。幸い、背の高いレオナルド様に隠れて私からは全く見えないのですが。
「レオ、恥ずかしいです」
「慣れてね?」
どういう意味でしょうか?レオナルド様のぎゅうは好きですが、屋敷ならともかく外では・・・・。学園に来てからはお互いの部屋以外での触れ合いはなかったので、油断していました。
「無理です・・・・」
「それもいいかな?赤くなるロッテも可愛いなぁ。誰にも見せないから、安心して?」
恥ずかしくて、涙が出そうです。何をどう安心すればいいのでしょう?
「おいおい、レオ。あんま見せつけるなよ?」
ビクッ
レオナルド様のご友人でしょうか?恥ずかしすぎます。部屋に帰りたい・・・・。
「ランスか」
「さっさと解放してやらないと、嫌われるぞ」
レオナルド様の背中をバシンと叩いて、通りすぎていきました。仮婚約者をエスコートしてAクラスに入っていきましたから同じクラスです。ますます恥ずかしくなり恨めしげにレオナルド様を見たのは仕方ないと思います。
「それはまずい。行こうか、ロッテ」
にっこりと笑ったレオナルド様にようやく解放され、教室に入りましたが、なんだか、皆様の視線が生温く感じるのは私だけでしょうか?恥ずかしさからそう見えるだけ、ということにしておきましょう。私の精神衛生上のためにも。
席は自由席。とはいえ、身分の高い者が座らないと決まりません。第2王子は一番前の窓側から2列目を選んだようです。私とレオナルド様は一番後ろで隣同士。私は窓際です。私の前には、先程声をかけてきたレオナルド様のご友人の仮婚約者が、レオナルド様の前にはそのご友人が座りました。次々と決まっていきます。ひとクラス16人。他のクラスも同じです。このクラスは半分の8人が女の子。全員、誰かの仮婚約者です。平民はともかく、伯爵以上の貴族は大抵、仮婚約者がいます。そして、3年までなら入学を遅らせることができ、仮婚約者と同じ年に入学するのです。最後の一人が座ったところで、担任となる教師が入ってきました。
「全員いるな。俺は、サミュエル・ナンザルト。魔法学の座学と実践を担当する。属性は火、風、水、土。この学園では建前として平等を唱っているが、教師はそれに当てはまらない。理由はわかるな?もうひとつ。学業に関わること以外に関しては、身分毎に若干の違いは否めない。学園を卒業した後のこともよく考えて行動しろよ?まあ、とはいえ、気安く話せるのも学生の間だけだからな。俺に迷惑のかからない程度に楽しむといい。質問は?なければ、理解したとみなすぞ?」
はは。緩い感じの人です。これでも王弟殿下なんですよ。ビックリですよね?檸檬色の髪に茄子色の瞳、スラッとした感じに見えますが、身のこなしは鍛えた人のものです。ナンザルト先生は、教室をくるっと見回し、私たちが理解したことを確認されました。
「よし。じゃ、自己紹介。名前、属性くらいか?ああ、爵位も言っとけ。それから、男は仮婚約者もだ。このクラスは、全員仮婚約者がいるからな。お前からだな」
廊下側の一番前の生徒から自己紹介が始まりました。このクラスは王族、公爵家、侯爵家、伯爵家の集まりのようです。
「フィリップス・ツォル・フラントリウム。知っての通り第2王子だ。属性は火、風、水、土」
おー!と称賛の声が上がります。1・2属性が当たり前の世界ですから、4属性はとても珍しいのです。
「仮婚約者は隣にいるエルシア・ヒッチコック侯爵令嬢だ」
第2王子は、仮婚約者の方を見向きもせずに淡々と紹介しました。これにはわたしは少し驚きました。仮婚約者ならば頻繁に会うことになりますから仲がよいものと思っていたのです。レオナルド様ならあり得ない対応です。
「クロイバル侯爵子息ランスロット。属性は火と風と光。仮婚約者はミリーナ・ラトビアル公爵令嬢」
先程、レオナルド様に声を掛けていた方は、クロイバル侯爵家の方でしたか。仮婚約者のミリーナ様とにっこり笑い合っています。仲の良さが伺われる光景にほっこりです。
「バーデンテール公爵子息レオナルド。属性は火、風、土、光、闇」
教室内がざわっとしました。第2王子の4属性でも珍しいのにその上の5属性なのですから、そうなりますよね。私は自分の属性を言いたくなくなりました。
「仮婚約者は隣にいるシャルロット・フォンテーヌ公爵令嬢」
レオナルド様はゆっくりと教室を見回すと、にっこり笑って。
「彼女に手を出したら容赦しないから」
へ?今、なんて仰いました?
レオナルド様の言葉を理解した瞬間、私はもう真っ赤になって俯くしかありません。嬉しさよりも恥ずかしさが勝り、どうしていいか分かりません。まだ、私の自己紹介は終わっていないのに!恨みがましくレオナルド様を見るも、ニコニコとこちらを見つめるレオナルド様と目が合いました。レオナルド様はレオナルド様でした。そのあいだにもどんどんと自己紹介は進んでいきます。
「ラトビアル公爵息女ミリーナ。属性は火、水、風ですわ」
そして、とうとう私の順番が回ってきてしまいました。
「フォンテーヌ公爵息女シャルロット。全属性です」
再びざわめきがおきました。「うそだろ?」、「すげー」、「さすがフォンテーヌ家」、「兄君も全属性ですわよね?」など様々な声が聞こえてきます。そのざわめきが止むのを待たずにナンザルト先生から号令がかかりました。
「よし!じゃ、今日は解散!明日から授業だからな。遅刻するな」
ナンザルト先生は、さっさと教室を出ていかれました。それを待っていたかのように皆さんが動き出します。
「シャルロット様、昨日は扉越しに失礼いたしました」
くるっと後ろを振り向いたミリーナ様が謝罪と共に話しかけてきました。ミリーナ様はミモザ色の髪に林檎色の瞳をした美人さんです。
「こちらこそ。お招きもせず。昨日はあれが最善でしたでしょう?」
私とミリーナ様が話し出したことで、こちらに来ようとしていた方たちが二の足を踏んでいます。隣では、レオナルド様とランスロット様が談笑中です。
「折角、同じクラスなのですから、仲良くしてくださいませ。わたくし、学園に入るまでは外に出ることが殆どなかったので、知り合いはレオナルド様くらいしかおりませんの」
「勿論ですわ。わたくしのことはミリーとお呼びください」
「わたくしは、ロッテで構いませんわ」
私たちの話しのタイミングを見計らって、レオナルド様が声をかけてきました。
「夕食を一緒にと誘われてるんだけど、ロッテはどうしたい?」
「構いませんよ。大勢も楽しそうです」
話しかけたそうにしている皆さんを尻目に、教室を後にした私たち4人は、一旦寮に帰ったあと再び集合したのでした。教室を出ていく私を第2王子がずっと鋭い視線で見ていたことには、気づきませんでした。
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