ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~

紅子

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初めての依頼

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今日は、学園の冒険者ギルドで登録です。登録できるのは、14歳からです。この学園に通う学生は必ず登録します。既に14歳を迎えていればどこの冒険者ギルドでも登録できますが、この学園に入学した時点でそれまでの冒険者としての実績は0になります。つまり、みんな薬草採取から始めることになるのです。

お祖父様たちの時代にパワーレべリングでランクを上げた貴族の子弟たちがパーティーを組み、校外実践で瀕死の大怪我を負ったことがあるため、このような仕組みになったそうです。アホですね。

冒険者には、ランクというものがあります。Fから始まり最高ランクはS。Bまでは長く続ければなんとかなれますが、A以上は実力がないとなれないのだとか。私たちはもちろんFです。

「全員、登録したな。では、課題を出す。採集の依頼を1件以上達成すること。週明けに冒険者カードで確認する。一人では行くなよ。今日は解散だ」

今日は冒険者登録だけで授業はありません。お昼にはまだかなり早い時間です。

採集依頼は今週末にレオナルド様と行きましょうか。

「ロッテ。どんな依頼があるか先に見ておこう」

「はい」

帰っていく人たちが多い中、私たちは依頼の張ってあるボードを確認することにしました。


・体力草  20本
・魔力草  20本
・赤色草  10本
・青色草  10本
・黄色草  10本
・紫紺草  10本


他にもたくさんありますが、常設依頼にあるこれらを採取してくることにしました。私とレオナルド様は、8歳からレオナルド様のお父様クリンデル公爵から薬術と回復術を叩き込まれていますから、薬草採取は問題ありません。

「すみません。常設依頼の薬草はこの辺りだと何処で採れますか?」

レオナルド様は、受付のお姉さんから採集場所を聞き取りです。時間を無駄にしないためにもとても大切なことです。

「西の森か南の森ね。西の森は少し奥にあって遠いけど、質がいいわ。南の森は入り口付近にあるけど通り道だし簡単に手に入るから質は良くないし数も少ないわね。西の森はシルバーウルフの群れを倒せないならやめたほうがいいわよ?」

「西の森の採集場所までは、西門からどのくらいかかりますか?」

「徒歩で片道2時間くらいかしら?」

「2時間かぁ。ありがとうございます」

「気を付けていってらっしゃい」

お姉さんは、にこやかに私たちを見送ってくれた。


寮への帰り道、私たちと同じように依頼を見ていたランスロット様が私たちの予定を尋ねてきました。もちろんミリーナ様と一緒です。

「レオたちはいつ行くつもりだ?俺たち、この後行くんだけど、一緒にどうだ?」

「うーん。そうだね。週末だと混雑してそうだからね。ロッテはどう思う?」

レオナルド様は私に視線を向けてきました。コクンと首を縦に振って了承の意を伝えます。

「決まりだな」



私たちはさっさと早めの昼食を済ますと、受付のお姉さんからもらった情報を元に、西の森に行くことに決めました。シルバーウルフの群れくらいならどうとでもなります。

「ロッテ。2時間も歩ける?」

「大丈夫ですよ。そのくらい歩けます!それに、途中で集まるかもしれませんし」

私は学園に入るまでレオナルド様の家に行く、領地に帰る以外で公爵邸から出たことはありませんが、公爵邸の広い広~い庭を走り回っていましたし、我が家の騎士団に混ざってトレーニングしていましたから、体力がないわけではありません。その分食べるので、ポッチャリが縮むことはありませんでしたけど。領地で魔獣の討伐もしています。

「疲れたらすぐに言うんだよ?」

「はい」

「過保護だ」

「そうですわね。わたくしでもそのくらいは歩けるのだし、大丈夫ですわよ?」

「さあ、行こうぜ!」

私たちは西の森へと出発しました。門を出て30分程で森の入り口に着きました。人の踏み均した跡がありますから、それを目印に進めば辿り着けそうです。

「なんだか、気持ちのいい森ですわね」

「はい。あ!あそこにイチゴが群生してますわ。採ってきても?」

フフフ。これだけあれば、いくらか残してもたっぷりとジャムが作れそう。

「いいよ。一緒に行こう」

寄り道を快くOKしてもらい、私は手早く魔法でイチゴを集めました。

「ロッテ、そんなにたくさんのイチゴなんてどうしますの?」

「半分はジャムにして、半分は凍らせておきます。夏に食べたら、美味しいでしょうねぇ♪」

イチゴを採取し、森の奥を目指して再び歩き出します。

「ロッテは本当に料理が出来ますのね。そうだわ。今度、クラスの女子だけでお茶会を致しませんこと?親睦を図るという名目で」

「あら、楽しそうですわ。メイドもいませんし、学園のカフェがいいでしょうか?」

「ダメですわ。それじゃあロッテのお菓子が食べられないじゃない」

えっと・・・・。

お喋りしながらも私たちは目につく薬草やキノコ、果物をさくさくと採取していきます。

「簡単な焼き菓子でしたらこの後の休憩でお出ししようと持ってきました。ですから、お茶会は、カフェにいたしませんか?」

「まあ!楽しみにしておりますわね」

「ロッテの作ったものは全部私のものなのに・・・・」

レオナルド様がなにやらブツブツと呟いています。

「レオ、どうかしましたか?」

「ん?ロッテがそらそろ疲れたんじゃないかなぁと思って。大丈夫そうだね?」

にっこり笑って、私の顔色を確認しています。

「はい。まだ、大丈夫ですよ」

今度はランスロット様とミリーナ様が何やら呟きましたが、私の耳には届きませんでした。

「「ハァ」」

そうこうしているうちに、どうやら目的の場所付近に着いていたようです。途中、スライムはもちろんロングイヤーラビットやシルバーウルフなどの魔獣と遭遇しましたが、戦闘になる前に見つけた誰かが瞬殺しました。ここにはギルドのお姉さんの言うように質の良い薬草がたくさん生えています。この道すがらで、薬草自体は集まっていたのですが、今後のためにもここまで来ることにしたのです。驚いたのは、その道のプロであるお義父様に鍛えられた私たちはともかく、ミリーナ様とランスロット様も迷いなく採取していたことです。

「騎士は、植物の特性を知っていることで生き延びる確率が上がるからな。叩き込まれるんだ。苦手なやつも多いけどな」

ランスロット様は苦笑していましたが、その切実な理由に騎士の大変さを垣間見た気がしました。

それにしても何故採取方法も教えずに、ナンザルト先生は薬草採取の依頼を達成するという課題を出したのでしょうか?

「どう思いますか?」

「言われてみれば、そうだよな。まあ、ナンザルト先生のことだから、なんらかの意図はあるんだろうぜ」

「ギルドで聞くとか自分で調べるとか知らないことに気づかせるとか、いろいろあると思うよ?」

「そうね。あの方、一筋縄ではいかなそうですわ。採集依頼の結果も見ると思いますわよ?」

なるほど!ギルドカードには依頼の結果も保存されるのでしたね。採集依頼なら薬草の質が載ることになります。

私たちは予定通り、そこで薬草をたんまりと採取し、約束通り私のお菓子を食べた後、依頼達成の報告のため、ギルドに戻りました。私たち4人の採った薬草は・・・・


・体力草  240本
・魔力草  160本
・赤色草  120本
・青色草  80本
・黄色草  80本
・紫紺草  40本   など

他にも・・・・

・スライム  多数
・ロングイヤーラビット  16体
・シルバーウルフ  8体
・オーク  4体   など

と大量にあり、そのうえ、すべての薬草、魔獣の状態がAランクだったことから、この一度の依頼でF→Eにランクアップしてしまいました。さて、これらをどうやって持ち帰ったか?それは・・・・。私たち高位貴族は学園に入学する際、両親からマジックバッグをお祝いに貰います。これは、どの家でも同じです。Aクラスは全員持っているでしょう。ある種のステータスですね。

その場にいた受付のお姉さんたちのひきつった顔を見た瞬間、人のほとんどいない時間帯で良かったと心の底から思いました。目立ちたくありませんからね。そして、報酬などの関係から、4人でのパーティーも勧められて、誰も反対しなかったためその場で手続きしました。
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