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野外実習①
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学園の高等部では、毎年野外実習が行われます。1年生は秋に1泊。2年生は夏に2泊、3年生と4年生は月に1度、2泊または3泊の日程でそれぞれ予定されています。1年生が秋に行うのは季節的にも負担が少なく、魔獣も他の季節に比べると扱いやすいからです。そして、1年生は4年生と騎士、それに魔法師が、2年生は騎士と魔法師が同行します。彼らの目に留まれば、騎士団や魔法師団への勧誘もあるため、1年生に同行する4年生は気合いが違います。
「来週末、光と闇の日に野外実習を行うのは知っているな。基本は四人一組で4年生のパーティーと騎士、それに魔法師がひとり付く。クラス毎に課題も違うから、このクラス内でパーティーを作り、ここにある紙に名前を書いて俺のところに持ってこい。リーダーも決めておけよ。準備する物はプリントで確認しておけ。以上。解散」
私は第2王子が絡んで来る前にさっと隠密の魔法を自分にかけてレオナルド様と教室を後にしました。ランスロット様とミリーナ様が私たちの名前を書いた紙を出してくれることになっています。ナンザルト先生から誰かと組むという課題が出される度に絡まれ、うんざりなのです。嫌がらせにも程がありますし、一度仕方なく第2王子と組んだ授業では力量に差がありすぎて、第2王子は結局なにもしないまま戦闘が終わってしまいました。その時には、「私ひとりで倒せたのに邪魔をして!」と怒鳴られました。理不尽過ぎて唖然としてしまいました。
「レオ!出しておいたぞ」
ランスロット様が片手をあげてこちらにやって来ました。もちろんミリーナ様も一緒です。私たちはクレイグ殿下やお兄様達と合流し、カフェでふたりを待っていたのです。
「済まないな。助かるよ」
「ありがとうございます」
「いいって。第2王子がロッテのことをキョロキョロ探してたからな。正解だ」
やっぱり。いい加減にしてくれませんかね。顔を顰めた私にレオナルド様が頭をポンポンと宥めてくれました。
「持ち物のプリントはこれですわ」
ミリーナ様が私たちにプリントを手渡してくれました。
「君たちのパーティーには私、ミュー、ロイ、マリアが同行する予定だ」
「お兄様は?」
「私は第2王子殿下のお守りだよ」
そんなに嫌そうな顔をしなくても・・・・。気持ちはわかります。兄妹揃って貧乏くじを引いた気分です。
「持っていけるのはリュックひとつ分。マジックバッグを持ってるなら使用可だよ。テント以外は個人で揃えることになる。服装は自由だから、防水マントを羽織って行くといい。着替えはいらないし、食事は現地調達だから持っていけない。毛布は必要だからなるべくいいものを買っておいて。水は出せるからコップと食器、カトラリーを用意しておくこと。魔獣避けの香とポーション各種は各自一応持っていくとして、後は必要なものはある?」
「鍋をひとつはほしいですわ。あと調味料を少し持っていっても構いませんか?」
3食焼いた肉だけなのは避けたいところです。野菜類は森で確保しましょう。
「テントいるか?邪魔じゃね?」
「そうね。遠征ならともかく、1泊なら不要ね。荷物になるわ。ロッテはどう思って?」
「要らないですわね」
「私たちが狩りに行くときには持っていったことないよね。私もロッテも結界張れるし」
「そう?なら、テントはなしだけど、雨が降る可能性も考えて、防水シートを2枚持っていこう」
私たちはわいわいと野外実習に持っていくものを検討し、次の休みに4人で調達することにしました。マジックバッグを持っているのですから、好きなだけ持っていけばいいのですが、そこは、あれこれと考えるのも楽しみのひとつですから。第2王子のお守りを任されたお兄様には申し訳ないですが、私たちは野外実習が楽しみで楽しみで、その後もクラスの皆さんと授業の合間などその話で盛り上がりました。4年生との交流も頻繁に行われ、遠足前のようで楽しい時間を過ごしました。
そして、野外学習の当日。
グラウンドには1年生と4年生が勢揃いしています。クラス毎に纏まって、予め顔合わせし交流を深めた4年生のパーティーと一緒にワイワイガヤガヤと賑やかです。
「集まったな。Aクラスの課題を伝えるぞ。まず、個人の課題だが、魔力草を20本、紫紺草を10本。品質も見るからな。次にパーティーの課題として、ボアまたはオークの魔石ひとつ。ブラックウルフまたはホワイトウルフの毛皮と魔石ひとつ。以上だ。課題用のマジックバックを渡す。リーダーは取りに来い。貴重なものだからな。丁寧に扱え」
太っ腹。
学生のたかだか野外実習にマジックバックをポーンと貸し出せる学園に吃驚です。容量は一番小さいものですが、とても高価なのです。
「今回は騎士と魔法師が同行するが、何かあったときの連絡役だ。お前達の指導やフォローは一切しない。いないものと思え。30分後に合図がある。そのあとで各自出発するように。遊びじゃないからな。気を引き締めろよ。解散」
騎士や魔法師との顔合わせは無いようです。頼るなということでしょう。
「スティーブ叔父さん!」
「ランスロット、今は副団長と呼べよ」
「あ。副団長も参加するんですか?」
「そりゃな。王族がふたりもいるんだ。当然だな」
騎士団長はミリーナ様のお父様で、ランスロット様の叔父様が副団長さんですか。さすがに武を担う貴族家だけあって、顔見知りも多いようです。というか、全員顔見知りのようですね。ミリーナ様やランスロット様に皆さん声をかけています。後でランスロット様に伺ったところによると、野外実習に駆り出されるのは第6・第7騎士隊だそうです。
第1騎士隊は王族や要人の警護。
第2騎士隊と第3騎士隊は王宮の警備。
第4騎士隊と第5騎士隊は王都の警護と犯罪者の取り締まりや盗賊の討伐。
第6~第9騎士隊は魔獣討伐の専門。中でも第6騎士隊は精鋭を集めた魔獣討伐のスペシャリストが集まる部隊だそうです。
ちなみに魔法師団は、というとそういった区別はなく、必要に応じて人を選び派遣します。
さて、合図がありました。一斉に生徒が動きだし、グラウンドの出入り口は人で溢れ返っています。16人×4クラスが2学年分、それに帯同する騎士や魔術師もいるのですから、こうなりますよね。暫くすると漸く混雑が緩和され、それを待っていた幾つかのパーティーも動き始めました。
「さて、我々も行こうか?」
いよいよ野外実習に出発です!
「来週末、光と闇の日に野外実習を行うのは知っているな。基本は四人一組で4年生のパーティーと騎士、それに魔法師がひとり付く。クラス毎に課題も違うから、このクラス内でパーティーを作り、ここにある紙に名前を書いて俺のところに持ってこい。リーダーも決めておけよ。準備する物はプリントで確認しておけ。以上。解散」
私は第2王子が絡んで来る前にさっと隠密の魔法を自分にかけてレオナルド様と教室を後にしました。ランスロット様とミリーナ様が私たちの名前を書いた紙を出してくれることになっています。ナンザルト先生から誰かと組むという課題が出される度に絡まれ、うんざりなのです。嫌がらせにも程がありますし、一度仕方なく第2王子と組んだ授業では力量に差がありすぎて、第2王子は結局なにもしないまま戦闘が終わってしまいました。その時には、「私ひとりで倒せたのに邪魔をして!」と怒鳴られました。理不尽過ぎて唖然としてしまいました。
「レオ!出しておいたぞ」
ランスロット様が片手をあげてこちらにやって来ました。もちろんミリーナ様も一緒です。私たちはクレイグ殿下やお兄様達と合流し、カフェでふたりを待っていたのです。
「済まないな。助かるよ」
「ありがとうございます」
「いいって。第2王子がロッテのことをキョロキョロ探してたからな。正解だ」
やっぱり。いい加減にしてくれませんかね。顔を顰めた私にレオナルド様が頭をポンポンと宥めてくれました。
「持ち物のプリントはこれですわ」
ミリーナ様が私たちにプリントを手渡してくれました。
「君たちのパーティーには私、ミュー、ロイ、マリアが同行する予定だ」
「お兄様は?」
「私は第2王子殿下のお守りだよ」
そんなに嫌そうな顔をしなくても・・・・。気持ちはわかります。兄妹揃って貧乏くじを引いた気分です。
「持っていけるのはリュックひとつ分。マジックバッグを持ってるなら使用可だよ。テント以外は個人で揃えることになる。服装は自由だから、防水マントを羽織って行くといい。着替えはいらないし、食事は現地調達だから持っていけない。毛布は必要だからなるべくいいものを買っておいて。水は出せるからコップと食器、カトラリーを用意しておくこと。魔獣避けの香とポーション各種は各自一応持っていくとして、後は必要なものはある?」
「鍋をひとつはほしいですわ。あと調味料を少し持っていっても構いませんか?」
3食焼いた肉だけなのは避けたいところです。野菜類は森で確保しましょう。
「テントいるか?邪魔じゃね?」
「そうね。遠征ならともかく、1泊なら不要ね。荷物になるわ。ロッテはどう思って?」
「要らないですわね」
「私たちが狩りに行くときには持っていったことないよね。私もロッテも結界張れるし」
「そう?なら、テントはなしだけど、雨が降る可能性も考えて、防水シートを2枚持っていこう」
私たちはわいわいと野外実習に持っていくものを検討し、次の休みに4人で調達することにしました。マジックバッグを持っているのですから、好きなだけ持っていけばいいのですが、そこは、あれこれと考えるのも楽しみのひとつですから。第2王子のお守りを任されたお兄様には申し訳ないですが、私たちは野外実習が楽しみで楽しみで、その後もクラスの皆さんと授業の合間などその話で盛り上がりました。4年生との交流も頻繁に行われ、遠足前のようで楽しい時間を過ごしました。
そして、野外学習の当日。
グラウンドには1年生と4年生が勢揃いしています。クラス毎に纏まって、予め顔合わせし交流を深めた4年生のパーティーと一緒にワイワイガヤガヤと賑やかです。
「集まったな。Aクラスの課題を伝えるぞ。まず、個人の課題だが、魔力草を20本、紫紺草を10本。品質も見るからな。次にパーティーの課題として、ボアまたはオークの魔石ひとつ。ブラックウルフまたはホワイトウルフの毛皮と魔石ひとつ。以上だ。課題用のマジックバックを渡す。リーダーは取りに来い。貴重なものだからな。丁寧に扱え」
太っ腹。
学生のたかだか野外実習にマジックバックをポーンと貸し出せる学園に吃驚です。容量は一番小さいものですが、とても高価なのです。
「今回は騎士と魔法師が同行するが、何かあったときの連絡役だ。お前達の指導やフォローは一切しない。いないものと思え。30分後に合図がある。そのあとで各自出発するように。遊びじゃないからな。気を引き締めろよ。解散」
騎士や魔法師との顔合わせは無いようです。頼るなということでしょう。
「スティーブ叔父さん!」
「ランスロット、今は副団長と呼べよ」
「あ。副団長も参加するんですか?」
「そりゃな。王族がふたりもいるんだ。当然だな」
騎士団長はミリーナ様のお父様で、ランスロット様の叔父様が副団長さんですか。さすがに武を担う貴族家だけあって、顔見知りも多いようです。というか、全員顔見知りのようですね。ミリーナ様やランスロット様に皆さん声をかけています。後でランスロット様に伺ったところによると、野外実習に駆り出されるのは第6・第7騎士隊だそうです。
第1騎士隊は王族や要人の警護。
第2騎士隊と第3騎士隊は王宮の警備。
第4騎士隊と第5騎士隊は王都の警護と犯罪者の取り締まりや盗賊の討伐。
第6~第9騎士隊は魔獣討伐の専門。中でも第6騎士隊は精鋭を集めた魔獣討伐のスペシャリストが集まる部隊だそうです。
ちなみに魔法師団は、というとそういった区別はなく、必要に応じて人を選び派遣します。
さて、合図がありました。一斉に生徒が動きだし、グラウンドの出入り口は人で溢れ返っています。16人×4クラスが2学年分、それに帯同する騎士や魔術師もいるのですから、こうなりますよね。暫くすると漸く混雑が緩和され、それを待っていた幾つかのパーティーも動き始めました。
「さて、我々も行こうか?」
いよいよ野外実習に出発です!
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