40 / 49
11.ダイジョーブダゾ
1
しおりを挟む
ぼくの新しいお家、堂ヶ芝動物園。
ここにはおとうしゃんの早坂しゃんに、泣き虫の佐々木しゃん、優しい園長しゃん、いろんな鳴き声で話しかけてくれる動物のみんながいる。
おかあしゃん、ぼくは幸せに暮らしているよ。
ぼくはね、晴れた日はお空を見るんだ。こっちからは見えないんだけどね、なんだかお空からおかあしゃんが見ている気がするんだよ。
おかあしゃん。えっと、ここはね、すこし前まですっごい暑かったんだよ。でも、最近は涼しくなってきて、まるでお家みたい。
暑かったときはね、園長しゃんがおっきいボールをくれたんだよ。すっごい冷たいし、美味しいんだよ。おかあしゃんにも触らせてあげたかったなぁ。
それとね、ぼくはたくさんのことが出来るようになったんだよ。
滑り台を滑ることができるし、梯子を昇ることもできるよ。ときどき落ちちゃうんだけどね。
竹の葉もたくさんあるよ。おかあしゃんと食べたもののほうが美味しいけど、ぼくが食べたいのポーズをしたらね、園長しゃんがこっそりおかわりをくれたりするんだ。
ぼく、佐々木しゃんがお歌を唄うのが大好きなんだ。嬉しいからこうやって首を動かすんだよ。そうしていたらね、ぼくがお歌を好きだって分かってくれたのか、みんながぼくにお歌を唄ってくれるようになったんだよ。子供たちが元気にお歌を唄ってくれるから、ぼくは楽しくてたくさん首を振るんだ。一緒にお歌を唄えるようにもなったんだよ。
ぼくは元気だよ。毎日楽しいよ。
ただ、すこし気になることがあるんだよ。
昨日ね、早坂しゃんがぼくにダイジョーブ、ダイジョーブダゾって、いつものように言ってくれたんだ。そのときに早坂しゃんから、おかあしゃんがいたいいたいってなってたときの匂いとおんなじ匂いがしたんだよ。
ぼくは大変だって思って、佐々木しゃんに伝えたんだ。
「早坂しゃんがいたいいたいになってるよ。助けなきゃ」
『おー、どうしたシェンシェン? テンション高いやーん』
違う違う。ぼくを撫でなくていいんだよ。早坂しゃんが、おとうしゃんが大変なんだよう。
佐々木しゃんは一緒に遊んで欲しいみたいで、箒をぼくの前でくるっくるっと回転させたりしてる。
「ううん、違うんだよ。早坂しゃんがいたいいたいってなってるんだよぉ」
『うるしゃーい。ほら、子供たち呼んでるよ。顔きれいきれい出来るようになったでしょ。見せてきてごらん。喜んでくれるよ』
佐々木しゃんはぼくを呼んでくれている子供たちの方を指さした。うーん、佐々木しゃんは分かんないみたいだ。
そうだ! って閃いて、ぼくは早坂しゃんの真似をしてみたんだ。
「おい、佐々木。こら、佐々木。違うだろ。佐々木、お前はほんとに」
もしかしたら似てたのか、佐々木しゃんはツーンって顔をして、ぼくのことは放ってお掃除に戻っちゃったんだ。逆効果だったかな……。
ここにはおとうしゃんの早坂しゃんに、泣き虫の佐々木しゃん、優しい園長しゃん、いろんな鳴き声で話しかけてくれる動物のみんながいる。
おかあしゃん、ぼくは幸せに暮らしているよ。
ぼくはね、晴れた日はお空を見るんだ。こっちからは見えないんだけどね、なんだかお空からおかあしゃんが見ている気がするんだよ。
おかあしゃん。えっと、ここはね、すこし前まですっごい暑かったんだよ。でも、最近は涼しくなってきて、まるでお家みたい。
暑かったときはね、園長しゃんがおっきいボールをくれたんだよ。すっごい冷たいし、美味しいんだよ。おかあしゃんにも触らせてあげたかったなぁ。
それとね、ぼくはたくさんのことが出来るようになったんだよ。
滑り台を滑ることができるし、梯子を昇ることもできるよ。ときどき落ちちゃうんだけどね。
竹の葉もたくさんあるよ。おかあしゃんと食べたもののほうが美味しいけど、ぼくが食べたいのポーズをしたらね、園長しゃんがこっそりおかわりをくれたりするんだ。
ぼく、佐々木しゃんがお歌を唄うのが大好きなんだ。嬉しいからこうやって首を動かすんだよ。そうしていたらね、ぼくがお歌を好きだって分かってくれたのか、みんながぼくにお歌を唄ってくれるようになったんだよ。子供たちが元気にお歌を唄ってくれるから、ぼくは楽しくてたくさん首を振るんだ。一緒にお歌を唄えるようにもなったんだよ。
ぼくは元気だよ。毎日楽しいよ。
ただ、すこし気になることがあるんだよ。
昨日ね、早坂しゃんがぼくにダイジョーブ、ダイジョーブダゾって、いつものように言ってくれたんだ。そのときに早坂しゃんから、おかあしゃんがいたいいたいってなってたときの匂いとおんなじ匂いがしたんだよ。
ぼくは大変だって思って、佐々木しゃんに伝えたんだ。
「早坂しゃんがいたいいたいになってるよ。助けなきゃ」
『おー、どうしたシェンシェン? テンション高いやーん』
違う違う。ぼくを撫でなくていいんだよ。早坂しゃんが、おとうしゃんが大変なんだよう。
佐々木しゃんは一緒に遊んで欲しいみたいで、箒をぼくの前でくるっくるっと回転させたりしてる。
「ううん、違うんだよ。早坂しゃんがいたいいたいってなってるんだよぉ」
『うるしゃーい。ほら、子供たち呼んでるよ。顔きれいきれい出来るようになったでしょ。見せてきてごらん。喜んでくれるよ』
佐々木しゃんはぼくを呼んでくれている子供たちの方を指さした。うーん、佐々木しゃんは分かんないみたいだ。
そうだ! って閃いて、ぼくは早坂しゃんの真似をしてみたんだ。
「おい、佐々木。こら、佐々木。違うだろ。佐々木、お前はほんとに」
もしかしたら似てたのか、佐々木しゃんはツーンって顔をして、ぼくのことは放ってお掃除に戻っちゃったんだ。逆効果だったかな……。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる