ぼく、パンダ

山城木緑

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11.ダイジョーブダゾ

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 ぼくの新しいお家、堂ヶ芝動物園。
 ここにはおとうしゃんの早坂しゃんに、泣き虫の佐々木しゃん、優しい園長しゃん、いろんな鳴き声で話しかけてくれる動物のみんながいる。
 おかあしゃん、ぼくは幸せに暮らしているよ。
 ぼくはね、晴れた日はお空を見るんだ。こっちからは見えないんだけどね、なんだかお空からおかあしゃんが見ている気がするんだよ。
 おかあしゃん。えっと、ここはね、すこし前まですっごい暑かったんだよ。でも、最近は涼しくなってきて、まるでお家みたい。
 暑かったときはね、園長しゃんがおっきいボールをくれたんだよ。すっごい冷たいし、美味しいんだよ。おかあしゃんにも触らせてあげたかったなぁ。
 それとね、ぼくはたくさんのことが出来るようになったんだよ。
 滑り台を滑ることができるし、梯子を昇ることもできるよ。ときどき落ちちゃうんだけどね。
 竹の葉もたくさんあるよ。おかあしゃんと食べたもののほうが美味しいけど、ぼくが食べたいのポーズをしたらね、園長しゃんがこっそりおかわりをくれたりするんだ。
 ぼく、佐々木しゃんがお歌を唄うのが大好きなんだ。嬉しいからこうやって首を動かすんだよ。そうしていたらね、ぼくがお歌を好きだって分かってくれたのか、みんながぼくにお歌を唄ってくれるようになったんだよ。子供たちが元気にお歌を唄ってくれるから、ぼくは楽しくてたくさん首を振るんだ。一緒にお歌を唄えるようにもなったんだよ。
 ぼくは元気だよ。毎日楽しいよ。
 ただ、すこし気になることがあるんだよ。
 昨日ね、早坂しゃんがぼくにダイジョーブ、ダイジョーブダゾって、いつものように言ってくれたんだ。そのときに早坂しゃんから、おかあしゃんがいたいいたいってなってたときの匂いとおんなじ匂いがしたんだよ。
 ぼくは大変だって思って、佐々木しゃんに伝えたんだ。

「早坂しゃんがいたいいたいになってるよ。助けなきゃ」

『おー、どうしたシェンシェン? テンション高いやーん』

 違う違う。ぼくを撫でなくていいんだよ。早坂しゃんが、おとうしゃんが大変なんだよう。
 佐々木しゃんは一緒に遊んで欲しいみたいで、箒をぼくの前でくるっくるっと回転させたりしてる。

「ううん、違うんだよ。早坂しゃんがいたいいたいってなってるんだよぉ」

『うるしゃーい。ほら、子供たち呼んでるよ。顔きれいきれい出来るようになったでしょ。見せてきてごらん。喜んでくれるよ』

 佐々木しゃんはぼくを呼んでくれている子供たちの方を指さした。うーん、佐々木しゃんは分かんないみたいだ。
 そうだ! って閃いて、ぼくは早坂しゃんの真似をしてみたんだ。

「おい、佐々木。こら、佐々木。違うだろ。佐々木、お前はほんとに」

 もしかしたら似てたのか、佐々木しゃんはツーンって顔をして、ぼくのことは放ってお掃除に戻っちゃったんだ。逆効果だったかな……。
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