〇〇、とやらをされたらしくて

蓮ヶ崎 漣

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最終章 満足、とやらをされたらしくて

図書室(2/2)

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 翌日、ミラたちと手分けしてアースに教えてもらった本を探す。

その本を持って空いている席に座った。


「この本……四〇期生が書いた本だよ。丁度僕らの一〇年先輩になるね」


「え?何でそんな本、アースが知ってんだよ?」


「それは分からないけど……アース先輩、本好きそうだしそう言う系統の本読んでたんじゃないの?」


「アースならあり得るな……」


「ねぇねぇ、このNo.○って何のこと?」


「成績だと思いますよ」


「だろうね。最初の数字は何期生、その次は作者の名前の頭文字、最後のは分類ってところかな」


俺はそれぞれの本を手に取る。

No.25はレイ、No.30はアスカ、No.40はエリ、No.50はカインと言う人が書いた本らしい。

中を見ると凄く分かりやすく魔法の仕組みが書いてあった。

有難いことに本の作者は全員それぞれ違う属性のことをまとめてある。


「これ、すげぇよ!これなら俺でも分かる!」


「ふーん……良かったね。アース先輩のお陰で早く見つかって」


「おう!みんなも探すの手伝ってくれてありがとな!」


「い、いえ……でも、その……」


アーシャが何故か戸惑っていてミレイも何だか気まずそうな表情をしていた。

俺が首を傾げるとミラが笑顔で口を開く。


「ところで、その本のタイトル全部同じだよね」


「え?あ。本当だ。何て書いてあるかは分かんねぇけど」


「……In human purpose of the human world。人間界の人間のためにって書いてあるんだよね」


「は!?」


「それで実は、シンヤがパラパラ見てるの一緒に見てたんだけど、僕、その本に書いてある文字が一つも理解出来てないんだよね。タイトルしか読めなかったんだ」


「え……?」



ミラは何が言いたいんだ……?



そんなことを思ったが心の奥底の方で理解していた。

俺の予想通りの言葉をミラは続ける。


「つまり、それって人間界から来た人間しか読めないってことだと僕は思うんだけど……シンヤはどう思う?」


「ど、どうって……この先輩たちは人間界から来たってことか……?」


「そうだと思うよ。でも、僕が言いたいのはそれじゃないことくらい分かるよね?」


ミラから笑顔が消える。

その顔はこれ以上誤魔化せると思うなと言っているようだった。

俺が何も答えられないでいるとどんどん雰囲気が悪くなる。

その雰囲気に耐えられなくなったのかミレイが口を開いた。


「み、ミラ!シンヤくんが人間界から来たなんて証拠はどこにもないんだしそんなに睨まなくても……」


ミレイがそう言うとミラはミレイに冷たい視線を送る。

その視線にミレイの肩がビクッと震えた。


「ミレイ。全く確証がないなら僕だってこんなこと聞かない。別にシンヤが人間界から来たって言われてもすぐ納得は出来る。それくらいシンヤの発言はたまに不思議だったんだ。だから、もし本当に人間界から来たんだとしてもそれを隠してたことに怒ってる訳じゃないよ」


「じ、じゃあ、どうしてそんなに怒ってるの……?」


「シンヤが分かってればミレイは分からなくて良いことだよ」


「なっ!?どう言うこと?私には関係ないって言いたいの!?」


ミレイがそう言うとミラは考えるようにして黙る。

その沈黙にミレイの肩が今度は怒りで震えているのが分かった。

ミレイが口を開こうとした矢先に考えがまとまったのかミラが口を開く。


「そう言う意味じゃないよ。そうだな……今のは僕の言い方が悪かった。ごめん。むしろ、ミレイに関係あるから怒ってるんだよ」


「え……」


「僕はミレイが悲しむ姿は見たくないからシンヤが僕だけじゃなくミレイにも隠してるんだとしたら許さないって意味だよ。もちろん、僕の思い過ごしなら謝る」


「ミラ……」


アーシャは完全に蚊帳の外だった。

事の行く末を見守っている感じだ。

そして、ミラは俺に再度目を向けて口を開く。


「それで?いつまで黙ってるつもりだよ?シンヤ」


ミラの視線はさっきよりも怒りに満ちていた。

俺は意を決して口を開く。


「……場所を移させてくれ」


俺がそう言うとミラは立ち上がる。

それを合図に俺はアースが教えてくれた本を借りる手続きをした。

手続きが終わった後はみんなで図書室を出てカナに別荘を借りたいと連絡をする。

カナは理由も聞かずに許可をくれてそのまま別荘に移動した――――
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