28 / 63
ヤキモチ②
しおりを挟む
すぐ側で結城くんも眠っている。
「(あのあと、寝室まで運んでくれたのね……)」
ふと時間を見ると遅刻ギリギリの時間で慌てて結城くんを揺さぶった。
「ゆ、結城くん!時間!私も結城くんもギリギリよ!」
「……んー……もう少しだけ……」
「そんな余裕もないの!」
そう言っても結城くんは全然起きる気配はない。
私は渋々結城くんを起こすのを諦めて自分の支度をする。
着替え終わり家を出ようとすると寝室のドアが開いた。
「あ!莉恵さん、もう行くの?いってらっしゃい」
「あ、うん……ごめんね、私もギリギリだったからご飯作ってなくて……」
「あぁ、気にしないで。大丈夫。それより、時間ギリギリなんでしょ?いってらっしゃい!」
「うん、じゃあ、行ってきます」
そう言って家を出る。
会社には何とか間に合った。
「おはよ!莉恵!ギリギリとか珍しいね?」
「あ、おはよう。聖来。ちょっと、寝坊しちゃって……急いで来たの」
「そかそか。昨日飲み過ぎてたし余計だよね~」
「あぁっ!それは忘れて!」
「あははっ!しばらくは無理かな~?」
「もう!聖来!」
聖来は笑いながら自分のデスクに戻る。
私は軽くため息を吐きながら再びデスクに向かった。
すると葉月くんに声をかけられる。
「おはよう。栗山さん。これからの予定なんだけど……」
「あぁ、葉月くん。おはよう。これからの予定?」
「うん、そう。しばらくは俺と二人で新人指導だって。だから、今、栗山さんが抱えている案件を確認させてもらって良いかな?」
「えぇ、もちろん。今抱えているのは……」
一つ一つ、丁寧に私が抱えている案件の説明をした。
葉月くんは確認を終えると頭を抱える。
「思っていた以上に抱えていたな……」
「あはは……なんか、ごめんなさいね?」
「あ、いや!良いんだよ!栗山さんは仕事が丁寧だからね!期限は守るし責めている訳じゃないから!むしろ、新人指導も任されているのにこんなに案件も任されているなんてすごいと思うよ!」
「そうかしら?厄介ごとを押し付けられているだけだと思うわよ」
「あ、はは……そんなことないと思うけどなー……」
そう言う葉月くんだけれど私と目を合わせようとしない。
そして、葉月くんは続けた。
「と、とりあえず!これとこれ……あと、この案件は俺に回して。残りを今日の午前と明日午前に完成させよう。今日の午後と明日の午後は新人指導。それ以降は案件を見ながらまた考えようかと思うんだけどそれで良いかな?」
「えぇ、構わないわ。じゃあ、今、言われた案件、葉月くんに送るわね」
「うん、よろしく」
それから、葉月くんの指示通りに作業を進め新人指導もする。
その繰り返しの日々。
そのせいか結城くんと話す最近の話題は新人のことや葉月くんのことが多い。
今日も同じように葉月くんの話をした。
「それでね、葉月くんが新人のミスをなんてことないみたいにフォローしたの!本当にすごかったのよ!」
「へぇー……それはすごいねぇ」
「でしょう?流石、元営業マン!って感じなの!」
「そっかぁ……よかったねぇ」
「……ちょっと、結城くん?」
「ん?何?」
「ちゃんと私の話、聞いている?」
「聞いてるよ。同期で元営業マンの葉月さんが最近やたらカッコ良くてすごいって話でしょ。最近その話ばっかりじゃん」
「だ、だって、最近、ずっと葉月くんと一緒の仕事をしているからそれしか話題がないのよ」
「……あぁ、そう。でも、正直、不愉快」
「え?」
結城くんに不愉快と言われてショックを受ける。
「……いや、ごめん。ただの八つ当たり……忘れて。今日はレポートで徹夜しなくちゃだしもう部屋に戻るよ」
「えっ!?ま、待って!」
私の制止も聞かず結城くんは自分の部屋に籠ってしまった。
「(あのあと、寝室まで運んでくれたのね……)」
ふと時間を見ると遅刻ギリギリの時間で慌てて結城くんを揺さぶった。
「ゆ、結城くん!時間!私も結城くんもギリギリよ!」
「……んー……もう少しだけ……」
「そんな余裕もないの!」
そう言っても結城くんは全然起きる気配はない。
私は渋々結城くんを起こすのを諦めて自分の支度をする。
着替え終わり家を出ようとすると寝室のドアが開いた。
「あ!莉恵さん、もう行くの?いってらっしゃい」
「あ、うん……ごめんね、私もギリギリだったからご飯作ってなくて……」
「あぁ、気にしないで。大丈夫。それより、時間ギリギリなんでしょ?いってらっしゃい!」
「うん、じゃあ、行ってきます」
そう言って家を出る。
会社には何とか間に合った。
「おはよ!莉恵!ギリギリとか珍しいね?」
「あ、おはよう。聖来。ちょっと、寝坊しちゃって……急いで来たの」
「そかそか。昨日飲み過ぎてたし余計だよね~」
「あぁっ!それは忘れて!」
「あははっ!しばらくは無理かな~?」
「もう!聖来!」
聖来は笑いながら自分のデスクに戻る。
私は軽くため息を吐きながら再びデスクに向かった。
すると葉月くんに声をかけられる。
「おはよう。栗山さん。これからの予定なんだけど……」
「あぁ、葉月くん。おはよう。これからの予定?」
「うん、そう。しばらくは俺と二人で新人指導だって。だから、今、栗山さんが抱えている案件を確認させてもらって良いかな?」
「えぇ、もちろん。今抱えているのは……」
一つ一つ、丁寧に私が抱えている案件の説明をした。
葉月くんは確認を終えると頭を抱える。
「思っていた以上に抱えていたな……」
「あはは……なんか、ごめんなさいね?」
「あ、いや!良いんだよ!栗山さんは仕事が丁寧だからね!期限は守るし責めている訳じゃないから!むしろ、新人指導も任されているのにこんなに案件も任されているなんてすごいと思うよ!」
「そうかしら?厄介ごとを押し付けられているだけだと思うわよ」
「あ、はは……そんなことないと思うけどなー……」
そう言う葉月くんだけれど私と目を合わせようとしない。
そして、葉月くんは続けた。
「と、とりあえず!これとこれ……あと、この案件は俺に回して。残りを今日の午前と明日午前に完成させよう。今日の午後と明日の午後は新人指導。それ以降は案件を見ながらまた考えようかと思うんだけどそれで良いかな?」
「えぇ、構わないわ。じゃあ、今、言われた案件、葉月くんに送るわね」
「うん、よろしく」
それから、葉月くんの指示通りに作業を進め新人指導もする。
その繰り返しの日々。
そのせいか結城くんと話す最近の話題は新人のことや葉月くんのことが多い。
今日も同じように葉月くんの話をした。
「それでね、葉月くんが新人のミスをなんてことないみたいにフォローしたの!本当にすごかったのよ!」
「へぇー……それはすごいねぇ」
「でしょう?流石、元営業マン!って感じなの!」
「そっかぁ……よかったねぇ」
「……ちょっと、結城くん?」
「ん?何?」
「ちゃんと私の話、聞いている?」
「聞いてるよ。同期で元営業マンの葉月さんが最近やたらカッコ良くてすごいって話でしょ。最近その話ばっかりじゃん」
「だ、だって、最近、ずっと葉月くんと一緒の仕事をしているからそれしか話題がないのよ」
「……あぁ、そう。でも、正直、不愉快」
「え?」
結城くんに不愉快と言われてショックを受ける。
「……いや、ごめん。ただの八つ当たり……忘れて。今日はレポートで徹夜しなくちゃだしもう部屋に戻るよ」
「えっ!?ま、待って!」
私の制止も聞かず結城くんは自分の部屋に籠ってしまった。
0
あなたにおすすめの小説
好きな人の好きな人
ぽぽ
恋愛
"私には何年も思い続ける初恋相手がいる。"
初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。
恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。
そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。
『愛が切なくて』- すれ違うほど哀しくて
設楽理沙
恋愛
砂央里と斎藤、こじれてしまった糸(すれ違い)がほどけていく様子を描いています。
◆都合上、[言う、云う]混合しています。うっかりミスではありません。
ご了承ください。
斉藤准一 税理士事務所勤務35才
斎藤紀子 娘 7才
毒妻: 斉藤淳子 専業主婦 33才 金遣いが荒い
高橋砂央里 会社員 27才
山本隆行 オートバックス社員 25才
西野秀行 薬剤師 22才
岡田とま子 主婦 54才
深田睦子 見合い相手 22才
―――――――――――――――――――――――
❧イラストはAI生成画像自作
2025.3.3 再☑済み😇
先輩、お久しぶりです
吉生伊織
恋愛
若宮千春 大手不動産会社
秘書課
×
藤井昂良 大手不動産会社
経営企画本部
『陵介とデキてたんなら俺も邪魔してたよな。
もうこれからは誘わないし、誘ってこないでくれ』
大学生の時に起きたちょっとした誤解で、先輩への片想いはあっけなく終わってしまった。
誤解を解きたくて探し回っていたが見つけられず、そのまま音信不通に。
もう会うことは叶わないと思っていた数年後、社会人になってから偶然再会。
――それも同じ会社で働いていた!?
音信不通になるほど嫌われていたはずなのに、徐々に距離が縮む二人。
打ち解けあっていくうちに、先輩は徐々に甘くなっていき……
【完結】僕ら二度目のはじめまして ~オフィスで再会した、心に残ったままの初恋~
葉影
恋愛
高校の頃、誰よりも大切だった人。
「さ、最近はあんまり好きじゃないから…!」――あの言葉が、最後になった。
小島久遠は、新たな職場で、元カレとまさかの再会を果たす。
若くしてプロジェクトチームを任される彼は、
かつて自分だけに愛を囁いてくれていたことが信じられないほど、
遠く、眩しい存在になっていた。
優しかったあの声は、もう久遠の名前を呼んでくれない。
もう一度“はじめまして”からやり直せたら――そんなこと、願ってはいけないのに。
それでも——
8年越しのすれ違いは、再会から静かに動き出す。
これは、終わった恋を「もう一度はじめる」までの物語。
嘘つき同士は真実の恋をする。
濘-NEI-
恋愛
都内郊外のリゾートホテルでソムリエとして働く瑞穂はワイン以上にゲームが大好き。
中でもオンラインゲーム〈グラズヘイム〉が大好きで、ロッソの名前でログインし、オフの時間と給料の全てを注ぎ込むほどのヘビーユーザー。
ある日ゲーム仲間とのオンライン飲み会で、親から結婚を急かされている話を愚痴ったところ、ギルマスのタラントの友人で、ゲームの中でもハイランカーのエルバに恋人役を頼めば良いと話が盛り上がり、話は急展開。
そしてエルバと直接会うことになった瑞穂だったが、エルバの意外な正体を知ることに⁉︎
Rシーンは※
ヒーロー視点は◇をつけてあります。
★この作品はエブリスタさんでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる