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【名演技篇】第七章 裏世界の闇
0703 誰にも奪わせない
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「——」
リカはミルクを飲もうとする動きを止めて、イズルを睨み付けた。
周りの温度は瞬間的に氷点になっった。
「プライベートな質問を受け付けない」
明らかに、リカの機嫌はよくない。
でもイズルはどうしてもそれを知る必要があると判断した。
青野翼の計画によると、イズルはリカの夫になって、万代家に入る。
それなのに、リカの人間関係図についてまだ何も知らない。
ライバルがいるかどうかも分からない。
万代家でリカと関わりたい人がもういないと青野翼は言ったけど、腐っても一族の姫様のような人物、顔もセンスも悪くない、頭も一応冴えている。変なファンの一人や二人がいてもおかしくないだろう。
リカの警戒心を解けるために、イズルは苦笑いして、申し訳なさそうに続けた。
「昨日の夜、わたしの傍で寝て、慰めてくれたでしょ。彼氏さんに知られたら、誤解されちゃうかなと思って」
「脅かすつもりなら無駄だよ。密告しようとも、そのような相手はいないから」
「下種の勘繰りだな……」
思わず本心が漏れて、イズルはさっそくアハハって誤魔化した。
とりあえず、ライバルがいないことが分かった。
ほっとしたところ、リカのほうから不意打ちが来た。
「……そういえば、私の曲は何?」
「何の曲?」
「着信メロディー」
「……」
どうやら、リカは彼の携帯の着信音の「カラクリ」に気付いたようだ……
イズルはまた後めいた笑顔で誤魔化す。
「今度は聞かせてあげるよ、曲名を当ててみてください」
そんな時、また着信音が響いた。
曲はメンデルスゾーンの『春の歌』だ。
その曲を設定したことあったっけとイズルは戸惑ったら、リカはカップを置いて部屋に行った。
「彼女のか……そうだ!」
イズルは我に返って、すぐ自分の部屋にダッシュして、リカに設定した着信メロディー――シューベルトの『魔王』――を『セレナード』に変えた。
やっとセーフと息を吐いたら、部屋の外からまた盛大なメロディーが奏でた。
今度はモニターの来客用メロディー、『闘牛士の歌』。
イズルは嘆きながら、モニターに行って画面を付けた。
台風のようなオーラを身に纏っている軌跡と奇愛がスクリーンに映された。
「……」
昨夜の乱闘の後、イズルはもう観念した。
この二人の妄想力と破壊力はただものではない。
さらに面倒なことになる前に、やはりはっきり言っておかなければならい。
「隊長――!本当に隊長なんだな!!俺たちはなんてことをした!!!」
玄関に入ると、軌跡はイズルに土下座して、泣きながら謝罪した。
「起きろ!こっちまで恥ずかしい!」
「ダメだ。俺は言った。本当に隊長だったら、土下座で謝罪するんだ!」
軌跡はもう一度頭を床に突こうとしたら、奇愛は全身の力で彼を引き止めた。
「軌跡兄ちゃんは悪くない!バカイズルはもったいぶったから!こっちこそ、彼のせいで大変なことにあったんじないの!」
昨日の夜、奇愛と軌跡たちが合流して事情を説明した。
イズルのところに戻るのが危険、できるだけ誤魔化してほしいとリカに頼まれたけど、奇愛は軌跡に嘘をつくはずがない。
知っていることを言いつくした。
思わなかったのは、イズルのことを心配しているある単細胞の隊員は、彼たちを尾行する筋肉ウルフに直接に問いただした。
結果は乱闘になった。
警察が来なかったら、今頃、奇愛は拳銃所持と殺人罪で警察署に送られたかもしれない……
だから、今日の朝っぱら、奇愛と軌跡はイズルの家に殺到して、無理矢理でも真実を聞き出そうとした。
あんまりにもうるさいから、部屋で電話をしているリカはマンションの下に降りた。
「静かになった。続きましょう」
マンションの下の庭で、リカはあかりとの電話を続けた。
「確かに見た。あいつは『霊護』の力を持っている。エンジェの法具はどれもレベル高いもの、それでも防げたから、彼の『霊護』も相当高級なものでしょう。時空移転の『霊圧』に対応できる可能性が高い」
「よかった!」
電話向こうのあかりは嬉しい声を上げた。
「今回エンジェは失算したのね!逆にイズルの力を証明してくれた。イズルは万代家に協力してくれれば、お姉ちゃんも家から追放されない!」
「……たぶん」
あかりと違って、リカは全く興奮しない。
「たぶん?」
「彼は協力に承諾してくれても、その承諾を成し遂げたのは私じゃあい場合、私の『任務成功』にならないでしょ」
「あっ」
リカの話の意味があかりは分かる。
「エンジェは、また任務の横取りをしに来るの?」
「彼女自身はイズルの力を見なかったけど、ようこから私たちが無事のことを知ったはずよ。私には防御の力がないから、もうイズルの能力に気付いたでしょう。美味しい匂いがあるものを、彼女は見逃さない。まして、それは家が必要としている大事な力」
「そういえば、あたしもおかしいと思ったの。お姉ちゃんに任務を申請した時に、意外に順調だった。横から奪いやすい任務だからでしょう。任務の担当者じゃなくても、先にイズルを説得すれば勝ちだから……このイズルは異能力もあるし、社会勢力も持っている。エンジェなら、すでに動きだしたのかも知れない……」
あかりの心配を聞いて、リカは穏やかな声で彼女に伝える。
「大丈夫よ。同じ手段は二度と使わせない。入族の手続きを用意してくれる?近いうちにイズルを万代家に入らせる。『推薦入族』の形で」
「うん!分かった!」
リカの言葉を聞いて、あかりの気持ちが晴れた。
「この前、お姉ちゃんは家のことに全然執着してないから、エンジェはお姉ちゃんが担当していた仕事にどんどん手を出して、あちこち自慢しているの!この任務は絶対奪わせない!絶対見返してやるね!」
執着しなかったのは希望が薄いと思ったから。
イズルの異能力を見るまで、彼の命の安全しか望まなかった。
でも今は違う。
彼は「力」がある。
万代家ではなく、私自身がその力が必要だ。
誰にも奪わせない!
リカはミルクを飲もうとする動きを止めて、イズルを睨み付けた。
周りの温度は瞬間的に氷点になっった。
「プライベートな質問を受け付けない」
明らかに、リカの機嫌はよくない。
でもイズルはどうしてもそれを知る必要があると判断した。
青野翼の計画によると、イズルはリカの夫になって、万代家に入る。
それなのに、リカの人間関係図についてまだ何も知らない。
ライバルがいるかどうかも分からない。
万代家でリカと関わりたい人がもういないと青野翼は言ったけど、腐っても一族の姫様のような人物、顔もセンスも悪くない、頭も一応冴えている。変なファンの一人や二人がいてもおかしくないだろう。
リカの警戒心を解けるために、イズルは苦笑いして、申し訳なさそうに続けた。
「昨日の夜、わたしの傍で寝て、慰めてくれたでしょ。彼氏さんに知られたら、誤解されちゃうかなと思って」
「脅かすつもりなら無駄だよ。密告しようとも、そのような相手はいないから」
「下種の勘繰りだな……」
思わず本心が漏れて、イズルはさっそくアハハって誤魔化した。
とりあえず、ライバルがいないことが分かった。
ほっとしたところ、リカのほうから不意打ちが来た。
「……そういえば、私の曲は何?」
「何の曲?」
「着信メロディー」
「……」
どうやら、リカは彼の携帯の着信音の「カラクリ」に気付いたようだ……
イズルはまた後めいた笑顔で誤魔化す。
「今度は聞かせてあげるよ、曲名を当ててみてください」
そんな時、また着信音が響いた。
曲はメンデルスゾーンの『春の歌』だ。
その曲を設定したことあったっけとイズルは戸惑ったら、リカはカップを置いて部屋に行った。
「彼女のか……そうだ!」
イズルは我に返って、すぐ自分の部屋にダッシュして、リカに設定した着信メロディー――シューベルトの『魔王』――を『セレナード』に変えた。
やっとセーフと息を吐いたら、部屋の外からまた盛大なメロディーが奏でた。
今度はモニターの来客用メロディー、『闘牛士の歌』。
イズルは嘆きながら、モニターに行って画面を付けた。
台風のようなオーラを身に纏っている軌跡と奇愛がスクリーンに映された。
「……」
昨夜の乱闘の後、イズルはもう観念した。
この二人の妄想力と破壊力はただものではない。
さらに面倒なことになる前に、やはりはっきり言っておかなければならい。
「隊長――!本当に隊長なんだな!!俺たちはなんてことをした!!!」
玄関に入ると、軌跡はイズルに土下座して、泣きながら謝罪した。
「起きろ!こっちまで恥ずかしい!」
「ダメだ。俺は言った。本当に隊長だったら、土下座で謝罪するんだ!」
軌跡はもう一度頭を床に突こうとしたら、奇愛は全身の力で彼を引き止めた。
「軌跡兄ちゃんは悪くない!バカイズルはもったいぶったから!こっちこそ、彼のせいで大変なことにあったんじないの!」
昨日の夜、奇愛と軌跡たちが合流して事情を説明した。
イズルのところに戻るのが危険、できるだけ誤魔化してほしいとリカに頼まれたけど、奇愛は軌跡に嘘をつくはずがない。
知っていることを言いつくした。
思わなかったのは、イズルのことを心配しているある単細胞の隊員は、彼たちを尾行する筋肉ウルフに直接に問いただした。
結果は乱闘になった。
警察が来なかったら、今頃、奇愛は拳銃所持と殺人罪で警察署に送られたかもしれない……
だから、今日の朝っぱら、奇愛と軌跡はイズルの家に殺到して、無理矢理でも真実を聞き出そうとした。
あんまりにもうるさいから、部屋で電話をしているリカはマンションの下に降りた。
「静かになった。続きましょう」
マンションの下の庭で、リカはあかりとの電話を続けた。
「確かに見た。あいつは『霊護』の力を持っている。エンジェの法具はどれもレベル高いもの、それでも防げたから、彼の『霊護』も相当高級なものでしょう。時空移転の『霊圧』に対応できる可能性が高い」
「よかった!」
電話向こうのあかりは嬉しい声を上げた。
「今回エンジェは失算したのね!逆にイズルの力を証明してくれた。イズルは万代家に協力してくれれば、お姉ちゃんも家から追放されない!」
「……たぶん」
あかりと違って、リカは全く興奮しない。
「たぶん?」
「彼は協力に承諾してくれても、その承諾を成し遂げたのは私じゃあい場合、私の『任務成功』にならないでしょ」
「あっ」
リカの話の意味があかりは分かる。
「エンジェは、また任務の横取りをしに来るの?」
「彼女自身はイズルの力を見なかったけど、ようこから私たちが無事のことを知ったはずよ。私には防御の力がないから、もうイズルの能力に気付いたでしょう。美味しい匂いがあるものを、彼女は見逃さない。まして、それは家が必要としている大事な力」
「そういえば、あたしもおかしいと思ったの。お姉ちゃんに任務を申請した時に、意外に順調だった。横から奪いやすい任務だからでしょう。任務の担当者じゃなくても、先にイズルを説得すれば勝ちだから……このイズルは異能力もあるし、社会勢力も持っている。エンジェなら、すでに動きだしたのかも知れない……」
あかりの心配を聞いて、リカは穏やかな声で彼女に伝える。
「大丈夫よ。同じ手段は二度と使わせない。入族の手続きを用意してくれる?近いうちにイズルを万代家に入らせる。『推薦入族』の形で」
「うん!分かった!」
リカの言葉を聞いて、あかりの気持ちが晴れた。
「この前、お姉ちゃんは家のことに全然執着してないから、エンジェはお姉ちゃんが担当していた仕事にどんどん手を出して、あちこち自慢しているの!この任務は絶対奪わせない!絶対見返してやるね!」
執着しなかったのは希望が薄いと思ったから。
イズルの異能力を見るまで、彼の命の安全しか望まなかった。
でも今は違う。
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