寂しいからそばにいて(仮)【『無冠の皇帝』スピンオフ】

有喜多亜里

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砲撃のパラディン大佐隊編(【05】の裏)

296【挨拶回りの前後編48】〝飴ちゃん〟進呈

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【パラディン大佐隊・ミーティング室】

 エリゴール、三班副班長・クラインと共に入室。
 すでに全員集合している。

エリゴール
「……同じ時間に帰ってるのに、どうして俺たちが最後になるんだ?」

三班副班長・クライン
「さあ……どうしてでしょうね……」
(きっと、元四班長を待たせないように、みんな気を遣っているんだろうな……)

フィリップス
「まあまあ、細かいことは気にしない! どうぞお席へ! 臨時三班長!」

二班長・四班長
「ひいっ!」

エリゴール
「副班長の椅子は?」

フィリップス
「もちろん、隣に用意してあります!」

エリゴール
「そうか。それはよかった。……じゃあ、副班長は二班長の隣に座れ」

三班副班長・クライン
「了解です!」

 エリゴール、ワンドレイの隣に置いてある椅子に腰を下ろす。
 ワンドレイはいかにも居心地悪そうな顔をしている。

フィリップス
「うっわー。やっぱり違和感しかない」

一班長・ハワード
「仕方ない。あれが元四班長の希望だったからな。……ワンドレイには同情するが」

フィリップス
「え? 同情の余地なんてないだろ? それではおとっつぁん。あとは臨時三班長に丸投げしようか」

一班長・ハワード
「え? いいのか?」

フィリップス
「いいのかって……今朝、おとっつぁんが自分で臨時三班長に進行役頼んでただろうが。まさかおとっつぁん、ボケが進行……」

一班長・ハワード
「進行言うな。うっかり忘れてただけだ」

エリゴール
「あ、そうか。俺もうっかり忘れてた」

フィリップス
「臨時三班長!?」

エリゴール
「じゃあ、今日もお疲れさん。さっそくだが、うちの班より上位の四班に〝飴ちゃん〟を進呈する」

フィリップス
「本当にサクサク進行するな、臨時三班長」

エリゴール
「早く終わらせて、早く帰りたいだけだ。……では、十二班! うちより一つ上だったから〝飴ちゃん〟一個! 投げて渡すから、ちゃんと受け取れ!」

 エリゴール、直球でザボエスに投げつける。

十二班長・ザボエス
「おお、ようやくうちにも〝飴ちゃん〟が……って、何つー投げ方するんだよ! 体に穴開くわ!」

エリゴール
「ちっ。さすがにちゃんと取りやがるな」

フィリップス
「……おとっつぁん。今の見えた?」

一班長・ハワード
「いや。何が飛んだのかもわからなかった」

エリゴール
「次に一班! うちより二つ上だったから二個! 一班長は介護されてるから、フィリップス副長に渡すぞ!」

フィリップス
「おお! ついに投げ渡されるときが来た!」

一班長・ハワード
「え……大丈夫か?」

 フィリップス、身構えるが、エリゴールは山なりにして、続けて二個投げる。

フィリップス
「何だよ、臨時三班長! ストレートじゃなくてカーブかよ!」

エリゴール
「たまには変化球を使いたくなるときもある」

十一班長・ロノウェ
「……エリゴールもフィリップス副長には気を遣うんだな」

十二班長・ザボエス
「そりゃそうだろ。もし俺んときと同じように投げてたら、この〝飴ちゃん〟をエリゴールに投げつける」

十一班長・ロノウェ
「そうか。そしたら、おまえはコールタン大佐隊に投げ捨てられるな」

エリゴール
「次! 六班! うちより三つ上だったから三個!」

六班長・ラムレイ
「は、はいっ!」

 エリゴール、今度は直球で続けて三個投げる。

六班長・ラムレイ
「元四……じゃなくて臨時三班長! ありがとうございました!」

八班長・ブロック
「さすが、〝飴ちゃん〟ランキングぶっちぎり一位。あんな投げ方されても、しっかり受け取るな」

七班長・カットナー
「いや、あれはラムレイだから取れるんだろ」

エリゴール
「最後に十一班! うちより四つ上だったから四個! ……レラージュ、取れるか?」

十一班長・ロノウェ
「何でレラージュなんだよ! 俺が全部取るよ!」

エリゴール
「そうか。おまえが全部取るのか。……おらおらおらおら!」

フィリップス
「うわ! マシンガン!」

十一班長・ロノウェ
「おまえ、絶対取らせる気ないだろ!」

レラージュ
「班長。床に落ちた〝飴ちゃん〟、全部拾ってくださいね」

十一班長・ロノウェ
「くそ! わかってるよ、こん畜生!」

フィリップス
「……もしかしたら、レラージュ副長が取るって言ってたら、臨時三班長はまたカーブを使うつもりだったのかな」

十二班長・ザボエス
「たぶんな」

フィリップス
「あんたには言ってない、第四位」

十二班長・ザボエス
「第四位……〝役立たず〟よりは昇格したか……」
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