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新章
新章最終話 一生勝てない相手
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翌日、エルメは気持ちを切り替え、マリオンに昨日の謝罪をした。そして辞めるという騎士を訪ね、引き止めると言った。
そんなエルメにマリオンは、「そうか、分かった」と短く返しただけで、素っ気なかった。
いつもと全く違う夫婦の雰囲気に、周囲はざわつく。そして、一番不安そうにしていたのは、リオルだった。当然だろう。あんなに仲睦まじかった両親が、一夜明けたら、よそよそしくなっているのだから・・・
そしてその日の午後、生まれてくる赤ちゃんの服の打ち合わせで城を訪れたアリスから、エルメは意外なことを聞く。
アリスが、街でリオルを見かけたと言うのだ。パッと見、お供もつけずに歩いているようにも見えた為、声をかけようとしたが、人混みに紛れて見失ってしまったらしい。そしてアリスは、まさか皇子が一人で街を歩くはずがないと、気に留めなかった。
これを聞いたエルメは、ガタッと立ち上がると、部屋を飛び出し、息子の部屋に駆け込ん・・今は妊娠中。できる限りの早歩きで向かった。しかし、そこには慌てふためく侍女の姿しかなかった。
聞けば、リオルの姿がどこにもないと言った。そしてリオルが、朝から“あんなに仲の良かった両親が、喧嘩をしたかもしれない”と、落ち込んでいたとも知らされた。
(嘘でしょ・・まさかリオルにそんな思いをさせたなんて!)
エルメは息子の部屋を飛び出し、至急馬車を出すように言った。そして、あっという間に馬車に飛び乗ると、街の中へ消えていった。
その一方、城では出掛けようとしているマリオンにアリスが手を上げ、二人がハイタッチをしていたことを誰も知らない。
◇◇◇◇◇
(絶対にここにいるわ!リオル、待っててね。お母さんが悪かったわ)
エルメが見上げるのは、マリオンに用意されたあの家だ。結婚してから、度々訪れていたエルメだったが、リオルが生まれてから子育てに忙しく、足が遠のいていた。
リオルには、この家のことを話しており、一度だけ連れてきたことがあった。
エルメは懐かしい思い出に浸ることなく、鍵を開ける。すると、鍵はかかっていなかった。
(やっぱりリオルはここに!)
そう確信したエルメが中に踏み込むと、そこはキレイに手入れされた空間が広がっていた。まるで毎日、誰かが生活しているような心地良い空間が・・・
暖かい日差しの温もりが窓から差し込み、色とりどりの花が生けられた花瓶がいくつも飾られている。全てが完璧に整えられていた。
しかし、そこに探していた息子の姿はない。代わりにいたのは、エルメの心を誰よりも歓喜させる笑顔を浮かべたマリオンだった。
「リオルは?ここで見なかった?」
何故マリオンがいるのかという疑問すら浮かべる余裕のないエルメが、夫に詰め寄るが、返ってきたのは息子を心配する彼女とは真逆の楽しげで落ち着いた声だった。
「リオルは、城にいるぞ」
この一言で、また騙されたことを悟ったエルメ。息子が無事だったことへの安堵からか力がふっと抜け、膝から崩れ落ちそうになる身体をマリオンが支えた。
エルメが見上げると、いつもの眼差しが向けられ、翡翠色の瞳に映る自分の姿は何処か滑稽だった。
そして、襲ってきた感情。怒りに任せて怒鳴り散らそうと口を開いた瞬間、マリオンの顔が近づいてきたと思ったら、唇を奪われてしまう。それは、触れるだけの優しいキスだったが、エルメの怒りを鎮めるには十分過ぎるものだった。
「何でこんなことしたの?リオルとアリスまで巻き込んで」
唇を自由にされると、すぐに疑問をぶつける。すると、マリオンからどこまでも優しい声色で答えが返ってきた。
「朝はすまなかった。君は謝罪したのに・・・私のほうが余程子供だな。ここから、もう一度やり直したかったんだ。この子も生まれてくるのに、このままじゃいけないと思ってな」
マリオンはエルメのお腹にそっと手を当て、真剣に見つめる。その瞳は、澄んでいてどこまでも真っ直ぐで、エルメは思わず息をのんだ。
「マリオン・・・そうね。子供に心配させるなんて、親として失格よね。私ももう一度謝らせて・・本当にごめんなさい。もう合図を知りたいとか言わないし、平穏な幸せが退屈なんて贅沢言わない」
「それは本心か?」
「当たり前でしょ。信じられない?」
エルメがクスッと頬を緩めて言うと、「いや信じよう」と、マリオンは優しく微笑む。そして二人は、再びどちらからともなく顔を近づけ、今度は深く長く口づけを交わした。
「・・ん・・・ぅ・・」
外の活気ある喧騒とは反対に、静かな室内に流れる息づかい。
しかし、唐突にエルメはハッと何かに気づくと、慌ててマリオンから離れようとした。
不思議に思ったマリオンが「どうしたんだ?」と聞くと、顔を真っ赤にしたエルメがポツンと呟いた。
「・・・だって、この流れはダメよ」
この彼女の様子に、マリオンは途端にニヤリと笑みをこぼすと、耳元で囁く。
「本当に止めていいのか?君の瞳は正直だぞ」
マリオンが紅潮するエルメの頬に手を添えると、彼女の潤んだ瞳は揺れ動く。
「・・・でも、まだ明るいのに・・」
「仲直りするのに、昼も夜も関係ないだろ。私たちは今でなければならないんじゃないか?
まだゴネるなら、君の身体に聞くという選択肢もあるぞ。私は君の身体のどこを攻めれば、喜ぶか知りすぎているからな。部屋の防音も抜かりない」
それでも躊躇するエルメの耳を軽く食んだマリオンは、甘くねだるような声で囁く。
「エルメが居なくなって、寿命が縮んだんだ。私に、君の慰めが必要なのは分かるだろ?」
耳にかかる息がエルメの背中をゾクゾクさせる。
これに観念したエルメは、腕をマリオンの首に回すと、「分かった。頑張るから、いっぱい優しくしてね」と、艶やかな表情で答えたのだった。
こうして寝室に消えた二人は、日が暮れるまで籠もったのだった。
ようやく城に戻ったエルメは、夫に横抱きにされたまま自室に連れていかれ、不仲になったのかとやきもきしていた周囲をホッと安堵させたのだった。
「マリオンのバカ。頑張るとは言ったけど、あっ、あんなの・・・」
そう顔を真っ赤にして訴える彼女の声がかすれていることは、まだマリオンしか知らない。
(もう・・喉が治るまで誰とも口きけないじゃない)
そう恨めしげに愚痴を言ったエルメだったが、結局はいつも通り甘やかすマリオンによって、口を開くことになるのだった。
しかし、それはこの先のお話・・・
◆◆◆◆◆
新章本編はここで終わります。
久しぶりのエルメのたちの物語、いかがでしたか?
合間合間に気分転換のつもりで書いていた続編なので、細かい設定の記憶が消えてる。
一応、気をつけて書き上げたつもりですが、軽い設定違いがありましたら、お見逃しをお願いします。
後日談があと少し続きますので、そちらもお楽しみくださいませ。
そんなエルメにマリオンは、「そうか、分かった」と短く返しただけで、素っ気なかった。
いつもと全く違う夫婦の雰囲気に、周囲はざわつく。そして、一番不安そうにしていたのは、リオルだった。当然だろう。あんなに仲睦まじかった両親が、一夜明けたら、よそよそしくなっているのだから・・・
そしてその日の午後、生まれてくる赤ちゃんの服の打ち合わせで城を訪れたアリスから、エルメは意外なことを聞く。
アリスが、街でリオルを見かけたと言うのだ。パッと見、お供もつけずに歩いているようにも見えた為、声をかけようとしたが、人混みに紛れて見失ってしまったらしい。そしてアリスは、まさか皇子が一人で街を歩くはずがないと、気に留めなかった。
これを聞いたエルメは、ガタッと立ち上がると、部屋を飛び出し、息子の部屋に駆け込ん・・今は妊娠中。できる限りの早歩きで向かった。しかし、そこには慌てふためく侍女の姿しかなかった。
聞けば、リオルの姿がどこにもないと言った。そしてリオルが、朝から“あんなに仲の良かった両親が、喧嘩をしたかもしれない”と、落ち込んでいたとも知らされた。
(嘘でしょ・・まさかリオルにそんな思いをさせたなんて!)
エルメは息子の部屋を飛び出し、至急馬車を出すように言った。そして、あっという間に馬車に飛び乗ると、街の中へ消えていった。
その一方、城では出掛けようとしているマリオンにアリスが手を上げ、二人がハイタッチをしていたことを誰も知らない。
◇◇◇◇◇
(絶対にここにいるわ!リオル、待っててね。お母さんが悪かったわ)
エルメが見上げるのは、マリオンに用意されたあの家だ。結婚してから、度々訪れていたエルメだったが、リオルが生まれてから子育てに忙しく、足が遠のいていた。
リオルには、この家のことを話しており、一度だけ連れてきたことがあった。
エルメは懐かしい思い出に浸ることなく、鍵を開ける。すると、鍵はかかっていなかった。
(やっぱりリオルはここに!)
そう確信したエルメが中に踏み込むと、そこはキレイに手入れされた空間が広がっていた。まるで毎日、誰かが生活しているような心地良い空間が・・・
暖かい日差しの温もりが窓から差し込み、色とりどりの花が生けられた花瓶がいくつも飾られている。全てが完璧に整えられていた。
しかし、そこに探していた息子の姿はない。代わりにいたのは、エルメの心を誰よりも歓喜させる笑顔を浮かべたマリオンだった。
「リオルは?ここで見なかった?」
何故マリオンがいるのかという疑問すら浮かべる余裕のないエルメが、夫に詰め寄るが、返ってきたのは息子を心配する彼女とは真逆の楽しげで落ち着いた声だった。
「リオルは、城にいるぞ」
この一言で、また騙されたことを悟ったエルメ。息子が無事だったことへの安堵からか力がふっと抜け、膝から崩れ落ちそうになる身体をマリオンが支えた。
エルメが見上げると、いつもの眼差しが向けられ、翡翠色の瞳に映る自分の姿は何処か滑稽だった。
そして、襲ってきた感情。怒りに任せて怒鳴り散らそうと口を開いた瞬間、マリオンの顔が近づいてきたと思ったら、唇を奪われてしまう。それは、触れるだけの優しいキスだったが、エルメの怒りを鎮めるには十分過ぎるものだった。
「何でこんなことしたの?リオルとアリスまで巻き込んで」
唇を自由にされると、すぐに疑問をぶつける。すると、マリオンからどこまでも優しい声色で答えが返ってきた。
「朝はすまなかった。君は謝罪したのに・・・私のほうが余程子供だな。ここから、もう一度やり直したかったんだ。この子も生まれてくるのに、このままじゃいけないと思ってな」
マリオンはエルメのお腹にそっと手を当て、真剣に見つめる。その瞳は、澄んでいてどこまでも真っ直ぐで、エルメは思わず息をのんだ。
「マリオン・・・そうね。子供に心配させるなんて、親として失格よね。私ももう一度謝らせて・・本当にごめんなさい。もう合図を知りたいとか言わないし、平穏な幸せが退屈なんて贅沢言わない」
「それは本心か?」
「当たり前でしょ。信じられない?」
エルメがクスッと頬を緩めて言うと、「いや信じよう」と、マリオンは優しく微笑む。そして二人は、再びどちらからともなく顔を近づけ、今度は深く長く口づけを交わした。
「・・ん・・・ぅ・・」
外の活気ある喧騒とは反対に、静かな室内に流れる息づかい。
しかし、唐突にエルメはハッと何かに気づくと、慌ててマリオンから離れようとした。
不思議に思ったマリオンが「どうしたんだ?」と聞くと、顔を真っ赤にしたエルメがポツンと呟いた。
「・・・だって、この流れはダメよ」
この彼女の様子に、マリオンは途端にニヤリと笑みをこぼすと、耳元で囁く。
「本当に止めていいのか?君の瞳は正直だぞ」
マリオンが紅潮するエルメの頬に手を添えると、彼女の潤んだ瞳は揺れ動く。
「・・・でも、まだ明るいのに・・」
「仲直りするのに、昼も夜も関係ないだろ。私たちは今でなければならないんじゃないか?
まだゴネるなら、君の身体に聞くという選択肢もあるぞ。私は君の身体のどこを攻めれば、喜ぶか知りすぎているからな。部屋の防音も抜かりない」
それでも躊躇するエルメの耳を軽く食んだマリオンは、甘くねだるような声で囁く。
「エルメが居なくなって、寿命が縮んだんだ。私に、君の慰めが必要なのは分かるだろ?」
耳にかかる息がエルメの背中をゾクゾクさせる。
これに観念したエルメは、腕をマリオンの首に回すと、「分かった。頑張るから、いっぱい優しくしてね」と、艶やかな表情で答えたのだった。
こうして寝室に消えた二人は、日が暮れるまで籠もったのだった。
ようやく城に戻ったエルメは、夫に横抱きにされたまま自室に連れていかれ、不仲になったのかとやきもきしていた周囲をホッと安堵させたのだった。
「マリオンのバカ。頑張るとは言ったけど、あっ、あんなの・・・」
そう顔を真っ赤にして訴える彼女の声がかすれていることは、まだマリオンしか知らない。
(もう・・喉が治るまで誰とも口きけないじゃない)
そう恨めしげに愚痴を言ったエルメだったが、結局はいつも通り甘やかすマリオンによって、口を開くことになるのだった。
しかし、それはこの先のお話・・・
◆◆◆◆◆
新章本編はここで終わります。
久しぶりのエルメのたちの物語、いかがでしたか?
合間合間に気分転換のつもりで書いていた続編なので、細かい設定の記憶が消えてる。
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