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Part 2. 蜜月
何で抜いてる?
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翌朝、良平が遠矢と顔を合わせた時、さすがに気まずかった。
普段は、良平との距離が縮まったと喜びを隠さない遠矢も、さすがに照れくさそうにしていた。
「ごめんな、昨日……」
「だーかーら、謝らないでって」
「いやでも嫌だろ。汚いだろ……あんなの」
「汚くないって、だってさ、良平の……だもの……」
遠矢は赤くなって目を伏せた。
良平もつられて赤くなった。
「でも遠矢には見てほしくなかったんだよなー。綺麗でいてほしい、っていうかさ」
「綺麗じゃないよ……僕だって、するもの」
「マジか」
「僕のことなんだと思ってるの」
「あー、いやだ。遠矢には綺麗でいてほしかった!」
「もう!」
クラスの女子が二人を覗きみて、互いに耳打ちをしてた。
「もうあれ、完全に男女のカップルムーブだよね……」
「あー尊い……というか爆発しろ!」
それからしばらくは、二人はゲームをしたり談笑したり、おとなしめにしていた。
行きと帰りのキスも、軽く唇を合わせるだけにとどめていた。
しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れる。
というか、下ネタのハードルが一段下がった。
「そうかー、遠矢も男の子だったかー。何で抜いてるの?」
などと、会話にそういう話題が混じりだす。
良平は遠矢の部屋の本棚を見回して続ける。
「この部屋そういうの全然ないもんなー。オカズ何使ってるの? 教えてよ。な、俺のあんな姿見せたんだから、遠矢のそういうとこも見ないと不公平じゃない?」
「なんでそうなるのさ!」
文句を言いながら、遠矢もまんざらでもないよう表情で、PCのフォルダの一つを開いてみせた。
「おお、おおお!」
良平が感嘆の声を発する。
「だからー、そういう反応が嫌なんだよ!」
「お前、見かけによらずおっぱい星人だな!」
「なんだおっぱい星人って!」
「ねえねえねえ、これとこれとこれくれない?」
「あーもう、いいよいいよ。持ってって」
「うーん、グラマラス……肉付きがいいの多いな。まさか遠矢とこの辺の好みまで一致するとは思わなかったぜ」
「もうちょい言い方!」
「あれ、タイムスタンプ古くね? 最近のやつないじゃん」
良平が首を捻った。
「ああ、そうかもね。最近勉強とか……あれとかで、それどころじゃなかったから」
「いや、それは違うぞ! そういう時であればあるほど、こういうもんは増えるはずだ! 少なくとも俺も梅津もそうだ!」
「いやな話聞いたなあ……」
「お前まだ隠してるだろ! なんか新しい性癖でも拓けたな! 開示しろ! 全て!」
「性癖っていうか……最近集めなくてよくなったから」
「なんでだよ。あのなあー、健全な男子がそんなことできるわけないだろ」
問い詰められて、遠矢は顔を赤くして言い淀む。
「だって……が……るから……」
「恥ずかしがるなよここまできて!」
良平は遠矢を脇に抱え込むと、ヘッドロックをかけた。
「うるさい! 言わない!」
「吐けー、とっとと吐けー!」
良平は遠矢をくすぐりながら追及を続ける。
遠矢は恥ずかしそうに顔をそむけると、ボソリと呟いた。
「……で……してるから……いらな……」
「声が小さいぞ! もうひと声!」
「良平で想像してるから、最近いらないんだよ!」
部屋が静かになった。ゲーム画面の音楽は鳴っているはずだが、それも耳に入らず、妙な静寂に包まれているように感じた。
「へ、俺?」
遠矢が口をへの字口にして、真っ赤になった顔をそむけている。
想像してしまった。遠矢がベッドの上で、「良平、良平…」と言いながら、股間をまさぐっている様を。
「黙り込むなよ! だったら聞くなーっ!」
叫ぶ遠矢の顔が無性に可愛くて、愛おしくて、腕の中の遠矢を抱きしめてしまった。
「ちょ、良平…」
良平は遠矢の唇に唇を重ねた。
「んー、んー、んーっ!」
腕の中の遠矢が、じたばたともがいた。
良平は唇を離すと、釈然としない顔で言った。
「なんだよ……いつもやってるじゃん」
「やだー! こんな話から雪崩れ込むのはいやだー!」
良平の腕の下で、遠矢はむくれた顔でそっぽを向いていた。
いつもの笑顔とは違う、そんな顔が無性に可愛い。良平は遠矢の頬にキスをした。
遠矢は避けるように顔をそむけたが、かえって頬を向けることになってキスを受け止めてしまった。
遠矢が言った。
「また暴発するよ」
「大丈夫さ」
実際、先日はリビドーが先に立っていたが、今は遠矢の可愛さが先に立ち、股間の暴走はさほどでもなかった。
遠矢の頭を胸元に抱き寄せると、サラサラした栗色の髪を撫でる。
「ずるい……」
遠矢は良平の胸元に顔をうずめた。
二人は抱き合いながら、しばらく寝転んでいた。
やがてまどろんでいき、時間が流れる。
「良平! 時間!」
遠矢の声で二人は慌てて身体を放し、その日はそれまでとなった。
普段は、良平との距離が縮まったと喜びを隠さない遠矢も、さすがに照れくさそうにしていた。
「ごめんな、昨日……」
「だーかーら、謝らないでって」
「いやでも嫌だろ。汚いだろ……あんなの」
「汚くないって、だってさ、良平の……だもの……」
遠矢は赤くなって目を伏せた。
良平もつられて赤くなった。
「でも遠矢には見てほしくなかったんだよなー。綺麗でいてほしい、っていうかさ」
「綺麗じゃないよ……僕だって、するもの」
「マジか」
「僕のことなんだと思ってるの」
「あー、いやだ。遠矢には綺麗でいてほしかった!」
「もう!」
クラスの女子が二人を覗きみて、互いに耳打ちをしてた。
「もうあれ、完全に男女のカップルムーブだよね……」
「あー尊い……というか爆発しろ!」
それからしばらくは、二人はゲームをしたり談笑したり、おとなしめにしていた。
行きと帰りのキスも、軽く唇を合わせるだけにとどめていた。
しかし、喉元過ぎれば熱さを忘れる。
というか、下ネタのハードルが一段下がった。
「そうかー、遠矢も男の子だったかー。何で抜いてるの?」
などと、会話にそういう話題が混じりだす。
良平は遠矢の部屋の本棚を見回して続ける。
「この部屋そういうの全然ないもんなー。オカズ何使ってるの? 教えてよ。な、俺のあんな姿見せたんだから、遠矢のそういうとこも見ないと不公平じゃない?」
「なんでそうなるのさ!」
文句を言いながら、遠矢もまんざらでもないよう表情で、PCのフォルダの一つを開いてみせた。
「おお、おおお!」
良平が感嘆の声を発する。
「だからー、そういう反応が嫌なんだよ!」
「お前、見かけによらずおっぱい星人だな!」
「なんだおっぱい星人って!」
「ねえねえねえ、これとこれとこれくれない?」
「あーもう、いいよいいよ。持ってって」
「うーん、グラマラス……肉付きがいいの多いな。まさか遠矢とこの辺の好みまで一致するとは思わなかったぜ」
「もうちょい言い方!」
「あれ、タイムスタンプ古くね? 最近のやつないじゃん」
良平が首を捻った。
「ああ、そうかもね。最近勉強とか……あれとかで、それどころじゃなかったから」
「いや、それは違うぞ! そういう時であればあるほど、こういうもんは増えるはずだ! 少なくとも俺も梅津もそうだ!」
「いやな話聞いたなあ……」
「お前まだ隠してるだろ! なんか新しい性癖でも拓けたな! 開示しろ! 全て!」
「性癖っていうか……最近集めなくてよくなったから」
「なんでだよ。あのなあー、健全な男子がそんなことできるわけないだろ」
問い詰められて、遠矢は顔を赤くして言い淀む。
「だって……が……るから……」
「恥ずかしがるなよここまできて!」
良平は遠矢を脇に抱え込むと、ヘッドロックをかけた。
「うるさい! 言わない!」
「吐けー、とっとと吐けー!」
良平は遠矢をくすぐりながら追及を続ける。
遠矢は恥ずかしそうに顔をそむけると、ボソリと呟いた。
「……で……してるから……いらな……」
「声が小さいぞ! もうひと声!」
「良平で想像してるから、最近いらないんだよ!」
部屋が静かになった。ゲーム画面の音楽は鳴っているはずだが、それも耳に入らず、妙な静寂に包まれているように感じた。
「へ、俺?」
遠矢が口をへの字口にして、真っ赤になった顔をそむけている。
想像してしまった。遠矢がベッドの上で、「良平、良平…」と言いながら、股間をまさぐっている様を。
「黙り込むなよ! だったら聞くなーっ!」
叫ぶ遠矢の顔が無性に可愛くて、愛おしくて、腕の中の遠矢を抱きしめてしまった。
「ちょ、良平…」
良平は遠矢の唇に唇を重ねた。
「んー、んー、んーっ!」
腕の中の遠矢が、じたばたともがいた。
良平は唇を離すと、釈然としない顔で言った。
「なんだよ……いつもやってるじゃん」
「やだー! こんな話から雪崩れ込むのはいやだー!」
良平の腕の下で、遠矢はむくれた顔でそっぽを向いていた。
いつもの笑顔とは違う、そんな顔が無性に可愛い。良平は遠矢の頬にキスをした。
遠矢は避けるように顔をそむけたが、かえって頬を向けることになってキスを受け止めてしまった。
遠矢が言った。
「また暴発するよ」
「大丈夫さ」
実際、先日はリビドーが先に立っていたが、今は遠矢の可愛さが先に立ち、股間の暴走はさほどでもなかった。
遠矢の頭を胸元に抱き寄せると、サラサラした栗色の髪を撫でる。
「ずるい……」
遠矢は良平の胸元に顔をうずめた。
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