スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~

名無し

文字の大きさ
24 / 54

24話

しおりを挟む

「ん、んんっ……。ちゅう、ちゅうぅ……」

「うっ……。リ、リサ、いいよ、その調子だ……」

「も、もう疲れたぁ。坊やの意地悪ぅ……」

 僕は自分の部屋でリサと抱き合っていた。壁の薄いおんぼろアパートってことで、第三者に聞かれたら誤解されちゃいそうだけど、これは決していかがわしい行為じゃなく、れっきとしたなんだ。

 リサの特殊能力の《吸収》はランダムってことになってたけど、僕が指示した通りのものを吸うようになれば使えそうなので、二人で頑張っている途中だった。ここまでやるのも、リサをダンジョンへ連れていこうと思っているからで、この前彼女が家に来たときからずっとやってきたことだった。

 リサの存在を隠蔽しようとすれば、この間掲示板で書かれてた変な噂を肯定することにもなりかねないわけだしね。サツキも言ってたように、今やリサは僕の妹ってことになってるんだから堂々としていればいいんだ。

 名前:時田理沙
 ハンターランク:D★
 所持スキル(1)
【吸収】

 ちなみにこれ、リサのステータスを【フェイク】で弄ったものだ。僕が【開眼】で調べることができるように、鑑定系のスキルを持ってる人が見ても妹だってわかるように小細工しておいたんだ。

 サツキに【鑑定】で見られちゃう可能性はあるけど、そのときは真っ先にどういうことだと聞いてくるだろうから、そういうスキルを持つ知り合いに偽装してもらったと言えばいいし、どうしてもごまかせない場合はロードして【フェイク】を解除すればいいだけだしね。

「――ふう、ふぅ……。くたくたぁ」

「ははっ、リサ、大分頑張ったね。でも、あともうちょっと!」

「ふえぇー……」

 今のところ、彼女は僕が吸ってほしいと頼んだものをちゃんと吸えるようになってきた。三つ《吸収》した時点で一定時間経たないと新たに吸うことはできないようになってるんだ。

 あと再発見したのが、同じ要領で吐き出すこともできるようになったことだ。

 たとえば、マネーカードのお金を吸ってほしいと僕が言うと彼女が吸って現金を手元に出せるし、逆に吐き出してほしいとお願いした場合、マネーカードに現金が《吸収》されて元に戻る感じだ。

 要するに、《吸収》を使い魔のリサだけじゃなく飼い主マスターである僕も使えるようになる感じだね。

 ただ、吸ったものを全部吐き出したとしても、《吸収》自体は終わってるので新たに吸えるようになるまでは一定時間待たないといけない仕様だ。なので、メリットといえば間違って【セーブ&ロード】スキル等、吸っちゃいけないものを吸ったときにやり直せることくらいか。さて、一応セーブしておこう。

「――ねえねえ、坊や、もう疲れたし飽きたからおわろー?」

「まだまだ。さあ、ダンジョンへ行く前にもう一回! 次は体力ね!」

「んもう、坊やったらぁ……。がぶっ。ちゅうちゅう……」

「うっ……!?」

 いきなり目の前が真っ暗になった。眠い……これが、死か……。

「――ねえねえ、坊や、もう疲れたし飽きたからおわろー?」

「……はっ? あははっ……」

 どうやら死に戻りしたみたいだね。たまにこうして、リサは体力じゃなくて間違って命を吸い取っちゃうけど、【セーブ&ロード】がある僕にしてみたらこれもご愛嬌だ。

「坊や、どうしたのぉ?」

「い、いや、なんでもないよ。リサ、この辺でおわろっか?」

「うん! やったぁ!」

「――カケル」

「うわっ!?」

 僕のすぐ背後からサツキの声が聞こえてきたもんだから、心臓が口から飛び出すかと思った。

「朝っぱらから精が出るな」

「……し、心臓に悪いよ、サツキ……」

 ちなみに、ちゃんとサツキには事前にリサとどういう行為をするのかは説明してあるとはいえ、状況が状況なだけにね……。

「むう。そりゃ悪かったが、もう朝飯の時間なのにカケルとリサが中々来ないからだ」

「あ、そ、そうなんだね。すぐ行くよ」

「お嬢ちゃん、あたしも行くーっ!」

 こうして、元ひきこもりの僕、元仕置き人、元ボスモンスターっていう、一風変わった面子による楽しい一家団欒が始まるのだった。

「「――行ってきまーす!」」

「行ってらっしゃい、カケル、リサ」

 そのあと、僕と従魔のリサが二人でダンジョンへとお出かけして、サツキはいつものようにお留守番をすることになった。その際、『お夕飯の献立はなんにしよう……?』とか神妙な顔でブツブツ呟いてたから本当に家庭的だ……。

「坊や、どこ行くのぉー?」

「あ、そうだ。どこにしようかなあ……」

 そういや、訓練に夢中だったもんだから、どこへ行くのか全然決めてなかった。どうしよう? この前行った『虚無の館』はボスが出たばっかりなので、今回は『青き森』のほうへ向かおうかな。

 アオイさんもあそこで僕が戦うのを楽しみにしてるだろうし、青の人の代わりに僕が籠もり続けるのも悪くないね。

「リサ、『青き森』へ行こっか」

「うんっ!」

「よーし、飛ばすよ!」

「わっ……? わあぁー! しゅっ、しゅごおぉいっ♪」

 ルンルン状態のリサと手をつないだあと、僕は【神速】スキルで一気に駆け出した。速すぎて彼女が宙に浮いた状態になっちゃうけど、羽があるから平気みたい……っていうか凄く楽しそうだからちょっと羨ましい。普段はフワッと浮くくらいしかできないみたいだけどね。

「――もう着いたよ、リサ」

「うわー! これ、とってもおっきな木だね、坊や!」

「うんうん」

『青き森』ダンジョンは、その呼称とは裏腹に僕が住む第17地区の中心部、すなわち都心にある。んでその入り口はどこにあるのかっていうと、コンビニエンスストアの横にある、冬にはクリスマスツリーとしても飾られる一本の大樹なんだ。もちろん、恋人たちのデートスポットとしても知られてる。

 そういう事情があり、僕の場合は【ぼっち&ひきこもり】時代が長かったこともあって、この木に関しては色んな意味であまり触れたくないものの一つだったんだ。でも、今は5月だからまだ早いとはいえ、今年のクリスマスこそは誰かが側にいてくれそうな予感……?
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

処理中です...