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第三十七話 親しみやすい
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「「「「「おぉっ……」」」」」
その空間は、まさに豪華絢爛そのものだった。
宝箱がそのまま拡大して部屋になったかのような、そんな煌びやかな場所なんだ。
左右に陣取る軍楽隊の奏でる勇壮な小曲、列柱に刻まれた精巧極まる浮き彫り、玉座へと続く鮮やかなレッドカーペット等、隅々まで漂う威厳の芳香に、僕は陶酔や畏敬の念を抱いたほどだ。
それでも、普段から自分の豪邸やら、公爵令嬢の屋敷やらで少しは慣れていることもあって、そこまで緊張しないのはよかった。
この謁見の間に、主役である王様がまだ参られていないのもあるけど。
「「「「「……」」」」」
一方で、僕がもう一組招待した、【超越者たち】パーティーは、借りてきた猫のように縮みあがっていた。
まさか、僕の誘いでこんなところへ来るとは夢にも思わなかったっていうのもあるんだろうけど。
何か罠があるんじゃないかって不気味に感じていたとしても、断るのは難しかったはずだ。
何故なら、ここへ招待された僕たちの誘いを断るということは、すなわち王様の顔に泥を塗る行為に等しいからだ。
それに、彼ら【超越者たち】は、エドガータワー攻略で最前線を行くパーティーなので、ここへ来る権利は充分にあるわけだからね。
当然、彼らを呼ぶことはベホムたちに反対されたけど、その理由をしっかり話したら納得してくれた。それはこれからディランたちが身をもって思い知ることになるはずだ。
「――王様のおなり!」
「あ……」
侍従が前から出てきて勇ましく宣言したかと思うと、その場の空気が一瞬にして別物に変わるのがわかった。
やや遅れて青年風の男がゆっくりと闊歩してきて、玉座に座る。その姿を目にした途端、僕らは驚きつつも跪いた。
王様っていうと年を取ってるイメージがあるだけに、意外と若い人だったのでびっくりした。
もしかしたらそう見えるだけで、実際の年齢は結構いってるのかもしれないけど。
どっちにしろ、その風格と威厳はまともに正視するのが難しいほどで、僕たちはしばらく顔を上げることすらできなかった。
「よいよい。そう畏まらずに楽にしなさい」
「……」
穏やかな声が降ってきて、頭を上げると王様は屈託のない笑みを見せてくれた。
身に召された高貴さとは裏腹に、王様がとても親しみやすい人なのが伝わってくる。
「そなたら【狼の魂】パーティーの話、余は興味深く聞かせてもらった。その上、神の塔での勇姿も大いに楽しませてもらったぞ。誠に見事であった」
「あ、ありがたき幸せ――はっ……!」
ベホムがひれ伏した際、勢い余ったのかバランスを崩しそうになってしまって、周囲からどよめきや失笑が漏れる。ジェシカやロランなんてあちゃーと声を上げてしまったあとハッとした顔で口を押さえた。
それでも、ベホムが片手で頭を押さえて自身の失敗を笑い飛ばす仕草には、周りを和ませる不思議な力があった。
実際、その様子を見ていた王様が満足そうに何度か頷かれたほどだ。
「そなたらの仲睦まじい様子を見れば、パーティーの連携が巧妙なのも頷ける。正直羨ましいぞ。しかしだな、途中で何か問題が起きたのか、連携が崩れて混沌としておったゆえ、余は甚く驚いたものだ」
「……」
さすが王様。ダンジョン観戦が趣味というだけあってよく見ておられる。
「あのとき、そなたたちに一体どのような異変が生じたのか、説明できる者は誰かおらぬか?」
「はい、王様。その件については僕が説明いたします」
「おぉ、そなたは、回復術師のピッケルではないか! そなたが説明してくれるならば心強い!」
「僕の名前を憶えてもらっているとは、恐悦至極です、陛下……」
「そう畏まらずともよい、ピッケル。実を言うとだな、余はそなたの大ファンでな!」
「え、えぇっ……?」
「何? 知らぬ存ぜぬと申すか。もしや、そなたの師匠のミシェルから何も聞いてはおらぬのか?」
「え、えっと……聞いてるのは、僕たちのダンジョンでの戦いを王様が御覧になられるよう、師匠が働きかけて王室に便宜を図ってもらったってことくらいで……」
「ほうほう、そうだったのだな。そもそも、【狼の魂】パーティーをここへ招待したのも、そなたがおるからなのだ。ミシェルからピッケルという物凄い回復術師がいるという話をいつも聞かされておったゆえ、いつか対面してみたいと日々願っておったが、遂に念願が叶って喜ばしい限りだ!」
「ぼ、僕のほうこそ、光栄であり重畳です、王様……」
「うむ。ピッケルよ、これからは余のことを友人と思うがよい! して、どのようなことがあったのか詳しく話してくれぬか?」
「あ、はい、王様。喜んで」
「ん? これからは友人だと申したであろう。余の名はロスタフであるゆえ、名前で呼ぶがよいぞ!」
「あ、はい、ロスタフ様」
「様などつけるな。敬語もいらぬ! そなたのような回復術師は非常に稀有であり、比類なき存在なのだから、もっと矜持を持たぬか。師匠のミシェルも余の前ではフランクに接しておるゆえ、弟子のそなたも見倣うがよい」
「しょ、承知いたしました……じゃなくて、わかったよ、ロスタフ……」
「うむ、それでよい。上等だ。では、話してくれ、我が友よ」
「……」
周りが軽くどよめいてる。王様と友人同士になるなんて、なんだかとんでもないことになってきた。
でも、このほうが話しやすいしいいのかな……。
その空間は、まさに豪華絢爛そのものだった。
宝箱がそのまま拡大して部屋になったかのような、そんな煌びやかな場所なんだ。
左右に陣取る軍楽隊の奏でる勇壮な小曲、列柱に刻まれた精巧極まる浮き彫り、玉座へと続く鮮やかなレッドカーペット等、隅々まで漂う威厳の芳香に、僕は陶酔や畏敬の念を抱いたほどだ。
それでも、普段から自分の豪邸やら、公爵令嬢の屋敷やらで少しは慣れていることもあって、そこまで緊張しないのはよかった。
この謁見の間に、主役である王様がまだ参られていないのもあるけど。
「「「「「……」」」」」
一方で、僕がもう一組招待した、【超越者たち】パーティーは、借りてきた猫のように縮みあがっていた。
まさか、僕の誘いでこんなところへ来るとは夢にも思わなかったっていうのもあるんだろうけど。
何か罠があるんじゃないかって不気味に感じていたとしても、断るのは難しかったはずだ。
何故なら、ここへ招待された僕たちの誘いを断るということは、すなわち王様の顔に泥を塗る行為に等しいからだ。
それに、彼ら【超越者たち】は、エドガータワー攻略で最前線を行くパーティーなので、ここへ来る権利は充分にあるわけだからね。
当然、彼らを呼ぶことはベホムたちに反対されたけど、その理由をしっかり話したら納得してくれた。それはこれからディランたちが身をもって思い知ることになるはずだ。
「――王様のおなり!」
「あ……」
侍従が前から出てきて勇ましく宣言したかと思うと、その場の空気が一瞬にして別物に変わるのがわかった。
やや遅れて青年風の男がゆっくりと闊歩してきて、玉座に座る。その姿を目にした途端、僕らは驚きつつも跪いた。
王様っていうと年を取ってるイメージがあるだけに、意外と若い人だったのでびっくりした。
もしかしたらそう見えるだけで、実際の年齢は結構いってるのかもしれないけど。
どっちにしろ、その風格と威厳はまともに正視するのが難しいほどで、僕たちはしばらく顔を上げることすらできなかった。
「よいよい。そう畏まらずに楽にしなさい」
「……」
穏やかな声が降ってきて、頭を上げると王様は屈託のない笑みを見せてくれた。
身に召された高貴さとは裏腹に、王様がとても親しみやすい人なのが伝わってくる。
「そなたら【狼の魂】パーティーの話、余は興味深く聞かせてもらった。その上、神の塔での勇姿も大いに楽しませてもらったぞ。誠に見事であった」
「あ、ありがたき幸せ――はっ……!」
ベホムがひれ伏した際、勢い余ったのかバランスを崩しそうになってしまって、周囲からどよめきや失笑が漏れる。ジェシカやロランなんてあちゃーと声を上げてしまったあとハッとした顔で口を押さえた。
それでも、ベホムが片手で頭を押さえて自身の失敗を笑い飛ばす仕草には、周りを和ませる不思議な力があった。
実際、その様子を見ていた王様が満足そうに何度か頷かれたほどだ。
「そなたらの仲睦まじい様子を見れば、パーティーの連携が巧妙なのも頷ける。正直羨ましいぞ。しかしだな、途中で何か問題が起きたのか、連携が崩れて混沌としておったゆえ、余は甚く驚いたものだ」
「……」
さすが王様。ダンジョン観戦が趣味というだけあってよく見ておられる。
「あのとき、そなたたちに一体どのような異変が生じたのか、説明できる者は誰かおらぬか?」
「はい、王様。その件については僕が説明いたします」
「おぉ、そなたは、回復術師のピッケルではないか! そなたが説明してくれるならば心強い!」
「僕の名前を憶えてもらっているとは、恐悦至極です、陛下……」
「そう畏まらずともよい、ピッケル。実を言うとだな、余はそなたの大ファンでな!」
「え、えぇっ……?」
「何? 知らぬ存ぜぬと申すか。もしや、そなたの師匠のミシェルから何も聞いてはおらぬのか?」
「え、えっと……聞いてるのは、僕たちのダンジョンでの戦いを王様が御覧になられるよう、師匠が働きかけて王室に便宜を図ってもらったってことくらいで……」
「ほうほう、そうだったのだな。そもそも、【狼の魂】パーティーをここへ招待したのも、そなたがおるからなのだ。ミシェルからピッケルという物凄い回復術師がいるという話をいつも聞かされておったゆえ、いつか対面してみたいと日々願っておったが、遂に念願が叶って喜ばしい限りだ!」
「ぼ、僕のほうこそ、光栄であり重畳です、王様……」
「うむ。ピッケルよ、これからは余のことを友人と思うがよい! して、どのようなことがあったのか詳しく話してくれぬか?」
「あ、はい、王様。喜んで」
「ん? これからは友人だと申したであろう。余の名はロスタフであるゆえ、名前で呼ぶがよいぞ!」
「あ、はい、ロスタフ様」
「様などつけるな。敬語もいらぬ! そなたのような回復術師は非常に稀有であり、比類なき存在なのだから、もっと矜持を持たぬか。師匠のミシェルも余の前ではフランクに接しておるゆえ、弟子のそなたも見倣うがよい」
「しょ、承知いたしました……じゃなくて、わかったよ、ロスタフ……」
「うむ、それでよい。上等だ。では、話してくれ、我が友よ」
「……」
周りが軽くどよめいてる。王様と友人同士になるなんて、なんだかとんでもないことになってきた。
でも、このほうが話しやすいしいいのかな……。
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