転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ

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それさえ終われば自由時間だ。リャドと時間が合えば遊んでいるが、それも合わなければ鑑定と創造のスキルを使用し、練習していた。
半年間練習していて分かったことがある。まずは鑑定。
なんと自分のことを鑑定するとステータスカードがなくてもステータスを確認することが出来た。毎回ステータスカードを取り出すことが煩わしかったため、これは嬉しい事だった。

最初は母さんの時と同じように名前と種族しか出なかったが、鑑定のスキルが上がった今はより詳しい事がわかるようになった。
スキルのレベルアップは熟練度によって上がっていくようだ。今の鑑定のレベルは8。その横には52/12800と書いてある。この数字は回数のようで1回鑑定する事にひとつずつ数字が増えていく。レベル1では100、レベル2では200、レベル3では400と倍々と増えていっているのでなかなかに大変だ。

レベル8では名前と種族、体力、魔力量、魔法属性、スキル、加護まではわかるようになった。スキルや加護については詳しいことまで分かるようになっている。

創造についてはこちらはレベル4だ。レベルが上がる事に隠蔽魔法を創造しているが未だ出来ていない。レベルが低い頃は大きなものを作るのは一苦労だったけど、今は食事用テーブルを作るぐらいなら難なく行える。
鑑定とは違って作ったら物が残るし、より鮮明にイメージしなければいけないから簡単にレベルが上がりにくい。

窓から村を見る。目の前にある人や物に対して一斉に鑑定をする。最初は1つずつ鑑定していたけどあまりにも時間がかかりすぎるので一斉に鑑定することにした。最初は目に入ってるものでも2~3個しか鑑定出来なかったが、数をこなす事に鑑定出来る数も増えていった。今では目に見える範囲のものは全て鑑定出来るようになった。

「ほんと地道な努力だよなぁ。前世に比べたら全然苦しくない努力だけど」

前世では他人に認められようと勉強や仕事を頑張ったけど、誰にも認められず達成感なんてなかった。それにやりたくない事でもやらなければならなかったので苦痛でしかなかった。

けれどスキルの練習は目に見えてレベルアップが分かるし、何より楽しい。苦痛に感じることがない。

「12歳までには隠蔽魔法を創造できるようにならなきゃだな」

俺には夢がある。神様に言われた通り世界を見てまわることだ。魔法があるこの世界にはもっとたくさんの面白いものや綺麗なものがあるはず。それを見てまわりたい。
けれど商人以外で村や国を行き来する人なんて珍しく、その他ではある職業ぐらいだ。
その職業とは“冒険者”だ。俺は冒険者になることを目指している。

冒険者は誰でもなれるが12歳以上でなければダメで、登録時にはステータスカード見せなければいけないらしい。嘘をついていないか確認するためだという。
俺は自分のステータスを隠すためにも隠蔽魔法の習得は必要なのだ。

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