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1章
大盛況
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賑わってしまったね。
大盛況になっちゃったね。
なにがって?
もちろん俺が住み込みで働いている魚屋さんだよ。
刺し身が大ヒットして、行列ができているね。
一番人気はアジの刺し身。2番人気はイワシの刺し身。
大皿に一人前づつ盛りつけているよ。
アジとイワシは一匹だいたい10~20ギルの相場。
日本円とギルは、ほぼおなじ価値だから、アジ一匹の仕入れが10~20円というわけね。
そのアジやイワシを1匹刺し身にして、398ギルで売っちゃう。
2匹だと680ギル。3匹で1000ギル。
買えば買うほどお得のバンドル販売だよ。
今のところ毎日500匹ぶんの刺し身が売れているから、店主は開店と同時にヒーヒー言っているね。
ちなみに、買われたお客さんには、サルトリーフと呼ばれる小皿のような葉っぱに刺し身を包んで渡しているよ。
サルトリーフは生でも食べれるし、薬用にもなる。エコだねー。
ついでに骨なし切り身も絶好調。
スープにしても、ムニエルにしても、骨が無いと食べやすいもんね。
予約注文まで入っているから、キキン国の人たちは望んでいたんだね。
忙し過ぎて、店主が過労死しそうなので、店主が見ていないところで刺し身を高速作成しておいたね。
俺が作れば一時間で300皿できちゃう。
さらにだけど、包丁の腕が上がった店主には、魚の干物にも挑戦してもらったね。
海が近いこの国では、肉を干してストックしておく習慣はあるけど、魚はない。
それに上手く干せれば、旨味が凝縮して絶品の味になるんだよね。
ついにキキン国に凄い鮮魚屋がある、と噂になり、今や、開店前から100人が列を作っているよ。
店主の奥さんは大喜びだ。
俺は店主に従業員を雇うのを強く進めたよ。
たんに仕事を楽に、スムーズに進める為もあるけど、調理技術を教えて、将来は魚屋さん2号店、3号店の店員として働いて欲しい。
チェーン展開して欲しいわけね。
そういった意味から、抵抗なく技術を身につけてくれる固定観念のない若い人材を希望したよ。
さっそくギルドに求人募集を出すと、続々と若者が訪ねて来たね。
将来性重視で、俺が15名チョイス。
店主も奥さんも、俺を信用して任せてくれているね。
◆
「すいません。噂を聞いて来たんですが……」
店じまいを終え、クタクタになった店主とお茶をすすっていると、勝手口から、鎖かたびらを着た恰幅の良い若者が入ってきた。
「あー、ごめんね。もう求人はしてないんだよ」
長剣を背中に差しており、どう見ても戦士。15歳くらいかな。
サラサラ金髪のイケメン。
羨ましくなったね。
「ここの包丁が凄いと、聞いたのです」
薄刃、出刃、刺し身包丁、肉切り包丁、野菜包丁、散髪用のハサミ。
同業者から、俺も俺もと包丁作成の依頼が入っていたのよね。
出し惜しみする必要もないから、注文に応じていろいろ作ってあげたけど、噂になっていたんだな。
「ああ、これだね」
包丁差しに、ずらりと並んだ各種包丁を目で示した。
本来なら包丁殺菌庫に収めたいところだけど、この世界にはまだない。
「見事です。これは素晴らしい……」
「さっき研いだばかりだから、気をつけて」
若者が刃先を指で触っているので注意したのだけど、ほら、切っちゃったよ。
「軽く滑らせただけなのに」
「そうですね。この世界の刃物は、押して切る。力で切る。人の手で切る。そんな考えですが――」
俺は明日の為に研ぎ上げた刺身包丁を取り出し、刃先を上に向け、その上に薄い紙を置いて滑らせる。
音も立てず半分になって落ちた紙を、若者が拾い上げる。
「す、素晴らしい……」
感動しているみたいだね。
大昔の名刀は、相手が切られたのも分からないほどの切れ味だったらしいね。
「これです! この切れ味が必要なんです!」
俺の肩を掴んで揺すっているけど、どうしちゃったの?
「ぜひ、私の為に剣を作ってくれないでしょうか!」
大盛況になっちゃったね。
なにがって?
もちろん俺が住み込みで働いている魚屋さんだよ。
刺し身が大ヒットして、行列ができているね。
一番人気はアジの刺し身。2番人気はイワシの刺し身。
大皿に一人前づつ盛りつけているよ。
アジとイワシは一匹だいたい10~20ギルの相場。
日本円とギルは、ほぼおなじ価値だから、アジ一匹の仕入れが10~20円というわけね。
そのアジやイワシを1匹刺し身にして、398ギルで売っちゃう。
2匹だと680ギル。3匹で1000ギル。
買えば買うほどお得のバンドル販売だよ。
今のところ毎日500匹ぶんの刺し身が売れているから、店主は開店と同時にヒーヒー言っているね。
ちなみに、買われたお客さんには、サルトリーフと呼ばれる小皿のような葉っぱに刺し身を包んで渡しているよ。
サルトリーフは生でも食べれるし、薬用にもなる。エコだねー。
ついでに骨なし切り身も絶好調。
スープにしても、ムニエルにしても、骨が無いと食べやすいもんね。
予約注文まで入っているから、キキン国の人たちは望んでいたんだね。
忙し過ぎて、店主が過労死しそうなので、店主が見ていないところで刺し身を高速作成しておいたね。
俺が作れば一時間で300皿できちゃう。
さらにだけど、包丁の腕が上がった店主には、魚の干物にも挑戦してもらったね。
海が近いこの国では、肉を干してストックしておく習慣はあるけど、魚はない。
それに上手く干せれば、旨味が凝縮して絶品の味になるんだよね。
ついにキキン国に凄い鮮魚屋がある、と噂になり、今や、開店前から100人が列を作っているよ。
店主の奥さんは大喜びだ。
俺は店主に従業員を雇うのを強く進めたよ。
たんに仕事を楽に、スムーズに進める為もあるけど、調理技術を教えて、将来は魚屋さん2号店、3号店の店員として働いて欲しい。
チェーン展開して欲しいわけね。
そういった意味から、抵抗なく技術を身につけてくれる固定観念のない若い人材を希望したよ。
さっそくギルドに求人募集を出すと、続々と若者が訪ねて来たね。
将来性重視で、俺が15名チョイス。
店主も奥さんも、俺を信用して任せてくれているね。
◆
「すいません。噂を聞いて来たんですが……」
店じまいを終え、クタクタになった店主とお茶をすすっていると、勝手口から、鎖かたびらを着た恰幅の良い若者が入ってきた。
「あー、ごめんね。もう求人はしてないんだよ」
長剣を背中に差しており、どう見ても戦士。15歳くらいかな。
サラサラ金髪のイケメン。
羨ましくなったね。
「ここの包丁が凄いと、聞いたのです」
薄刃、出刃、刺し身包丁、肉切り包丁、野菜包丁、散髪用のハサミ。
同業者から、俺も俺もと包丁作成の依頼が入っていたのよね。
出し惜しみする必要もないから、注文に応じていろいろ作ってあげたけど、噂になっていたんだな。
「ああ、これだね」
包丁差しに、ずらりと並んだ各種包丁を目で示した。
本来なら包丁殺菌庫に収めたいところだけど、この世界にはまだない。
「見事です。これは素晴らしい……」
「さっき研いだばかりだから、気をつけて」
若者が刃先を指で触っているので注意したのだけど、ほら、切っちゃったよ。
「軽く滑らせただけなのに」
「そうですね。この世界の刃物は、押して切る。力で切る。人の手で切る。そんな考えですが――」
俺は明日の為に研ぎ上げた刺身包丁を取り出し、刃先を上に向け、その上に薄い紙を置いて滑らせる。
音も立てず半分になって落ちた紙を、若者が拾い上げる。
「す、素晴らしい……」
感動しているみたいだね。
大昔の名刀は、相手が切られたのも分からないほどの切れ味だったらしいね。
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