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1章
革命
しおりを挟むファーストくんが説明を始めたよ。
あんまり興味なかったんだけど、正体を知られているから、無視もできないんだよね。
「このキキン王国が有している軍は2つあります」
1つは戦地に出向き攻防、あるいは国の治安を守る、アリシアちゃんとアハートさんたちが所属している自衛軍、総勢2150名のことだ。
ほとんどが一般人から強制的に集めた者たち。
もう1つは貴族の子供ばかりを集めた名衛軍、総勢78名。
親の七光りで名衛軍に入り、将来国を支える幹部候補になる。
「事実上、この国を守っているのは自衛軍です。名衛軍の連中は城内勤務で、ろくに武術訓練もしない。我ら自衛軍を鼻で笑い、小馬鹿にしているのです」
日本でいう、官僚みたいなもんだね。
「国王がツェーンの迷宮を探索し、その最下層に巣食うエインシェントの討伐を命じたのも、我ら自衛軍でした。国王ですら、我ら自衛軍が使い捨ての兵士と考えている。
この国の仕組みはおかしい。狂っているのです」
なんとなく分かってきたよ。
「つまりツェーン迷宮のボス・エインシェントを倒して、国王と名衛軍を見返したいんだね。自衛軍がいないと、この国はダメだって知らしめたいんだよね」
「いえ、違います」
あれ?
「エインシェントを倒すとドロップする幻のアイテムを手に入れ……この国を、……腐った国ごとぶち壊したいのです」
「……それって、もしかして」
「はい。革命です」
大それた野望があるんだ、ファーストくん。
「いまさらですが、私が自衛軍の総司令官です」
意外だよ。
でも納得。
「自衛軍2150名を率いて革命を起こす。そのためにも、幻のアイテムを手に入れたい」
「はあ……」
「ヒジカタさんに剣の作成依頼をしたのも、迷宮探索のためと言うより、我が軍の戦力アップのため」
「剣をわざわざ一から作る必要はありません。
2000作って欲しいといったのは、姉と妹がいたからでして、いま軍が各々所持している愛用の剣を、ヒジカタさんの体内で名刀に仕上げて頂ければそれで良いのです」
なるほどなあ。
だったら、早くできそう。
「ですが、いきなり剣が2000できあがると不審に思われるので、徐々に。ヒジカタさんの秘密は絶対に守らないと」
そうだよね。
「ツェーンの迷宮に乗り込むのは一週間後です。
取り敢えず兵士100名の剣をこちらに届けるので、できれば、対エインシェント用に剣を仕上げて頂きたい」
対エインシェント用の剣ねえ。
そんな都合よくできるかなあ。
「残りはゆっくりで、不思議に思われない程度でお願いします。部下にも誰にも、ヒジカタさんが剣を作っていることは極秘。知っているのは私と姉と妹だけに留めます」
ファーストくんは笑って、最後に言ったよ。
「剣作成の報酬は、私がこの国の政権を握ってからで良いでしょうか」
自信満々なんだ。
「ヒジカタさん、あなたが国王ですから」
「はいっ??」
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