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1章
尾行
しおりを挟むあの3人が気になる。
ファーストくんたちを尾行したよ。
もちろんSSたちはお留守番。ちょろちょろされたら見つかるからね。
ファーストくんとアリシアちゃんは20分ほど街を歩き、内区に通じるアーチ型の門を通ったよ。
内区。
キキンは、大きく内区と外区に別れるよ。
キキン城や貴族の住居、神殿や闘技場なんかを高い外壁で囲った内区と、
その内区の外側の区域を外区と呼ぶね。
俺の店舗も外区にあるよ。
2人は内区の自衛軍本部と表札がある大きな木造の建物に入ったね。
後を追いたいけど、門には武装した自衛軍が2名いる。
門番だね。
一般人が入るには許可が必要みたい。
まあ、俺には関係ないけど。
木陰に身を隠し、近くに誰もいないのを確認してから、下半身だけスライム化。
人間モードだとレベル1の能力しか出せないけど、身体の半分以上をスライム化すれば、本来のレベル8の能力が出せるよ。
――――――――――――――――――――
SSSレア・スライム LV 8
生命力 1280/1280
攻撃力 384
素早さ 11392
知能 384
運 384
『変形』
『ステータス確認』
『アイテム収納庫』
『分裂』
その他多数(詳細)
――――――――――――――――――――
だから、さっそく……。
びゅううううっ!
門番2名の間を、半分だけスライムの俺が激走したんだけど、通った後は砂が舞い上がり、落ち葉がゆらゆら落ちるだけ。
「おっ、風が強いぞ」
「くそ! ゴミが目に入っちまった」
やっぱり気づかないね。
さてと、建物に入ってみたんだけど、廊下の両端にいくつも部屋があり、1番奥の階段はキキン城に通じているみたい。
ファーストくんとアリシアちゃんは何処へ行ったんだろう。
あちこちに自衛軍がいて、舎内を高速移動しながら探すのは流石に無理かな。
一度外に出る。
ふと、さっき通った北門が騒がしい。
子犬が門番に捕まっていて、ひどく鳴いているけど……?
レベル1 SSレアスライム
(子犬 シロちゃん 変身中)
あれれ?
お留守番しときなさいと言ったのに、犬に変身して俺についてきたんだよ、もー。
「クソッ! どこから来やがった、この野良犬め!」
「くう~~ん」
「おい! 向こうにはガキが居やがる」
ホントだよ。
アーチ門から少し離れた納屋の影で人間姿のSSが5人、オロオロしているじゃないかよ。
結局全員俺についてきちゃったってことか。
「狂犬病対策だ。俺が片付けてやるぜ。……今夜は犬鍋だな」
なにこの世界、犬を食る文化なの?
門番が剣を抜いて、SSに近づく。
反射的に全身スライム化し北門まで高速移動。
振り下ろされた剣より先に、SSに触手を巻きつけて躱し離脱する。
そのまま増やした触手で、残りのSSたちも回収し突っ走しったよ。
「はやいね」
「身体がゆれちゃう」
「きゃっ、きゃっ♪」
ジェットコースターじゃないんだけどな。
魚屋店舗3階に到着した。
だいたい2秒くらいかな。
「人間の子供として振る舞うように、って約束したよね。お留守番しなさいとも言ったよね」
「う、う……うん。でも」
人間化した6人を一列に正座させて、お説教中だよ。
「でも、じゃないよ。犬に変身しちゃダメでしょ」
「じゃあ、人間の姿でついていくの」
「それ、もっと悪いから。ちゃんとお留守番してなさい」
「「「ぶーっ」」」
10
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