SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)

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1章

再び迷宮へ

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 ツェーン迷宮入口。  
            
 サキュバットたちが15~30匹の班で入るよ。 
 先頭はファーストとアリシアを含めた30名。 

 里帰りなのに慎重だね。
 モンスターに襲われた時の想定かな。 
 
 185名全員が洞窟に入った。

 なんで、俺が中継しているかって?
 はい。ヤツらを尾行したからね。
 
「そうだよ」
「ドキドキするね」
「洞くつひさしぶり♪」
「おなかすいた」
「かき氷たべたいな」

 その俺を尾行したSSたち。
 
「どうして、来ちゃうかなあ」

「「「いいじゃん」」」
「さみしい、やだもん」
「コウモリを倒すんでしょ?」
 
「知ってるの!」

「えへへ。ないしょ」
「あたちが教えたの」
「そうだっけ」
「ヒジカタの寝言で分かったんだよー」

「寝言」

「うん。さっきお昼寝してたら、ぶつぶつね」

 徹夜で監視したから、ついウトウトしたんだ。

 SSたちに、『俺の言う事をちゃんと守れる? お行儀よくできる?』と訊ねたら『うんできる』『やくそくする』『だいじょうぶ』と返事をしたので、連れて行くことにしたよ。


 粘っこい膜を通過して洞窟内部。

 俺たちはスライムに戻ったよ。
 やっぱり本来の姿は気持ちがイイね。
 SSたちがきゃっきゃっ、と騒ぎながら走り回る。

 俺を先頭でゾロゾロドラクエ行進していると、ボーンキラー・ウルフが倒れていたよ。
 サキュバットたちが殺ったみたい。

「「「わ~~い」」」

 SSたちが取り込もうとする前に、アイテム収納庫へ。

「「「ぶーぶー」」」

 人間化したら食欲は起きない。食べても、お腹が膨らむ程度しか食べられない。
 だけどスライムに戻ったら、本来のハイエナ精神が発動して、なんでも取り込んじゃう。
 レベルが低いと、顕著に現れるみたい。

 レベル8の俺は、貪欲じゃなくなったよ。
 じゅうぶん強いからだろうね。身体が成長を求めないんだと思う。

「あっちにもあるよ」
「ほんとだ」
「きゃっきゃっ」

 ずどどどどどどどどどどど。

 6匹のSSたちが、ボーンキラー・ウルフ目掛けて激走だ。
 だけど――。

 ひゅん。

 SSたちより早く、ウルフまで移動しアイテム収納庫へポイ。

「「「けちんぼ」」」

「ぐちゃぐちゃ言わないよー」

「「「ぶーぶー」」」

 サキュバットたちは先を急いでいるのかな、あちこち倒したままだね。
 ここら辺のモンスターは片付けたみたい。
 SSたちだけでも大丈夫そうだね。
 
 高速で進んだよ。
 進みながら、モンスターの死体を収納庫に収める。落ち葉拾いみたい。

「「あ~~ん!」」
「「ひどいー」」
「「いじわるー」」
 
 ずっと後ろから、玉ねぎ姿のSSたちが追っかけて来るね。

「ゆっくりおいで」

「まってー」
「おなかすいたー」
「だっこ」


 洞窟前方。
 岩石が入り組むその奥、人間の耳では聞き取れない微かな足音が届いた。
 ……8……12……、いや15匹。 
 サキュバットだろう。
 
「なんだあ?」

 声がした。
 一匹だけ。

 俺の姿が見えないのに、ヤツらもいちおうモンスターだね。

 続いて金属が擦れる音。
 抜刀し構えたな。
 
 俺が移動速度を上げると、オオオオオ、と共鳴音が響く。
 サキュバット姿の集団を発見。
 予想どおり15匹。ステータスは低い。

 一瞬で距離を詰める。
 触手を日本刀のように変形させ、手前のサキュバットの肩口から斜めに下ろし、
 その勢いのまま、2匹目の腰から頭部へ斬り上げ、さらに3匹目と4匹目の胴体を真横から真っ二つ。 
 新たに作った触手4本で右の2匹と左の2匹の心臓を串刺し――、抜く。

 超高速動作。
 サキュバットたちは剣を構えた形のまま停止している。
 斬られたのが、分からないみたい。

 触手を微振動させ付着血を落とす。
 身体に少し付いちゃったなあ。
 表面を撥水加工できたら良いんだけど、流石に無理だよね。

 遅れ、ゆっくりと倒れだしたサキュバットに、残り7匹が慌て始めたね。
 そう彼らの前にいる俺は、見た目は普通の青く透き通ったゼリー状のスライム。

「な、なにしやがった!」

「……仕返しね」

 ザンッ。ザシュッ。
 
 返事をする前に、剣化した触手が舞う。
 
 おっと、SSたちが到着する前に、アイテム収納庫に入れなくちゃね。
 
 
――――――――――――――

 ~収納庫~

 香り草 3
 伝説の剣 1
 ラミアフィッシュ 57
 ラミアフィッシュの卵 344
 ボーンキラー・ウルフ 12
 サキュバット 15

――――――――――――――


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