SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)

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2章

グルメグランプリ その2

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 キキン城内。
 1番広い東の庭。

 あちこちにある簡易テントでは、腕自慢の者たちが料理を作って販売しているよ。
 参加者多数のため審査は10日に分けて行われ、その期間中だけ、東の庭は庶民に開放される。
 ご当地B級グルメ大会みたいだな。 
 
 頭に鉢巻きをした料理人が、お皿を持って城に入って行くよ。
 できた者から順番に、食べてもらうわけね。

 お城の大広間を試食場にしてあり、審査員は10名ほどいるけど、みんな軍の偉い人みたいな服装だな。
 難しそうな顔をして、一口食べては、ペンで記入している。
 個々に得点をつけているんだね。

「次……。お前だ! 持って来い」

 いきなり指名されたよ。
 俺の順番じゃないんだけど、カルパッチョ風お造りを持っていたからだね。

 まあ、いいか。
 いくつもの審査済みの料理が並べられた長テーブルに、お造りを置くと、審査員たちがホークで刺してパクリ。
 
 パクリ。モグモグ。 
 ごっくん――。

「……、……」

 どうしたんだろう、みなさん沈黙だよ。

 パクパク。モグモグ。
 パクパクパクパク。
 パクパク。モグモグ。
 パクパクパクパク。

 一口どころか、ホークが何往復も行ったり来たりしているんだけど。

「おかわりを持て!」

「は?」

「耳が悪いのか! おかわりを持って来いと言ったのだぞ!」

「はあ……審査で、ですよね?」

「今ひとつ分かりにくいのだ。この品! 早うせい!」

「あーなるほど。少々お待ちを」

 かなり多めに持ってきたつもりだったけどな。
 まあいいけどね。

 5分後。

「お待ちどおさま! おかわりです」

「おおおおおおおおおおおお!」

 あれ? 
 ワインらしき液体が入ったグラスが審査員の手にあるけど。

「早う、ここへ置けっ!」

「はいはい」

 ――どん!

 長テーブルが揺れて軋んだよ。
 今度はどうかな。
 超ド派手だよ。

 2メートルの木舟に、鯛、ヒラメ、アワビの姿造りを盛りつけ、周囲にぶり、真タコ、ボタン海老で荒波を表現したよ。
 全ての魚を、ドレッシングが絡みやすい薄造りにして、味に飽きないよう5タイプのドレッシングを揃えたね。
 
 量もたっぷり、軽く20人前以上はあるぞ。
 さあ、食べれるもんなら、食べてみろっ!
 



 10分後――。

「あー、昼の審査はここまで」
「次は夜だな、夜!」
「ういぃ~、ヒックッ!」

 完食してるし。
 いや、もう審査じゃないだろ。 

 腰のベルトを1つ緩くした赤い顔の審査員たちが、千鳥足で大広間を出て行ったよ。
 食い逃げされた気分だね。


 ◆

 
 数日後。

 一次審査合格の通知が届いたよ。
 
「やっぱり。俺の眼に狂いはなかっただろ?!」

 店主が奥さんに自慢しているよ。

「なに言ってんだい! 参加者数も知らなかったくせに」

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