SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)

文字の大きさ
82 / 182
2章

ゲット

しおりを挟む
 
 ワサビ大量にゲット!
 
 途中に大量の稲穂が垂れている現場を発見していたので、着陸して味見させてもらったら日本の『ささにしき』に近い最高級の米だった。
 日本の『ささにしき』は強い粘りが特徴で、シャリに空気が入るよう軽くにぎっても、形が整ったままなんだよね。
 ここら一帯全部が『ささにしき』にそっくりな高級米の生産農家だったよ。 

 ヒトミさんもびっくり。 
 総生産量が少なく、ヴァーチェ国でも、ごく限られた人しか食べられない米だとか。
 
 ぜひ欲しいなあ。

 古米と新米の大量買い取りを依頼したら、みなさんあっさりOK。
 今後、毎年買い付け出来る約束も交せた。

 正直に話すと、ヒトミさんに農家の人の、売りたくなる値段や条件を読み取って貰っていたんだよね。
 ヒトミさんすごいね。貿易商人になったら大儲けできそう。
 
 米をアイテム収納庫に入れ、再び江戸みたいな街に戻る。 
 歩いていると、小さな白壁の商店があり、醤油そっくりな液体入りの大小のビンが並んでいたよ。
 
「ヒジカタさんが思っているのは、たぶん、これじゃないかと」

 買って店を出て、さっそく舐めてみる。 
 これだよ、これ、刺し身と相性が良いのは。

「うん。うん。ビンゴだ」

「やったー!」

 ヒトミさんがぴょんぴょん跳ねたよ。大喜びだね。
 でも大きな胸がたゆんたゆんして、目のやり場に困っちゃうよ。

「あ……」

 ヒトミさんが慌てて胸を両手でガードしたよ。

「ご、ごめんなさい。つい……」

「い、いえ……こちらこそ……」
 
 背中を向けちゃったヒトミさん。顔を両手で覆っているけど、耳まで真っ赤だね。

 落ち着いてから、店に戻り同じものを全部購入し、アイテム収納庫へ入れ、街をあちこち歩き、同じ商品を見つけて大人買いしたよ。
 そうしていると酢も発見したので買って試飲したら、寿司にピッタリの酢だった。
 もちろん大量買いだけど、店員さんが変な顔してた。気にしないよ。

 不思議……。
 事が上手く運びすぎて怖いんだけど。
 
 そうか、運が1200万だから? 
 まあ、どうでもいいよね。

「いえ、絶対にそうです。私にはステータス表は見えませんが、ヒジカタさんの心を覗いたので分かります」

 そうなんだ。

「だから、ぜひ『富くじ』を引いて欲しい」

 あ~、さっき、綿菓子、リンゴ飴、焼きそばなどの出店で賑わう神社の鳥居に、長い行列ができていたけど、あれかな?
 
「そうです。ヴァーチェでは、夏から秋にかけての祭りの時期に、富くじが各地で催されます。人口が少ない地方では、1等景品もささやかな品ですが、この街は人口も多いし、きっと良い景品が取れます」

 取れます……って、もう当たったみたいな言い方なんだけどヒトミさん。

「はい、運が1200万。絶対です!
 ずっと前ですけど、この国もキキン同様、ヴァーゲロ洞窟の結界弱体化で悩まされていました。
 今は結界が強化され安全ですが、ヴァーゲロ洞窟攻略に参加した軍兵士の話しだと、ボスのダーク・ツインサラマンダーは改心の一撃を連続して出し、軍の攻撃はことごとく外れたそうです。
 その運値は『1200』。ちょうどヒジカタさんの10000分の1」

 そうなんだ。
 
「仮に巨大隕石がこの星に激突して、世界が滅びたとしても、ヒジカタさんだけは無傷で生きている――、それくらいの幸運に恵まれているということ」

 ホントかなあ~。

「はい。絶対に」

 半信半疑で神社まで戻り、その行列に並んでみたよ。
 30分ほどで俺の順番になり、巫女さんに長細い箱を渡され、振って逆さまにしたら穴から棒が一本出てきた。

 先端が虹色だね。
 まじまじと見る巫女さん。ニッコリ微笑んで、

「大当たり~~~~っ!!」

 と鐘を鳴らしたよ。
 一斉にどよめきがわき上がったぞ。

「特賞おめでとうございます!」

 言ったとおりでしょ?
 声は聞こえないけど、自信たっぷりなヒトミさん。
 
「にゃ~ん♪」

 特賞景品は精米猫せいまいねこだった。
 製氷猫の仲間かな?
 
 使い方は簡単。
 お腹の袋の中に玄米を入れ、精米猫に餌を食べさせると、玄米を白米にしてくれる。
 しかも猫の喉元にダイヤルがあり、精米歩合せいまいぶあいが調節できる仕様だよ。

 分かりにくいかな。
 えっと、玄米(籾(もみ)から取り出したお米のことね)の周りには茶色いぬかがガチガチに付いていて、その糠をどこまで取り除くかを、精米歩合と言うよ。
 取れば取るほど白米に近づいちゃうけど、米糠はビタミンたっぷりだし、食物繊維やタンパク質、ミネラルと滅茶苦茶栄養価が高いんだよね。
 でも欠点があって、美味しくないってこと。
 
 だから現代日本では美味しさを優先して(糠に含まれた残留農薬除去と言う意味もあるけど)精米歩合90%の米が流通しているよ。
 
「にゃ~ん♪」

 よく考えたら、農家から購入した米は全部玄米なんだよね。
 精米すると言っても、精米機があるわけもないし。
 今の俺に1番必要だったと思う、この景品。



「もう外は真っ暗ですね」

「はい……」

「後は帰るだけですね」

「はい……」

「今日は、本当にありがとう」

「はい……」

「お腹空いたでしよう、何か食べませんか?」

 あっ!
 そういや、使徒のケイジがヒトミさんを夕食に誘ったのは今夜だったぞ。
 戻らないといけないのかな。

「……いいえ。戻る必要はありません……」

「そ、そうなんだ」

 すっぽかしちゃうってこと?

「はい……」

 思うこと全部筒抜けなんだね。

「はい……ヒジカタさんだけは、特別」

 嬉しいな。

「私もうれしい」

「あははは」「うふふふ」

「私、ヒジカタさんが作ったお寿司が食べたいです」

「じゃ……」

「はい♪」
 
 

――――――――――――――

 ~収納庫~

 香り草 3
 ラミアフィッシュ 52
 ラミアフィッシュの卵 340
 ボーンキラー・ウルフ 12
 サキュバット 138 
 醤油 104 
 ワサビ 88
 お酢 212
 米10キロ袋 233

 精米猫 1
 ヒトミさん 1

――――――――――――――


 ためらいもなく収納庫に入っちゃうヒトミさん。
 流石です。
 
 2分後にはキキンの寿司店舗に到着しましたよ。
 さあ、ご飯を炊いて、酢を合わせ、初めて出来たにぎり寿司を1番に食べて貰おうかな、ヒトミさんに。

しおりを挟む
感想 28

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

処理中です...