SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)

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2章

気分を変えて

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 コウくんをトイレに残し、俺は大司教さんの元へ。

 使徒のケイジに罪悪感なんか、これっぽっちもないだろうね。
 いままで、ずっと見下していた奴隷だ。
 表向きは優しく平等に振る舞っていても、本性は変わらない。
  
 他の使徒も似たようなもんだろう。
 直ぐには変わらない。変えられない。
 地球でも差別はあった。
 そんなもんだよ。
 
「よく分かった。今一度、我から説明しておこう」

「ありがとうございます、司教さん」

 大司教さんにチクっておいたね。
 これで、とうぶんは安全だろう。

 
 そろそろ、魚屋店舗に戻ろうかな。
 店主さんは、魚市場で魚を仕入れられただろうか?

 ちなみに、ハヤテ、ジン、エース。
 男の子SSたちはツェーン迷宮のモンスター掃除が終わり、今日から魚屋修行だよ。

 みんな俺の仕事を継ぐと言ってくれたからね。
 俺に気を使ってかもしれないけど。
 気にしない。気にしない。 
 やっていれば、魚屋が好きになるかもしれないし、途中で別の道を見つけたら、そっちに向かえばいい。
 
 何でもいいね。
 人と関わり合いながら、ひとつの事を極めていく。情熱を傾ける。
 その行為が大事。成長にはとても大事。

 まず、仕入れの基本。
 店主さんと一緒に市場へ同行させたよ。
 色々な魚を知る。時期や水揚げ量により変動する相場。
 市場の人とも知り合いにならないとダメ。

 さ~て、ハヤテたち、市場初体験はどうだったかな。


 ◆


 東商店街。
 石畳みの通りは、相変わらず人が多いね。
 
 すれ違う人や店先の従業員と挨拶をかわすよ。
 スライム走行すれば、一瞬で到着だけど、のんびり歩くのも好きだね。
 人と触れ合うのも、商売には大切。地域密着だね。

 みんな俺を知っていて、『刺し身のヒジカタ』『ヒジカタさーん』なんて、こやかに返してくれる。
 中には飴やパンをくれる人もいる。
 晴れやかな気分だよ。

 やがて、店主さんの威勢のいい掛け声が聞こえてきた。ハヤテたちも、いい声だしてるね。
 魚を仕入れられたみたい。
 店先の大量のトロ箱(木箱)にお客さんが群がり、魚がどんどん売れてる。 
 店主さんが俺の顔を見て、ニカッと笑ったね。 
 良かった。良かった。
  
 ハヤテたち男の子SSは、今日が初仕事。   
 調理から接客まで一通り教えているけど、まだまだだね。
 でも、奥さんたちには大人気。

 対応が親切丁寧だから――、新人さんだから――、と言うのと少し違うよ。

 SSたちは、身長170~180センチ、18歳、人間。
 そして、ちょっとイケメン。 

 特にエースかな。
 店主が近くにいるのに、わざわざ離れた場所のエースに魚の調理を希望しているね。
 エースの顔が一番整っている。ちょっと悪っぽい印象だけど、笑うと幼い顔になるんだよね。
 そのギャップが良いんだと思う。

 エースだけでも5人が調理の順番待ち。
 奥さんたちが、エースの包丁さばきにうっとり、ため息漏らしちゃってる。

「鯛の2枚卸し、半分カットのお客さま?」

「……あ、はい」

「お待たせしました。200ギルです」

 若奥さんは支払いでエースの手に触れ、ちょっぴり嬉しそう。

「明日も買いに来ますね」

 明日も会いに来ますの間違いじゃないかと思うね。
 手が空いた店主が、こちらでも調理しますよ~、と言ったけど、奥さんたち無視。ガンとして無視。
 お気に入りSSの列から離れないよ。

 店主の周りには、商売人や男どもばかり集まってる。 
 1時間くらい様子を見学したけど、明日から別の意味でも賑わいそう。
 まあ、いいよね。
 

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