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2章
白を切る 2
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「近くにいた魔法使い5名を捕獲したので、たぶん攻撃されないでしょう」
「ご苦労さまです、ヒジカタさん」
「……え?」
アシダダムの眼が点だね。
いつまでたっても、魔法はおろか何も起きない。
俺は捕まえた魔法使い5人の名前とレベル、使用可能魔法を読み上げつつ、
分からないように触手を床に這わし、アシダダムの脚に接触させているよ。
「どうだ、この5名がお前の魔法使いか」
「し、信じられねえ……。な、なんてヤツだ……」
「あ~~あ、よかった。5人ともお前の仲間だな」
「……ど、うして、そんな事まで」
「今、お前が心で愚痴っただろ? だからだよ。
ほう~、まだビンソン邸に控えがいるのか。……何人かは教えてもらってないんだね。
……なんだ、アシダダム。お前、ビンソンの右腕じゃないんだ。
他に……10人もいるのか……、ほう、地主のアソザス・ガガと……職人頭の……」
「やっ、やめろ――ッ!
勝手に他人の心を読むんじゃねー!」
「ごめんごめん、プライバシーを侵害しちゃったね」
「バカにしやがって、クソが……」
「じゃあ、この娘はどう? 見覚えがあるだろう」
ナリオールを収納庫から出し、アシダダムの前に突きつけたよ。
つんのめって倒れたナリオールは、キョロキョロ周囲を見回し、
「こ、……ここは……どこ?
たしか、怖い渦の中に入ったような気がしたけ――!
ア、アシダダム様ッ。ひえええええええええ!」
アシダダムに睨まれ、ナリオールは悲鳴を上げたね。
速攻で土下座。
「失敗して、す、すいませんっ! アシダダム様ッ!!」
「……し、知らんな、誰だお前? 馴れ馴れしい」
「え……そ、そんな、アシダダム様ぁ~」
「知らん知らん!」
「見捨てないでぇ~~っ!」
『ナリオールめ! 空気読めねえのかクソ馬鹿がっ! あーっ雇うんじゃなかった!』
『なんだ、アシダダム。知ってるじゃん』
『へ、……、……そ、そそその声は……ヒジカタ??』
『どうも~』
『なんで、俺の心の中に……』
『すいませんねえ、いろいろ出来ちゃう魚屋さんで~』
「勝手なことすんじゃねえ! クソ野郎っ!
出ていきやがれ。クソクソ!! クソが――っ!」
「なんでしょう、アハートさま。ビンソンが椅子に縛られたまま、1人でわめいてますけど」
「ヒジカタさんと口喧嘩、いえ脳内喧嘩をしているのよ、コウくん」
「なるほど」
『俺はしらねえぜ。こんな女なんか!』
心の中でも白を切るんだ。
『アシダダムよ。
別に白を切り続けても良いんだけど。
入る事になるよ、一生このアイテム収納庫に』
10
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