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障害編
16話【off duty】大橋 潤也 22歳:「おまえそれ、終わったわ」(新條編)
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「え? 甘いマスクのイケメン内科医で、元カレ? しかも、藍原先生がフラれたほうで、なのに相手が今になって復縁を迫ってる? ……新條、おまえそれ、終わったわ」
自分でもそんな予感がしてるけど、はっきりいわれると、さすがに刺さる。
「藍原先生がそっちに行かない理由がないよね。おまえとさあ、スペック違いすぎ。すべてにおいて負けてるじゃん。見た目も冴えない大学生、就職先も給料も負け確定の理学部、おまえのほうからごり押ししてやっと彼氏になれた状態、だろ? ははは、ご愁傷様」
「うるせーよ」
さすがにムカつく。勝手に人んちに押し掛けてきて、人んちの缶ビール飲みやがって、暴言吐きまくって。いい加減縁切ってやろうか、大橋。
「ああ、でもさあ、おまえらが別れると、俺、困るんだよね。楓さんと会う口実が減っちゃうじゃん」
別れるの確定みたいにいってんじゃねーよ。
「温泉旅行の話だって、もう宿予約しちゃったからね? それまでに別れたりしないでよね? ……ああ、それはそれでいいか。あわよくば俺と楓さん、ふたりきりで行けちゃうもんね」
「おまえとふたりになったら、楓さん、キャンセルするんじゃん?」
「……そうなんだよね、実は俺も、それ、心配してるんだよねー」
なんだ、嫌味のつもりだったけど、大橋、自分の立場わかってんじゃん。
「なー、それまでは藍原先生死守しろよ? なんてったって、露天風呂だからな!? それも、混浴だからな!?」
「混浴!?」
「おうよ! 難しかったんだぜ、混浴でよさそうなところ探すの。男風呂と女風呂があって、その間に、混浴露天風呂があんのよ。もう、最高だろ!? 俺さあ、今から楽しみでしょうがないんだよね。楓さんと一緒に入れるしさ、しかも、もしかしたら、藍原先生だって混浴のほうに来てくれるかもしれねーだろ!?」
「なんだよおまえ、また藍原先生の体目当てかよ」
「いやあ、好きなのはあくまでも楓さんよ? でもさ、あの巨乳がバスタオル巻いて露天風呂に入ってきたらさぁ……うあーやべえ! 想像しただけで鼻血出そう!」
「人の彼女でエロい想像してんじゃねーよ」
「もうすぐおまえの彼女じゃなくなるからいいだろ」
「殺すぞ大橋」
これでも結構参ってんだ、傷えぐってくるんじゃねーよ。
「でもさあ。藍原先生って、優しいじゃん?」
突然大橋がマジな顔をしていう。
「自分が元カレになびいたら、おまえを傷つけちゃうからってさ、自分からは別れたいっていえないかもね?」
「え……?」
「だからさあ、おまえはフラれない限り藍原先生にしがみつくつもりかもしれねえけどさ、本当に藍原先生のことを考えるんだったら、おまえから、別れてあげたほうが、いいんじゃん?」
……なんだよ、それ。なんで、別れたくないのに、俺から別れなきゃいけないみたいな話になってんだよ。
「もう大学3年なのにさ、将来何になりたいかも決まってないようなしょーもない三流大学生はさ、一流の医者の彼女を束縛する権利はないんですよ。藍原先生だって、もう30くらいだろ? 俺らにはわからないけどさ、女の人って、将来のこと考えて、30過ぎるあたりから焦り出すんだろ? 先の見えないおまえが、ずっと引き留めていていい人じゃねーだろ」
……くそ。大橋のくせに、正論いいやがって。
「……おまえと酒飲むと、クソまずいわ」
いうに事欠いて悪態をつくと、大橋はさも楽しそうにゲラゲラと笑った。
「俺はおいしいよ、他人の不幸は蜜の味!」
……なんだかんだで楽しそうなおまえと楓さんの関係が、ある意味うらやましいよ、大橋。
自分でもそんな予感がしてるけど、はっきりいわれると、さすがに刺さる。
「藍原先生がそっちに行かない理由がないよね。おまえとさあ、スペック違いすぎ。すべてにおいて負けてるじゃん。見た目も冴えない大学生、就職先も給料も負け確定の理学部、おまえのほうからごり押ししてやっと彼氏になれた状態、だろ? ははは、ご愁傷様」
「うるせーよ」
さすがにムカつく。勝手に人んちに押し掛けてきて、人んちの缶ビール飲みやがって、暴言吐きまくって。いい加減縁切ってやろうか、大橋。
「ああ、でもさあ、おまえらが別れると、俺、困るんだよね。楓さんと会う口実が減っちゃうじゃん」
別れるの確定みたいにいってんじゃねーよ。
「温泉旅行の話だって、もう宿予約しちゃったからね? それまでに別れたりしないでよね? ……ああ、それはそれでいいか。あわよくば俺と楓さん、ふたりきりで行けちゃうもんね」
「おまえとふたりになったら、楓さん、キャンセルするんじゃん?」
「……そうなんだよね、実は俺も、それ、心配してるんだよねー」
なんだ、嫌味のつもりだったけど、大橋、自分の立場わかってんじゃん。
「なー、それまでは藍原先生死守しろよ? なんてったって、露天風呂だからな!? それも、混浴だからな!?」
「混浴!?」
「おうよ! 難しかったんだぜ、混浴でよさそうなところ探すの。男風呂と女風呂があって、その間に、混浴露天風呂があんのよ。もう、最高だろ!? 俺さあ、今から楽しみでしょうがないんだよね。楓さんと一緒に入れるしさ、しかも、もしかしたら、藍原先生だって混浴のほうに来てくれるかもしれねーだろ!?」
「なんだよおまえ、また藍原先生の体目当てかよ」
「いやあ、好きなのはあくまでも楓さんよ? でもさ、あの巨乳がバスタオル巻いて露天風呂に入ってきたらさぁ……うあーやべえ! 想像しただけで鼻血出そう!」
「人の彼女でエロい想像してんじゃねーよ」
「もうすぐおまえの彼女じゃなくなるからいいだろ」
「殺すぞ大橋」
これでも結構参ってんだ、傷えぐってくるんじゃねーよ。
「でもさあ。藍原先生って、優しいじゃん?」
突然大橋がマジな顔をしていう。
「自分が元カレになびいたら、おまえを傷つけちゃうからってさ、自分からは別れたいっていえないかもね?」
「え……?」
「だからさあ、おまえはフラれない限り藍原先生にしがみつくつもりかもしれねえけどさ、本当に藍原先生のことを考えるんだったら、おまえから、別れてあげたほうが、いいんじゃん?」
……なんだよ、それ。なんで、別れたくないのに、俺から別れなきゃいけないみたいな話になってんだよ。
「もう大学3年なのにさ、将来何になりたいかも決まってないようなしょーもない三流大学生はさ、一流の医者の彼女を束縛する権利はないんですよ。藍原先生だって、もう30くらいだろ? 俺らにはわからないけどさ、女の人って、将来のこと考えて、30過ぎるあたりから焦り出すんだろ? 先の見えないおまえが、ずっと引き留めていていい人じゃねーだろ」
……くそ。大橋のくせに、正論いいやがって。
「……おまえと酒飲むと、クソまずいわ」
いうに事欠いて悪態をつくと、大橋はさも楽しそうにゲラゲラと笑った。
「俺はおいしいよ、他人の不幸は蜜の味!」
……なんだかんだで楽しそうなおまえと楓さんの関係が、ある意味うらやましいよ、大橋。
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